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ファクタリングコラム

ファクタリングの8つのデメリットとデメリットを最小限にできる工夫を解説

コラム

2025年7月27日

ファクタリングは、最短即日で資金調達ができることから人気の資金調達方法の一つとなっています。ファクタリングには、最短即日で売掛金を現金化できる、信用情報に悪影響がない(負債にならない)、審査が柔軟、赤字経営でも利用できるなど数多くのメリットがあります。しかし、いくつか注意すべきデメリットが存在するのも確か。デメリットを踏まえた上で契約をしないと、あとで後悔してしまうこともあるかもしれません。この記事では、ファクタリングのデメリットについて徹底的に解説します。ファクタリングのデメリットを最小限にできる工夫も紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

ファクタリングの8つのデメリット

ファクタリングには、最短即日で売掛金を現金化できる、利用者の経済状況が審査に影響しない、負債を抱えることなく資金調達ができる等のメリットがあります。銀行融資の審査に断られてしまっていても資金調達できる可能性が高く、数多くの事業主から重宝されている資金調達手段です。
しかし、多くのメリットがある反面、注意すべきデメリットが存在するのも確か。デメリットを知らずに利用すると、納得のいく資金調達ができないかもしれません。

ここでは、ファクタリングを利用する前に知っておいてほしい「8つのファクタリングのデメリット」を解説します。

1. 契約形態に寄っては、ファクタリング手数料が高くなる
2. 売掛金以上の資金を調達できない
3. 分割払いができない
4. 売掛先企業に利用を知られてしまう(3社間ファクタリング)
5. 債権譲渡登記をしなければいけないことがある(2社間ファクタリング)
6. ファクタリング会社選びが難しい
7. 闇金のような悪質なファクタリング会社が存在する
8. 利用がクセになると資金繰りが悪化する可能性がある

デメリット1.契約形態によっては、ファクタリング手数料が高くなる

ファクタリングを利用する際に最初に把握しておくべき重要なデメリットの一つが、「ファクタリング手数料が高額になる可能性がある」という点です。この手数料の高さは、契約形態や売掛債権の内容、利用するファクタリング会社の審査基準など、さまざまな要因によって変動します。

ファクタリングの契約には、主に「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」という2つの形式が存在します。

・2社間ファクタリング:お客様(売掛債権の保有者)とファクタリング会社の間で契約を締結する形式

・3社間ファクタリング:お客様、ファクタリング会社、売掛先企業の3者間で契約を行う形式

この契約形態によって、実際に発生するファクタリング手数料には大きな違いが見られます。おおよその手数料相場は以下の通りです。

・2社間ファクタリング:手数料相場は約10%~30%前後

・3社間ファクタリング:手数料相場は約1%~10%前後

このように、同じ金額の売掛債権をファクタリングする場合であっても、契約形態によって数倍近い手数料の違いが生じる可能性があります。特に、資金繰りがひっ迫している中小企業や個人事業主にとっては、10%を超える手数料は大きな負担となりかねません。

なぜこのような差が生まれるのかというと、それは「売掛金の未回収リスク」に関係しています。2社間ファクタリングは売掛先企業に知られずに資金調達が可能というメリットがありますが、その一方で、売掛債権の本当の存在や支払い確実性について、ファクタリング会社はお客様が提示する資料のみで確認しなければなりません。加えて、売掛金の回収も契約者自身が行うため、万が一その資金が他用途に使用されてしまったり、最悪の場合は持ち逃げされてしまうリスクも発生します。

一方、3社間ファクタリングでは、売掛先企業も契約に正式に関与するため、債権の存在や支払い予定についての裏付けがしっかりと取れるほか、売掛先企業がファクタリング会社へ直接代金を支払うため、資金の流れに透明性が確保され、持ち逃げや流用といったリスクを未然に防ぐことができます。これにより、ファクタリング会社としてもリスクが低下する分、手数料を低く設定できるのです。

このような背景から、特に2社間ファクタリングにおいては、リスクに見合った高めの手数料が設定される傾向が強くなります。たとえば、500万円の売掛金を2社間でファクタリングした場合、手数料が20%であれば100万円が差し引かれ、手元に入るのは400万円のみとなります。3社間であれば仮に5%の手数料だとした場合、手数料は25万円で済み、475万円が手元に残る計算になります。このように契約形態の違いにより、最終的に手元に残る資金に数十万円から数百万円の差が出ることもあり得ます。

したがって、ファクタリングを利用する際には、契約形態に関する知識を持ち、どの形式が自社にとって最も適しているのか、またその手数料が事業資金として適切かどうかを慎重に見極める必要があります。安易に契約を進めてしまうと、「せっかく資金調達をしたのに手元資金が少なくなってしまった」といった状況にもなりかねません。ファクタリングは便利な資金調達手段である一方で、その裏側にあるコストとリスクを十分に理解し、納得した上で利用することが重要なのです。

デメリット2.売掛金以上の資金を調達できない

2つ目のデメリットとして挙げられるのが、「売掛金以上の資金調達ができない」という点です。ファクタリングはその仕組み上、あくまでも保有している売掛債権、つまり売掛金をファクタリング会社に売却することで資金を得る方法であり、売掛金を担保にしてそれ以上の資金を借りるような金融商品とは異なります。したがって、現時点で手元に存在している売掛金額を超える資金を調達することは原則としてできません。

例えば、1,000万円の資金がどうしても必要なケースを考えてみましょう。この場合、ファクタリングによって1,000万円を調達したいと思っても、そもそも1,000万円以上の売掛金がなければ、その希望は叶いません。仮に手元の売掛金が800万円分しか存在しなければ、調達できる金額は最大でもその800万円となり、希望額との差額である200万円は別の手段で用意する必要があるということになります。

このように、売掛金の保有状況が資金調達額に大きく影響するという点は、計画的な資金繰りを行う上で大きな制約となり得ます。特に、仕入代金の支払い時期や、従業員への給与、家賃、外注費などの支払いが重なるタイミングで資金が不足しているような場合には、必要額全体をファクタリングだけでカバーするのが難しい可能性があります。

また、こうした資金調達の限界は、個人向けファクタリングを利用しているフリーランスや小規模事業者にとってはより深刻な問題になり得ます。というのも、個人事業主の場合、売掛金の総額そのものが大企業に比べて少ない傾向があるため、希望する資金額に届かないケースが珍しくないからです。

なお、介護報酬ファクタリングや診療報酬ファクタリングといった専門性の高いファクタリングサービスを利用する場合も、売掛金の総額が調達可能額の上限となります。これらの報酬債権は、国や自治体からの支払いが保証されているため、比較的審査が甘い・手数料が安いという口コミもありますが、それでも売掛金以上の額を調達することはできない点は共通しています。

このような特性を踏まえ、ファクタリングを検討する際には、自社の売掛債権の金額と、調達したい資金額のバランスを慎重に確認する必要があります。ファクタリングのメリットデメリットを正しく理解したうえで、「早い資金化が可能」という長所を最大限に活かし、他の資金調達手段と併用するなど、柔軟な対応を考えることが求められるでしょう。

デメリット3.分割払いができない

3つ目のデメリットは「分割払いができない」点です。ファクタリングは、その性質上、基本的に一括返還が原則となっており、分割での返済には対応していません。なぜこのような仕組みになっているかというと、分割払いを認めてしまうと、返済期間に応じた利息が発生することになり、これが「貸付」とみなされる可能性があるためです。貸付行為を行う場合には、法律上、金融庁などから正式な金融免許を取得している必要があり、これは「貸金業法」によって厳しく定められています。つまり、金融免許を持っていない一般的なファクタリング会社が分割払いに応じることは、法律に違反するリスクを伴うため、対応していないのが実情なのです。

さらに、仮に分割払いを認めているファクタリング会社が存在したとしても、そのような会社は法的にグレーまたは完全に違法な営業を行っているケースも少なくありません。特に注意すべき点として、貸金業者には「利息制限法」が適用されますが、ファクタリングの手数料設定はこの利息制限法の枠を超えていることが多く、もしこれを「貸付」として扱われると、法外な手数料を取っていたと判断され、貸金業法違反で摘発される恐れもあります。

つまり、分割払いに対応しているという会社があった場合、その裏には法的な整合性が取れていない、もしくは意図的に法律を無視している悪質な業者である可能性が非常に高いため、利用する側としては十分な注意と確認が必要です。また、資金繰りが厳しく、売掛金の入金前に現金を調達しなければならないという差し迫った状況下において、「本来の入金期日に一括で返還しなければならない」という条件は、経営者や事業主にとって精神的なプレッシャーになることも少なくありません。そのため、資金調達方法を検討する際には、この「分割不可」という点が自社のキャッシュフローや返済計画に与える影響を十分に見極め、慎重に判断する必要があります。

デメリット4.売掛先企業に利用を知られてしまう(3社間ファクタリング)

4つ目のデメリットは、「売掛先企業にファクタリングの利用が知られてしまう可能性がある」という点です。これは、特に「3社間ファクタリング」を利用する場合に発生するリスクとして知られています。3社間ファクタリングとは、ファクタリング会社、利用企業(売掛債権の売主)、そして売掛先企業の3者が関与する契約形態であり、この契約を成立させるためには、売掛先企業に対して債権譲渡の通知を行い、かつその承諾を得る必要があります。つまり、ファクタリングの利用が売掛先に対して事前に通知され、同意を得るというプロセスが避けられないため、売掛先企業にその事実が必ず伝わるのです。

もちろん、ファクタリングという資金調達方法は、近年利用件数が増加しており、一定の認知度も得つつあります。実際、ファクタリングは、金融機関の融資とは異なり、担保や保証人が不要で、赤字決算や債務超過といった状況でも利用できるため、資金繰りが厳しい企業にとっては非常に柔軟で有効な手段とされています。しかしながら、一般的な企業の間では、いまだにファクタリングの仕組みに対する理解が十分に広まっていないのが現状です。

そのため、売掛先企業によっては「ファクタリングを使っている=資金繰りに行き詰まっている」「経営が不安定なのではないか」といった、誤解に基づくネガティブな印象を抱かれてしまうリスクもあるのです。こうしたマイナスのイメージが先行してしまうと、信用の低下や信頼関係の損失につながる恐れがあり、最悪のケースでは、「この会社との取引は危険かもしれない」と判断されて、取引量の縮小や契約の見直し、場合によっては一方的な取引停止に至るケースも考えられます。

特に、売掛先企業が大手企業や、コンプライアンス意識の高い企業である場合、こうした傾向は顕著です。ファクタリングという制度に対する理解が乏しい企業であればあるほど、「なぜファクタリングが必要なのか」「資金繰りが破綻しているのではないか」といった不安を抱かれ、業務上の信頼に支障をきたす危険性があるのです。

このように、ファクタリングを利用したことにより、取引先に対して不必要な不安感や疑念を抱かせてしまう可能性がある点は、無視できないデメリットであると言えるでしょう。したがって、3社間ファクタリングを選択する際には、売掛先企業との信頼関係や関係性の強さ、また相手企業のファクタリングに対する理解度なども含めて慎重に判断する必要があります。売掛先に知られずに資金調達を行いたい場合には、売掛先企業に通知が不要な「2社間ファクタリング」を選択するなど、適切な方法を見極めることが重要です。

デメリット5.債権譲渡登記をしなければいけない場合がある(2社間ファクタリング)

5つ目のデメリットとして挙げられるのは、「債権譲渡登記をしなければならない場合がある」という点です。これは、特に2社間ファクタリングを利用する際に発生する可能性が高く、売掛債権の管理や回収におけるリスク回避策として、ファクタリング会社が債権譲渡登記を必須とするケースがあります。

債権譲渡登記とは、端的に言えば「A社(=ファクタリング利用企業)が、保有している売掛債権をB社(=ファクタリング会社)に譲渡したことを、法的に第三者に対して主張できるように登記する手続き」のことです。これは会社設立時に行う法人登記と同様、法務局に記録される正式な登記制度であり、情報は一般に公開されるため、売掛先や他の取引先、金融機関、場合によっては競合他社にまでファクタリングの利用が知られてしまう可能性があります。つまり、売掛先企業が契約に関与しない2社間ファクタリングであっても、登記情報を確認すれば、債権譲渡の事実が発覚してしまうことがあるのです。

このことから、「2社間ファクタリングなら相手に知られずに資金調達できる」と安心していた事業者が、思わぬ形でファクタリングの利用を知られてしまい、信頼関係に影響を及ぼすリスクも無視できません。特に、売掛先企業との取引額が大きい、もしくは将来的な継続取引を見込んでいる企業の場合、こうした情報の漏れが与える影響は非常に大きく、業務や売上計画そのものに悪影響を及ぼす可能性もあります。

さらに、債権譲渡登記には金銭的な負担も伴います。たとえば、登記費用として7,500円程度の登録免許税が必要になるうえ、手続きを司法書士に依頼する場合には報酬として5万円〜10万円程度の費用が発生するのが一般的です。これらの費用はすべてファクタリングを利用する企業側の自己負担となるため、資金繰りが厳しい状況下で利用するケースが多いファクタリングにおいては、少なからずマイナス要因といえるでしょう。登記費用の捻出が困難な場合、資金計画を見直す必要が出てくることも考えられます。

また、債権譲渡登記が行われたことで、金融機関がその情報を確認し、「この企業は通常の融資ではなくファクタリングに依存している」と判断するケースもあります。こうなると、今後の借入に影響が出るリスクも否定できません。つまり、ファクタリングの利用が一時的な資金繰りの対策として適切であっても、長期的な資金管理や金融機関との信頼構築といった視点では、計画的な活用と制度理解、専門家への相談が必要不可欠です。

このように、債権譲渡登記は法的には必要な手続きであり、売掛債権の権利関係を明確にするという意味では合理的かつ安全な制度ですが、その一方で、費用負担や情報漏えいのリスク、そして外部からの印象に与える影響など、様々なデメリットや注意点が存在します。ファクタリングを利用する際には、こうした制度的な側面も十分に理解したうえで、登記の有無やそれに伴う費用・リスクを事前に確認し、必要であれば弁護士や司法書士などの専門家から支援を受けるとよいでしょう。

資金調達においては、制度の利用目的やタイミング、それぞれの企業の現状に応じた適切な選択が求められます。安易な判断で債務超過や信頼の低下を招くことのないよう、リスクを未然に把握し、経費や業務に与える影響を十分に考慮することが肝要です。

デメリット6.ファクタリング会社選びが難しい

6つ目のデメリットは、「ファクタリング会社選びが非常に難しい」という点です。

日本国内には、2025年現在、100社を優に超えるファクタリング会社が存在しており、年々その数は増加傾向にあります。とくに、金融機関からの資金調達が難しい中小企業や個人事業主の間でファクタリングの需要が高まっていることを背景に、新規参入する事業者も後を絶ちません。その結果、ファクタリング市場は多様化が進み、サービスの選択肢が増える一方で、「どの会社を選べばよいのか分からない」という声が多く聞かれるようになっているのです。

問題となるのは、ファクタリング会社によって「契約内容」「サービス形態」「対応スピード」「ファクタリング手数料」「債権譲渡登記の有無」などが大きく異なっているという点です。たとえば、同じ2社間ファクタリングを提供している会社であっても、その実態には以下のような違いが見られます。

①A社:2社間ファクタリングを提供。債権譲渡登記は必須。手数料は22%。審査スピードは遅めで、入金まで2~3営業日。

②B社:同じく2社間ファクタリングだが、債権譲渡登記は「留保対応」可能。手数料は18%。オンライン対応に強み。

③C社:2社間ファクタリング。登記不要で柔軟な対応が特徴。手数料は14%と比較的低め。即日入金にも対応。

このように、「一見すると似たサービスに見えても、細かく見れば利用条件や費用面において大きな違いがある」というのが現状です。しかも、ホームページや広告には「即日入金」「業界最安水準」「審査が甘い」などといったキャッチフレーズが並んでおり、情報の真偽を見極めるのも困難です。ファクタリングを初めて利用する企業にとって、これらの情報を正確に比較・検討するのは簡単ではありません。

また、近年では悪質な業者や法的にグレーな運営を行っている事業者も一部存在しており、十分な契約説明を行わないまま高額な手数料を請求されたり、売掛先との信頼関係を損なうような対応をされたりといったトラブル事例も報告されています。こうしたケースでは、資金繰りの改善どころか、かえって経営悪化を招いてしまう可能性すらあるのです。

このような背景から、ファクタリングを安全に、そして有効に活用するためには、事前に複数のファクタリング会社を比較検討し、サービス内容や手数料、契約条件、会社の信頼性などをしっかりと調査する必要があります。口コミや専門家の意見、実績なども参考にしながら、慎重に選ぶことが求められるのです。

さらに、もし自社内に資金調達や契約関連の専門知識を持つスタッフがいない場合には、外部のコンサルタントや税理士、弁護士などの専門家に相談し、適切なアドバイスを受けながら進めることも有効な手段です。これにより、リスクを未然に防ぎ、より安全な形でファクタリングを導入することが可能になります。

したがって、数ある中から自社に最も適したファクタリング会社を見つけ出すことが難しいという点は、ファクタリングを導入する際に避けて通れない大きなハードルの一つであり、その意味でも重大なデメリットといえるでしょう。

デメリット7.闇金のような悪質なファクタリング会社が存在する

7つ目のデメリットは「悪質なファクタリング会社が存在する」という点です。

近年、ファクタリングという資金調達手段は広く認知されるようになり、多くの中小企業や個人事業主が活用するようになってきました。しかし、残念ながらその需要の増加に伴い、利用者の資金難に付け込むような悪質業者も増加傾向にあります。

特に注意すべきは、表面的には正規のファクタリング会社を装っているにもかかわらず、実態は闇金まがいの違法業者であるケースです。こうした悪質業者は、契約内容をあいまいにしたまま話を進めたり、利用者が金融リテラシーの低さにつけ込んで、高額なファクタリング手数料を請求したりします。たとえば、通常であれば5~20%程度が相場とされる手数料が、30%を超えるような法外な手数料設定になっている場合も少なくありません。

さらに、債権譲渡登記を必要以上に強要されたり、手形割引や売掛債権の譲渡に関する契約書の内容が不透明なまま進行されるなど、契約上のトラブルに発展するリスクもあります。契約内容の説明が不十分であったり、専門用語が多くて理解できないまま契約を進められたという相談も後を絶ちません。

その結果、利用者が思っていた以上に資金が減ってしまい、かえって資金繰りが悪化したというケースも存在します。悪質業者に関与してしまった企業は、最終的に債務超過や資金ショートに陥る危険性すらあるため、十分な注意が必要です。

悪質な業者を避けるためには、まず契約前に複数の会社の条件を比較し、手数料や契約方式、提供されるサービスの内容を明確に確認することが重要です。また、事前に口コミや利用者の体験談、ファクタリング会社の登記情報や金融庁・国民生活センターの情報などをチェックし、怪しい点がないか確認することが、リスク回避のための第一歩となります。

さらに、信頼できる専門家(税理士や中小企業診断士、弁護士等)に相談を行いながら契約を進めることも、有効な手段のひとつです。そうすることで、悪質な業者との契約を未然に防ぎ、安心・安全な形でファクタリングを活用することができるようになります。

このように、ファクタリングを利用する際には、その利便性や即時性だけで判断せず、契約相手となる会社の信頼性や契約条件を十分に確認することが不可欠です。リスクを最小限に抑えるためにも、冷静かつ慎重な判断が求められるのが、ファクタリング利用における大きなポイントであり、このような点が「デメリット」として挙げられる理由の一つでもあります。

デメリット8.利用がクセになると資金繰りが悪化する可能性がある

8つ目のデメリットは「利用がクセになると資金繰りが悪化する可能性がある」点です。

ファクタリングは、あくまで売掛金を金融機関のような第三者に買い取ってもらうことで、売掛金の入金前に現金を受け取ることができるサービスです。つまり、ファクタリングを活用して得た資金は、将来的に受け取れる予定であった代金を前倒しで受け取っているだけに過ぎず、実質的には「売掛金の前借り」または「先払い」と言っても過言ではありません。

そのため、早期現金化によって一時的に資金繰りが改善したとしても、その改善は一時的な措置にとどまり、根本的な経営課題やキャッシュフローの構造に対する解決にはつながらないケースが多くあります。とくに慢性的な資金不足に悩む事業者が、問題の本質に向き合わず、ファクタリングの手軽さだけに頼ってしまうと、徐々に「資金調達のクセ」がついてしまうリスクがあります。

また、ファクタリングには必ず一定の手数料が発生します。たとえば100万円の売掛債権をファクタリングした場合、手数料率が10%なら実際に受け取れるのは90万円程度になります。つまり、資金調達をするたびに売上の一部を「カット」されているのと同じ状態になってしまうのです。このようなファクタリングの頻回利用が続けば、資金繰りに余計な圧力がかかり、むしろキャッシュフローがマイナスに転じてしまう可能性も否定できません。

さらに、ファクタリングの利用を繰り返すことによって、経費の増加や資金計画の見直しが遅れ、資金管理が煩雑になるケースも少なくありません。適切なタイミングで経営状況を振り返り、在庫や経費、売掛債権の回収状況などを総合的に確認したうえで、根本的な資金繰りの改善策を講じることが求められます。

このように、ファクタリングの安易な連続使用は、本来の目的を見失わせ、かえって経営のリスクを高める結果につながるおそれがあります。そのため、ファクタリングの利用はあくまでも一時的な資金ショートを回避するための手段として位置づけ、計画的に利用していくことが極めて重要です。

ファクタリングのデメリットを最小限にする5つの工夫

上記に解説したデメリットを見ると「利用しない方がいいかもしれない」と、利用を躊躇してしまう方もいるかもしれません。しかし、実はファクタリングのデメリットは、少し工夫をするだけでさほど悪影響を与えなくすることも可能なのです。ここからは、デメリットごとにデメリットを最小限にするための工夫を解説します。

1.手数料を安くする手段を知る

「手数料が高い」というデメリットは、以下の方法で解消できます。

・3社間ファクタリングを選ぶ
・オンラインファクタリングを選ぶ
・信用度の高い売掛債権を売却する
・債権譲渡登記を行う

3社間ファクタリングであれば、1%~10%という低手数料で利用可能です。しかし、売掛先企業との取引関係に悪影響を及ぼす可能性もゼロではありません。ファクタリングへの理解がある売掛先企業の場合に限り、3社間ファクタリングを利用するのも良いでしょう。
2社間ファクタリングで手数料を抑えたいという場合には、オンラインファクタリングがおすすめ。オンラインファクタリングは、web上ですべての手続きが完結するため、ファクタリング会社の事務所代や人件費がかかりません。そのため、手数料相場も1%~20%とやや割安となっています。
また、信用度の高い売掛債権を売却できれば、低手数料にも期待できるでしょう。大手企業や国・地方自治体が売掛先の売掛債権や、決済日までの期間が短い売掛債権があれば、そちらを売却するのも一つの手です。債権譲渡登記を行えば、売掛金の未回収リスクも低くなるため、手数料も安くなる傾向にあります。
上記の工夫をすれば、手数料に関するデメリットは最小限にできるでしょう。

2.複数の売掛債権を合算して売却する

ファクタリングは、売掛金以上の資金調達ができないというデメリットがあります。希望した資金調達額に達しない場合、資金繰り改善も難しいかもしれません。
しかし、ファクタリングでは1回の取引で複数の売掛債権を売却することも可能です。1つの売掛債権で希望額に達しない場合は、複数の売掛債権を合算するのも良いでしょう。合算して売却できれば、希望額に達しない可能性があるデメリットは解消できます。

3.債権譲渡登記の留保が可能なファクタリング会社を利用する

誰にも知られずに資金調達を行える2社間ファクタリングですが、債権譲渡登記をした場合は知られるリスクがゼロではありません。売掛先が登記記録を閲覧した場合に限り、ファクタリングの利用を知られる可能性はあり、デメリットとなり得ます。
その場合は、債権譲渡登記の留保に対応している会社を利用するのがおすすめ。債権譲渡登記をしなければ、売掛先にファクタリングの利用が知られるリスクはゼロになります。手数料はやや割高になる可能性はありますが、ファクタリングの利用が知られるデメリットは解消できるでしょう。

4.ファクタリング会社の実績を見る

ファクタリング会社選びが難しいというデメリットは、ファクタリング会社の実績を知ることで軽減できます。優良ファクタリング会社は、会社のホームページ上に過去の取引実績を掲載していることが多いです。自社と同業との取引実績があったり、資金調達ニーズに合った実績があったりすれば、自社に適したファクタリング会社と判断できるでしょう。
ファクタリング会社のホームページ上で、以下を確認することで、ファクタリング会社選びに関するデメリットや心配はなくなるはずです。

・自社と同業との取引の有無
・資金調達までにかかる時間
・手数料設定やその他諸費用
・債権譲渡登記の必要の有無
・買取可能額

5.悪質なファクタリング会社の特徴を知る

ファクタリング業界には悪質なファクタリング会社の存在も確認されており、これは大きなデメリットとなります。しかし、悪質なファクタリング会社には共通する特徴があり、特徴を把握することで、悪質なファクタリング会社を利用してしまうかもしれないデメリットは回避できるでしょう。
以下に該当する場合は悪質会社の可能性が高いため、利用しないでください。

・手数料が相場から逸脱している
・手数料が安くてもその他諸費用で高額請求してくる
・担保や保証人を要求してくる
・償還請求権ありの契約
・売掛金の分割払いが可能
・会社の情報(住所や固定電話)を開示していない
・契約書の控えをくれない
・譲渡売買契約ではなく貸付契約

デメリットを理解してファクタリングを有効活用しよう

ファクタリングは、最短即日で資金調達が可能な点から注目を集めており、近年では中小企業だけでなく個人向けのサービスも増加傾向にあります。特に診療報酬や介護報酬を対象にしたファクタリングは、医療・福祉業界での資金繰り改善手段として高く評価されています。

しかし、ファクタリングにはメリットデメリットが存在します。以下に代表的なデメリットとその背景となる仕組みを見ていきましょう。

・契約の形態や条件によっては、ファクタリング手数料が高くなる場合があります。特に売掛先との信頼関係が築きにくい場合には手数料が安い水準で提供されないこともあります。

・売掛金以上の資金調達ができず、必要な資金を全額確保できないケースも。

・分割での資金受け取りができないため、一括での資金化にしか対応できないことが多いです。

・3社間ファクタリングでは、売掛先企業に利用が知られてしまい、信頼関係に影響を及ぼす可能性もあります。

・2社間ファクタリングでは、債権譲渡登記が必要となるケースもあり、手間や費用が発生します。

・ファクタリング会社の選定が難しく、どの会社が信頼できるか判断がつきにくいのも事実です。

・市場には、闇金まがいの悪質業者や、審査が極端に甘いと謳って集客する会社も存在し、注意が必要です。

・利用を繰り返すことで、払えない状況が続いたり、資金繰りのバランスが崩れ、財務が悪化する恐れもあります。

ただし、これらのデメリットは工夫次第で最小限に抑えることができます。たとえば、口コミや評価をもとに信頼できる会社を選ぶ、仕組みを理解したうえで2社間・3社間の違いを見極める、業界特化型のファクタリング(例:診療報酬・介護報酬対応)を選ぶなどの方法があります。

さらに、最近では審査が早いオンライン型ファクタリングや、AIによる自動審査が進んでおり、手続きもスムーズになっています。信頼できる会社を選び、目的に応じたサービスを活用すれば、ファクタリングは資金繰り改善の有力な手段となります。

 

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