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ファクタリングコラム
2023年2月2日
目次
話題の資金調達法「ファクタリング」の利率はいったいどのくらいなのか、利用を検討するときにはとても気になるところです。
ファクタリングは貸付ではないため、表示されるのは利率ではなく「手数料」となります。
とはいえ、実際に貸付の金利と比較したときにはどのくらいの差があるのか、知っておきたいのではないでしょうか。
この記事では、ファクタリングの手数料を利率に置き換えたときの比較や、利用するメリットを紹介します。
ファクタリングの利率が気になる人や、はじめて利用する人はぜひ参考にしてみてください。
まず前提としてファクタリングに利率というものは存在せず、手数料として支払うものだけになります。
記載されているのは金利による利率表示ではなく、購入する債権額に対する手数料割合の表示です。
これは売掛債権の買取をおこなうのがファクタリング会社で、貸付(融資)をおこなう金融業者ではないことが最大の違いとなります。
手数料率は2%〜9%のファクタリング会社も少なくありませんが、資金調達という概念や%による表示により、同じものと誤認しないようにしてください。
そもそも金利と手数料はどのように違うのか、その点を詳しく解説しておきましょう。
信用や担保に対して貸付をおこない、借りた金額に対して返済時に支払う利息を「金利」と呼び、主に年間の利率で表示されています。
利息ともいわれるこの対価について、視覚的にもわかりやすく表示するためのレートが「利率」です。
貸金業の場合は、原則として年間の利率である「年率」による割合が表示されています。
ファクタリングは売掛債権を売却する資金調達方法のため、買取業者が示すのは額面から差し引く「手数料」の割合です。
ファクタリングの手数料表示で20%などの場合、利率に直したときには100%以上となります。
ただ、実際にはすでに手数料を差し引かれたものが入金されるため、受け取り側の感覚としてはその差はわかりにくいかもしれません。
ファクタリングの手数料は利率としてみるとどのくらい高くなるのか、次の項目ではその点をわかりやすく解説していきましょう。
ファクタリングの手数料を金利としてみたとき、一般的な貸金業の利率と比較するとどのくらい違うのか?
ファクタリングを利用するときのイメージとして、ぜひ参考にしてください。
一般的な貸金業の金利目安をまとめてみましたので、まずはこちらをご覧ください。
• 日本政策金融公庫:0.60〜1.90%
• 銀行ビジネスローン:1.50~15.00%
• 銀行不動産担保:1.95〜15.00%
• 消費者金融:3.00〜18.00%
事業者向けのローンとして調査した結果、おおよそ上記のようになりました。
これらはすべて「年率(利率)」による表示です。
ファクタリングの手数料は「取引ごと」に発生するため、融資と比較するときは12ヶ月計算(年率)に直す必要があります。
手数料の対象期間としては、売掛金の発生日から翌月や翌々月末払いなどの決済日として、おおよそ2ヶ月程度となるでしょうか。
これを基準に考えたときには、次のような計算の仕方となります。
ファクタリングの手数料を年率(利率)に置き換える計算方法は、以下のとおりです。
1. 手数料割合÷2ヶ月=単月あたりの割合
2. 単月あたりの割合×12ヶ月=年率
たとえば「手数料2%」の場合は、年率で考えると12%です。
単純な比較では、ビジネスローンなどよりは安く収まっていることになります。
しかし、実際のファクタリングでは、なかなか手数料が2%で収まるものはありません。
利用時の手数料が安いものは、審査や条件が厳しい3社間ファクタリングが主になります。
3社間ファクタリングと2社間ファクタリングでは、それぞれ手数料が異なります。
ファクタリングを利用するうえで、手数料は受け取れるお金の金額に大きく関わるため、事前に相場を把握しておく必要があるでしょう。
ここでは、3社間・2社間ファクタリングの手数料の相場を紹介します。
3社間ファクタリングの手数料の相場は、大体1〜9%ほどです。
3社間ファクタリングの場合、ファクタリング会社は売掛先から直接売掛金を受け取るため、未回収リスクを軽減でき、2社間ファクタリングより手数料が低く設定してあります。
2社間ファクタリングの手数料の相場は、大体10〜30%ほどです。
2社間ファクタリングでは、売掛先に通知が送られないため、利用者に売掛金を持ち逃げされるリスクがあります。
つまり、未回収リスクが3社間ファクタリングより高いため、手数料も割高です。
最近では、オンライン完結のファクタリングサービスも増えており、対面による契約よりスムーズかつ手数料が低くなる場合が多いといえます。
ファクタリングでもっとも多い水準であるものを利率換算すると、なかには100%を超えるものも出てきます。
実際によく利用されるのは、利便性の面で2社間ファクタリングの方が多くなるため、そちらの手数料を参考に比較してみましょう。
手数料割合 | 年率換算 |
5% | 30% |
9% | 54% |
10% | 60% |
20% | 120% |
この表でもわかるように、使い勝手の良い2社間ファクタリングを主体に比較したときには、利率ではとても高くなってしまいます。
ファクタリングの手数料を利率として見直すと、多くのケースで30%以上となってしまうでしょう。
ファクタリングの手数料は、審査後に決まる仕組みです。
審査では、以下のポイントを確認され手数料が正式に決まります。
• 売掛先の信用力
• 売掛債権の金額
• 利用回数
それでは、ファクタリングの手数料を決める3つの基準をみていきましょう。
銀行融資やビジネスローンの審査では、利用者側の信用力が重要視されますが、ファクタリングの審査では売掛先の信用力が重要視されます。
ファクタリング業者が売掛金を回収できるかは、売掛先が大きく関わるため、売掛先が公的機関や大手企業なら未回収リスクが低いため、手数料も低くなる仕組みです。
一方で、売掛先の経営状態が悪かったり、個人事業主だったりすると未回収リスクが高まるため、審査に通らない可能性が高まります。
ファクタリング業者は、利用者から買い取った売掛債権から手数料を差し引いて利益を得ています。
そのため、売掛債権の金額が高いほど手数料が低くなり、売掛債権の金額が低いほど手数料が高くなる仕組みです。
複数の売掛債権を合わせてファクタリング業者へ譲渡することも可能ですので、より大きな資金を得たい場合には検討してみてください。
一度目の利用でしっかりと売掛金をファクタリング業者へ送金すれば、信用力が高まるため2回目以降の手数料が安くなります。
とはいえ、ファクタリングを多用し過ぎると逆に資金繰りが悪化する可能性があるため、注意が必要です。
ファクタリングは手数料を引かれるため、本来受け取るはずだった金額より低くなります。
よって、ファクタリングを何度も利用すると、受け取るお金が減り続けてしまうのです。
ファクタリングに依存せず、資金繰りを根本的に改善する取り組みも大切といえます。
利率としてみるととても高額になるファクタリング(債権譲渡)ですが、利用するメリットとはいったいどのようなものでしょうか。
ファクタリングは貸付ではないため「信用情報」に記録されないというのもありますが、ほかにも以下のようなメリットが挙げられます。
• 返済が不要
• 赤字でも利用が可能
• 即日の資金調達も可能
事業資金を調達するという目的のためにファクタリングを利用するメリットは、状況によっては利率の差以上にあるのかもしれません。
それでは、ファクタリングを利用するメリットをみてみましょう。
ファクタリングと貸付融資の大きな違いとして、基本的に債権譲渡(売却)のため、返済する義務がありません。
2社間契約の場合は、自社に入金されたときに返済することになりますが、これは返済する金額が確定している前提です。
ファクタリングなら「どうにかして返済資金をあらたに調達しなければならない」という不安はなくなります。
資産の少ない個人事業主の人でも、ファクタリングで目先の資金を回転させることで、将来的に円滑な経営にもつながることでしょう。
赤字経営のときにはネックとなる審査も、ファクタリングではあまり気になりません。
これはファクタリング審査は融資のように信用情報に頼らず、売掛債権の価値によるものがメインになるためです。
債権の信用性をみるために事業内容や各種の書類などは必要になりますが、債権に価値があれば自社が赤字であっても構わないのです。
あくまでも売掛債権の価値によるため、いざというときの資金調達には最適な方法となるでしょう。
依頼する業者や売掛債権の内容によっては、最短即日での資金調達も可能です。
それ以外でも審査の回答はほとんどが24時間程度と早く、素早い資金調達を必要とする人にはありがたい存在となるでしょう。
長い審査待ちや不確かな融資実行を待つ余裕がない状況でも、ファクタリングならすぐに結果を知ることができます。
この記事では、ファクタリングの手数料を利率に置き換える計算方法やほかの資金調達方法との比較、利用するメリットを紹介しました。
ファクタリングの手数料を利率に換算すると、100%を超えることも珍しくありません。
債権譲渡となるファクタリングと貸付融資を比較したとき、利率としてみればかなりの差があります。
しかし、ファクタリングには「返済義務が無い」「信用情報を損なわない」などのメリットがあります。
貸付融資との比較については、利率だけでなく利便性も踏まえて考慮すべきでしょう。
ファクタリングは利率でなく手数料の表示ですので、比較の際には誤認しないように気をつけてください。
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