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ファクタリングコラム
2024年9月11日
目次
ファクタリングは健全な資金調達方法のひとつです。しかしファクタリング業界が抱える問題点として、「偽装ファクタリング」に注意が必要です。
偽装ファクタリングは、ファクタリング契約を装い、実際には金銭の貸し付けとなる取引をおこなうものです。場合によっては違法となります。しかしファクタリングや貸し付けについての知識がなければ、その契約が正しい契約であるのか判断できません。
ファクタリングの正しい知識をつけ、問題点に対応していきましょう。
問題点を説明する前に、ファクタリングについて説明します。
ファクタリングは売掛債権と呼ばれる「後日売掛金を受け取る権利」を業者に譲り、その対価をもらう契約です。具体的に次のような流れで取引をおこないます。
1. 売掛先から売掛債権が発行される
2. ファクタリングの利用を業者に申し込む
3. 業者は売掛債権の額面から手数料を差し引いた金額を利用者に振り込む
4. 売掛債権の支払期日が到来すると、売掛先から売掛金が支払われ、業者に入金される
「売掛金を受け取る権利」の売買ですから、金銭の貸し付けにはあたりません。
万が一売掛先から売掛金が支払われなかった場合も、そのリスクごと「売掛金を受け取る権利」を業者に売り渡しているため、利用者が立て替えて支払う必要はありません。これがファクタリングです。
ファクタリングは権利の売買であり金銭の貸し付けには当たりません。そのため、貸金業法の対象外です。ファクタリングを規制する法律や資格などはなく、それが問題点のひとつでもあります。
貸金業法では次のようにさまざまな決まりがあります。
借入金額などが信用情報機関に登録される
貸金業者は都道府県などの登録を受けなければいけない
上限金利は15%~20%
業者の中には貸金業法の対象外となるファクタリングを悪用して、高金利の貸し付けをおこなう業者もいます。そのようなヤミ金融業者の存在も問題点です。そういった業者を利用しないよう注意が必要です。
ファクタリングの問題点として「偽装ファクタリング」があります。
本来は売掛債権の売買をおこなう契約です。しかし偽装ファクタリングは、「売掛債権を担保にした貸し付け」のような契約です。ファクタリングの名目でおこなった契約だとしても、条件等により貸し付けと認定されれば貸金業法の適用範囲です。
たとえば高額な手数料を取られた場合、貸金業法の上限金利と照らし合わせ、違法と認定されることもあります。
重要な問題点は、その契約が「売掛債権の売買」か「金銭の貸し付け」なのかの判断部分です。
たとえ業者と利用者の双方がファクタリング契約だと認識していても、契約内容によっては金銭の貸し付けと認定される可能性があります。
一番重要な判断ポイントは、売掛先から売掛金が振り込まれなかった時の対応です。
売掛債権の支払期日が到来した時、なんらかの理由で売掛金が支払われないこともあります。その損害を誰が被るかが重要な判断ポイントです。
ファクタリングは売掛金を受け取る権利の売買であり、万が一売掛金が支払われなかった時のリスクも一緒に譲渡されます。売掛金が支払われなかった時には、ファクタリング業者がその損害を受けることになります。
利用者はすでに売掛金を受け取る権利がありません。売掛金に関しては、立場上、第三者になったとも言えます。
そのため、売掛先が売掛金を支払わなかったからといって、利用者が肩代わりする必要はないのです。
しかしファクタリング業者の中には、売掛金が支払われなかった時に、その補填を利用者に求める契約をすることがあります。これが問題点です。
利用者が売掛金を肩代わりするということは、依然として利用者に売掛金を受け取る権利がある状況だと言えます。
もしも利用者が「売掛金を受け取る権利」を所有したまま業者からお金を受け取ったとすると、それは売掛債権を売買したわけではなく、売掛債権を担保にお金を借りたのと同じ状況になります。
そのため名目上はファクタリングとしておこなった契約でも、金銭の貸し付けと認定されるのです。
貸し付けと認定されると、貸金業法の適用となります。その問題点として、貸金業法に適していない契約は違法となる点があります。
ファクタリングに金利という概念はありませんが、手数料を金利として考えた場合、上限金利を超える契約はできません。
また無登録で貸金業をおこなった場合、その業者は刑事罰の対象となります。上限金利を超える金利での契約や支払いも同様です。契約内容をよく確認し、違法な契約をしないよう注意してください。
また、別の問題点もあります。
困った時に何度も利用できることがファクタリングの利点ですが、何度も利用できてしまうため自転車操業になりやすいという問題点があります。
融資やローンは、短期間に何度も新規の申し込みをおこなうと、新たな申し込みが出来なくなることがほとんどです。その時点で別の方法を考え、場合によっては金融のプロなどに相談し、再出発をはかることがあると思います。
しかしファクタリングは何度も利用できてしまうため、毎月毎月新たな売掛債権を買い取ってもらい支払いにあてるという自転車操業になりかねません。
ファクタリングの利用には手数料がかかります。なかには20%ほどの手数料がかかる場合もあり、高額です。
自転車操業状態になってしまうと、本来入手できるはずの売掛金を毎月手数料分ずつ入手できないことになります。経済状況がますます悪くなってしまう恐れもあり、専門家へ相談するタイミングを失ったまま緩やかに状況が悪化していく可能性があります。
何回も利用できることはメリットでもありますが、適切な利用を心掛けてください。
状況に応じて経営のプロなどに資金繰りの相談をすることで、問題点を解決できる可能性があります。
業者による悪質な取り立ても問題点のひとつです。
恫喝など、容認できるレベルを超えた取り立て行為は、恐喝罪や脅迫罪にあたる可能性があります。
ファクタリングの種類によっては、売掛金がいったん売掛先から利用者に支払われ、利用者が業者に支払う流れの契約もあります。
振り込まれた売掛金を利用者がそのまま業者に支払えば良いのですが、金銭的に苦しく、業者へ支払わずに手をつけてしまう利用者もいます。
そのような利用者に対し、激しい取り立てがおこなわれることもあるのです。
恐喝や脅迫にあたる取り立てはもちろん問題点ですが、本来送金しなければならない売掛金に手をつけてしまうことも良くありません。業者も利用者も正しい利用を心がけることが、問題点の解決方法です。
ファクタリングは健全な資金調達方法のひとつです。適切な利用をすることで、資金繰りが悪化した時の助けとなります。
しかし問題点もあります。
ファクタリングを装いながら実際には金銭の貸し付けにあたる行為がおこなわれていたり、悪質な取り立てをする業者がいたりします。問題点に対応するためには正しい知識をつけ、少しでもおかしいと思った時には専門家に相談することです。適切な利用で事業に役立ててください。
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