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ファクタリングコラム

ファクタリングは「掛け目」で資金調達額が変わる!?掛け目を決める5つの要素を解説

ファクタリング

2022年7月26日

ファクタリングは、事業主が保有する売掛債権をファクタリング会社へ譲渡・売却することで、売掛金の早期現金化ができるサービスです。ファクタリングは「売掛債権額から手数料を差し引いた額」の早期現金化ができると説明されることが多いです。しかし、実際には売掛債権の全額を買い取ることはほぼありません。「掛け目」により与信限度額が設定され、そこから手数料が差し引かれることとなります。この記事では、ファクタリングで資金調達できる金額に直結する「掛け目」について、徹底解説します。掛け目を決める要素や注意点も解説しますので、ぜひ最後までお読みください。

ファクタリングにおける「掛け目」とは

掛け目とは、もともと担保融資で使用される言葉であり、担保価値を査定した際の評価金額に対する率を指すものです。しかし、ファクタリングは売掛債権の買取サービスであり、融資のような貸付サービスではありません。担保も不要であるため、本来ならば、担保価値を査定するための掛け目は必要ありません。そのため、ファクタリングにおける「掛け目」は、担保融資の掛け目とは異なる性質を持ちます。

ファクタリングにおける掛け目とは「売掛債権のうちどれだけの割合を買取対象にするのか(与信限度額)」を示すもの。掛け目が大きければ資金調達できる額も大きく、掛け目が小さければ資金調達できる額も小さくなるというわけです。つまり、ファクタリングでは、事業主が保有している売掛債権の額面全額が買取対象になるわけではなく、掛け目により買取額が決定されるのです。

例えば、1,000万円の売掛債権を保有している場合、掛け目に応じて以下の様に買取対象額が変わります。

・掛け目90%:1,000万円×掛け目90% = 900万円 が買取対象
・掛け目70%:1,000万円×掛け目70% = 700万円 が買取対象

掛け目次第で、買取対象となる最大額(与信限度額)が決まるため、掛け目は資金調達できる金額に直結すると言えるでしょう。

ファクタリングの掛け目は「保証金」に近い役割

融資における掛け目は「担保」の役割を持ちますが、ファクタリングの場合は「一時仮押さえ金」や「保証金」に近い役割となります。ファクタリングは、決済期日前の売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらうことで、資金調達ができるサービスです。償還請求権のない契約が原則であり、万が一売掛金の回収ができなくても、利用者に弁済を求めることができません。そのため、買い取る売掛債権の信用度や未回収リスクに応じて、どれだけの金額を買い取るのかの「掛け目」が設定されるのです。

ファクタリングの掛け目は保証金に近い役割であるため、無事に売掛金が回収された後に買取対象にならなかった残額は利用会社へ返還されます。ファクタリングで現金化できる金額について、具体例をもとに見てみましょう。

【売掛債権1,000万円、掛け目70%、手数料10%の場合】
・与信限度額:売掛債権1,000万円×掛け目70% = 700万円
・手数料:与信限度額700万円×手数料10% = 70万円
・早期現金化可能額:与信限度額700万円-手数料70万円 = 630万円
・売掛金回収後に返還される額:売掛債権1,000万円-与信限度額700万円 = 300万円
・実際に手元に入る総額:早期現金化額630万円+返還額300万円 = 930万円

ファクタリングの掛け目を決める5つの要素

上記で解説したように、ファクタリングの掛け目は売却する売掛債権の未回収リスクにより決定されるもの。未回収リスクが高ければ掛け目は低くなり、与信限度額も低くなります。反対に、未回収リスクが低いと判断されれば、与信限度額は高くなり、資金調達可能な金額も高くなるでしょう。

掛け目を決める要素は以下の5つであり、詳細をそれぞれ解説していきます。
1. ファクタリング方式
2. 債権譲渡登記の有無
3. 売掛先企業の信用度
4. 利用会社の会社規模
5. ファクタリングの利用回数

ファクタリング方式

ファクタリングには、売掛先が関与しない「2社間ファクタリング」と、売掛先も契約に参加する「3社間ファクタリング」の2通りのファクタリング方式があります。2社間ファクタリングは、売掛先が一切関与しない契約方式であるため、売掛先にファクタリングを利用したことを知られる心配がいりません。手続きも簡略的であるため、最短即日~3日程度と迅速な資金調達ができる点がメリットとなるファクタリング方式です。しかし、売掛金の回収ルートが「売掛先→利用会社→ファクタリング会社」と、一旦利用会社を介する仕組み上、売掛金の持ち逃げリスクも否定できません。
対し、3社間ファクタリングは売掛先へファクタリング利用の通知を行い、売掛先から承諾を得た上でファクタリング契約を結ぶ方式。売掛先も契約に関与するため、現金化までには3日~1週間程度の期間が必要であり、即日で資金調達することはできません。しかし、売掛金の回収は売掛先からファクタリング会社へ直接行われるため、未回収リスクが低いファクタリング方式となります。
したがって、2社間ファクタリングよりも3社間ファクタリングの方が、掛け目は高く設定される傾向にあります。

債権譲渡登記の有無

2社間ファクタリングを利用する際、債権譲渡登記を求められる場合があります。債権譲渡登記とは、利用会社が保有している売掛債権をファクタリング会社へ譲渡した事実を公的に証明するための登記。債権譲渡登記をしていれば、ファクタリング会社は第三者に対して、売掛債権の所有権がファクタリング会社にあることを主張できるようになります。二重譲渡や持ち逃げリスクを回避できるため、債権譲渡登記を行う契約の方が掛け目は高くなる傾向にあります。
ただし、債権譲渡登記には、登記費7,500円と司法書士報酬8万円程度の自己負担が発生します。登記に時間がかかる場合には即日での資金調達ができないこともあるため、把握しておけると良いでしょう。

売掛先企業の信用度

ファクタリングの審査では「売掛先企業の信用度」が重要視されます。なぜなら、大手企業のように信用度の高い売掛先であれば、かなりの高確率で売掛金の回収ができるから。「売掛先の信用度=売掛金の回収率」と言っても過言ではありません。
掛け目を決める際も、売掛先企業の信用度は非常に重要となります。売掛先が大手企業や国や地方自治体など信用度が高ければ、掛け目は高く設定されるでしょう。反対に、売掛先が中小零細企業であったり、経営状況が芳しくなかったりする場合には、掛け目は低く設定されます。

利用会社の会社規模

掛け目を決める際に「売掛先企業の信用度」が重要であることは確かですが、利用会社の情報が全く関係しないというわけでもありません。特に、2社間ファクタリングにおいては、売掛金が一旦利用会社へ入金されるため、利用会社の会社規模や経営状況も少なからず影響します。利用会社の会社規模が小さかったり、経営状況が明らかに悪かったりする場合には、掛け目も低くなる可能性が高いです。

ファクタリングの利用回数

ファクタリングの利用回数は、利用会社への信頼度につながります。ファクタリングに限ることではありませんが、初回取引においては相手方の情報が少なく、信頼しきることはできません。そのため、初回利用時の掛け目は低く設定される傾向にあります。利用回数を重ね、過去の取引が問題なく行われていれば、利用者の信頼度もあがるでしょう。複数回利用しているファクタリング会社であれば、掛け目は高くなる可能性が高いです。

ファクタリングの「掛け目」の相場

前項で、掛け目は「売掛金の未回収リスク」により変動することを解説させていただきました。売掛金の未回収リスクは、利用するファクタリング方式でも大きく異なります。そのため、それぞれのファクタリング方式で掛け目の相場が設定されています。利用する際の目安にもなりますので、ぜひご確認ください。

2社間ファクタリングで70%~80%

2社間ファクタリングの掛け目相場は「70%~80%」となります。2社間ファクタリングでは売掛金を回収する際、一旦利用会社へ入金された後にファクタリング会社へ返還されることになります。その仕組み上、持ち逃げリスクがないとは言えず、未回収リスクがやや高いと言えるでしょう。そのため、掛け目はやや低めに設定されています。
さらに、債権譲渡登記を行わない場合には、二重譲渡などのリスクも否定できません。2社間ファクタリングで債権譲渡登記を行わない場合には、70%に近い掛け目になることは理解しておきましょう。

3社間ファクタリングで80%~90%

3社間ファクタリングの掛け目相場は「80%~90%」となります。3社間ファクタリングは、売掛先とファクタリング会社の間でも債権譲渡に関する契約を結びます。そのため、売掛金の返還は売掛先からファクタリング会社へ直接行われ、利用会社を介しません。この仕組み上、持ち逃げリスクはなく、売掛先が売掛金を支払う能力があれば確実に売掛金の回収ができます。そのため、3社間ファクタリングの掛け目は80%~90%と高い相場となっています。

掛け目に対するお金の流れ

ファクタリングの仕組みや流れは、以下の様に説明されることが多いです。

1. 商品やサービスを提供し、売掛債権が発生する
2. ファクタリング会社へ売掛債権を譲渡・売却する
3. 売掛債権額から手数料を差し引いた額がファクタリング会社から入金される
4. 売掛金をファクタリング会社へ返還する

しかし、上記は簡単に説明したものであり、実際にはもう少し複雑となります。というのも「掛け目」があるため、金銭の取引内容がやや複雑になるため。ここでは、早期現金化できる金額や最終的に手に入る金額などを「1,000万円の売掛債権を掛け目80%、手数料10%」の取引に例えて、実際の金銭の流れを解説します。

与信限度額から手数料を差し引いた額が入金される

まず、ファクタリングで現金化できる金額は「早期現金化額」と「一時仮押さえ金額(掛け目で早期現金化できない金額)」の2種類があります。ファクタリングでは、与信限度額から手数料を差し引いた金額しか早期現金化できません。つまり、1,000万円の売掛債権を保有していても、1,000万円の早期現金化ができるわけではないのです。

1,000万円の売掛債権を掛け目80%、手数料10%で売却する場合、早期現金化できる金額は以下となります。
・与信限度額;売掛債権額1,000万円×掛け目80% = 800万円
・手数料:与信限度額800万円×手数料10% = 80万円
・早期現金化額:与信限度額800万円-手数料80万円 = 720万円

売掛金回収後に掛け目分の金額が現金化される

1,000万円の売掛債権を掛け目80%で取引した場合、早期現金化できるのは720万円です。与信限度額800万円のうち80万円は手数料としてファクタリング会社へ支払われますが、残りの200万円は一体どうなるのでしょうか。
掛け目として買い取られなかった金額は、売掛金回収後に返還されることになります。掛け目分の返還方法は利用するファクタリング方式により異なるもの。2社間ファクタリングの場合は、売掛先から1,000万円が入金された後に、買取対象であった800万円をファクタリング会社へ支払います。3社間ファクタリングの場合は、売掛金1,000万円がファクタリング会社へ支払われるため、ファクタリング会社から利用者へ掛け目分の200万円が後日返還されることになります。どちらの方式を利用したとしても、掛け目分は実際の決済期日を迎えるまでは現金化できないため、注意しましょう。

ファクタリングの掛け目に関する注意点

ファクタリングを初めて利用する方の中には「売掛債権の全額を買い取ってもらえる」と思っている方も少なからずいらっしゃいます。掛け目を理解していないと、ファクタリングで納得できる資金調達ができないかもしれません。ここでは、ファクタリングの掛け目についての注意点を解説します。

早期現金化できる金額は意外と少ない可能性あり

上記でも解説しましたが、ファクタリングで早期現金化できる金額は売掛債権の全額ではありません。ファクタリングで早期現金化できる金額は、掛け目により設定された与信限度額から手数料を差し引いた額です。そのため「意外と少ない」と思う人も多いかもしれません。希望する資金調達額に達しない可能性も否定できませんので、注意しましょう。

ファクタリング会社により掛け目設定が異なる

ファクタリングの掛け目設定は、ファクタリング会社により異なります。そのため、同一債権の譲渡・売却であっても、利用するファクタリング会社により早期現金化できる最高額も異なります。多くのキャッシュが必要な場合は、手数料だけでなく掛け目に着目するのも良いでしょう。

限度額が低い場合は複数の売掛債権を売却するのも手

掛け目により設定された与信限度額が低い場合、希望した資金調達額でできないこともあるでしょう。希望額に達しなくては困ってしまう方もいるかもしれませんが、ファクタリングは複数の売掛債権を合算して売却することもできます。複数の売掛債権を保有している場合、一緒に売却することで多くのキャッシュを得られる可能性は高いです。

掛け目による限度額を理解してファクタリングを利用しましょう

ファクタリングにおける「掛け目」とは、ファクタリング会社が買取対象とする最高額(与信限度額)を決める際に使用されるものです。掛け目の設定はファクタリング会社により異なるため、同一債権であっても利用するファクタリング会社により、資金調達可能額は異なります。掛け目を決める要素は、売掛金の未回収リスクと売掛先・利用会社の信用度。信用度の高い売掛債権を活用すれば、より多くのキャッシュを早期現金化できるでしょう。ファクタリングを利用する際には、手数料だけでなく掛け目にも着目してみましょう。

 

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