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ファクタリングコラム
目次
2社間ファクタリングは、売掛金を早期に資金化できるべんりな手法として広く利用されています。
銀行からの借入金のように返済義務を伴わず、売掛債権を譲渡することで即座に現金化できる点が大きな特徴です。
しかし、入金や支払いの流を正しく理解しないまま利用すると、予期せぬ「遅れ」が発生し、資金繰り全体に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に2社間ファクタリングでは、取引先に通知を行わないため、入金の遅れが直接利用者に跳ね返り、結果的に借入金と同じような返済負担を抱えるリスクも存在します。
本記事では、2社間ファクタリングにおける入金と支払いの仕組みを整理しつつ、遅延リスクや借入金との比較を踏まえ、会計処理上の注意点や具体的な仕訳方法を詳しく解説します。
正しい理解と実務対応を身につけることで、ファクタリングを健全に活用し、安定した資金管理を実現することが可能になります。
はじめに、2社間ファクタリングについておさらいをしておきましょう。
2社間ファクタリングは、利用者(債権者)とファクタリング会社の間だけで契約が完結する仕組みです。
売掛先には通知が行われないため、従来の取引関係を崩さずに資金調達できるというメリットがあります。
しかし、入金は取引先から利用者を経由してファクタリング会社へ渡るため、万が一入金が遅れれば利用者自身がその影響を直接受けることになります。
これは3社間ファクタリングと大きく異なる点であり、特に注意すべきポイントです。
2社間ファクタリングは、ファクタリング利用者とファクタリング会社の2社間における債権譲渡契約に基づいたファクタリングです。
3社間ファクタリングのように売掛先企業への通知が必要なく、2社間で完結する資金調達手段です。
平成10年10月1日から実施された「債権譲渡登記制度」の普及により利用が広まったとされています。
債権譲渡登記制度とは、債権が譲渡されたことを公示するために登記する仕組みです。
債権譲渡登記制度により、登記するだけで債権譲渡の法的根拠が満たされ、ファクタリング会社が第三者に対する対抗要件を得られるようになったのです。
では、2社間ファクタリングにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
第一のメリットは、2社間ファクタリングでは、ファクタリングを利用しているという事実を売掛先企業に知られることがない点です。
3社間ファクタリングの場合、売掛先企業に債権譲渡通知が行われるため、ファクタリングを利用している事実を知られてしまいます。
2社間ファクタリングはあくまでもファクタリングの利用者とファクタリング会社の2社間における契約であるため、こちらから告知でもしない限り売掛先企業に知られる可能性はまずありません。
また、3社間ファクタリングよりも比較的スピーディーに現金化が出来るのも2社間ファクタリングのメリットです。
売掛先企業の同意書などを得る必要もなく、ファクタリング会社の判断ですぐに売掛債権を買い取ってもらえます。
ファクタリング会社の中には、契約締結から最短即日に入金してくれるところもあります。
一方、2社間ファクタリングのデメリットは何でしょうか。
2社間ファクタリングの最大のデメリットは手数料の高さでしょう。
3社間ファクタリングでは、売掛先企業からファクタリング会社へ直接売掛金を支払いしますが、2社間ファクタリングでは、売掛先企業からファクタリング利用会社へ売掛金が入金され、それからファクタリング会社へ支払いが行われます。
特にファクタリング利用会社の資金繰りが厳しいといったケースでは、ファクタリング会社の未回収リスクは相応に高くなります。
それゆえに、2社間ファクタリングでは3社間ファクタリングよりも高めの手数料率が設定される傾向にあります。
次に、2社間ファクタリングの流れを確認しておきましょう。
まず、ファクタリング利用会社Aが取引先Bに製品やサービスを販売し、売掛債権が発生します。
発生した売掛債権に対し、ファクタリング利用会社Aとファクタリング会社Cが債権譲渡契約と集金業務委託契約を締結します。
債権譲渡契約で定めた債権譲渡をファクタリング会社Cが登記所で登記します。
債権譲渡契約に基づき、ファクタリング会社Cはファクタリング利用会社Aに対して代金を支払います。
支払期日までに、取引先Bがファクタリング利用会社Aに売掛金を支払います。
そしてファクタリング利用会社Aは入金された売掛金をファクタリング会社Cへ支払います。
これで債権譲渡契約は終了となります。
ところで、2社間ファクタリングにおける入金・支払いは通常どのようになされるのでしょうか。
まず、2社間ファクタリングで売掛金買取の入金してもらうには、ファクタリング会社による審査に通過する必要があります。
例えば買速の場合、審査の申し込みは電話または専用フォームによるメールにて行います。
審査は基本的に当日行われ、結果は電話またはメールで伝えられます。
その後契約締結となり、契約締結後、最短即日に銀行口座へ入金されます。
申込から入金まで、原則来店不要で実行されます。
2社間ファクタリングにおける支払いの方はどうでしょう。
2社間ファクタリングでは、売掛金は売掛先企業からファクタリング利用会社へ売掛金が入金された後に、全額をファクタリング会社へ支払います。
通常は債権譲渡契約で定められた期日までに支払う必要があります。
入金が遅れる原因にはさまざまなものがあります。取引先の資金繰り悪化、経理処理の遅れ、請求書の記載不備など、小さなきっかけが大きな遅延につながることも少なくありません。2社間ファクタリングでは、この遅れが利用者にとって直接的なリスクとなります。売掛先から入金が遅れると、ファクタリング会社への支払いが滞る可能性があり、結果的に「契約違反」や追加費用の発生につながるのです。
ここで重要なのは、ファクタリングが「借入金」ではない点です。借入金であれば返済スケジュールが明確に定められており、返済の遅れは金融機関との信用関係を直接悪化させます。一方、ファクタリングは売掛債権の譲渡であるため、原則として返済義務はありません。しかし、2社間の場合は入金の遅れによって「実質的に借入金と同じように返済を迫られる」場面が生じることがあります。この違いを理解し、資金調達戦略の中でどちらを選択すべきかを判断することが求められます。
会計処理においても「遅れ」は大きな影響を与えます。予定していた期日に入金がない場合、債権の回収不能リスクが高まり、貸倒引当金の計上が必要になることもあります。また、ファクタリング手数料を経費として処理するタイミングも、入金や支払いが遅れることでズレが生じるケースがあります。特に借入金の返済とは異なり、ファクタリングは費用処理とキャッシュフロー処理の両面を正しく管理しなければ、財務諸表の正確性が損なわれる可能性があるのです。
借入金とファクタリングを比較すると、それぞれにメリットとデメリットがあります。借入金は一度に大きな資金を調達できる反面、返済の遅れが信用情報に記録され、将来の融資に影響を与えるリスクがあります。ファクタリングは返済義務がなく、利用が柔軟ですが、入金の遅れによって契約上のトラブルを招く可能性があります。さらに、借入金は利息負担が継続的に発生する一方で、ファクタリングは手数料が一度だけかかるため、短期的な資金繰り改善には有効です。企業の状況に応じて、どちらを選択するかを慎重に検討することが重要です。
ここで、実務に役立つ仕訳例を紹介します。
• 売掛金をファクタリングした場合:
(借方)現金 100万円 /(貸方)売掛金 100万円
• 手数料3万円を差し引かれた場合:
(借方)ファクタリング手数料 3万円 /(貸方)現金 3万円
• 入金が遅れた場合、債権の回収不能を見越して:
(借方)貸倒引当金繰入 10万円 /(貸方)売掛金 10万円
これらの仕訳は、借入金の返済処理とは異なり、あくまで売掛債権の売却や評価に基づいて行われます。遅れが生じることで仕訳が複雑化するため、会計担当者は十分に理解しておく必要があります。
なお、日本には数多くのファクタリング会社が存在しますが、以下に挙げる理由から筆者は買速をおすすめしています。
買速をおすすめしている理由は、買速の審査と入金のスピードの速さです。
ファクタリング会社によっては申込から審査まで数日から数週間程度かかるところもありますが、買速であれば電話かメールで申込み、最速当日審査をしてもらえます。
また、最短即日の入金も可能です。
とにかく急いで資金を調達したいといったケースでは、買速のスピードは何物にも代えられないでしょう。
審査が柔軟なのも買速をおすすめする理由です。
決算が赤字の企業や、税金を滞納している企業などでも申し込みが可能です。
さらに過去に金融事故を起こしたブラック企業でも申込可能です。
また専門の部署を用意しており、自営業者やフリーランスにも対応しています。
手数料以外に費用がかからない点も買速をおすすめする理由です。
多くのファクタリング会社は、ファクタリング手数料に加えて、審査料、初期費用、事務手数料などの名目で費用の支払いを請求してきます。
買速であれば手数料以外の「その他の費用」がまったくかかりません。
買速をおすすめする理由は同社が持つ豊富な実績です。
日本のファクタリング業界黎明期の2007年創立で、15年以上に渡る豊富な実績を持っています。
買速の豊富な実績は、同社の審査能力の向上につながり、結果的に審査通過率80%(2022年3月集計)という高い数字となっています。
以上、2社間ファクタリングにおける入金・支払いを中心テーマに、2社間ファクタリングのメリット・デメリット、2社間ファクタリングの入金や支払いの流れなどについて説明しました。
最後に指摘しておきたいのは、すべてのファクタリング会社が2社間ファクタリングを行っているわけではない点です。
2社間ファクタリングを検討する際は、ファクタリング会社が2社間ファクタリングに対応しているか必ず確認してください。
また、2社間ファクタリングに対応している場合でも、その会社の実績や評判を確認し、安心してファクタリングできるようにしてください。
2社間ファクタリングは、迅速に資金を確保できる有効な手段ですが、入金や支払いの遅れが経営に直撃するリスクを抱えています。借入金とは異なる特性を持つものの、実務上は「返済義務」に似た負担が発生する場合もあり、両者の違いを明確に理解した上で活用することが求められます。安易に依存するのではなく、遅れが発生したときの備えを整え、健全な資金繰り計画を立てることが、企業の成長と安定につながるのです。
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