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ファクタリングコラム
2023年7月25日
目次
取引先の経営状況に不穏な空気が漂い始めたとすれば、該当する企業に対しての売掛債権を会計上で「貸倒引当金」として扱うことを考えなくてはならないかも知れません。
しかし「ファクタリング」を上手く活用できれば貸し倒れの危険が回避でき、貸倒引当金として計上する事態を大幅に減らせる可能性があります。
本稿では貸倒引当金の概要から、ファクタリングを利用することで貸し倒れが回避できる理由などを解説させていただきます。
売掛債権などを利用した掛取引においての「貸倒れ」とは、売掛先が倒産するなどして債権の回収が不可能になり損失となった状態やその額を指します。
そして「引当金」とは経理上の処理の1つであり、将来発生する確率が高い損失に備えて前もって準備しておく費用のこととなります。
この2つの言葉を組み合わせた「貸倒引当金」とは、「売掛先の事情により売掛債権の回収が不可能になった際に備えて計上しておく費用」というように考えることができます。
貸倒引当金は貸借対照表上では負債として扱われます。
本来受け取れるはずのお金が受け取れなくなることから「マイナスの資産」と考えられることがその理由の1つです。
貸倒引当金として計上することで、会計期間内での売上と費用に食い違いが発生することを防ぐことができます。
他にも本当に貸し倒れとなってしまった時には、前もって費用を計上しておいたことで債権者が受けるダメージを軽減する効果もあります。
貸倒引当金と似たような言葉として「貸倒損失」という言葉がありますが、同じ意味合いではありません。
貸倒損失は債権代金の回収が不可能になる可能性の高い状況ではなく、「確実に回収不能」になった状況で利用されます。
貸倒損失として計上した場合では、回収できなかった債権は損金となり税金の減額効果が得られますが、貸倒引当金よりも計上するための条件は厳しめとなっており自由に計上できるわけではありません。
売掛債権を回収できる見込みが低くなってしまった場合には、貸倒引当金として計上する必要性が発生し、債権回収不能が現実となった場合には貸倒損失として取り扱うことを考えなくてはなりません。
しかし早めにファクタリングを利用することで、貸倒引当金として計上する必要をなくすことが可能となります。
ファクタリングは売掛債権の貸し倒れ対策に有効であり、さらに中小企業の資金調達にも向いているのです。
ファクタリングは売掛債権をファクタリング会社に対して売却し、現金へと変える資金調達方法です。
融資とは大きく違う審査基準によって銀行などからの借入が難しい中小企業でも利用しやすく、他にも資金調達に必要な期間の短さなど、貸倒引当金を回避できるだけでなく、さまざまな資金繰り問題に大きなメリットを与えてくれるのも特長です。
まずはファクタリングを資金調達に利用するメリットを3つご紹介します。
ファクタリング会社が買取を行う売掛債権は、原則的に「決済期日前の債権」となっています。
これを逆に言えば「決済日前の売掛債権を現金化できる」ということであり、多くの企業が苦労されている、支払期日までの資金調達という問題を解消することが可能となるのです。
決済期日が2ヶ月以上先となると審査や手数料に影響が出るとも言われますが、売掛債権を早めに現金へと変えられることで資金ショートのリスクを大幅に軽減できるようになるのは確かです。
金融機関からの融資はビジネスローンなど特別な商品を除いて数週間から数カ月の期間が必要になることも少なくはありません。
しかし、ファクタリングの場合は、最短で「即日資金調達」が可能です。
緊急で現金が必要となった際にも、ファクタリングを利用すれば必要なタイミングに間に合うように現金調達ができる可能性は十分にあるということです。
また手続きを全てオンライン上で行えるクラウドファクタリングを利用すれば、一層短時間で手軽に債権の現金化が行えるようになります。
融資の場合、申込みを行った企業の経営状況や返済計画から判断される「返済能力」が審査では非常に重要になります。
ですが、ファクタリングの場合はそれらの情報はあまり重要ではなく、審査では債務者(売掛先)の信用力の高さが何より重要となります。
取引実績が十分にあり信用情報に問題がない売掛先の債権が用意できれば、赤字など経営状況に不安のある企業であってもファクタリングの審査に通過するのは難しいことではなくなります。
日本国内でファクタリングを利用した場合、ほとんどの場合で「償還請求権なし」での契約が行われます。
償還請求権とは金銭や費用の返還を求める権利であり、ファクタリングにおいては売掛債権の支払いが行われなかった場合の債権の買い戻しや買取代金の返金が該当します。
「ノンリコース」とも言われる償還請求権がない契約を行っておけば、売掛先が倒産した際にも支払いを求められることはないのです。
ファクタリングを利用して早めに売掛債権を売却してしまえば、貸倒引当金として計上する必要はなくなります。
しかし貸倒引当金として計上した後や、計上を検討する状況になってしまってからでは、審査通過は難しくなり売掛債権を売却できる可能性は著しく低くなってしまいます。
債権が貸倒れになりそうだから売却するというよりは、貸倒れになった場合のダメージが大きそうな時にファクタリングを利用するという方が現実的かも知れません。
ファクタリングを上手く活用することができれば、貸倒引当金として会計処理を行う必要はなくなります。
また貸倒引当金としないためだけでなく、中小企業の資金調達方法の1つとしてもファクタリングの利用価値が高いのは事実です。
資金調達を行いたいと考えたタイミングでファクタリングを利用することが、結果として貸倒れ対策となる可能性も十分に考えられるのです。
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