ファクタリングの方式には何があるのか？各種類をわかりやすく解説

ファクタリングには非常に多様な仕組みや方式が存在しており、それぞれが独自の特徴を持つだけでなく、メリットやデメリットも大きく異なります。そのため、ファクタリングの導入を検討している企業の担当者の中には、「自社にとって最も適したファクタリング方式はどれなのか」「数あるサービスの中からどのサービスを選択すればよいのか」と悩み、判断に迷うケースも決して少なくありません。
特に資金繰りに課題を抱える中小企業やスタートアップ企業にとっては、適切なファクタリング方式を選ばなければ、本来期待していた資金調達の効果を得られないばかりか、場合によっては予期せぬコスト負担や新たなリスクが発生してしまう恐れもあります。そのため、ファクタリングの各方式が持つ特徴や仕組みをしっかりと理解し、自社の業務状況や資金調達の目的、さらには売掛先の信用状況なども踏まえたうえで、最適な方法を慎重に選択することが非常に重要となります。こうした適切な選択をすることで、効率的かつ安全に資金繰りを改善し、経営の安定化を図ることが可能になるでしょう。

この記事では、ファクタリングにおける代表的な方式やその基本的な仕組みについて詳しく解説していきます。加えて、それぞれの方式が持つ長所（メリット）と短所（デメリット）についても具体的に紹介しますので、初めてファクタリングの利用を検討している方でも理解しやすい内容となっています。

これからファクタリングを活用して資金調達を行いたいとお考えの方や、すでに利用を検討中の方は、ぜひ本記事を参考にして、自社に最適なファクタリングの活用方法を見つけていただければと思います。

売掛債権を譲渡するファクタリングとは何か

ファクタリングとは、企業が保有する売掛債権をファクタリング業者に対して譲渡し、その対価として現金を受け取ることで資金を調達する手法の一つです。これは、資金繰りを円滑にするための有効な手段として、特に中小企業を中心に広く活用されています。
「債権」という言葉は、ビジネスの現場や金融関連の話題で耳にしたことがあるという方も多いかもしれません。債権とは、簡単に言えば、ある人（債権者）が、特定の相手（債務者）に対して一定の行為、たとえば金銭の支払いなどを請求することができる法律上の権利のことを指します。
私たちの生活の中では、商品を購入する際には、原則としてその場で代金を支払う「即時決済」が主流です。しかし、企業間取引においては事情が異なります。多くの企業では、商品の納品やサービスの提供を受けた後、その代金を取引日の翌月末、または翌々月末といった期日にまとめて支払う「掛取引（信用取引）」という方法が一般的に行われています。

そのため、多くの中小企業は、日々の営業活動を通じて得られた取引の対価として「売掛金」や「未収金」などの債権を保有しており、それらは将来的に現金として回収できる見込みのある資産となります。しかし、実際に現金が手元に入るまでには一定の時間がかかるため、急な資金需要が発生した場合には、こうした債権を活用して早期に資金化する必要が出てくることもあります。

そこで登場するのが、売掛債権を譲渡することで即座に現金化できる「ファクタリング」という仕組みです。これにより、企業は資金回収を待たずにキャッシュフローを改善することが可能となります。

それでは次に、具体的にファクタリングにはどのような方式があり、それぞれどのような仕組みで資金を調達できるのかについて、詳しく解説していきます。

ファクタリングは売掛債権を売却する資金調達方式

ファクタリングとは、個人で事業を営む自営業者や法人企業が利用する、代表的な資金調達手段の一つです。この方法では、企業が取引先に対して持っている「売掛債権」をファクタリング会社（専門業者）に売却することで、一定の手数料を支払う代わりに、短期間で現金を手元に確保することが可能になります。資金調達のスピードを重視する企業にとって、非常に有効な手段といえるでしょう。
特に、法人同士で商品やサービスをやり取りするBtoB（Business to Business）の取引においては、「信用取引」や「後払い方式」が一般的に用いられています。つまり、商品を納品したりサービスを提供したその場では代金を受け取らず、1か月後や2か月後など、一定期間が経過した後に請求書を発行し、代金が支払われるという形式です。

こうした取引形態では、商品やサービスの提供から入金までにタイムラグが生じるため、企業側はその間、手元資金が不足するリスクや、売掛金が期日までに回収できないという未回収リスクを抱えることになります。特に中小企業やベンチャー企業にとっては、この資金の空白期間が経営に大きな影響を与えることも少なくありません。

そのような背景から、多くの企業がファクタリングを活用することで、急な資金ニーズが発生した際にもスムーズな資金調達が可能になり、さらに売掛金が未回収となるリスクに対しても、効果的なヘッジ手段として機能するのです。事前に保有している売掛債権を現金化することにより、企業は安定した資金繰りを維持しやすくなります。

ファクタリングはもともと欧米諸国、特にアメリカやヨーロッパで広く普及してきた金融サービスであり、長年にわたり企業の資金管理やリスク回避の手段として活用されてきました。近年では、こうした利便性の高さが評価され、日本国内においてもファクタリングの利用ニーズが着実に増加しており、様々な業種や業態で導入が進んでいます。今後もさらなる普及が見込まれる注目の資金調達方法といえるでしょう。

ファクタリングは違法なのか

ファクタリングの利用を検討している方の中には、「この仕組みは本当に合法なのか」「もしかすると、何かしらの違法性があるのではないか」といった不安や疑問を感じている方も少なくないでしょう。特に、資金の流れや契約が絡む取引であることから、慎重な姿勢を取るのは当然のことです。多くの経営者や財務担当者が、リスクを避けたいという思いから、このような懸念を抱くのは自然な反応と言えます。
結論からお伝えすると、ファクタリングという仕組み自体は、日本国内の法律に照らして明確に違法とされているわけではなく、現行の法令において合法的に認められている資金調達の方法です。実際、国内外のさまざまな企業が、売掛金を早期に資金化し、資金繰りを改善したりキャッシュフローを安定させたりする手段として、日常的にファクタリングを活用しています。特に銀行融資の審査が厳しい中小企業や、資金調達のスピードを重視するスタートアップ企業にとっては、有効な資金戦略のひとつとして広く普及しています。

しかしながら、注意すべき点もあります。というのも、ファクタリングという制度そのものが合法であっても、すべてのファクタリング業者が法律に則って健全なサービスを提供しているわけではありません。残念ながら、一部には違法または悪質な営業を行っている業者も存在しており、法の抜け穴を突くような形でサービスを展開しているケースも報告されています。たとえば、売掛債権の売買という名目を使いながら、実質的には貸金業と変わらない高金利を課していたり、契約内容が非常に不透明で利用者に不利な条件が隠されていたりすることがあります。

このような業者と契約してしまうと、法的トラブルに発展するリスクや、企業の信用に悪影響を及ぼす可能性もあるため、業者選びは慎重に行う必要があります。利用を検討する際は、必ず複数の業者を比較し、契約条件や手数料、過去の実績、そして口コミや第三者機関の評価などを確認することが大切です。安心してファクタリングを活用するためにも、正しい知識を持ち、信頼できる業者を見極める目を養いましょう。

違法性が疑われる業者には、次のような特徴が見られることが多いため、利用前に慎重にチェックすることが重要です。

・手数料の設定が極端に高額で、常識の範囲を超えている
・会社の所在地や担当者の連絡先が不明瞭、もしくは対応が不誠実
・契約書を交わさない、あるいは契約内容が曖昧である
・ファクタリングであるにもかかわらず、支払いを分割で行う方式を採用している
・必要以上に継続的な取引を強く勧めてくる

これらに該当するような業者とは、どんなに条件が良さそうに見えても取引すべきではありません。契約書がないまま資金が動くようなケースは、後々のトラブルを招く可能性が極めて高く、法的保護も受けにくくなります。
また、特に問題視されているのが、「給与ファクタリング」と呼ばれる形式です。これは、労働者個人が将来受け取る予定の給与債権をファクタリング業者に譲渡するという形をとりながら、実質的には貸金業に該当する取引です。そのため、正式に貸金業の登録をしていない業者が給与ファクタリングを行うことは、法律違反となり、違法営業、つまりいわゆる「ヤミ金」として扱われます。

このような業者は、非常に高額な手数料を請求することが多く、利用者の生活を圧迫し、経済的に追い込むケースが多数報告されています。実際、金融庁をはじめとする関係当局も、こうした違法業者への注意喚起を積極的に行っており、トラブルに巻き込まれないための情報提供が強化されています。

このように、ファクタリングそのものは法律に基づいて適正に運用すれば、非常に有効な資金調達手段となる一方で、悪質な業者との取引は重大なリスクをはらんでいます。ファクタリングを利用する際は、契約内容や業者の実態をよく調べ、信頼できる会社と取引を行うよう、細心の注意を払うことが求められます。

ファクタリングの代表的な方式は2種類

ファクタリングにはさまざまな仕組みがありますが、代表的な取引方式としては「買取ファクタリング方式」と「保証ファクタリング方式」の2種類が存在します。それぞれの方式には異なる特徴があり、活用する目的や企業の状況によって適した選択が求められます。
「買取ファクタリング方式」は、売掛債権をファクタリング業者に売却することで、早期に現金化することを目的とした方式です。一方の「保証ファクタリング方式」は、売掛先の倒産や支払遅延などによる貸し倒れリスクを回避するために活用される仕組みです。
このように、ファクタリングの方式によって、得られるメリットや注意すべきデメリットが大きく異なります。したがって、これらの違いをしっかりと理解し、自社の目的や状況に最も適した方式を選ぶことが重要です。ファクタリングを効果的に活用するためには、事前の情報収集と比較検討が欠かせません。

買取ファクタリング方式とは

買取ファクタリング方式は、現在最も主流で広く利用されているファクタリングサービスの方式のひとつです。この方式では、企業が保有する売掛債権をファクタリング業者に売却し、その対価として現金を迅速に手元に受け取ることができます。特に資金繰りが厳しい企業にとって、素早く資金を調達できるため非常に有効な手段となっています。
買取ファクタリング方式を利用する主なメリットとしては、まず資金を手にするまでの時間が非常に短いことが挙げられます。また、この方式は借り入れではないため、保証人や担保を用意する必要がないのも大きな利点です。そのため、銀行融資などのような複雑な審査や手続きが不要で、スムーズに資金調達が可能です。
一方でデメリットとしては、手数料が発生するため、売掛債権の本来の額面よりも少ない金額しか受け取れない点があります。加えて、買い取られる売掛金の金額を超えて資金を調達することはできません。つまり、ファクタリング業者が買い取る売掛金の範囲内でしか資金化できないため、資金調達可能額には限りがあることも理解しておく必要があります。

保証ファクタリング方式とは

保証ファクタリング方式は、売掛金の貸し倒れリスクをヘッジすることを主な目的として利用される方式です。この方式を利用することで、売掛金が適切なタイミングで回収できない場合や、未回収による連鎖的な倒産のリスクを未然に防ぐことが可能となります。特に取引先の経営状況が不透明な場合や信用リスクが懸念される場合に、有効なリスク管理手段として活用されています。
また、保証ファクタリング方式の大きなメリットとして、ファクタリング業者が売掛先企業に対して与信調査を行う点が挙げられます。これにより、自社で複雑な与信調査を行う必要がなくなり、調査にかかる手間やコストを削減できるのは大きな利点です。専門のファクタリング業者が信用状況を評価してくれるため、より安心して売掛金の管理が行えます。
しかしながら、一方で注意すべきデメリットも存在します。例えば、取引先の信用度が低い場合は保証料が高額になることがあり、コスト面での負担が増す可能性があります。さらに、信用リスクが非常に高いと判断された場合には、そもそも保証ファクタリングのサービス自体を利用できないケースもあります。そのため、契約前にしっかりと取引先の信用状況を把握し、サービスの利用条件や費用面を十分に検討することが重要です。

ファクタリングの主な取引方式について

ファクタリングには、取引の形態や特徴によってさまざまな方式が存在します。代表的な取引方式としては、大きく分けて「2社間ファクタリング方式」と「3社間ファクタリング方式」の2つがよく知られています。これらはそれぞれ取引の関係者や手続きの流れに違いがあり、利用目的や企業の状況に応じて適した方式が選ばれます。
また、それ以外にも特定の業界や用途に特化したファクタリングの仕組みがあります。例えば、医療機関や病院が利用する「診療報酬債権ファクタリング方式」や、輸出入取引を行う企業が利用する「国際ファクタリング方式」などが挙げられます。これらはそれぞれの業界の特性に合わせて設計されており、一般的なファクタリングとは異なる独自のルールや手続きがあります。
ここではまず、ファクタリングの基本となる「2社間ファクタリング方式」と「3社間ファクタリング方式」について、それぞれの特徴や仕組みを詳しく見ていきましょう。これらの理解が、ファクタリングを上手に活用するための第一歩となります。

2社間ファクタリング方式

2社間ファクタリング方式とは、ファクタリングを利用する企業（債権者）とファクタリングサービスを提供する業者（ファクタリング会社）の2者のみで契約・取引が完結するファクタリングの形式です。特徴的なのは、売掛先の企業（債務者）が契約に関与せず、通知や同意を必要としない点です。
この方式の大きなメリットの一つが、取引先にファクタリングを利用している事実が知られにくいという点です。取引先との信頼関係や今後のビジネス関係に配慮しながら資金調達を行いたい企業にとっては、非常に有利な方法といえるでしょう。
また、手続きが比較的迅速に進むことから、資金化までのスピードが早い点も魅力の一つです。さらに、ファクタリング会社によっては「償還請求権なし（ノンリコース）」の契約を採用しているケースも多くあります。これにより、仮に売掛先からの入金が滞り、売掛金が回収できなかった場合でも、利用企業が責任を負わず、ファクタリング会社がその損失を負担するという仕組みになっていることもあります。

ただし、その一方でデメリットも存在します。売掛債権の回収が不確実になるリスクを考慮し、ファクタリング会社はリスクヘッジのために手数料を高めに設定する傾向があります。また、債務者が契約に関与しない分、利用者（債権者）自身の信用力が重要視されるため、契約前の審査が厳しくなることも多いです。

このように、2社間ファクタリングは「取引先に知られずに資金調達したい」「早急に現金化したい」といったニーズに適している一方で、コストや審査基準の面では注意が必要な方式と言えるでしょう。

3社間ファクタリング方式

3社間ファクタリング方式とは、ファクタリングの利用者（債権者）とファクタリングサービスを提供する業者（ファクタリング会社）に加えて、売掛先の企業（債務者）も契約に参加する形式のファクタリング方法です。つまり、3つの当事者すべてが関与する形で債権の譲渡と支払い手続きが行われるのが、3社間ファクタリングの大きな特徴です。
この方式では、売掛先企業がファクタリング契約に同意し、ファクタリング業者に対して直接、売掛金の支払いを行うため、債権回収の確実性が非常に高くなります。その結果として、ファクタリング会社にとってもリスクが少ない取引となるため、手数料が比較的低めに設定される傾向があるというのが大きなメリットの一つです。
さらに、3社間ファクタリングでは、売掛先からの代金が直接ファクタリング会社に支払われることから、仮にファクタリング利用企業が売掛金を受け取った後に経営破綻してしまうといったリスクも発生しません。倒産による資金の持ち逃げが起きにくい構造であることから、ファクタリング業者による利用者への信用審査も2社間方式と比べてそれほど厳しくならない傾向があります。審査に不安を抱える企業にとっても、検討しやすい方式といえるでしょう。

ただし、この方式にはいくつかの注意点やデメリットも存在します。まず、ファクタリングの契約に売掛先を巻き込む形となるため、売掛先にとっては新たな手続きや確認作業が発生し、負担が増えることになります。その結果、利用者と売掛先との間でこれまで築いてきた信頼関係に悪影響が及ぶ可能性も否定できません。

特に、売掛先がファクタリングの仕組み自体を十分に理解していない場合には、「信用に問題があるのでは」と誤解されるリスクもあり、契約そのものを断られてしまうケースも実際にあります。したがって、売掛先の理解と協力が得られない限り、この方式をスムーズに導入するのは難しいと言えるでしょう。

また、売掛先からの同意取得や手続きに時間がかかることがあるため、資金が手元に入るまでのスピードは2社間ファクタリングよりも遅くなりやすいという点も、デメリットとして挙げられます。即日資金化を希望するような緊急性の高いケースには、必ずしも向いていない可能性があります。

このように、3社間ファクタリング方式は、手数料を抑えつつリスクを軽減できるメリットがある一方で、取引先との関係性やスピード感に注意が必要な仕組みです。導入前には、売掛先との関係性や理解度を含めた総合的な判断が求められます。

ファクタリングを利用する際に押さえておきたい注意点

非常に便利で手軽に資金調達ができるファクタリングですが、利用する際にはいくつかの注意点も存在します。まず、一刻も早く資金を得たい場合にファクタリングの利用を検討している方は、審査に一定の時間や手間がかかる可能性があることをしっかり理解しておきましょう。もちろん、銀行の融資と比べると審査は比較的素早く終わるケースが多いですが、企業の信用度や取引実績によっては、複数の書類を用意する必要があり、その準備に手間がかかる点は変わりありません。
また、ファクタリングの手数料率についても注意が必要です。手数料率は申込みをして審査を受けないと正確な数字が分からないため、事前におおよその目安を確認したとしても、自社に適用される具体的な手数料は見積もりを取って初めて判明します。そこで、少しでも費用を抑えたい場合は、複数のファクタリング会社から見積もりを取り、手数料率や条件を一覧で比較検討することが非常に重要です。この比較を怠ると、思わぬ高い手数料を支払うリスクもあるため注意しましょう。
さらに、ファクタリングの取引においては「分割返済ができない」という点も大切なポイントです。分割返済は貸金業者の業務範囲に該当するため、ファクタリング業者では分割払いの対応ができません。したがって、契約時には一括での支払いが求められます。逆に、ファクタリングをうたっているにもかかわらず、分割返済を認めるといった条件を提示してくる業者がいた場合は、悪質な業者や詐欺的な業者である可能性が高いので、十分に警戒する必要があります。

このように、ファクタリングを活用する際は便利さだけでなく、審査の手間や手数料の確認、返済条件の厳守などの注意点を把握したうえで、安心して取引できる業者を慎重に選ぶことが大切です。

まとめ：ファクタリングの方式を正しく理解しよう

この記事では、ファクタリングの代表的な方式やその仕組みについて詳しく解説しました。ファクタリングと一言で言っても、その利用目的や取引の仕組みは非常に多岐にわたります。例えば、迅速に資金調達を希望するケースや、売掛金の未回収リスクに備えたい場合など、企業ごとに異なる目的に応じて最適なファクタリング方式が変わってくるのです。また、ファクタリングには「支払条件」や「割引率」など、取引において重要な要素が多数存在し、これらの条件を一覧で比較検討することが、適切かつ有利な契約を結ぶためには非常に重要となります。
さらに、ファクタリングの取引方式は大きく分けて2種類あります。ひとつは、ファクタリング業者と利用者のみが関わる「個別取引方式」であり、もうひとつは、売掛先も巻き込んで取引を行う「三者間取引方式」です。これらの方式のどちらを選択するかによって、受けられるメリットや発生し得るデメリットが大きく異なります。特に、少額の売掛金を取り扱う場合と比較的大きな金額を扱う場合とでは、適用される割引条件や手数料率が変動することも多く、自社の資金状況や経営方針に合わせて最適な方式を選ぶことが求められます。

したがって、ファクタリングを利用する際には、まず自社の現状や売掛先との信頼関係をしっかり見極め、そのうえで支払条件や割引率の一覧を参考にしながら最も適したファクタリング方式を選択することが重要です。また、ファクタリング業界には残念ながら悪徳業者も存在しますので、契約に先立って業者の評判や取引条件を十分に調査・確認し、慎重に依頼先を選定することが不可欠です。このような注意を払うことで、安心してファクタリングを活用でき、自社の資金繰り改善や経営の安定化につなげることができるでしょう。