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ファクタリングコラム

売上債権回転率の意味・計算方法・改善のポイントを解説

ファクタリング

2022年10月5日

売上債権回転率とは企業が売上債権を回収する速さを示す指標の1つとなるものです。
この売上債権回転率を定期的に確認することで、自社の資金繰りが上手くできているかの参考にもなります。
本稿では売上債権回転率の意味や計算方法、そして数値を改善させるためのポイントとその切り札となり得るファクタリングについて解説させていただきます。

売上債権回転率の基礎知識

特に中小企業の資金繰りに大きな影響を与える要素として「売上債権の回収ペース」があります。
一定期間内に同じ額の売上があるとしても短い間隔で現金を手にできれば資金繰りはスムーズに行なえますが、長期間を自己資金で乗り切られねばならない場合には資金が枯渇してしまうという危険も高くなっていきます。
売上債権回転率は売上債権が何回の支払いで回収できているかを計算により求めることができ、回収ペースを把握するのに役立つのです。

売上債権=売掛債権

売上債権回転率を求めるには、売上高と売上債権の額が必要となります。
売上債権は売掛債権と同じ意味と考えて問題はなく、売掛金や受取手形が含まれます。
しかし売掛金や受取手形を保有していたとしても、売掛金の売却や手形割引を行った場合にはその分を引いた額となります。

売上債権回転率の計算方法

売上高÷売上債権=売上債権回転率(回転)

売上債権回転率の計算は上記のようになり、計算自体は全く複雑ではありません。
売上高を売上債権(売掛債権=売掛金+受取手形)で割るだけで求められ、単位は「回転」となります。
前述していますが、計算に利用する売掛債権の額はファクタリングなどを利用して売却したり手形割引を利用したりした場合には、その額だけ減額して計算する必要がありますのでご注意ください。

売上債権回転率は資産の効率的運用ができているかを示す数値

企業同士の取引で経営を最も安定させやすいのは現金による取引です。
しかし現実的に現金での取引が行われることは多くはなく、掛け取引が大半です。
そして計算によって求められた売上債権回収率の数値は、基本的には高ければ高いほど良いとされています。
数値が高くなるほどに効率的に資産(売上債権)が回収できているということになるのがその理由であり、売上債権の回収が上手くできている企業は安定した経営が行いやすいと考えることができます。

売上債権回転率の数値が低いと資金繰りが苦しくなりやすい

売上債権回転率の数値が低い企業とは、発生した売掛金や約束手形の回収に時間がかかっている企業となります。
支払サイトの長い売上債権は企業の経営上で負担となることが少なくはありません。
売上債権回転率の数値が小さいということは支払サイトの長い債権や支払いを期日どおりに行わない取引先を多く抱えているという状況であるとも考えられ、経営が不安定になりやすいのです。

売上債権の「回転率」と「回転期間」の違い

本稿で解説している売上債権回転率と似たような言葉として「売上債権回転期間」という言葉があります。売上債権回転期間とは、売上債権回転率を日数で示したものであり「売上債権が回収できるまでに必要な期間」を求めた数値となります。

売上債権回転期間の計算方法

売上債権回転期間の計算式は、日数で求めるのか月数で求めるのかによって異なります。
しかし計算自体は簡単であり、日数で求める場合は「売上債権÷売上高×365=売上債権回転期間(日)」となり、月数で求める際には「売上債権÷売上高×12=売上債権回転期間(月)」で計算することができます。
どちらの計算方法であっても数字が小さいほどに債権の回収までにかかる期間が短いということになり、効率的に債権が回収できていると考えることができます。

売上債権回転率は「比較」が重要

計算して求めた売上債権回転率は、全体的な目安や同業他社、自社の過去実績と「比較」することで経営に活かすことができるようになります。
何を目的とするかで比較対象は異なりますが、特に他社と比較する際には同業他社というだけでなく、なるべく規模も近い企業を選ぶとデータとしての信憑性を高めることができます。

全体的な目安との比較

売上債権回転率は業種によって大きく違いますので、企業全体での目安との比較にはあまり大きな意味はありません。
一般的な目安と言われているのは「6回転以上」であり、3回転以下となると黄色信号とも言われていますが、平均が6回転を下回る業種も幾つか見つかることから、この目安はあまり信憑性が高いとは言えず参考程度に捉えた方が良いでしょう。

同業他社との比較

・建設業—9.2回転
・食料品製造業—9.2回転
・鉄鋼業—5.8回転
・製造業—6.9回転
・食品卸売業—11.0回転
・宿泊業—29.0回転
・飲食店—47.6回転

上記したのは「中小企業実態基本調査」による令和元年度決算実績を元にした、業種ごとの売上債権回転率を計算した結果の一部(少数第二位を四捨五入)です。
他社と比較する場合は会社規模も考慮すべきではありますが、業種によって売上債権回転率に大きな違いがあることがおわかりになるはずです。
同業他社の中でも、なるべく自社に近い企業を探すためには「会社四季報」などが役に立ちますので、ご参考にしていただくことをおすすめします。

自社の実績との比較

売上債権回転率は自社の過去実績との比較にも意味があります。
売上債権回転率の数値が低下しているか向上しているのかで、売上債権の回収が効率的にできているのか悪化しているのかを客観的に見ることができるようになるからです。
わずかな違いだったとしても、数年通して下がり続けているのかなど、変化の具合を見ることで手に入る情報は少なくはありません。

数値の大きな変動は危険信号の可能性あり

同じ会社規模の同業他社との比較は非常に参考になり、自社の過去実績と比較することにも大きな意味があります。
しかし売上債権回転率の最適な数字というのはそれぞれの企業によって異なるというのも事実です。
他社より少し劣っていたとしても経営に問題が発生していなければ必要以上に慌てるべきではないのですが、数値が大きく変動しているとすればその原因を早急に見抜く必要性が高くなります。

売上債権回転率を改善するには?

比較した結果、自社の売上債権回転率が望ましい数値ではなかった場合や、より高い数値を目指すのであれば、相応の対応を行わなくてはなりません。
売上債権回転率は売上高を売上債権で割って求めますので、「売上高を増やす」または「売上債権を減らす」ことができれば数値は上昇することになります。しかしこの2つの選択肢のうち「売上高を増やす」という選択肢を実現するのは容易ではなく、「売上債権を減らす」のを目指すのが妥当です。

売掛債権の支払サイトの短縮を希望する

保有している売上債権の額を減らすのには、債権の支払(回収)サイトの短縮が効果的です。
資金繰りの改善には自社にとっての支払いサイトを長くし、回収サイトを短くするのが基本ですが、この方法は売上債権回転率の改善にも役立ちます。
取引先との関係性を考慮しつつ、決済期間の短縮を希望してみてはいかがでしょうか?

支払いの遅れている債権の催促

売掛先からの支払いの遅延は、売上債権回転率の悪化の原因となり得ます。
悪影響を受けないためにも支払いが遅れている債権に関してはきちんと請求することが大切です。
メールや電話での催促に応じなければ、直接会っての話し合いや督促状・内容証明郵便の送付など段階的に対応を変えていかなくてはなりません。
売上債権は状況によって時効が成立しますので、ずっと待っているだけでは売上債権回転率の悪化だけでなく、資金面での大きな損失ともなりかねません。

支払い方法を変更してもらう

売掛先からの支払い方法が現金であれば売上債権そのものが発生しなくなり、売上債権回転率の数値の良化が期待できます。
しかし掛取引の場合でも決済でクレジットカードなどを利用するよりも、現金での入金の方が短時間で現金化することが可能となります。
指定されている決済日によって効果の大きさは変わりますが、支払い方法の変更希望も無理を言わない範囲で検討してみてはいかがでしょうか?

ファクタリングで売上債権回転率を向上できる!

売上債権回転率を短期間で売掛先に負担をかけることなく改善させるには、「ファクタリング」が役立ちます。
またファクタリングは決済日前の売上債権を買取業者に売却し現金へと変えることができますので、特に中小企業の資金調達方法としても優秀です。

売上債権回転率が改善する理由と注意点

ファクタリングを利用することで売上債権回転率が改善する理由は、「売上債権が減少するから」です。
ただしファクタリングで売却できるのは決済期日前の債権であることが原則ですので、すでに決済日が過ぎた不良債権はこの方法で売却することができないという点にはご注意ください。
またファクタリングの利用には手数料が必要となりますので、その額にも注目する必要があります。

ファクタリングを利用するその他のメリット

・最短即日で資金調達ができる
・債権の譲渡契約(売買契約)であり負債にならない
・審査通過が融資と比較して容易

ファクタリングは最短即日で債権の売却が可能な、スピード面でも優れた資金調達方法です。
融資よりも必要書類が少ないなど利便性の高さも魅力ですが、最近ではオンライン上で申込から契約までの全ての手続きが行える「クラウドファクタリング」に対応可能な会社も増えており、その利便性はさらに高まっています。
また債権の売買による資金調達であることから負債が増えることもなく、審査では売掛先の信用力が重視され、経営状況の芳しくない企業も審査通過が難しくないというのも大きなメリットとなるはずです。

売上債権回転率を意識すれば効率的な資金調達が近づきます

売上債権回転率は、現状の資金繰りに不都合を感じていない企業も、今後のことを考えて意識すべき指標です。売上債権を回収にスムーズさを欠けば、中小企業にとっては時として死活問題にもなり得ます。
効率的な資金調達のためにも、様々なデータと自社の売上債権回転率を比較することが大切です。

 

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