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ファクタリングコラム
2024年3月28日
目次
ファクタリングをご存知の方の多くは、「納品時などに発生した請求書などの売掛債権を売却して現金に変える資金調達法」というように捉えていらっしゃるのではないでしょうか?
しかしこれからは現在手元にない債権も売却ができる可能性があるのです。将来発生する予定の債権を売却する「将来債権ファクタリング」の特徴などをご紹介します。
将来債権ファクタリングは、ファクタリングの仕組みをもとにした新しいサービスです。
したがって、将来債権ファクタリングを理解するためには、ファクタリングを理解する必要もあります。
将来債権ファクタリングでファクタリング会社に売却するのは「将来発生が予定されている債権」であり、その時点では実際には存在しない可能性のある債権です。
ありもしない債権が売却できるはずがないと思ってしまうかも知れませんが、一定の条件を満たすことができれば売却が可能となるのです。将来債権ファクタリングは「将来債権の買い取り」と説明していることがほとんどです。
しかし、厳密には「将来債権ファクタリング=将来債権の譲渡」といえます。
現在一般的に利用されているファクタリングでは、受注した仕事に対する商品を納品したりサービスを提供した際に発生する、請求書などの「発生済債権」や「確定債権」などと呼ばれる債権が買取の対象です。
ですからこの場合は当然ですが、仕事を終え売掛債権の額面が確定した後でしかファクタリングを活用した資金調達は行えないということになります。
将来債権ファクタリングを利用すれば、「納品後で請求書発行前」や「納品予定・サービス提供予定」という状況でも資金調達が可能となります。
つまり売掛債権の額面が確定する前や、まだ仕事を正式には受注していない段階でも利用することができるということになります。
実際には存在していない債権が買取対象となるというのは、とても不思議に感じる方も少なくないはずですし、違法なのではと不安な気持ちになってしまうかも知れません。
額面が確定していない債権を買い取るという行為に対して、安易に利用する気持ちになれないのは常識的とすら言えるのではないでしょうか?
給与ファクタリングが危険と言われるのと同様に、大きなリスクを感じてしまうのも無理はありません。
・債権の対象範囲(期間)を確定する必要がある
・一定額以上の債権の発生が確実視されている
・近い将来に発生する予定がある
法整備が不十分であることから、悪質業者が紛れ込んでいることも事実です。
このため、ファクタリングに対して違法なイメージを持っている人もいます。
将来債権ファクタリングはさらに新しいサービスですから、なおさら違法視されることが多いです。
数年前までであれば、将来債権を買い取ることは難しい状況でした。
しかし2020年の改正民法で将来債権の譲渡が明文化されたことにより、上記した条件などを満たすことができれば、「過去に発生済みで、近い将来に新たに発生することが予想されている債権の買取」が可能となったのです。債権譲渡が合法であれば、将来債権ファクタリングが債権譲渡の一種である以上、将来債権ファクタリングも間違いなく合法といえます。
将来債権を売却するこのファクタリングは、買取の流れ自体は従来のファクタリングと大差はありません。
ですが契約方法として3社間ファクタリングが選択ができないことや、債権代金の支払い方法などに違いがあります。
売掛先から承諾を受けずに債権の売却を行う2社間ファクタリングには、売掛先に知られずに資金調達が行えるというメリットと手数料が高く設定されやすいというデメリットが存在します。
通常であれば3社間での契約も選択可能となりますが、実際に存在していない売掛金を取り扱う将来債権ファクタリングでは、原則的に2社間での契約しか選択することができません。
現時点では、将来債権ファクタリングも2社間ファクタリングが主流となっています。
従来のファクタリングであれば、債権の支払い期日の前に現金を受け取れる代わりに手数料分を一括で差し引かれることになります。
しかし将来債権ファクタリングでは将来的に確実に債権が発生すると考えられている期間内であれば、分割して手数料を支払うことが可能となります。
例えば手数料が50万円となったとしても、向こう5ヶ月間で10万円ずつ手数料を支払うことが可能ということです。ちなみに買取可能な債権の額は、既に発生済みの債権の額が上限となります。
ファクタリングにおける手数料は、債権の回収リスクの影響を大きく受けることになります。
将来債権は現実的には存在していない債権ですので、その回収リスクは確定債権と比較しても高いと考えられます。
さらに手数料が高くなりやすい2社間での契約ということもあり、どうしても設定される手数料は高くなりがちです。
そして最近では、将来債権を取り扱う「将来債権ファクタリング」というサービスが出てきています。
サービス名は業者によって異なり、例えば「注文書ファクタリング」といったものは基本的に将来債権ファクタリングの一種です。もっとも、現時点では将来債権ファクタリングに対応している業者が少なく、一般的なファクタリングのように柔軟な利用は難しい為、手数料も高く設定されています。しかし、今後は徐々に普及すると考えられており、普及が進むにつれてサービスも洗練されていくことが期待できます。資金調達の幅を広げるためには、将来債権の活用を考えることが大切です。
通常のファクタリングでは債権の信用力が審査で問われることになります。
将来債権ファクタリングも、銀行融資やビジネスローンに比べると審査のハードルが低く、資金調達しやすいことは間違いありません。
しかしながら、一般的な買取ファクタリングと比較した場合、将来債権ファクタリングの方が審査難易度は高くなります。
これは、将来債権は請求内容が未確定であるためです。
売掛先が順調な経営を行っており、ファクタリング利用企業との取引実績があることが大切となりますが、将来債権ファクタリングの場合は、まず確実に債権が発生すると判断される必要があります。
この段階がプラスされることによって、審査は従来よりも厳しくなってしまうのです。
将来債権は取引・請求が完了しておらず、現時点の情報は見込みにすぎません。
何らかのトラブルによって取引の縮小に至った場合、回収を見込んでいた将来債権の額面金額が減り、回収が長期化する恐れがあります。
したがって、ファクタリング会社は「取引先との関係は?」「取引の内容は?」「将来債権から回収できる見込みは?」など、様々な視点で審査しなければなりません。
当然ながら、確定債権の審査よりも将来債権の審査の方が厳しくなるというわけです。
取引先と比較的長い実績があることが必要となり、売掛先の会社規模なども審査に影響する可能性があります。
将来債権ファクタリングは分割のような方法で手数料が支払えるとは言え、将来手に入る資金が目減りすることには違いありません。
何より大切なのは今を乗り切ることですが、使い方を間違ってしまうと将来的に資金不足に陥ってしまうというリスクを背負うことになります。
手数料が高めになることも、この問題が起きる危険性を大きくしてしまうかも知れません。
実際のところ、将来債権ファクタリングに対応してくれるファクタリング会社はまだまだ数はありません。
ですから利用したいと考えていても利用できる場所が見つからないということも考えられるのです。
将来債権ファクタリングは新しいサービスであり、需要も少ないため普及率が低いです。
将来債権ファクタリングを提供する業者は少なく、サービスのスタンダードな形が定まっていません。
「将来債権ファクタリングの手数料は大体これくらい」という目安がないため、業者によって大きな差が生じる場合があります。
業者間の競合が起こらず、手数料を引き下げる動きが起こりにくいことも一因といえるでしょう。
また見つかったとしても他社との比較は難しく、好条件で契約ができる場所を見つけるのは容易ではないでしょう。
将来債権を売却することで、これから受注する予定の仕事に必要な材料費を賄ったりすることが可能となります。
しかしそれが前借りに近い状況であり、手数料も従来のファクタリングより高くなりやすいことなどを考慮する必要があります。
将来債権ファクタリングは、今後普及していくと予想されています。資金調達の幅を広げるためにも、早いうちから知識を身につけ、活用の道を探っておくことをおすすめします。
資金繰りの柔軟性を高め、将来的には将来債権ファクタリングも取り入れていき、安易に未来を切り売りすることが無いよう、申込み前には慎重に判断を行ってください。
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