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ファクタリングコラム
2024年4月1日
目次
ファクタリング会社のサイトやファクタリングを紹介する記事では、「メリット」ばかりが大きく取り上げられ「デメリット」については詳しく書かれることはあまりありません。しかし、ファクタリングを利用する上では、知っておくべき「リスク」や注意点も存在します。リスクを知らずに利用してしまうと納得できる資金調達ができないかもしれません。この記事では、ファクタリングのリスクや注意点とそれらの対処方法を解説させていただきます。
ファクタリングには、最短即日で資金調達ができる、負債にならない、経営状況が悪くても利用できるなど数多くのメリットがあります。メリットに魅力を感じるのはごく自然なことですが、メリットばかりでデメリットやリスクから目を背けてしまっては思わぬ落とし穴にはまってしまうかもしれません。どんな資金調達方法にもリスクはあり、リスクや注意点を理解した上で利用することが重要です。ファクタリングはリスクを考慮してみても優秀な資金調達方法です。また注意点を理解することで避けられるデメリットもあります。安全かつ納得のいく資金調達のためにも、リスクや注意点について知っておいて損はありません。
ファクタリングには2社間ファクタリングと3社間ファクタリングという2通りの契約方法があります。それぞれ仕組みや特徴が異なりますが、まずはどちらを選んでも起こり得るリスクや注意点をご紹介します。
ファクタリングは融資とは違い利息が発生しないことや、負債の額を増やすことがないことがメリットの1つとなります。ですが、利息が発生しない代わりに手数料が必要となります。手数料は売却する売掛債権額に対して1%から30%が相場であり、決して安いものではありません。利息ではないため長期的な返済の必要はなく、手数料の支払いは1回きりとります。しかし、売却する売掛債権の額によっては、手数料で数十万円から数百万円の損金が発生することも珍しくありません。また、手数料のほかにも印紙代や交通費などの費用が別途必要になることもあるでしょう。ファクタリングでは、売掛債権額よりも実際に手に入る現金が少なくなる点は、リスクになり兼ねないため注意が必要です。
融資には小さな力で大きな効果を発生させるという意味を持つ、「レバレッジ効果」が期待できます。なぜなら自己資金の少ない企業も融資によって、大きな額の資金調達を行うことが可能だからです。しかしファクタリングの場合は、いくら手数料を低く押さえることができたとしても売掛債権の額面を超える資金調達を行うことはできません。ですから大きな額の資金調達を行うためには、相応の額の債権を用意する必要があるでしょう。
ファクタリングの契約は償還請求権のない「ノンリコース」で行われることが大半です。しかしあくまで多くのファクタリング会社がそうというだけで、銀行系やノンバンクなど貸金業に登録しているファクタリング会社では償還請求権がありとなっている「ウィズリコース」で契約が行われることもあります。ウィズリコースの場合には売掛先の倒産などで債権の支払いが不可能となった場合には、債権の買い戻しをしなければなりません。ファクタリングは、売掛金の未回収リスクを回避できる点も魅力の1つですが、償還請求権がある契約に限り、この恩恵を受けられません。償還請求権の有無は、資金調達完了後のリスク管理に直結するものであるため、できる限り早い段階に確認しておきましょう。
ファクタリングは「売掛債権の早期現金化」による資金調達方法であり、簡単に言うなら「売掛金の先払い」ができるサービスです。将来的に受け取る予定の現金を決済期日前に受け取っているだけなので、当然本来の決済日に現金を得ることはできません。さらに、手数料が発生する分、本来手に入るはずであった金額よりも手に入る現金は少なくなります。短期間で頻回利用した場合には、かえって資金繰りが逼迫するというリスクもあります。ファクタリングを利用する際には、早期現金化したあとの資金繰りに関して長期的な計画を考える必要があるでしょう。
ファクタリングは、資金調達のスピードや融資とは大きく違う審査基準などによって中小企業や個人事業主の利用が増加しています。しかし、初めてファクタリングを利用する企業を狙った悪質ファクタリング会社による被害も発生しているのも確かです。悪質業者を利用してしまっては、高額な支払いを請求され、返って資金繰りが悪化しかねません。これは会社存続を左右するリスクとなり得るため、ファクタリング会社選びは慎重に行うべきです。相場を大きく超えた手数料を請求してきたり、貸金業に未登録でありながら融資と判断される条件で契約を求めてきたりする会社は、非常にリスクが高いと言えます。ヤミ金融が関係する悪質ファクタリング会社である可能性が高いため、利用しないように注意しましょう。
売掛先へ債権の売却に関する通知や承諾が不要で、ファクタリング会社と債権者の間だけで売買契約を行うのが「2社間ファクタリング」です。2社間でのファクタリングには「最短即日」という素早い資金調達が期待できることや売掛先との取引関係に悪影響を与えないという利点がありますが、幾つかの注意点やリスクも存在しています。
2社間ファクタリングの審査を行う際に、ファクタリング会社は「債権の二重譲渡」などのリスクを考慮します。この問題を解決するには債権の権利を譲渡したことを示し、第三者への対抗措置として利用できる「債権譲渡登記」が有効です。このため2社間ファクタリングでは債権譲渡登記を必須としているファクタリング会社も少なくありません。また、債権譲渡登記を行わないことが審査に不利に働く場合もあります。債権譲渡登記には手間といくらかの費用が発生しますので、費用対効果を考える必要もあるかも知れません。
ファクタリング会社の中には、2社間ファクタリングの利用対象を「法人限定」としている場所が存在しています。これはこの契約方法で求められることが少なくない債権譲渡登記を、個人事業主は行えないことが大きな原因となっています。登記は法人にしか行うことができませんので、個人事業主様が2社間ファクタリングを希望する際にはファクタリング会社に登記の必要性を確認しておくことが大切でしょう。
売掛先から債権売却に関する承諾を得ない2社間ファクタリングは、売掛金の「未回収リスク」が若干高くなると考えられます。2社間ファクタリングはその仕組み上、売掛金が一旦ファクタリングを利用する会社へ入金されます。ファクタリング会社からすると、売掛金を持ち逃げされるリスクがあるため、手数料が少し高くなる傾向にあるのです。2社間ファクタリングの手数料の相場は「10%〜30%」であり、3社間ファクタリングの「1%から10%」の相場と比較すると割高でしょう。
ファクタリングは、利用会社に赤字決算や債務超過があっても利用できる可能性が高いです。これはファクタリングの審査で重要視されるのが「売掛先の信用度」であるため。一般的には、売掛金の未回収リスクにより利用の可否や手数料が設定されます。しかし、2社間ファクタリングの場合、ファクタリング会社は「売掛金の持ち逃げリスク」も考慮した上で審査しなければなりません。利用会社の経済状況も少なからず審査に影響を与えるため、3社間ファクタリングよりも審査は厳しい傾向にあります。
2社間ファクタリングを利用すれば、最短即日から3営業日で資金調達が可能です。そのため、緊急性の高い資金調達が必要な場合、2社間ファクタリングが選択されることが多いです。しかし、2社間ファクタリングを利用したからと言って、確実に即日で資金調達できるとは限りません。売掛金の未回収リスクを正確に判断するには相応の審査が必要であり、審査に時間がかかる場合には入金が翌日以降になることもしばしば。即日入金を希望する場合には、事前にファクタリング会社へ伝えておけると良いでしょう。
3社間ファクタリングは売掛先に債権譲渡に関する承諾を得た上で買取を実行します。債権の代金の支払いは売掛先からファクタリング会社に対して直接行われる仕組みとなります。そのため、2社間ファクタリングよりも未回収リスクも低くなりやすく低い手数料での買取が期待できるでしょう。しかし、3社間ファクタリングにも、やはり理解しておくべきリスクや注意点がないわけではありません。
ファクタリングは売掛債権の売却による資金調達であり、違法性があるわけではありません。しかしファクタリングに関して理解のない売掛先の場合、債権の支払期日まで待てないほどに経営が圧迫されているのではと勘ぐられてしまう可能性があります。売掛先次第では、取引縮小や取引解消など関係性に悪影響が生じる可能性も否定できません。また、3社間ファクタリングでは、ファクタリング会社への支払い手続きなどで売掛先へ若干の負担をお願いすることになります。手数料が安いからと安易に3社間ファクタリングを選択してしまうと、思わぬリスクにつながりかねませんので、注意しましょう。
売掛先からの承諾を得るためには、説明を行う時間や書類に記入をしていただくための時間が必要となります。また、ファクタリング会社と売掛先との間でも契約を結ぶ必要があり、手続きに時間を要します。そのため3社間ファクタリングでは、即日で資金調達することはできません。最短でも3営業日、長ければ1週間程度の時間が必要となりますので、理解しておきましょう。
3社間ファクタリングは、その仕組み上売掛先からの承諾が得られなければ利用できません。いくら資金調達したくとも、売掛先の返答次第では資金調達できないこともあります。必ず利用できるというわけではないということも、理解しておきましょう。
中小企業におすすめの資金調達方法と言われるファクタリングですが、ここまでご紹介したようなリスクや注意点があるのは事実です。しかしこれらの問題の中には対処やリスク回避ができるものも少なくありません。ここからは後々のトラブルを避けるために役立つ期待の高い対処方法をご紹介します。
ファクタリングのリスクや注意点の多くは、ファクタリングに関する知識を正しく持っていれば大きな問題にならない項目が大半です。例えば手数料に関して言えば、売掛金が未回収になった際の補填やファクタリング会社の利益のために支払われるべきものであり、請求されても不思議はありません。また、相場を知っておくことで、悪質業者というリスクを回避することも可能です。また「債権の買取」である以上は、売掛債権の額を超える資金調達ができないのも当然のことでしょう。このようにファクタリングの仕組みを理解しておけば、リスクや注意点に対しての対策は可能なのです。
売掛先が関与せず、利用会社とファクタリング会社の2社で契約を結ぶ「2社間ファクタリング」には、以下の特徴があります。
・売掛先に債権の売却を知られにくい
・手数料が高くなる傾向がある(相場は10%から30%)
・債権譲渡登記を求められることが多い
・個人事業主が利用できないことがある
・素早い資金調達が期待できる
・売掛金回収後にファクタリング会社へ送金する手間がある
2社間ファクタリングは売掛先に債権売却を知られたくない時や、素早く債権を現金化したいという状況に最適なファクタリング方式です。しかし手数料の高さと債権譲渡登記の必要性はデメリットになる可能性があるかもしれません。また売掛先に「知られにくい」のは確かですが、債権の登記情報を確認された際などには、絶対に知られずに資金調達ができるわけではないという点も理解しておきましょう。
売掛先からファクタリングの利用に関する承諾を得た上で、売掛先と利用会社とファクタリング会社の3社で契約を結ぶ「3社間ファクタリング」の特徴は、以下の通りです。
・手数料が低く設定されやすい(1%から10%)
・売掛先に債権の売却が知られる
・債権譲渡登記の必要性が低い
・2社間と比較して手続きに若干時間がかかる
・支払いの手間が省ける
3社間ファクタリングの大きな特徴は手数料の低さです。また手数料は回収リスクの高さに大きく影響されますが、売掛先の承諾を得て債権の売却を行うことで売掛金の未回収リスクが低くなるため、審査通過もしやすく、手数料も低くなります。しかし、売掛先も契約に参加することで手続きが複雑となり、即日での資金調達はできません。最短でも3営業日、長ければ1週間程度の時間が必要になる点には注意が必要でしょう。また、売掛先に通知が行くことや売掛先にファクタリング会社への支払いを行ってもらう必要があるため、企業間の関係に悪影響を及ぼす可能性も否定できません。ファクタリングを利用しても問題ない売掛先か見抜く必要があるでしょう。
残念ながらファクタリング業界には悪質業者の存在も確認されています。高額な手数料を請求してきたり、本来は不要であるはずの担保や保証人を求めてきたりするファクタリング会社は悪質業者である可能性が高いです。悪質業者を利用してしまっては、資金繰りが悪化しかねません。こう言われると心配になってしまう方もいるかもしれませんが、悪質業者を見抜くことは難しくはあありません。悪質業者を利用しないためにも、以下に解説する点に気を付けてリスク回避をしましょう。
ファクタリングは「売掛債権の買取」であり、負債が生じる融資ではありません。悪質業者はファクタリングを謳いながら、融資と捉えられるような契約を結ばせ、本来不要である利息や不当な手数料請求をしてきます。以下に該当する取引は融資と捉えられる可能性があり、純粋なファクタリングとは言えません。トラブルやリスクを避けるためにも、以下のような取引は利用しないでください。
・担保や保証人を要求される
・一括返還ではなく分割払いができる
・償還請求権ありの契約
・債権の一部買取に対応している(売掛金回収後に残額が支払われる)
悪質業者は口頭で好条件を伝え、実際の契約では全く異なる内容を提示してくることもあります。手数料が相場範囲であるかどうかだけでなく、その他諸費用で不透明な請求がないかもしっかり確認しましょう。なお、契約書の控えをくれない業者は確実に悪質業者であり、トラブルに巻き込まれるリスクが非常に高いです。契約書の控えは必ずもらい、取引完了までしっかり管理してください。
契約書では以下の項目をきちんと確認し、納得のいく内容の場合に限り署名するようにしましょう。
・ファクタリング方式(2社間か3社間か)
・手数料とその他諸費用、最終的な入金金額
・償還請求権の有無
・契約内容(貸付契約ではなく債権譲渡・売買契約か)
・入金日時と返還期日
・返還方法(分割払いではなく一括返還か)
・違約金発生条件
悪質業者ほど会社の情報を開示していません。特に会社の所在地や固定電話の情報は、悪質業者かどうか見抜くのに役立ちます。悪質業者は住所を開示していなかったり、開示していても実在しない住所もしくは不正な住所であったりします。さらに、固定電話ではなく携帯電話を用いることが大半。これらの条件に当てはまるファクタリング会社は、悪質業者であるリスクがあるため利用しないようにしましょう。
ファクタリングには幾つかのリスクや注意点が存在していますが、資金調達スピードなど様々なメリットがあるのも間違いのない真実です。リスクや注意点を理解し、できるだけの対処をした上でファクタリングを利用することができれば、資金繰りの強い味方として利用価値の高さに満足することができるはずです。
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