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ファクタリングコラム
2023年1月20日
目次
現在の日本における営利法人としての会社形態は、「株式会社・合同会社・合資会社・合名会社」の4つに分類することができます。
その中でも合同会社(LLC)は、設立のハードルが低いなどメリットも大きいことから毎年数多く誕生しています。
本稿では「合同会社」の概要と設立するメリット・デメリット、さらには合同会社におすすめの資金調達方法3選、「ファクタリング」を推奨する理由を解説させていただきます。
2006年5月1日に施行された会社法によって「合同会社」という会社形態が設立できるようになりました。合同会社は英語では「Limited Liability Company」となり、略称の「LLC」と呼ばれることもあります。
・会社の経営者=会社への出資者
・出資者は全員が有限責任社員となる
上記した2つの項目は合同会社の大きな特徴です。
株式会社は投資家など外部からの出資者が直接的に経営を行うわけではありませんが、合同会社は出資者によって経営が行われます。
また「有限責任社員」とは、出資した金額までの責任しか負わない社員のことであり、合同会社を設立する際の大きなメリットともなります。
日本国内では会社法が施行された2006年から合同会社が設立できるようになりましたが、その数は年々大きく増加しています。
年間の設立数で最も多いのは株式会社ですが、その次に多いのが合同会社であり、増加の割合では株式会社を凌ぎ、新設法人全体における4分の1ほどになっています。
まずは合同会社が数多く誕生している理由とも言える、「合同会社を設立するメリット」を3つご紹介します。
会社を設立するには様々な費用と手間が発生します。
しかし株式会社の設立には登録免許税だけでも15万円が必要なところを、合同会社は6万円で済みます。
他にも株式会社は定款認証を受ける際の手数料や印紙代を含めて9万円が必要になる可能性がありますが、合同会社は定款認証を受ける必要自体がありません。
お金の面だけではなく、手続きで発生する時間や労力も少なくて済むのは、大きなメリットとなるはずです。
他にも合同会社は決算公表の義務がないなど、会社を維持していくためのハードルも比較的低めで済みます。
投資家からの出資を受けている場合は、保有している株式の割合によって配当金が決まります。
しかし合同会社では利益配分を自由に決定することができるのです。
優秀な社員に対して利益配分を大きくすることも可能であり、事業を行う上でのモチベーションを高めるなど様々な効果が期待できます。
また出資者と経営者が同一であるため、意思決定を素早く行えることも合同会社の大きなメリットとなります。
「有限責任」である合同会社では、企業として高額な負債を背負うことになったとしても、社員は自身が出資した額以上の責任を背負わされることがありません。
これ自体は株式会社と同様であり合同会社だからこそのメリットとは言えないかも知れませんが、他のメリットとプラスして「有限責任」であるということは、事業を進めていく上での大きな安心感へと繋がるはずです。
合同会社は設立するメリットを大きく感じられる会社形態ではあるものの、株式会社と比較して劣っている面がないわけではなく、デメリットに繋がる要素が皆無とは言い切れません。
後々問題にならないようにするためにも理解しておいていただきたい、合同会社を設立する2つのデメリットもご紹介させていただきます。
社会全体から見た場合、合同会社という会社形態の信用はまだまだ高いとは言えません。
それは株式会社と比較して認知度が低いことも影響していますが、合同会社の多くが中小企業であることも関係しています。
実際にはAmazonなどの大企業も会社形態は合同会社であり、合同会社=中小企業ではありません。
しかし現状では社会的な信用や知名度では株式会社に劣っているのは事実です。
出資者と経営者が同一である合同会社では、出資者である社員一人ひとりに事業に関する決定権があります。
これは素早く意思決定を行うことができるというメリットにも繋がりますが、「対立が起こる危険」というネガティブな要素にもなり得るのです。
社内での対立が深まってしまうと、意思決定が滞り事業が停滞しかねません。
納得できる利益配分を行うなども大切ですが、社内のルールづくりなども慎重に行う必要があります。
合同会社と株式会社の最も大きな違いとなるのは、「出資者と経営者が同一」であるかどうかです。
すでに解説させていただいている通り、合同会社は出資者=経営者と考えることができます。
対して株式会社では外部から出資を受けた上で、経営者が事業を運営することができます。
しかし株式会社でも経営者が出資することは可能であることから「出資者と経営者が同一でなくても構わない」と捉えるべきかも知れません。
また企業として意思決定を行う際に、株式会社では株主総会や取締役会を開催する必要があるのも、大きな違いとなります。
現在の日本では「株式会社・合同会社・合資会社・合名会社」という4つの会社形態が設立可能ですが、株式会社以外の3つは「持株会社」と呼ばれ、出資者が利益の分配を含めた会社経営を行います。
合同会社と合資会社・合名会社の大きな違いは「出資者の背負う責任範囲」です。
合同会社は有限責任ですが、合名会社は無限責任であり合資会社は有限責任社員と無限責任社員によって構成されています。
会社経営におけるリスクが、合同会社と比較して合資会社・合名会社は高いと判断されることが、合同会社が選ばれる大きな理由となっています。
合同会社は上場が行えず、株主から資金提供だけを受けることはできません。
また合同会社のデメリットとなる可能性もある社会的信用の低さによって、金融機関からの融資を受けるのも難しいという問題も抱えています。
しかし合同会社は資金調達を行えないということではありません。ここからは合同会社も利用しやすい3つの選択肢をご紹介します。
日本政策金融公庫は政府が10割出資している政策金融機関です。
「民間金融機関の補完」を活動目標の1つとしており、融資が受けにくい中小企業への融資にも積極的です。
事業計画書などによって将来性を示すことができれば、合同会社が融資を受けられる可能性は十分にあります。
ただし書類作成を含めた手続きの手間は大きく、実際に融資を受けるために2ヶ月以上かかることも珍しくない点には注意が必要です。
信用保証協会からの保証を受ければ、信用力が高くないことを理由に融資を断られていた企業も金融機関からの借入が行える確率は高くなります。
しかし保証を受けるためには保証料が必要になり、さらには金融機関だけでなく信用保証協会の審査も受けなくてはならないことから、素早い資金調達は期待できません。
売掛債権を決済期日よりも早く現金化するのが「ファクタリング」です。
金融庁も「債権譲渡(売買)契約」による「事業者の資金調達の一手段」と認めており、資金調達に活用して何ら問題はありません。
利用するには不良債権となっていない支払期日前の売掛債権を保有している必要がありますが、この条件を満たすことは難しくなく、多くの企業にとって利用しやすい資金調達方法と言えます。
融資は合同会社にとって利用しやすい資金調達方法とは言えません。
日本政策金融公庫や保証協会からの保証を受けての融資であれば審査通過できる可能性は高まるものの、出資だけを受けることができない合同会社が負債を多く抱えるリスクは小さくないからです。
また資金調達を完了するまでに融資は長い期間が必要になるのも、特に中小企業にとっては利用しにくい理由となります。
しかしファクタリングはそれらの問題をクリア可能であり、合同会社向きの資金調達方法なのです。
合同会社が融資を利用しにくい大きな理由は、金融機関からの「信用」を得るのが難しいからです。
しかしファクタリングでは、売掛債権の売却を申込んだ企業の信用力は審査に大きく影響せず、赤字経営であっても利用可能です。
ファクタリングの審査で重要視されるのは「売掛先の信用力」ですが、これは売掛金の支払いを実行するのが売掛先だからです。
大手企業や公的な期間が売掛先となっている場合には、低い手数料など好条件での買取契約が期待できます。
ファクタリングは融資ではありませんので、合同会社が債権譲渡によって手にした現金は負債として扱われることはありません。
取引には手数料が発生するものの、手数料の支払いは一度だけで済み、融資のように返済に追われる危険も避けることができます。
ファクタリングは債務超過の恐れもなく利用できる資金調達方法であり、貸借対照表への悪影響もなく資産のオフバランス化という効果も期待できます。
さらには債権の譲渡が完了した後は売掛先が倒産したとしても責任を問われない「ノンリコース(償還請求権なし)」での契約が原則というメリットもあります。
合同会社にとって比較的利用しやすい資金調達先である「日本政策金融公庫」や信用保証協会の保証を受けての融資には、資金調達に時間がかかるという大きなデメリットがあります。
それに対してファクタリングは、最短であれば即日での債権現金化も可能であり、ほとんどの場合で数日から1週間以内には資金調達を完了することができます。
申込から契約手続きまでをWeb上で行えるクラウドファクタリングが利用できるファクタリング会社も増加しており、クラウドファクタリングを利用すれば、少ない手間で1時間を切る早さでの債権売却も不可能ではなくなります。
ファクタリングは合同会社に非常に向いている資金調達方法です。融資よりも利用しやすく素早く資金調達が行なえ、資産のオフバランス化を進めることができれば自己資本比率の向上などによって企業価値を高めることもできます。資金調達の選択肢が少ないと言われることもある合同会社ですが、ファクタリングを活用することができれば資金繰りの悩みを大きく改善させることができるようになります。
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