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ファクタリングコラム
2024年3月14日
目次
掛取引には売掛先の倒産などによって債権が回収不能に陥るリスクがついて回ります。
信用による取引である以上、リスクがあるのは致し方ないとは言えますが、「取引信用保険・買取ファクタリング・保証ファクタリング」を利用すれば、このリスクを下げることが可能です。
本稿では売掛債権にとっての保険となる3つの選択肢の特徴や違い、そしてもっともおすすめしたい保険の選択肢をご紹介します。
商品や様々なサービスの提供後、定められた期日までにその代金を決済する掛取引は、現在主流となっている取引方法であり、実際に多くの企業が掛取引を行っているはずです。
しかしその際に発生する売掛債権の1つである売掛金は法的な強制力も弱く、万が一にでも債務者となる売掛先が倒産した場合には、支払いを受けることが難しくなり経営に大きなダメージを受けてしまうかも知れません。
そうならないためには確実に決済が実行される売掛先と取引を行うことが大切ですが、売掛先の状況を把握するのは容易ではありません。
しかし売掛債権に対して「保険」をかけることができれば、もしもの時にも保証を受け大きな被害を受けずに済むようになります。
売掛債権の保険について紹介いたします。
・取引信用保険
・買取ファクタリング
・保証ファクタリング
売掛債権の代金回収のための保険としては、上記した3つの選択肢が考えられます。
しかしこの3つは、それぞれ保険の特徴があり違いを理解した上で選ばなくては期待した効果が得られない可能性があります。
まずは保険の選択し3つのの概要と特徴を解説させていただきます。
取引信用保険に加入しておけば、売掛先の倒産などによって売掛債権の回収が不可能になった際にも、保険金によって損失を補填することができます。
一部の大手保険会社が取り扱っているサービスである為、利用に関しての安心感は高いと言えます。
取引先の与信管理が行える効果もありますので、売掛先と安定した取引が行いやすくなるはずです。
保険をかける対象が「保有する売掛債権全て」となる包括保険であることが多く、支払いに関して不安を感じる一部の債権を選んで指定することは原則できない保険となっています。
申込み先によっては、取引額上位や一定額以上の売上高のように保有債権の全てを対象としないこともありますが、保険をかける対象の売掛債権や取引先が自由に選べないことで、信用力の高い取引先の債権にも保険料を支払うことになるのはデメリットとなるかも知れません。
保険料は「1%から3%程度」が相場と言われ一見低く見えますが、保有する債権全てに対してとなると少なくはない保険料になってしまう可能性があります。
取引信用保険に加入し対象となる売掛先が倒産し被害を受けたとしても、全額保証を受けられない可能性が高い点には注意が必要です。
多くの場合で「縮小率」という数字が設定され、この割合で保証額が決定され保険が適用されることになります。
縮小率は「90%前後」になることが多いのですが、保険料を支払った上で全額保証が受けられるわけではないということは理解して契約を行うべきです。
申込先によって違いはあるものの、「保険の対象となる(一定額以上の取引額ある)取引先が10社以上」や一部の業種の売掛債権は対象外となるなど、取引信用保険を利用するためのハードルは決して低くはありません。
元々が大企業向けの保険商品であるため、中小の企業にとって利用しやすい保険とは言えないかも知れません。
売掛債権を売却し現金化するのが「買取ファクタリング」と呼ばれる資金調達方法であり、一般的にファクタリングと言えば買取ファクタリングのことを指します。
金融庁も事業者の資金調達の一手段であると解説しており、正確に言えば売掛債権の支払いに対しての保険とは言えないかも知れません。
しかし「売掛先が倒産しても債権売却によって手にした現金の返却義務は原則ない」という特徴を持っており、結果的に保険的な働きが期待できるのです。
原則的に買取ファクタリングは、「償還請求権なし(ノンリコース)」で契約が行われます。
ファクタリングにおける償還請求権(保険)とは、売掛先の倒産などによって債権の回収が不可能になった際に、その代金を元の債権者に対して請求できる権利を指します。
この権利がないということは、万が一にでも売掛先が倒産しても債権についての責任を問われることがないということになります。
債権を売却した時点で手数料を引かれる形で現金化に成功していることから、売掛先の倒産リスクの回避が実現でき保険的な効果が得られていることになります。
ただし原則的にノンリコースであり、絶対とは言い切れませんので、契約内容はしっかりと確認しておきましょう。
あくまで買取ファクタリングは保険と言うよりは資金調達方法という位置づけであり、本来の目的は「売掛債権の早期現金化」に重点があります。
決済が行われるまでの資金繰りという問題が早期現金化によって解消され、資金ショートのリスクを避けることが難しくなくなるのが、買取ファクタリングを利用する最大のメリットです。
また最短即日など買取スピードの早さも、大きなメリットとなるはずです。
買取ファクタリングの利用には手数料が必要になり、その相場は「1%から30%」と幅が広く、利用するファクタリング会社や選択した売掛債権の売掛先によって大きく変化します。
また売掛先へ債権の譲渡に関する通知を行ってから契約を行うかどうかも手数料に大きく影響する要素であり、契約方法の選択もポイントとなります。
利用の際には、手数料が妥当な額と判断した上で売掛債権の売却を行うことが大切です。
保証ファクタリングは、売掛先の倒産などによって債権の回収が不可能となった際に保証が受けられるサービスです。
取引信用保険と同様のサービスに感じられるかも知れませんが、利用できる場所や保険、保証内容に大きな違いがあり、どちらを選んでも同じ効果が得られるわけではありません。
保険、保証対象とする売掛債権を契約者側が選択できることが保証ファクタリングの大きな特徴です。
リスクを感じる売掛先の債権だけに限定して申込むことも可能であり、支払いが実行されるまでの短期間の契約が可能であることも費用的な無駄を発生させずに済みます。
包括保険への申込みに抵抗があるという経営者様には、最適な選択肢となる保険かも知れません。
取引信用保険は保険会社が取扱う商品ですが、保証ファクタリングは一部の大手金融機関で利用できます。
買取ファクタリングのメインとなる銀行やノンバンク以外の、独立系と言われるファクタリング会社での利用は難しいのですが、大手金融機関であることで保険利用に関しての安心感は高まるはずです。
保証ファクタリングを利用する際に必要な保証料は「5%から10%前後」だと言われています。
取引信用保険よりも保証料が高く感じるかも知れません。しかし保証を受ける債権を限定できることで、取引信用保険より結果的に費用が抑えられる確率も高くなります。
しかし状況次第では買取ファクタリングで支払う手数料よりも高くなることがあり得ますので、保険申込先に詳しく条件を確認した上での慎重な判断が求められます。
「取引信用保険・買取ファクタリング・保証ファクタリング」という3つの選択肢は、サービス内容に違いもあることからどれを選ぶべきか判断に迷われるかも知れません。
そここでここからは「保証額・利用しやすさ・利用時の負担」の3項目を比較し、中小企業や個人事業主が売掛債権への保険目的で選ぶべきはどれかをチェックしてみましょう。
売掛先が倒産などした際に実際に支払われる保証額は、保険として利用した場合の重要なポイントとなります。
取引信用保険は債権の額面の90%程度が対象となりますが、保証ファクタリングならば100%の保証が期待できる保険です。。
買取ファクタリングは厳密に言えば保証が受けられるわけではありませんが、売掛先が倒産しても償還請求権なしであれば自社がダメージを受けることはありませんので、100%保証が受けられていると考えることができるはずです。
いくら保険として頼りになるとしても、利用に関するハードルが高くては保険として利用しやすいとは言えません。
この点において取引信用保険は他の2つと比較して優れているとは言い難く、特定の業界の債権は保証対象外となる可能性もあり、取引額が一定以上あることなどの条件が必要な場合も中小企業や個人事業主にとっては高いハードルとなりかねません。
3つの選択肢の中でも買取ファクタリングは売掛先の信用力が十分にあれば高確率で審査通過でき、自社の経営状況が審査に影響しにくいなど、多くの企業にとって利用しやすいと言える選択肢です。
どの選択肢を選んだとしても保証料や手数料は発生しますが、保有している売掛債権の信用力がどれほどかによって負担は大きく変動します。
また保証料が低く見える取引信用保険は包括保険であることから、保証が不要と考えられる売掛債権にも保証料が発生してしまうという問題があります。
そして最大では30%近い手数料が必要になると言われるファクタリングは、契約方法や売却する債権の売掛先次第では1%程度の手数料が設定される可能性も十分にあることから、どの選択肢の負担が一番小さいとは一概には判断できません。
手数料に注目する必要はあるものの、中小企業や個人事業主へおすすめさせていただきたいのは「買取ファクタリング」です。
それは保険としての働きが期待できるだけでなく、買取ファクタリング本来の目的である資金調達方法として活用することによって、企業の資金繰りに大きなメリットを与えてくれるからです。
極端に危険度の高い売掛債権は買取対象となるのは難しくなりますが、倒産リスクを回避しながらも資金ショートのピンチを乗り越える手助けにもなってくれるのは、資金繰りに大きなメリットを与えてくれるはずです。
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