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ファクタリングコラム
2023年8月15日
目次
資金調達力の強化は、先が見えない現代での経営において大きな課題です。
そのため、複数の資金調達手段を持っておくことが重要といえます。
商品在庫ファクタリングは、企業に眠る在庫を使って資金調達ができるメリットの大きい資金調達方法です。
この記事では、商品在庫ファクタリングの仕組みや一般のファクタリングとの違い、メリット・デメリットを解説していきます。
商品在庫ファクタリングは、企業が持つ在庫をファクタリング業者に買い取ってもらいお金に換える方法です。
商品在庫ファクタリングで利用できる在庫には、以下のようなものがあります。
• 今すぐは必要ない商品在庫
• 必要なくなった機材・資材やオフィス設備
商品在庫ファクタリングなら、企業が不要と考える在庫や機材などの現金化が可能です。
資金調達の目的だけでなく、必要ない商品在庫を処分する目的で商品在庫ファクタリングを活用する企業・事業者もいます。
一般的なファクタリングは、売掛債権を活用して資金調達をします。
売掛債権とは、商品の販売やサービスの対価として支払いを受けられる権利です。
支払いを受けられる権利ではありますが、支払いには期限があります。
売掛金の支払期限が先にあって今すぐにお金が必要な場合に役立つのが一般的なファクタリングです。
売掛金を譲渡する対価としての資金を得るため、利用者の信用力は重視されません。
しかし、一般的なファクタリングは売掛金が無ければ利用できないサービスです。
一方で、商品在庫ファクタリングでは、在庫が売掛金の代わりとなります。
つまり、商品在庫ファクタリングなら売掛金が無い場合も在庫があれば資金調達が可能です。
商品在庫ファクタリングでは、利用者や売掛先を調査するのではなく、ファクタリング業者が会社を訪れて、在庫の価格や数量を確認します。
出張買取と同じようなシステムで、直接商品を確認し、査定した後にファクタリング業者が在庫を買い取る仕組みです。
審査では、買い取れる在庫かどうか、買取希望額はいくらかなどを判断しますが、決算書や請求書など売掛債権の有無を確認するような書類は必要ありません。
価値を持つ在庫さえ保有していれば、誰でも商品在庫ファクタリングを利用できます。
商品在庫ファクタリングを利用する際の流れは以下のとおりです。
1. ファクタリング業者へ申込
2. 在庫指定
3. 買取価格の合意
4. 在庫の売却
まずは、商品在庫ファクタリングに対応しているファクタリング業者に申し込みが必要です。
その後、ファクタリング業者に買い取ってもらう在庫を指定します。
ファクタリング業者が査定し、在庫の買取価格を見積もり、提示された価格に納得できる場合に合意します。
そして、ファクタリング業者に在庫を引き渡し、売却代金を受け取る流れです。
商品在庫ファクタリングは、在庫の売却価値によって、調達できる金額が決まります。
ファクタリング業者への持ち込みや、査定担当が在庫の保管場所に行く場合など、買取方法はさまざまです。
同じ在庫の査定結果であっても、ファクタリング業者によって変わる可能性や市場ニーズの変化などによって値段が異なります。
商品在庫ファクタリングは、銀行融資やビジネスローン、一般的なファクタリングと比較すると、知名度が低いサービスです。
しかし、商品在庫ファクタリングには従来の資金調達方法にはない以下のようなメリットがあります。
• 売掛金がなくても資金調達ができる
• 不要な在庫が資金化できる
• 節税できる
• 信用情報が悪くても利用できる
それでは、商品在庫ファクタリングを利用する4つのメリットを紹介します。
ファクタリング自体のメリットは、素早く現金が手に入る点です。
しかし、ファクタリングは売掛金がないと活用できません。
売掛金は事業者の取引で発生するもので、消費者向けの飲食店や小売店などのいわゆる現金商売では売掛金は発生しにくいといえます。
消費者向けのビジネスをする事業者が多く持っているのが、在庫です。
商品が劣化しにくい小売店などでは、一定の在庫を確保しておくことが一般的でしょう。
今まで売掛金がなくファクタリングを活用できなかった小売業を中心に、商品在庫ファクタリングのニーズは徐々に高まっています。
在庫は、一般的には早く販売することが望まれます。
在庫を仕入れて販売できないと、その仕入れ代金を現金化できないので、資金が不足しがちです。
また、在庫を置いておく場所などの保管コストが発生し、在庫の価値は時間が経つにつれ型落ちや陳腐化など一般的には価値が下がってしまいます。
この不要な在庫を現金化できるのが商品在庫ファクタリングです。
在庫を売却できるので、不要な在庫にかかる保管コスト発生を止められ、価値が下がりすぎる前に処分できます。
在庫は企業の資産であり、法人税などが課税される対象です。
一般的な企業では3月末などで決算が締まりますが、このタイミングに会社にある資産が前期より増えていると、その分が課税の対象になります。
ずっと残ってしまった在庫も資産として課税されるケースも少なくありません。
節税のために、残ってしまった在庫を販売する在庫セールを実施しますが、在庫セール後に残ってしまう在庫もあります。
商品在庫ファクタリングを活用すれば、不要な在庫や売れ残ってしまった在庫なども売却できて、節税できる可能性も高めることが可能です。
銀行や信用金庫など金融機関の融資やビジネスローンを利用する場合、必ず信用情報を確認されます。
信用情報は、金融関連の契約情報と借入・支払情報が蓄積した情報です。
金融機関などは信用情報を確認して融資などができるか判断します。
ローンの支払いをしていないなど信用情報が悪いと、融資を断られる可能性が高くなってしまうのです。
商品在庫ファクタリングは在庫の価値をみるので、信用情報の良し悪しは関係ありません。
融資を断られてしまった状況でも、在庫があれば利用できるのが商品在庫ファクタリングです。
商品在庫ファクタリングにはメリットだけでなく、以下のようなデメリットもあります。
• 手数料が高くなる場合がある
• 現金化までに時間がかかる
• 取り扱ってくれるファクタリング業者が多くない
商品在庫ファクタリングを利用する時には、メリット・デメリットを正しく理解して計画的に活用しましょう。
商品在庫ファクタリングでは、在庫の買取価格によって手数料が変わります。
在庫の買取価格は、商品価格の10〜50%が相場です。
つまり、商品在庫ファクタリングで現金が得られても、在庫を仕入れた金額より下がってしまい、損をしてしまう場合もあります。
自社で在庫を売り切った方が利益が多くなりますが、早く在庫管理コストを削減したい場合や現金化したい場合には商品在庫ファクタリングを利用してみるとよいでしょう。
一般的なファクタリングの場合、即日〜1週間ほどで資金調達が可能ですが、商品在庫ファクタリングでは1〜3週間ほど現金化までに時間がかかります。
売掛金を買い取ってもらうファクタリングだと、オンライン完結のサービスもあり、すべての手続きをWeb上でおこなえるため最短即日での資金調達が可能です。
一方、商品在庫ファクタリングでは、ファクタリング業者が在庫を査定し、買い取る流れとなるため、時間と手間がかかってしまいます。
早期現金化を目的に利用するなら、売掛金を活用したファクタリングがおすすめです。
商品在庫ファクタリングを扱っている業者はあまり多くはありません。
商品在庫ファクタリングは古物営業に該当するため、サービスを提供するには、公安委員会から古物商許可を得る必要があります。
一般的な売掛金のファクタリング業者でも、商品在庫ファクタリングは取り扱っていない業者は多いでしょう。
商品在庫ファクタリングでは、在庫の流通ルートが必要なため、売掛金を取り扱うのと同じファクタリングでも必要なノウハウが変わってくるためです。
在庫の査定ができるエリアを限定しているファクタリング業者もいるため、場合によっては物理的に商品在庫ファクタリングが利用できない場合もあります。
なお、古物商許可証を所持せずに商品在庫ファクタリングを提供している業者がいた場合、違法業者の可能性が高いため利用は避けるべきです。
この記事では、商品在庫ファクタリングと通常のファクタリングの違いや、利用するメリット・デメリットを解説しました。
商品在庫ファクタリングは、在庫があれば信用能力に関わらず現金調達ができる比較的新しい資金調達の仕組みです。
不要な在庫を処分することで節税や経営効率を改善できるなど、得られるメリットが多いサービスといえます。
比較的新しいスキームであるため取り扱い業者が少ないなどの課題はありますが、小売業が多いエリアには商品在庫ファクタリングに対応している業者もいるでしょう。
なお、早期現金化を目的にしている場合、売掛債権を保有しているなら通常のファクタリングがおすすめです。
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