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ファクタリングコラム

約束手形の廃止とファクタリングの関係性とは?今後の動向を解説

ファクタリング

2022年4月25日

政府は2026年を目途に、各金融機関に対して紙の約束手形の廃止方針を打ち出しました。
長く利用されてきた紙の約束手形ですが、転換期が訪れようとしています。
この約束手形廃止の方針で注目を浴びているのがファクタリングです。
この記事では、約束手形廃止の方針とファクタリングについて解説します。

約束手形の基本知識

約束手形とは、代金を支払う振出人が受取人に対して、手形に記載してある金額を支払うことを約束する紙です。
それでは、これまで長きに渡って利用されてきた約束手形の歴史や問題点を解説します。

約束手形はどんな手形

約束手形は、商取引の際の決済で利用されている方法の1つです。
「いつまでにいくら支払う」という内容を示した証書が約束手形となります。
特定条件さえ満たせば比較的自由に振出でき、別の支払いに使うことも可能です。
資産性があって便利なため、日本では根強く利用されてきました。

約束手形の歴史

有価証券による商習慣は江戸時代からあり、約束手形は明治時代から法整備が進みました。
特に、高度経済成長期によく用いられたのが約束手形です。
発注企業の資金不足が相次ぎ、金融機関の融資が追い付かない状態になりました。
そこで、発注企業は融資の代わりに約束手形を利用し、仕入や下請け業者への支払いをおこなったのです。
しかし、1990年代以降は各企業の資金需要が低下したことや、さまざまな資金調達方法が生まれたため、約束手形の流通量は徐々に減少しました。

約束手形の問題点

一見万能に思える約束手形ですが、いくつかの問題点があります。
それは支払いサイトが長いことです。
約束手形の支払いサイトは約100日で、現金振込の2倍から3倍ほどの長さがあります。
かなり遅いので、取引先企業が資金繰りに苦しむケースが見受けられました。
また、慣例で取引先企業が利息や割引料を多く負担するのも、約束手形の問題点の1つです。
実際は両方が負担していますが、振出側の負担はそれほど重くありません。
さらに、約束手形が紙であることも問題点です。
管理するにも送るにもコストがかかるので「できれば扱いたくない」と考えている経営者も少なくありません。
約束手形にはこれらの問題点があります。

約束手形廃止を目指す方針とは

主に中小企業の資金繰り悪化を防ぐため、政府は約束手形廃止を目指す方針を固めました。2026年を目途に、各金融機関に取り扱いの廃止を要請します。
2000年以降手形の交換規模は減少の一途をたどっていますが、それでもまだ100兆円以上の規模です。
今回の約束手形廃止を目指す方針は、手形取引の減少傾向に拍車をかけることになるでしょう。
約束手形を受け取る側の中小企業にとっては、資金繰りが改善される可能性があります。

約束手形の廃止に向けた課題

約束手形を廃止するには、支払う側と受け取る側がともに約束手形の廃止に向けて取り組まなければなりません。
とはいえ、長年同じ商習慣を続けていることを理由に約束手形を使用している企業もあります。
また、支払サイトを維持したまま銀行振込に変えると、支払い条件が悪くなる可能性もあるでしょう。
約束手形の廃止には、サプライチェーン全体で取り組む必要や、支払サイトを短縮する必要があります。

約束手形とファクタリングの関係性

約束手形と同じく売掛金を売買する方法にファクタリングがあります。
ファクタリングは支払期日前に売掛債権を現金化できるため、支払サイトの短縮化が可能です。
それでは、約束手形の廃止にともない需要がますます高まると予想できるファクタリングについて解説します。

ファクタリングの歴史

日本では比較的新しいサービスといえるファクタリングですが、その歴史は古く、16世紀のイギリスが発祥といわれています。
日本でファクタリングを利用しはじめたのは1970年代ごろと、欧米に比べて日本におけるファクタリングの歴史は浅いといえるでしょう。
これは欧米と商習慣が異なり、日本では手形取引が普及していたことが大きな原因です。

ファクタリングの市場規模

ファクタリングの市場規模は2010年頃と比べると縮小していますが、ここ数年はほぼ横ばいに推移しています。
オランダに本部があるFCIが発表したデータによると、2020年における主要各国のファクタリングの市場規模は以下のとおりです。(なお、単位は100万ドルとなります。)

• 日本:51,225
• イギリス:272,677
• フランス:323,567
• イタリア:234,842
• 中国:433,162
• アメリカ:64,150

参照:FCI|Annual Review 2021
上記のように、日本のファクタリング市場は海外に比較し小さいといえるでしょう。
ただ、経済産業省が売掛債権の活用を促しはじめた2018年ごろから徐々に日本のファクタリング市場は拡大しています。
ファクタリングは、ほかの資金調達方法に比べてまだ多くの人に知られているとはいえないので、これから市場規模が少しずつ拡大していく可能性は十分にあります。

約束手形とファクタリングの相違点

約束手形とファクタリングはどちらも債権の取引が可能ですが、大きな相違点が1つあります。
それは約束手形には、連帯責任がある点です。
振出人と受取人が両方とも責任を負うため、振出人が倒産した場合は受取人も責任を負う必要があります。
ファクタリングの場合、基本的に連帯責任を負う必要がありません。
売掛先が倒産しても、ファクタリング会社に未回収分の売掛金を支払わなくても問題ない点がファクタリングの特徴です。
ただし、償還請求権が付いている契約で締結していると、売掛先が売掛金を支払えない場合は、代わりにファクタリングの利用者側が支払わなければなりません。

約束手形廃止とファクタリングへの影響

ファクタリングの市場規模拡大を後押しする可能性があるのが、前述した約束手形廃止の方針です。
あくまで方針に過ぎませんし、企業に対しての強制力もありません。
ただ、政府が先頭に立って廃止を促すのですから、影響がまったくないとは言い切れないのも事実です。
そもそも約束手形による取引は年々減少傾向にありますし、取り扱っている企業の経営者(主に受取側)も「なくなって欲しい」と感じていました。
なぜなら支払いサイトが平均して約100日程度と、明らかに長いためです。
ファクタリングは、約束手形に代わる便利なサービスとして注目の的といえます。
約束手形廃止で取引が減少すれば、その分ファクタリングへの期待が高まるでしょう。

今後どんなファクタリング会社が伸びるのか

一言にファクタリング会社と言っても多種多様ですが、今後伸びていきそうなのは、フットワークが軽くて手数料も手頃な中小規模のファクタリング会社です。
ファクタリングサービスはスピードとフレキシブルな対応を求められますが、中小規模のファクタリング会社はどちらも兼ね備えています。
ただし、中小規模のファクタリング会社を装った闇金も一部ですが存在するため、中小規模のファクタリング会社すべてが信用できるわけではありません。
約束手形による取引が減少してファクタリングが注目されているからこそ、業界の健全化が声高に叫ばれています。
また、たとえ闇金ではなくても新興のファクタリング会社はノウハウがなく、サービスが不十分なケースもあるため気をつけないといけません。
もちろん、優良な中小規模のファクタリング会社も多数存在するため、業者選びが非常に重要です。

約束手形の廃止によってファクタリングが注目を集める理由

最後になぜファクタリングが注目を集めるのか、それは早期現金化だけでなく、以下のようなメリットがあるためです。

• 資金を調達しやすい
• 仮に取引先が破綻しても痛手にならない
• 借入と違って信用情報に響かない

それでは、ファクタリングが持つ魅力を3つ紹介します。

資金を調達しやすい

ファクタリングは、ほかの金融機関の融資に比べて審査が緩いため資金を調達しやすいといえます。
なぜならファクタリングする際に、自社の業績や信用情報が影響しないためです。
銀行などの金融機関が相手だと業績不振を理由に融資を見送られるケースがめずらしくないですが、ファクタリングは関係ありません。
自社の業績が悪い場合でも、資金調達が十分可能です。
ギリギリの資金繰りを迫られることが多い中小企業にとっては救いの手なので、自然と注目を集めています。

仮に取引先が破綻しても痛手にならない

商取引において取引先の倒産は重大なリスクですが、ファクタリングなら売掛先が破綻しても痛手になりません。
先にファクタリングしておくことで、売掛金をしっかりと回収できます。
売掛先の倒産で支払いを請求されるファクタリングもありますが、そこさえよく確認してサービスを利用すれば痛手になりません。
売掛先の倒産で売掛金が回収できない場合、基本的にはファクタリング会社が損失を被ります。
ファクタリング会社には手数料を支払いますが、その分取引先の倒産に備えられるのが魅力です。

借入と違って信用情報に響かない

よく勘違いされやすいのですが、ファクタリングは借入ではありません。
借入ではないため信用情報には一切響かないです。
借入で融資を受けたら返済義務が生じるため、返済できないと信用情報に響きます。
ですが、ファクタリングをしたからといって、信用情報に傷がつくことはありません。
信用情報に傷がつかないので、信用力が落ちることもないです。
資金繰りをするうえで信用情報は非常に重要ですが、ファクタリングは信用情報に響かない分気軽に資金調達できます。
もし「下手に借入をして信用情報が傷つくのは避けたい」と考えている場合は、借入よりもファクタリングの利用を検討しましょう。

約束手形廃止の方針でファクタリングへの需要が高まる

この記事では、約束手形廃止の方針とファクタリングの利用についてそれぞれ解説しました。
ビジネスの現場で約束手形は長く利用されてきましたが、政府が2026年を目途に廃止を要請する方針です。
約束手形は支払いサイトが長いことや、受取側の利息や割引料の負担が問題視されてきました。
中小企業の資金繰りに、悪影響を及ぼしていた約束手形ですが、経済産業省が廃止方針を発表したことで注目を集めたのがファクタリングです。
ファクタリングは借入とは異なり、売掛金をいち早く回収できます。
資金が調達しやすくて信用情報に響かず、売掛先の倒産にも備えられるため、ファクタリングは期待値が高まっているサービスです。

 

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