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ファクタリングコラム
2024年6月14日
目次
ファクタリングとは、手数料を支払って会社の売掛金を売却し、取引先の入金サイクルが訪れる前に資金調達可能なサービスですが、2つの業者に対しての二重譲渡は犯罪行為です。
二重譲渡に成功すれば売掛金以上の利益確保に繋がるため、資金繰りに厳しい会社にとって二重譲渡は、リスク覚悟でサービスの裏を突く理想的な資金調達方法です。
ではファクタリングの二重譲渡はバレるのでしょうか?それともバレることなく売掛金以上の利益を得られるのでしょうか?リスクを犯した会社の末路と共に、詳しく見ていきましょう。
ファクタリングの二重譲渡とは、2社(またはそれ以上)のファクタリング業者に対して自社の売掛金を譲渡し、それぞれの業者から代金を受取る行為です。
経営不振に陥り金融機関や投資会社から融資を受けられなくなった資金繰りが厳しい会社にとっては、二重譲渡によって売掛金以上の利益を得られるため、自社の存続に繋がります。
そもそも二重譲渡とは、1つの資産を2人の買主へ譲渡する行為で、主に不動産業界で使われる用語です。
不動産の所有権は買主どちらか一方となるため、二重譲渡をすると権利の保有先が問題となります。
ファクタリングの二重譲渡には、家や土地といった不動産の実体こそありませんが、書類上の売掛金を2社へ譲渡するため、考え方は不動産の二重譲渡と全く同じです。
つまり一方のファクタリング業者は入金サイクル到来で売掛金の回収が可能ですが、他方は回収不可能に陥って「債務不履行」となり、サービスを利用した会社に対して契約上の責任を問われます。
ファクタリングの二重譲渡の具体例について、同じ売掛金(取引先も金額も全く同じ)を2社の業者に対してファクタリングしたと仮定し、解説していきます。
入金サイクルが翌月末の取引先に対する売掛金が500万円あり、すぐに資金繰りが必要だったため、手数料10%のA社にファクタリングを申し込みします。
もちろん二重譲渡は3社間ファクタリング(自社・取引先の会社・ファクタリング業者)では不可能なため、多少手数料が高い2社間ファクタリング(自社・ファクタリング業者)を利用します。
すると手数料10%を差し引いた450万円がA社から入金されますが、それでも会社存続には資金が不足しているため、入金サイクルが到来する前にB社へファクタリングの相談をします。
B社の手数料は20%と多少割高ですが、同じ売掛金を使えば400万円が余計に入ってきます。
つまり実際の売掛金は500万円なのにも関わらず、ファクタリングの二重譲渡をすることで850万円になるため、会社としては350万円の利益が追加されます。
結論から書いてしまいますが、ファクタリングの二重譲渡は確実にバレます。どんな方法を使ったとしても、最終的には100%バレる行為ですので、絶対に二重譲渡をしてはいけません。
ファクタリング業者は慈善事業ではなく、ビジネスとして売掛金買い取りのサービスを提供しています。
売掛金をきちんと回収して初めて自社の利益となるため、ファクタリング業者では二重譲渡に対して厳しい姿勢を取っています。
資金繰りに厳しい会社にとってファクタリングの二重譲渡はバレるのか?それとも二重譲渡はバレないのか?と試行錯誤したい気持ちもわかりますが、そもそも二重譲渡は法律に抵触する犯罪行為です。
厳しいことを言いますが、法治国家である以上、違法行為に対して「バレなければいい」と考えること自体が大きな間違いであり、自社の存続よりも法律遵守を心掛けましょう。
ファクタリングの二重譲渡がバレる理由として、主に3つの理由が挙げられ、どれだけ上手に隠し通しても、最終的には確実にバレます。
ここではファクタリングの二重譲渡がバレる理由について、それぞれ詳しく解説していきます。
ファクタリング業者へ売掛金の買い取り申込みをすると、まずはその売掛金に対していくらで買い取ってもらえるのかの見積もりが提示されます。
この時ファクタリング業者では、売掛金がまだ他社に譲渡されていないか二重譲渡を確認するために、法務局にて債権譲渡登記を調査します。
債権譲渡登記とは、債務譲渡した事実を法務局に登記し公示するための行為で、売掛金がファクタリング業者に譲渡されている事実を公にし、誰でも閲覧可能な状態になります。
一部のスピード重視で買い取りを行うファクタリング業者を除き、ほとんどの業者で見積もり時には債権譲渡登記の調査を行うため、この時点で二重譲渡がバレてしまいます。
債権譲渡登記の調査が行われなかったとしても、内部告発や経理担当者による問い合わせで二重譲渡がバレてしまうケースもよくあります。
何度も言いますが二重譲渡は違法行為のため、社内には自社の違法行為を許せず、ファクタリング業者に対して内部告発する社員がいないとも限りません。
また二重譲渡をしていると、取引先から入金があった場合、どちらのファクタリング業者に振込をすれば良いのかわからない経理担当者から、それぞれの業者に対して問い合わせする可能性があります。
問い合わせした時点で各ファクタリング業者はもちろん、経理担当者にも二重譲渡がバレます。
ファクタリングの二重譲渡がバレないまま取引先の入金サイクルが到来した場合、当然のことながら、どちらか一方のファクタリング業者への振込ができません。
入金サイクルが到来する前に別の手段で資金調達し、他方のファクタリング業者へも入金すればバレないかもしれませんが、二重譲渡を考える経営者に、果たしてそれが可能でしょうか?
契約時に交わした期日に入金がなかったファクタリング業者は債務不履行に陥り、二重譲渡がバレることとなります。
ファクタリングの二重譲渡をした会社のほとんどは悲惨な末路を迎えており、刑事告訴、民事訴訟、そして最後に待っているのは経営破綻です。
二重譲渡で経営が好転したという実例はなく、何らかの罰則を受けたり、人生を左右する大きなトラブルを引き起こしてしまいます。
それではもう少し詳しく、ファクタリングの二重譲渡をした会社の末路をご紹介していきましょう。
ファクタリングの二重譲渡は企業犯罪である横領罪が成立するため、刑事告訴の対象となります。
横領罪は「自己の占有する他人の物を横領した者」「業務上自己の占有する他人の物を横領した者」に適用され、有罪が認められると最大10年以下の懲役が課せられます。
既に別のファクタリング業者に所有権があり、さらに自社の手元にある取引先の売掛金を売却したのですから、言い逃れはできません。
ちなみに、売掛金が存在していないのにも関わらずファクタリング業者へ架空の売掛金を提示すると詐欺罪となり、こちらも横領罪と同様に10年以下の懲役となります。
詐欺罪全体の実刑率は約50%と高いため、初犯でも執行猶予となる可能性はかなり低い犯罪です。
場合によってはファクタリングの二重譲渡で、横領罪と詐欺罪の両方が適用されるケースがあることも忘れてはいけません。
ファクタリング業者としては刑事告訴だけでは債務不履行のままで何の解決にもならないため、同時に民事訴訟を起こし、損害賠償請求を行う必要があります。
損害賠償請求は二重譲渡した売掛金の金額だけでなく、裁判費用はもちろんのこと、実務上ファクタリング業者に損害を与えている場合には、その分を上乗せして請求されます。
刑事告訴と民事訴訟、両方の裁判で争わなければいけないため、経済的、そして心身ともに取り返しのつかない事態に陥ってしまいます。
刑事告訴と民事訴訟の裁判ともなるとテレビや新聞、ラジオ、インターネットニュースなどで報道される場合もあるため、社会的信用を一気に失います。
その結果、これまで長く取引してきた取引先の信用も失い、最終的には経営破綻が待っています。
どんな関係でも1度失った信用を取り戻すのは至難の業で、特にファクタリングの二重譲渡という違法行為ですから、二度と同じ会社との取引は難しくなるでしょう。
さらにインターネット上には半永久的にその事実が残り続けるため、新たに別業界で事業を立ち上げたとしても、失敗する可能性は高くなります。
ファクタリングの二重譲渡をした会社や経営者、責任者には、想像を絶する末路が待っていることを忘れてはいけません。
今回は、ファクタリングの二重譲渡はバレるのか?バレないのか?そしてリスクを犯した会社の末路について詳しく解説させていただきました。
ファクタリングの二重譲渡は100%確実にバレますし、リスクを犯した会社の経営者や責任者に対しては、刑事告訴で懲役刑も十分に考えられます。
さらにファクタリング業者からの民事訴訟によって多額の損害賠償請求でも争います。
裁判によって社会的信用を失い、その結果取引先との信用欠落を引き起こし、最終的に待っているのは経営破綻で、今後の事業立ち上げもかなり厳しい状況になってしまいます。
確かにファクタリングの二重譲渡は、自社の利益の倍増に繋がるかもしれませんが、その先にメリットは一切ありません。
どれだけ資金繰りに悩んでいたとしても、ファクタリングの二重譲渡は絶対にダメです。
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