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ファクタリングコラム
2023年7月25日
目次
近年では、売掛債権を利用した資金調達方法で、経済産業省も推奨しているファクタリングが普及しています。
ファクタリングは、不動産などを担保にする融資ではなく、借入ではないため負債が増えません。
資金調達方法として一般的な融資ですが、中小企業や個人事業主にとっては決してハードルが低いとはいえないでしょう。
この記事では、経済産業省がファクタリングを勧めている理由や、国内における資金調達の現状と動向を解説します。
日本にある企業のうち、約9割が中小企業です。
つまり、日本経済を支えているのは中小企業といっても過言ではありません。
資金調達の方法には、融資や助成金など、さまざまな種類があります。
ところが、大企業に比べて中小企業の資金調達方法はかなり偏っているといえるでしょう。
このようなことから経済産業省は、新しい資金調達方法としてファクタリングを推奨しています。
本章では、まず中小企業が抱える資金調達問題を解説します。
中小企業が資金調達をおこなう場合、はじめに融資を検討する場合が多く、自己資本や社債以外の方法で資金調達をおこなう企業がほとんどです。
しかし、融資を受けられない中小企業も少なくありません。
融資が受けられたとしても、返済にかかる負担により資金需要が高まり、資金を準備できなければ、たとえ利益が出ていても倒産する「黒字倒産」に陥ってしまう可能性があります。
日本企業の多くが中小企業ですが、資金を十分に調達できず倒産すると、日本経済を衰退させてしまう要因となり得るでしょう。
そこで、中小企業がスムーズに資金調達を進めるために国が勧めているのが、売掛債権を活用する方法です。
中小企業庁では、中小企業が不動産を担保にして融資を受ける方法に依存しないように、売掛債権を担保に借入できる売掛債権担保融資保証制度を創設。
これにより、中小企業が売掛債権を担保にする借入に対して、信用保証協会に保証してもらえます。
経済産業省は、中小企業が資金調達する際、不動産の担保価値に影響されすぎている現状を懸念しています。
融資を受ける担保として、不動産以外が認められれば、不動産所有の有無に左右されない資金調達が可能です。
そこで、経済産業省は企業の規模や不動産の有無に左右されない資金調達方法として、売掛債権の利用を推奨しています。
日本における売掛債権を利用した資金調達方法には、債権を担保に融資を受ける「ABL」と、債権を売却し早期現金化する「ファクタリング」の2種類があります。
それでは、売掛債権の活用する2つの資金調達方法を見ていきましょう。
経済産業省が推奨するABLとは、売掛債権担保融資とも呼ばれる融資方法です。
不動産だけでなく、動産を担保にすることで、より融資を受けやすくなります。
担保にできる動産は、売掛債権や診療報酬債権などです。
さらに、在庫や機械設備などもABL担保に含みます。
アメリカなどではABLをよく利用していますが、日本ではあまり一般的ではありません。
ABLと同様に経済産業省から推奨される資金調達方法であるファクタリングとは、売掛債権をファクタリング業者へ譲渡し、現金を得る方法です。
支払期日までに、売掛債権を現金化できるため、手元に資金が必要な場合の資金調達方法として利用されています。
中小企業や個人事業主の場合、売掛金の入金が遅れたり、貸し倒れになったりすると、資金繰りに大きな影響が出る可能性も少なくありません。
ファクタリングには、売掛債権の売却以外に、保証を付けられるサービスもあるため、取引先の貸倒れリスクに備えて利用する場合もあります。
次は、経済産業省が推奨するファクタリング業界の動向を解説します。
その前に、ファクタリングの歴史を振り返り、なぜ普及しているのかを理解しましょう。
日本にファクタリングが導入されたのは1970年代ですが、欧米ではそれ以前から一般的にファクタリングをおこなっていました。
ファクタリングが海外で普及した理由のひとつは、度重なる金利の上昇や銀行規制などにより、資金繰りが困難になった企業が増加したためです。
ファクタリングをおこなう際に、企業の信用調査をおこなうため、海外ではファクタリングを利用できる企業は信頼できると捉えられています。
ファクタリングが導入される前の日本では、掛け取引は支払手形による手形取引が一般的でした。
手形取引では、企業から商品やサービスを購入する際、手元に現金がなくても取引が成立します。
支払手形を発行すれば、現金での支払いを引き延ばせるため、買い手企業には大きなメリットいえるでしょう。
しかし、現金を回収するまで時間がかかってしまうため、売り手企業の資金繰りが悪化するデメリットもあります。
そこで、早く現金を回収できる方法として、売り手企業における経営の安定化を図れるファクタリングの需要が拡大したのです。
ファクタリングが普及した理由は、手形取引の衰退だけでなく、法的整備も影響しています。
1998年に債権譲渡特例法が施行され、債権譲渡登記制度が設立されました。
同時に、「債権を譲渡された際に、自分が債権者であることを第三者に対して主張できる」という第三者対抗要件が規定されたため、ファクタリングが一気に拡大。
さらに、2005年に債権譲渡登記制度が改正され、より取引がスムーズにおこなえるようになったため、ファクタリングが日本でも普及しました。
日本におけるファクタリングの取引高は、2011年を境に減少しています。
ファクタリング市場が縮小した原因は、電子手形や電子決済サービス、ネットバンクの普及です。
資金調達方法が以前より多様化したため、ファクタリングの需要は減少。
一方で、「債権譲渡登記制度」や「債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律」など、ファクタリングに関する法的設備が徐々に進んできます。
経済産業省は、売掛債権を利用した資金調達を促進するために、2020年4月には債権法を改正し、より債権譲渡を活用しやすくしました。
ファクタリングには、資金運用の面で得られるメリットが多数あり、近年では注目を集めているため、日本のファクタリング市場が今後さらに拡大していくと予想できるでしょう。
この記事では、経済産業省がファクタリングを勧めている理由や、国内における資金調達の現状と動向を解説しました。
日本企業の9割以上を占める中小企業では、融資による資金調達がほとんどです。
しかし、不動産担保の有無や企業の信用性など、融資を受けられない場合もあります。
そこで、経済産業省は売掛債権を利用した資金調達方法であるファクタリングを推奨。
経済産業省も勧めるファクタリングは、借入ではないため負債が増えず、審査も銀行融資のように厳しくないため、中小企業や個人事業主におすすめの資金調達方法といえます。
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