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ファクタリングコラム

「債権譲渡」と「対抗要件」を具備する方法と目的とは?

ファクタリング

2023年6月29日

売掛債権を売却し現金化する「ファクタリング」は、売掛債権の譲渡契約を結び行なう資金調達方法です。
「債権譲渡」を行なうには法的に効力のある大きく分けて3つある選択肢のいずれかを選ぶことが大切であり、正しく債権を譲渡することで新たな債権者が「対抗要件」を具備することができるようになります。
本稿では債権譲渡について、そして対抗要件を具備する目的と方法について解説させていただきます。

債権譲渡とは「債権を譲り渡す」こと

債権とは「特定の人(債務者)に対して債権者側が一定の行為を請求する権利」のことを指します。
具体的に言えば、お金を貸した相手に対して返済を要求する権利などです。
そして債権を他の人物に譲渡し、譲り渡された人物が新たな債権者となる行為を「債権譲渡」と呼びます。

債権の譲渡は法的にも認められている

債権の譲渡に関しては民法第466条で「債権は譲り渡すことができる。」と明記されており、法的に問題はありません。
2020年4月1日に改正民法が施工されるまでは、譲渡制限特約が付けられている債権に関しては債権者と債務者の合意がないと譲渡が難しい状況でしたが、民法改正後は特約付きの債権の譲渡も譲受人が悪意ある行動や重大な過失を犯すことがない限りは認められるようになりました。
民法改正にはファクタリングのような売掛債権を活用した資金調達方法が、それ以前よりも利用しやすくなったという恩恵もあるのです。

債権譲渡は「対抗要件」を具備することが重要

債権譲渡を行なう際には、「対抗要件」を具備できる方法で譲渡が行なわれていたのかが重要となります。
債権譲渡における「対抗要件」とは、債務者に対して請求する権利を主張するための条件と言い換えることができます。
対抗要件を具備していない場合、万が一トラブルが発生して権利を主張しなければいけなくなったとしても、権利を相手側に認めさせることが難しくなってしまうのです。

対抗要件の具備が必要となる具体例

売掛債権の譲渡に関する対抗要件は、もしものトラブルの際に権利を主張するために必要となります。
どのようなトラブルを回避するために対抗要件を備えようとしているのかとして代表的な2つの具体例をご紹介します。

債権の二重譲渡

同一の売掛債権を複数人に対して譲渡し、売掛先に対しての請求権が重複した状態になることを「債権の二重譲渡」と呼びます。
債権の二重譲渡が行なわれた場合、債権の所有権がどこにあるかが問われることになりますが、対抗要件を具備できていれば権利を主張することができ、優先的に支払いが受けられる確率が高まります。

債権代金の使い込み

売掛先が本来決済日に債権の支払いを行なうための現金を使い込んでしまった場合などでは、その売掛債権の支払いが実行できないという自体に陥りかねません。
しかし対抗要件を満たしており支払いを受ける権利が証明できれば、訴訟を起こすなどして財産の差し押さえなどが行なわれ強制的に支払いを実行させることも可能となります。

対抗要件を具備するための3つの方法

債権の譲渡の際に正しい手続きを行えず対抗要件を具備できていなくては、権利の主張は難しくなります。「債務者による債権の譲渡の承諾」「譲渡人による債権譲渡の通知」「債権譲渡登記」の3つの選択肢のうち、いずれかを行ない証拠を残すことで債務者や第三者に対しての対抗要件を具備できるようになります。

民法第467条

1.債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾しなければ、債権者その他の第三者に対抗することができない。
2.前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。

上記したのは民法第467条「指名債権の譲渡の対抗要件」に記載されている一文です。
民法第467条に書かれているように「譲渡人から債務者への通知」「債務者の承諾」のいずれかを満たすことができれば対抗要件を具備した債権譲渡が行えるということになります。
さらにそのどちらでもありませんが、「債権譲渡登記」を行なうことでも権利の主張ができるようになります。

債権の譲渡を承諾する(債務者)

債務者が債権の譲渡されたことを承諾することで、対抗要件を具備することができます。
ただし承諾を行なう際には確定日付のある証書を用意することが大切です。
確定日付のある証書がないと、債権譲渡が繰り返されるまたは二重譲渡が行なわれた際、弁済先の優先順位の判断ができなくなってしまい、対抗要件として薄まってしまいます。

債権譲渡の通知を行う(譲渡人)

債権が譲渡された事実を債権者に対して通知することでも、譲受人は対抗要件を具備することができます。
この通知を行えるのは譲渡人に限られており、譲受人が独自で通知を行っても効力はありません。
この通知に関しても、優先順位を判断する目的も含めて確定日付が記載されている証書を用意する必要があります。

債権譲渡登記を行う(譲渡人)

債権の譲渡人となる企業が「債権譲渡登記」を行えば、対抗要件を取得できます。
しかしこの方法が選択できるのは法人のみです。
個人事業主は登記を行なうことができませんので、債権譲渡登記による対抗要件の具備を行なうことができないのです。
債権譲渡登記は司法書士に依頼するのが一般的であり、司法書士への報酬と登録免許税を併せて5万円から10万円程度の費用が必要になります。

債権売却による資金調達には「対抗要件」が重要

売掛債権の売却による現金化を行う場合には債権譲渡契約が必要となり、買取側は対抗要件を具備するための手続きを求める可能性が低くありません。
具体的には債権回収代行やファクタリングがこれに該当します。
資金繰りがピンチの際に役立つ、この2つの資金調達方法と対抗要件の関係を簡潔にご紹介します。

債権回収代行の利用

債権回収代行とは、決済日が過ぎても支払いが行なわれず不良債権となった債権の回収を債権者に代わって行なうサービスです。
債権回収代行には「債権の委託」「債権譲渡(売却)」があり、債権の委託の場合は債権譲渡を行なう必要はありません。
しかし債権譲渡を選択した場合には、債権回収代行業者は対抗要件を具備しておかなくてはトラブルに巻き込まれかねません。
回収不能になりかけている売掛債権に価値を取り戻せる期待の高いサービスですので、売掛先からの支払いが受けられず困ったときには、ご利用してみてはいかがでしょうか?

ファクタリングの利用

決済日前の売掛債権を譲渡して現金化するファクタリングでは、債権譲渡の手続きは必須です。
しかし売掛先を契約手続きに含める3社間ファクタリングと、売掛先への通知などを行なわず元の債権者とファクタリング会社の間だけで契約を行なう2社間ファクタリングのどちらかを選ぶかによって、対抗要件の具備に関する手続きに違いが発生することになります。

3社間ファクタリング

3社間ファクタリングを利用する際には、債権譲渡に関しての通知を売掛先に対して行い承諾を受けるのが基本です。
この手続を含めることによって対抗要件を具備できるようになります。
売掛先が債権譲渡を確実に認めていることからトラブルが発生する危険が非常に低くなり、手数料の引き下げや審査通過できる確率の向上が期待できるのも3社ファクタリングの特徴となっています。

2社間ファクタリング

2社間ファクタリングでは売掛先へ債権譲渡に関する通知を行いませんので、債務者による債権譲渡の承諾を得ることもできません。
しかしその代わりに、「債権譲渡登記」によって対抗要件を具備させることを求められる可能性があります。
債権譲渡登記を行えば債権の所在を公に示すことができ、ファクタリング会社側にとってのリスクを減らすことができます。

債権譲渡登記は必須ではない

債権譲渡登記を行なうことで対抗要件に備えられ、審査通過しやすくなるのは確かなのですが、手続きに時間がかかる可能性があることと、司法書士へ依頼した場合の費用が発生するという注意点が存在します。
また債権譲渡登記は法人しか行えず、個人事業主はこの登記を行なうことができません。
しかし2社間ファクタリングに債権譲渡登記は必須ということではなく、登記を留保可能なファクタリング会社もあるのです。
買速でも債権譲渡登記は留保可能ですので、ぜひご相談ください。

『「債権譲渡」と「対抗要件」を具備する方法と目的とは?』まとめ

・債権譲渡時に対抗要件を具備することで債権の二重譲渡などのトラブルに対応しやすくなる
・対抗要件を具備するには「債務者の承諾」「債務者への通知」「債権譲渡登記」の3つの選択肢がある
・ファクタリングや委託ではない債権回収代行の利用には債権譲渡契約が必要になる
・ファクタリングに債権譲渡登記は必須ではない

今回は債権譲渡の具体的な意味と債権譲渡の対抗要件を具備する必要性、方法を解説してきました。
お持ちの売掛債権を譲渡する際には正しく扱い、対抗要件に備えることを意識してみてください。

 

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