フリーダイヤル フリーダイヤル0120-160-128

受付時間 9:00-19:00(日祝除く)

email オンライン査定 >

ファクタリングコラム

ファクタリングがバランスシートに与える影響と仕訳の仕方を解説

ファクタリング

2022年11月6日

ファクタリングはバランスシートに多くのメリットをもたらします。
最短即日で資金調達できる、自社の業績が悪くても利用できるだけではありません。
ファクタリングによりオフバランス化することで貸借対照表をスリム化でき、ROAや自己資本比率の改善、企業価値の引き上げなどの影響を与えます。
この記事では、ファクタリングのオフバランス化によるメリットや仕訳のやり方を解説します。

ファクタリングのオフバランス化とは

オフバランスとはバランスシート(賃借対照表)に記載されない取引のことです。
ファクタリングは借入ではなく売掛債権の売却によって資金調達できるため、負債が増えず、オフバランス化することができます。
バランスシートをスリム化でき、自己資本比率の改善や融資を受けやすくなるなどのメリットが生まれます。
オフバランス化はリースやクラウドサービスの使用などでもできますが、エンロン事件やライブドア事件によって会計基準は厳格化されており、取引は縮小している傾向です。

ファクタリングのバランスシートへの記帳方法とオフバランス化の仕組み

ファクタリングの会計処理とオフバランス化の仕組みを、融資で資金調達した場合と比較して見ていきましょう。

以下のバランスシートの会社が、売掛金100万円を10%の手数料でファクタリングした場合と、融資により100万円借入れた場合で確認していきます。

(借方)普通預金(現金)400万円 売掛金100万円 借方合計500万円
(貸方)借入金100万円 資本金400万円(うち利益100万円)貸方合計
500万円

ファクタリングで資金調達した際のバランスシート

売掛金100万円をファクタリングで資金調達した場合は、10%の手数料を引かれた90万円が利益となります。ファクタリング代金は普通預金(現金)として計上され、それに伴って資本金も変化します。

(借方)普通預金(現金)490万円 借方合計490万円
(貸方)借入金100万円 資本金390万円(うち利益90万円)貸方合計490万円

ファクタリング後に借入金を返済したとすると、借方(貸方)合計は390万円となります。
 

借入で資金調達した際のバランスシート

100万円の融資を受けた場合は、普通預金(現金)と借入金がそれぞれ増えます。
ファクタリングと異なり売掛金が減らないため、借方(貸方)合計は600万円と膨れ上がっています。

(借方)普通預金(現金)500万円 売掛金100万円 借方合計600万円
(貸方)借入金200万円 資本金400万円(うち利益100万円)貸方合計600万円

融資を受けた後に売上を伸ばし、200万円の借入金を返済した場合の借方(貸方)合計は400万円です。
ファクタリングを利用すれば390万円だったので、バランスシートをスリム化できることが分かるでしょう。

ファクタリングの仕訳と会計処理のやり方

ファクタリング代金は「普通預金」、手数料は「売上債権売却損」で計上します。
売掛金100万円を手数料10%で資金調達したケースで説明します。

ファクタリング会社と契約した場合の仕訳は以下の通りです。

(借方)未収入金100万円  (貸方)売掛金100万円

ファクタリング代金は未収入金として計上します。

次にファクタリング会社から手数料10万円を引いた90万円を受け取ったら、手数料を「売上債権売却損」として計上します。

(借方)普通預金90万円 売上債権売却損10万円 (貸方)未収入金100万円

ただし、即日入金された場合は未収入金として処理する必要がなくなるため、以下のように記載します。

(借方)普通預金90万円 売上債権売却損10万円 (貸方)売掛金100万円

ファクタリングのオフバランス化によるメリット

ファクタリングのオフバランス化によるメリットは以下の4つです。

1. 健全経営の状態に見せられる
2. ROAの改善
3. 自己資本比率の改善
4. 企業価値が高まり融資を受けやすくなる

オフバランス化によるメリットを知って、ファクタリングの利用を検討してみましょう。

1. 健全経営の状態に見せられる

オフバランス化によってバランスシートをスリム化でき、健全経営の状態を作ることができます。
ファクタリングは融資と異なり借入金は増えないので、バランスシートが膨れ上がる心配はありません。
調達した資金で借入金を返済することで、バランスシートを小さく見せられるでしょう。

ファクタリングを使わなくても、売掛金の支払期日を前倒ししてもらえれば資金を調達できる可能性はあります。しかし売掛先の了承を得られるとは限らず、資金繰りに困っていることも知られてしまうため、リスクが大きいといえるでしょう。

健全経営の状態を作ることで、新規顧客の獲得につながることもあります。

2. ROAの改善

オフバランス化すると、ROA(総資産利益率)の改善につながります。
ROAとはどれだけ効率的に経営しているか計る指標の一つで、数値が高いほど効率的に経営できていると判断されます。

ROAの計算式は次の通りです。「ROA(%)=当期純利益÷総資産×100」

例えば、総資産が500万円のA社と1,000万円のB社があり、どちらも当期純利益が100万円だったとします。

A社のROAは、100万円(当期純利益)÷500万円(総資産)×100=20%
B社のROAは、100万円(当期純利益)÷1,000万円(総資産)×100=10%

このように、資産が少ない方がROAの数値は高まります。
ファクタリングによってオフバランス化すると、資産を減らせる(バランスシートがスリム化する)ため、ROAの改善につながります。

3. 自己資本比率の改善

ファクタリングでオフバランス化すると、自己資本比率も改善できます。
自己資本比率とは、返す必要のない「純資産」が総資本に占める割合を示したものです。
比率が高いと安定した経営ができており、倒産しにくい会社であることを意味し、比率が低いと融資などの他人資本の影響を受けやすく、不安定な経営をしていると判断されます。

自己資本比率の計算式は次の通りです。「自己資本比率(%)=自己資本÷総資本×100」

業種にもよりますが、50%以上あれば経営は安定しているとされ、少なくとも30%あると良いといわれています。
ファクタリングは売掛金を現金に換えるだけなので総資本に影響しません。
また調達資金で借入金を返済すると資産と負債の両方を減らせるので、自己資本比率を高めることができます。

4. 企業価値が高まり融資を受けやすくなる

オフバランス化によって企業価値が高まるため、融資や支援を受けやすくなることもメリットの一つです。
バランスシートがスリム化されてROAや自己資本比率の数値が改善することで、銀行の信用や評価が上がります。
銀行で融資を受けやすくなったり金利面での優遇を得られやすくなったりするでしょう。
また、投資家からの出資やベンチャーキャピタルからの支援も受けやすくなることが考えられます。
返済の必要がない資金を調達できれば、経営の幅も広がることでしょう。

ファクタリングのメリット

ファクタリングのメリットはオフバランス化だけではありません。
融資と異なり自社の業績が悪くても利用できることや、売掛先に知られずに資金調達できることなど、多くの利点があります。
資金繰りに困っているときに最短即日で現金化できるのも、大きなメリットです。
ファクタリングの種類によって特徴が異なるので、メリットについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

ファクタリングのメリットとデメリットとは?

ファクタリングの注意点

ファクタリングを利用する際は、高額な手数料とファクタリング依存に注意してください。
トラブルに遭ったり、かえって経営が悪化したりすることのないよう注意点をチェックしておきましょう。

高額な手数料に注意

ファクタリングの手数料は2社間では10~20%、3社間では1~9%が目安です。相場を大きく上回るファクタリング会社とは取引しないようにしましょう。
最短即日で現金化できるのはファクタリングの大きなメリットですが、売掛金全額もらえるわけではありません。
10%の手数料で100万円の売掛債権をファクタリングした場合、手元に残るのは90万円です。
あまりに高い手数料を取られるとROAや自己資本比率が下がる可能性もあります。

ファクタリングを利用する際は複数の会社に見積もりを取り、条件の良い会社と取引するようにしましょう。

ファクタリング依存に注意

ファクタリングは融資と比べて審査が緩く、簡単に利用できることから依存しがちです。
ファクタリングでの資金調達が続いている場合、経営状態を見直した方がいいかもしれません。
繰り返し利用すると手数料で圧迫され、かえって資金繰りが悪化することもあります。ファクタリングは、つなぎ資金の調達にとどめて利用するようにしましょう。

まとめ|ファクタリングはバランスシートにプラスの影響を与える

ファクタリングはオフバランス化できるため、バランスシートをスリムに見せることができます。
スリムなバランスシートは健全経営の状態を作れるので融資に良い影響を及ぼしたり、ROAや自己資本比率の改善につながったりします。
ファクタリングは資金繰りに困っている企業はもちろん、バランスシートを改善したい方にもおすすめの資金調達法です。
手数料には十分注意しつつ、ファクタリング利用を検討してみてください。

 

その他「ファクタリング」記事

 

 

 

to top