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ファクタリングコラム
2023年2月14日
目次
公正で自由な競争を実現するための法律である「独占禁止法」。
この独占禁止法を補完するために存在している「下請法」は、ファクタリングによる資金調達にも影響がある法律です。
下請法とはどんな法律であり、ファクタリングを利用する際にどのような影響を与えることになるのかを簡単にご紹介します。
一般的に下請法と呼ばれているこの法律は、「下請代金支払遅延等防止法」が正式名称です。
親事業者から下請事業者が不当な扱いを受けることがないようにすることを目的とし、親事業者と下請事業者の健全な関係を保つために施行されています。
(1)物品の製造委託・修理委託 情報成果物作成委託・役務提供委託(プログラム作成、運送、物品の倉庫における保管及び情報処理に係るもの)
親事業者-資本金3億円超→下請事業者-資本金3億円以下
親事業者-資本金1千万円超3億円以下→下請事業者-資本金1千万円以下
(2)情報成果物作成委託・役務提供委託((1)を除く)
親事業者-資本金5千万円超→下請事業者-資本金5千万円以下
親事業者-資本金1千万円超5千万円以下→下請事業者-資本金1千万円以下
親事業者と下請事業者として定義されるのは、上記した(1)または(2)の条件を満たしている場合です。
特定の取引であることと、お互いの会社規模に一定の上下関係がある場合において下請法の対象となることになります。
・三条書面の交付義務(給付の内容、支払期日などが記載された三条書面)
・支払期日を定める義務(60日以内でできる限り短期間)
・書類の作成、保存義務(五条書面、2年間保存)
・遅延利息の支払義務(受領日起算で60日が経過した日から年率14.6%)
下請法では親事業者に対して上記した4つの義務が定められています。
これにより長過ぎる支払期日を指定したり、不当に支払を先延ばしすることを制限しているのです。
・受領拒否
・下請代金の支払遅延
・下請代金の減額
・返品
・買いたたき
・購入、利用強制
・報復措置
・有償支給原材料等の対価の早期決済
・割引困難な手形の交付
・不当な経済上の利益の提供要請
・不当な給付内容の変更及び不当なやり直し
上記した11の項目を下請法では親事業者に対して禁止するように命じています。
ほとんどが親事業者という立場を利用して下請事業者を不利な状況に追い込む内容であり、例え事業者間で承諾を得ていたとしても、また違法性を認識していなかったとしても下請法違反として扱われます。
下請法が下請事業者を法的に守るものだということを解説しましたが、では親事業者と下請事業者の関係での売掛債権はファクタリングを利用して売却することが可能なのでしょうか?
その答えはもちろん「可能」です。ここからは、その根拠などをご紹介します。
経済産業省中小企業庁は、資金調達への売掛債権の利用促進は国の施策であると明言しています。
またこの売掛債権に関して、親事業者からの債権であることで何かしら制限をかけられることもありません。
ですから、親事業者からの売掛金をファクタリング会社に売却しても何も問題はないのです。
・ファクタリングの利用を拒むのは下請法第4条第1項第2号に違反
・ファクタリングの利用を強制的に強いるのは独占禁止法第19条に違反
・契約に不利な情報を付け加えることは独占禁止法第19条に違反
ファクタリングに関しては、平成11年に公正取引委員会が見解を上記のような内容で発表しています。
これにより、例えば親事業者からの売掛金を3社間ファクタリングで売却した際に、その後の契約で不利な条件を押し付けられるようなことは、独占禁止法や下請法によってできないようになっているのです。
ここまでご紹介した通り、経済産業省中小企業庁が売掛債権の資金調達への活用を推奨しており、公正取引委員会もファクタリングの利用を親事業者に対して認めるように見解を発表しています。
ファクタリングは中小企業の資金繰りを改善させる効果が大きく期待できる資金調達方法です。
親事業者の債権であるからと、利用を躊躇する必要は全くありません。
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