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ファクタリングコラム
2024年10月10日
目次
日本においては、近年になってファクタリングという資金調達方法が注目を集めつつあります。
中には、ファクタリングが気になっているものの、「安全なのかわからない」という理由から利用しづらいという事業者の方もいるでしょう。
そこで本記事では、ファクタリングの安全性について、利用するメリット・デメリットとあわせて解説します。
ファクタリングを検討している企業・事業者の方は、ぜひ本記事を参考に安全な利用ができるようになりましょう。
ファクタリングとは、企業や事業者が保有している売掛金をファクタリング会社に売却し、現金を得る資金調達方法です。
最近になって日本でも認知度が高くなりましたが、欧米では古くから活用されている一般的で安全な資金調達法として知られています。
売掛金はすぐに入金されるわけではなく、おおよそ1〜2ヶ月先に期日が定められている場合が多いです。
資金に心許ない企業や事業者にとっては、売上はあるのに手持ちの資金が枯渇してしまう状態になるため、それを防ぐためにファクタリングを利用します。
資金不足・資金ショートを改善し、潤沢な資金繰りを実現できるファクタリングは、現代において安全で注目されるべきサービスといえるでしょう。
ファクタリングの安全は法律で保証されているため、安心できる資金調達法といえます。
法律では、「債権譲渡」が認められており(民法466条:債権の譲渡性)、金融庁も売掛債権の管理・回収を行う金融業務をファクタリングと定義しています。
また、ファクタリングは借入ではないので、貸金業の登録は必要ないため、ファクタリング会社が貸金業登録をしていなくても違法ではありません。
法律として債権譲渡が認められている以上は、ファクタリング自体が違法になることはないので安心安全と言えるでしょう。
ファクタリングが法律で保証されているとはいえ、安全ではないという噂も少なからず耳にしたことがあるかもしれません。
では、なぜファクタリングが安全ではないといわれるのか、その理由についてまとめましたので見ていきましょう。
ファクタリングは法律内で債権譲渡に該当しますが、「ファクタリングの法律」は、日本において存在しません。
そのため、法律による規制が厳しくなく、貸金業法の規制が及ばない点が安全ではないと言われる理由の1つです。
例えば、売掛債権を現金化する際に手数料が発生しますが、上限がないため、高額に請求しても合法とみなされます。
手数料に関してはファクタリングを行う企業の中で平準化がされているため、悪質な業者ではない限り高額にはならないでしょう。
法規制が厳しくないからこそ、悪質・違法業者の存在もあり、どの会社にファクタリングを依頼するかが安全性において重要です。
ファクタリングの中でも給与ファクタリングに関しては、貸金業の登録が必要になります。
貸金業の登録を行っていない業者が給与ファクタリングを行うというケースもあるので、注意しなくてはいけません。
また、ファクタリングの手数料を高額に設定している、売掛債権の買取を持ちかけて資金の貸付を行う業者もいます。
法律による規制がないのを悪用した業者が、本来のファクタリングの安全性に悪い印象を与え、不安を感じさせる要因を作ってしまっているのです。
日本における資金調達の方法は、ファクタリングよりもローンなどの借金のほうが浸透しています。
そのため、馴染みのない資金調達法が登場すれば、不安になるのも当たり前のことです。
どのような資金調達法かわからないために不安になっている場合、判例が増えていくに従って安全性は理解されていきます。
そのため、ファクタリング自体の安全性が気になるなら、口コミや評判などをもとに信頼できる業者を探していくのがいいでしょう。
悪質・違法なファクタリング業者によって、ファクタリングの安全性は揺るがされています。
では、どのような手法で利用者を騙しているのか、その手口についてよくあるパターンを見ていきましょう。
悪質な業者は、ファクタリングにおいて必ず取り交わすべき債権譲渡契約を結びません。
契約書を渡さない場合にはすぐにわかりますが、金銭消費貸借契約について記載されている書類を渡された場合、一見気づかない可能性があります。
悪質な業者は、契約書を細部まで見ない方から騙し取ろうとするので、まずは書類の一番上に書かれている名称を確認しましょう。
名称が債権譲渡契約ではなかった場合、契約は結ばないほうが安全です。
また、債権譲渡契約と記載されていたとしても、契約書の内容を細部まで読み、貸付・返済といった文言がないかどうか見てください。
もし、契約書内に不審な点がある場合は、ファクタリング会社に聞くか契約は取り止めておきましょう。
ファクタリングには手数料の上限が設けられていないので、極端に高くても違法ではありません。
しかし、多くのファクタリング会社では、手数料が1〜30%ぐらいの中で設定されているため、極端に高い場合は注意すべきでしょう。
特に、「赤字決算や税金滞納でも利用可能」「審査なしで現金化可能」といった謳い文句で高額な手数料を設定している悪質なファクタリング業者もいます。
手数料が30%以上で設定されているファクタリング会社は利用しないほうが安全でしょう。
債権回収は本来ファクタリング会社が負担するものですが、中には依頼主に負担させる業者もいます。
悪質なファクタリング業者の場合、債権回収リスクを全く負わない、あるいは負ってもごくわずか、という契約内容になっているはずです。
中には、実質的な貸付のような契約をさせてくる業者もいるでしょう。
債権回収を依頼主が負担するかどうかは、契約書の記載やファクタリング会社に直接聞けばわかります。
ファクタリングと謳って違法な取引や悪質な条件で契約させる業者も多いので、安全な契約をするために、依頼する側の知識もある程度養っておかなくてはいけません。
ファクタリングには以下の3つのメリットがあります。
・現金化までが早い
・審査が比較的通りやすい
・負債にならない
安全に利用するのを前提にすれば、より優れた資金調達として活用できるはずです。
では、ファクタリングのそれぞれのメリットについて解説します。
ファクタリングは安全なだけでなく、他の資金調達方法よりも比較的現金化までが早いです。
現金化までに時間のかかる3社間契約でも1〜2週間、2社間ファクタリングでは即日〜3営業日で入金されます。
急な資金不足に悩んでいる企業・事業者にとって、現金化までが早いファクタリングは非常にありがたい資金調達法になるでしょう。
ファクタリングは審査が通りやすい点もメリットです。
理由としては、金銭の貸し借りではないため、見るべき審査項目が絞られる点があげられます。
例えば、ビジネスローンの場合は金銭の貸し借りに該当するため、企業・事業者の返済能力について慎重に審査がされるはずです。
しかし、ファクタリングの場合は売掛債権の信用度が審査対象になるので、売掛先企業の経営状態が問題なければ審査が通る可能性が高くなります。
そのため、自社が赤字決算や税金滞納をしていたとしても、売掛先が売掛債権を支払える状態なら審査する価値はあるでしょう。
ファクタリングは経理上、負債にならない点でもメリットです。
資金調達で利用される多くは借入に該当するので、貸借対照表には負債の科目が増えてしまいます。
負債の科目が増えてしまうと、金融機関からの信用度が低くなってしまい、融資が受けられなくなる可能性もあるでしょう。
一方、ファクタリングは借入ではなく資産の売却にあたるため、負債の科目は増えずにオフバランス化ができます。
企業にとってオフバランス化ができると、ROAの向上に期待できるので、効率よく利益を出していると判断可能です。
そうなると、金融機関からの信頼度も高くなるため、融資が通りやすくなるという点もメリットとして考えられます。
ファクタリングを利用する際は、メリットだけでなくデメリットについても理解しなくてはいけません。
・手数料が高め
・売掛金が全て得られるわけではない
・取引先との信頼関係に影響する可能性がある
では上記のデメリットについて、詳しく見ていきましょう。
ファクタリングは利用しやすく審査も通りやすい点があるものの、手数料が高めに設定されている場合が多いのがデメリットです。
手数料は借入でいう金利に該当しますが、ファクタリング会社によっては30%近くに設定されている場合があります。
ただし、最近では審査にAIを導入し、人件費を削減することで手数料に還元している業者も多いです。
そのため、手数料が高くなりがちな2社間契約でも1~10%で、手数料面においても安全に契約をしてもらおうという業者も増えてきました。
ファクタリングは売掛金が全て得られるわけではなく、手数料が引かれた金額が現金化されます。
資金調達を考えた際に、手数料が引かれることを想定して、必要な売掛債権を買い取ってもらわなくてはいけません。
資金調達が潤沢にある状態でファクタリングを利用すると、手数料分損をすることになります。
緊急的あるいはつなぎとしての資金が不足している企業・事業者におすすめの資金調達法がファクタリングと認識しておきましょう。
ファクタリングが取引先に知られてしまうと、信頼関係に影響する可能性がある点もデメリットです。
資金が枯渇しているためにファクタリングを利用していると捉えられてしまうので、利益を出していない企業・事業者と判断されてしまいます。
もし、取引先にファクタリングを知られたくない場合には、ファクタリング会社と依頼主間でのみやりとりを行う2社間契約が安全で最適です。
3社間契約は手数料が低く抑えられる一方で、必ず取引先にファクタリングの利用が知られてしまいます。
自社・自身の状況に応じて、適切なファクタリング方法を選択しましょう。
最近では、ファクタリングが利用できる会社も増えており、どこの会社を選べば安全に取引できるのかわかりにくくなっています。
そこで次に、安全なファクタリング会社の選び方について解説するので、利用する際の参考にしてください。
ファクタリングでは、売掛債権の買取が可能か必ず審査を行います。
審査なしでファクタリングが可能と謳っている業者は悪質・違法なので安全ではありません。
悪質・違法業者か見分けるポイントとして、審査の有無を確認しましょう。
安全なファクタリング会社かを見分けるポイントとして、手数料の高さが挙げられます。
手数料の相場は2社間・3社間契約のどちらかによって変わるものの、およそ1%〜30%ほどです。
これ以上の手数料を設定しているファクタリング会社の場合、安全なファクタリング業者でない可能性が高いです。正当な理由があるかどうかを確認しましょう。
ただし、基本的に30%以上の手数料を設けているファクタリング会社はおすすめできません。
最近では、低い手数料でファクタリングが可能な会社も増えてきているので、安全かつ効率よく資金調達ができるよう正しく選定しましょう。
ファクタリング会社が安全かどうかを見極めるポイントとして、運営会社や代表者を調べる方法があります。
安全で正当な取引を行っている場合は、運営会社・代表者ともにクリーンな経歴を持っているはずです。
もし、運営会社や代表者を調べても出てこない、公式サイトにも記載されていないようであれば注意が必要です。
償還請求権の有無は必ずチェックしておくべきポイントです。
償還請求権とは、売掛債権の回収が不可能な場合、依頼主に請求できる権利を指します。
リコース契約ともいわれますが、基本的にはノンリコース、つまり償還請求権なしで契約できるファクタリング会社を選ぶべきです。
もし、リコース契約をしてしまうと、結果として自社・事業者の資金をより損失させてしまう可能性があります。
安全なファクタリング会社のほとんどが償還請求権なしで契約できるので、わかりやすく確認できるポイントとして覚えておきましょう。
ファクタリング会社と契約する際は、必ず契約内容の確認を忘れないでください。
契約内容には全ての事項が記載されているので、自社・自身が想定していない内容が書かれていたら、必ず質問して解決しておきましょう。
特に悪質・違法なファクタリング会社は、金銭の貸し借りに関する契約を依頼主に知らせずに結ばせようとしてきます。
契約書類に署名をしてしまったら合意としてみなされるので、必ず全ての文に目を通してからサインし安全な契約を結びましょう。
ここでは、安全なファクタリングに関してよくある質問について解説します。
2社以上のファクタリング会社を利用できますが、同じ売掛債権を複数社に使うのは二重譲渡と呼ばれる行為で、法律で禁止されています。
もし、2社以上のファクタリング会社を利用する際は、それぞれ違う売掛債権を用いるようにしてください。
オンライン完結のファクタリング自体も安全であり、法律的にも問題ありません。
最近ではAIの導入によって対面しなくても審査が可能なファクタリングも増えてきたので、オンライン完結もできるようになりました。
ただし、だからといって全てのファクタリング業者が安全というわけではありませんので、必ず契約内容や運営会社の確認はしておきましょう。
今回はファクタリングが安全である理由やメリット・デメリットについて解説しました。
ファクタリング自体は債権譲渡として法律で認められており、安全性の高い資金調達法であることが理解してもらえたはずです。
しかし、ファクタリング自体の法律がないため、悪用する業者がいるのも事実であり、利用する側としては十分に注意しなくてはいけません。
ぜひ、安全にファクタリングを利用できるよう、みるべきポイントを押さえて信頼できる取引を行ってください。
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