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ファクタリングコラム

ファクタリングは一括決済方式のひとつ?他の方式との違いやメリットを解説

ファクタリング

2022年8月2日

従来、日本における商取引では「手形」が用いられていました。しかし、紙の手形には紛失リスクや発行コストがあり、長い間問題視されていました。そこで、手形に変わる決済方法として「一括決済方式」が導入され、注目を集めています。
一括決済方式には「債権譲渡担保方式」「併存的債務引受方式」「一括信託方式」「ファクタリング方式」の4種類の方式があり、それぞれ内容が異なります。中でも、ファクタリングは新たな資金調達方法という側面を持ち、利用者も増加傾向です。この記事では、一括決済方式の概要とファクタリングについて解説します。

一括決済方式とは

一括決済方式とは、納入企業と支払企業間で行われる決済を、ファクター(金融機関)を介して行う決済方法のことです。通常、信用取引においては売掛債権が発生してから実際に決済されるまでには、約1ヶ月~2ヶ月のタイムラムが生じます。従来は「〇月〇日に代金を支払う」という約束が書かれた手形を発行する決済方法が主流でした。しかし、手形には紛失リスクや発行コストがあり、長年問題視されていました。
そこで、手形に代わる決済方法として「一括決済方式」が導入されるようになったのです。一括決済方式では、支払企業が金融機関に代金支払いの契約を交わした上で、決済期日に金融機関へ代金の支払いを行います。一方、納入企業は支払企業からは直接入金を受けず、金融機関を介して支払いを受けることになります。金融機関を介することで、納入企業は決済期日を待たずに入金を受けることも可能です。

一括決済方式のメリット

一括決済方式のメリットは、以下の通りです。

・発行コストや紛失リスクがない
・必要なタイミングで売掛金を現金化できる(ファクタリング方式・併存的債権引受方式)
・確実に売掛金の現金化ができる(債権譲渡担保方式・ファクタリング方式)

一括決済方式では紙を使用しないため、発行時の印紙代や管理代などの発行コストや、紛失リスクがありません。また、利用する方式によっては、売掛金を決済日前の好きなタイミングで現金化することも可能です。信用取引においては、売掛金が支払われるまでに約1ヶ月~半年の期間を要しますが、一括決済方式では決済日を待たずとも現金化できるため、資金繰り改善に役立つでしょう。
さらには、支払企業が金融機関に対して支払いの契約を結ぶため、売掛金未払いという不測の事態に備えることも可能です。利用する一括決済方式の種類によっては、確実に売掛金の回収ができます。一括決済方式は、支払企業には発行コストがなく、納入企業には紛失リスクや売掛金未払いの心配がないなど、双方にとってメリットのある決済方法と言えるでしょう。

ファクタリングは一括決済方式のひとつ

一括決済方式は、仲介する金融機関がどのように債権に関わるのかにより、以下の4種類に分類されます。

1. 債権譲渡担保方式
2. 併存的債権引受方式
3. 一括信託方式
4. ファクタリング方式

ファクタリングは、納入企業と支払企業の間にファクタリング会社が介入することにより執り行われる決済方法。他の一括決済方法とはやや異なる毛色を持ちますが、実は一括決済方式のひとつとなります。ここからは、各々の一括決済方式の詳細を解説します。

1.債権譲渡担保方式

債権譲渡担保方式とは、支払企業の代金不払いに備えて、支払企業が保有している売掛債権を担保にして行う決済方法のこと。
債権譲渡担保方式では、売掛金の不払い時には、支払企業が担保にしていた売掛債権を納入企業への支払いに充てることになります。そのため、かなりの確率で売掛債権の回収が可能となります。

2.併存的債権引受方式(一括信託方式)

併存的債権引受方式とは、納入企業が保有している売掛債権を金融機関や信託会社へ売却し、支払企業に代わって支払いを受けられる決済方法です。つまり、金融機関や信託会社が債務を引き受けることで成立する決済方法となります。
通常の取引では、決済期日を迎えるまでは売掛金の現金化はできません。しかし、併存的債権引受方式では、債権を金融機関へ売却することで、決済期日前に売掛金を現金化することが可能です。手形割引に似たサービスになりますが、債権額の全額ではなく、一部だけ現金化することが可能な点は大きな違いとなります。
なお、取り扱う金融機関や信託会社により「一括信託方式」と呼ばれることもありますが、基本的な仕組みに大差はありません。

ファクタリング方式

ファクタリング方式とは、納入企業が売掛債権をファクタリング会社へ売却することで、売掛金の早期現金化ができる決済方法です。
債権譲渡担保方式や併存的債権引受方式(一括信託方式)は、売掛金の不払いに備える決済方式であり「保証」の毛色が強いのに対し、ファクタリング方式は「資金調達」を目的として用いられることが多い方式となります。納入企業とファクタリング会社の2社間だけでも契約が可能であるため、よりスピーディーな資金調達が可能という点が特徴と言えるでしょう。

ファクタリングと他の一括決算方式の相違点

一括決済方式には4種類の方式がありますが、中でもファクタリング方式は他の一括決済方式と異なる毛色を持ちます。ここでは、ファクタリングと他の一括決済方式の相違点について解説します。

ファクタリングと債権譲渡担保方式の違い

ファクタリングと債権譲渡担保方式の違いは以下の3点です。

・契約方法
・現金化できるタイミング
・利用目的

債権譲渡担保方式では、金融機関と支払企業間の契約は必須。対し、ファクタリングでは支払企業の参加の有無を選択することができます。
また、債権譲渡担保方式は、支払企業が売掛金の支払いを行えなかった場合、金融機関が代わって担保に入れていた債権から支払いを行います。そのため、売掛金の決済日前に現金化することはできません。対し、ファクタリングでは、ファクタリング会社へ売掛債権を売却後、即日~1週間程度で現金化することが可能です。そのため、ファクタリングでは、決済日を待たずとも好きなタイミングで資金調達できます。
上記のような違いがあるため、債権譲渡担保方式は「売掛金の支払保証」、ファクタリングは「売掛金の支払保証および資金調達」の目的で使用されるという違いもあります。

ファクタリングと併存的債権引受方式の違い

ファクタリングと併存的債権引受方式の違いは、以下の通りです。

・契約方法
・償還請求権の有無
・買取可能範囲

併存的債権引受方式は、金融機関と支払企業と納入企業で契約を結ぶ契約方法しかありません。対し、ファクタリングは支払企業を契約に含むかどうかを選択することができます。
また、併存的債権引受方式は償還請求権のある契約であり、支払企業が売掛金の支払いをできなかった場合には納入企業は弁済しなければなりません。対し、ファクタリングは、償還請求権のない契約が原則であるため、支払企業が売掛金を支払えなくても、弁済は不要となります。
さらには、早期現金化できる金額にも違いがあります。併存的債権引受方式は債権額の一部買取が可能であるのに対し、ファクタリングは全額買取が原則です。

買取ファクタリングと一括ファクタリングの違い

ファクタリング方式は、以下の5種類に分類されます。

・買取ファクタリング:売掛債権の買取サービス
・保証ファクタリング:売掛債権の回収を保証するサービス
・医療ファクタリング:診療報酬債権の買取サービス
・国際ファクタリング:国際取引間で生じた売掛債権専門の買取サービス
・一括ファクタリング:決済事務を一括で引き受けるサービス

一括ファクタリング以外は、買取対象となる債権の種類が異なるだけで、基本的な仕組みに大きな違いはありません。ここでは、買取ファクタリングと一括ファクタリングについて解説します。

買取ファクタリングとは

買取ファクタリングとは、事業主が保有する売掛債権をファクタリング会社へ譲渡・売却することで、売掛金の早期現金化ができるサービスです。

買取ファクタリングの流れは以下の通り。

1. 納入企業がファクタリング会社へファクタリング利用の申し込みを行う
2. 必要書類の提出後、審査が実施される
3. 審査通過後、ファクタリング契約を結ぶ
4. 買取金額(売掛債権額-手数料)がファクタリング会社から納入企業へ入金される
5. 実際の決済期日に売掛金をファクタリング会社へ返還する

買取ファクタリングは、支払企業へのファクタリング通知の有無により「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」に分けられます。2社間ファクタリングでは、支払企業が契約に参加しません。そのため、支払企業にファクタリングの利用を知られることなく、資金調達ができるという特徴があります。

一括ファクタリングとは

一括ファクタリングとは「納入企業と支払企業の双方に対して、一括で行うファクタリング」のこと。

一括ファクタリングの流れは以下の通り。

1. 支払企業が金融機関の提供するファクタリングシステムに登録し、ファクタリング契約を結ぶ
2. 早期現金化が必要となった納入企業は、金融機関へ売掛債権を譲渡・売却する
3. 支払企業は債権譲渡を承諾する
4. 金融機関から納入企業へ買取金額(売掛債権額-手数料)が入金される
5. 決済日に支払企業は金融機関へ売掛金を支払う

買取ファクタリングは、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングからファクタリング方式を選択できますが、一括ファクタリングは原則3社間ファクタリングしか利用できません。
また、一括ファクタリングを提供している会社は多いとは言えず、必然的に大手ファクタリング会社や金融機関を利用することになります。買取ファクタリングよりも手数料は割安ですが、申し込みは支払企業が行わなければならない仕組み上、まだあまり浸透していないサービスとなります。

ファクタリングの5つのメリット

一括決済方式のひとつである「ファクタリング」。他の一括決済方式とは異なり「資金調達方法」という側面を持ちます。ここでは、以下の5つのファクタリングのメリットを解説します。

1. 最短即日で資金調達ができる
2. 審査が柔軟
3. 債権不履行時に弁済義務がない
4. 信用情報が傷つかない
5. 取引先との関係性に影響しにくい

1.最短即日で資金調達ができる

2社間ファクタリングを利用すれば、最短即日で売掛債権の現金化ができます。
2社間ファクタリングは、支払企業が契約に参加しないため、手続きが簡略的であり資金調達に時間を要しません。機材トラブルや増注に伴う急な出費など、緊急性の高い資金調達でも問題ありません。支払企業も契約に参加する3社間ファクタリングは、即日での資金調達はできないものの、3日~1週間程度で資金調達完了可能です。ファクタリングは、数ある資金調達方法の中でも、スピード感を持った資金調達を得意としています。

2.審査が柔軟

ファクタリングの審査は、銀行融資やビジネスローンなど借入の審査よりも柔軟です。
ファクタリングはあくまで「売掛債権の買取」であり、貸付ではありません。貸付の審査では、利用者に支払い能力があるかどうかが重要視されます。しかし、ファクタリングの審査では「売掛金がきちんと支払われるのか」が重要であり、利用会社の経営状況は審査に悪影響を与えません。つまり、利用会社の経営状況よりも支払企業の信用度や経営状況が重要視されるのです。ファクタリングは、利用会社に赤字決算や税金未納があっても利用できる可能性は高く、多くの事業主の資金繰り改善に役立ちます。

3.債権不履行時に弁済義務がない

ファクタリングは、償還請求権がない契約が原則です。
償還請求権とは、万が一支払企業が売掛金を支払えなくなった際に、利用会社へ売掛金の弁済を求めることができる権利のこと。手形割引や併存的債権引受方式は、償還請求権がある決済方式であるため、債権不履行時には納入企業が支払企業に代わって、利用者は払い戻しをしなければなりません。つまり、決済日を迎え、売掛金の入金を確認するまでは、確実な売掛金の回収はできないのです。
一方でファクタリングは償還請求権利がない契約であるため、万が一債権が不履行になってしまっても、利用者は弁済をする必要がありません。ファクタリングで早期現金化してしまえば、確実に売掛金を回収できるため、リスクヘッジにも役立ちます。

4.信用情報が傷つかない

ファクタリングは、信用情報に傷をつける心配も無用です。
融資やビジネスローンなどの借入で資金調達をした場合「借入金」としての情報が記録されます。万が一返済が遅れたり返済不能になったりした場合には、信用情報に傷が付き、新たな資金調達を行うことはできなくなるでしょう。
一方で、ファクタリングは「売掛債権の買取」による資金調達方法であり、借入ではありません。ファクタリングで得た資金は「借入金」ではないため、信用情報に記録が残ることもありません。ファクタリングは、信用情報を傷つけずに資金調達できる数少ない資金調達手法であり、多くの事業主から利用されています。

5.取引先との関係性に影響しにくい

2社間ファクタリングであれば、契約に支払企業が一切関与しません。
他の一括決済方式は3社間契約が原則であり、少なからず支払企業に手間を生じさせてしまいます。取引先との関係性が良好であれば問題ありませんが、取引歴が浅かったり、一括決済方式に消極的であったりする場合には、関係性に悪影響を与えかねません。
2社間契約で支払企業へ手間や負担をかけずに資金調達できる点も、ファクタリングのメリットでしょう。

ファクタリングは一括決済方式による資金調達手段

一括決済方式とは、納入企業と支払企業間の代金決済を、金融機関を介して行う決済方法です。金融機関の関わり方により、4種類の方式に分かれますが、ファクタリングも一括決済方式のひとつに含まれます。しかし、ファクタリングは「資金調達」の側面も持ち、他の一括決済方式とは毛色が異なると言えるでしょう。
ファクタリングは、ファクタリング会社へ売掛債権を譲渡・売却することで、売掛金の早期現金化ができます。最短即日というスピード感のある資金調達を得意とするほか、弁済義務がなく、赤字決算や税金未納があっても問題のない利用ハードルの低さも魅力的です。多くの事業主の資金繰り改善に役立つサービスであり、非常に有用でしょう。資金繰りにお悩みの方は利用を検討してみるのも、良いかもしれません。

 

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