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ファクタリングコラム
2024年8月26日
目次
ファクタリングは何回も利用できるものです。
現在所有する売掛債権を利用したあと、また新しい売掛債権を入手した時には、その新しい売掛債権を再び利用してファクタリングをおこなう事ができます。
また、所有している売掛債権が複数ある場合には、それぞれを別の会社に買い取ってもらうことも可能です。資金調達が必要となったタイミングで何回も利用できるため、使い勝手の良い方法と言えます。
それでは、その内容を詳しく解説していきましょう。
ファクタリングは融資やローンと違い、たとえ複数回利用したとしても審査や信用情報に悪い影響を与えません。
融資やローンであれば、短期間に何回も利用の申し込みをしてしまうと、それ以降は一定期間新しい申し込みができなくなります。経営状況の悪化を疑われたり、返済能力がないとみなされたりして、審査に通らなくなるためです。
一方ファクタリングの審査では、利用者よりも売掛金を支払う側(売掛先)の経営状況や売掛債権に問題がないかを重視して判断します。ファクタリングを実行した後、確実に売掛金が支払われなければ、ファクタリング会社が損をしてしまうからです。
そのため、たとえ利用者の経営状況に多少問題があったとしても、売掛先に問題がなければ回収可能と判断され、何回も利用できるのです。
ファクタリングを何回も利用するには、複数の売掛債権が必要です。それは複数の会社から受け取った売掛債権でも、一社から受け取った複数の売掛債権でも構いません。
取引先が複数あり、それぞれから売掛債権を受け取っている場合、それぞれの売掛債権を別のタイミングで利用することが可能です。
たとえば売掛債権を複数所有していても、必要とする資金が一社の売掛債権で足りるような額であれば、すべての売掛債権をファクタリングに利用する必要はありません。
ファクタリングには手数料がかかります。入金される金額は売掛債権の額面よりも少なくなってしまうため、必要最低限の利用にとどめておくことが一般的です。
しかしファクタリング利用中に資金繰りが悪化し、また急いで資金調達が必要になることもあります。
そのような時には、所有している別の売掛債権をまた新しくファクタリングに利用することが可能です。
ファクタリングはそれぞれの売掛債権ごとに審査を行います。利用できる売掛債権を複数所有しているのであれば、どのようなタイミングで何回利用したとしても構いません。
ファクタリング会社が審査で見ている点は以下の通りです。
・売掛先の経営状況
・売掛先の信用情報
・売掛金が実際に支払われているかなど売掛先との取引実績
・利用者の状況
ファクタリング会社は売掛先の信用情報のほか、利用者に問題が無いかも見ています。
それは利用者の経営状況だけではありません。
たとえば実在しない売掛債権やすでに他社へ譲渡済みの売掛債権を利用されないように、利用者が信頼できるかどうかも見ているのです。
とくに2社間ファクタリングであれば、支払期日の到来した売掛金は一旦ファクタリング利用者に支払われ、それを利用者がファクタリング会社に送金する形をとります。
その際、あってはいけないことですが、利用者が入金された売掛金を着服してファクタリング会社へ送金しない恐れもあります。そのため利用者の経営状況だけでなく、信頼できる利用者であるかも判断基準のひとつになるのです。
その点、何回もファクタリングを利用している利用者であれば、ファクタリング会社と利用者の間に取引実績が生まれます。問題なく取引ができる利用者だと認識してもらう事で、それ以降の審査がスムーズに進みます。また何回も利用し、利用者としての信頼が上がることで、支払い可能な限度額の上限が上がるなど、利用条件が良くなる場合もあります。
何回利用したとしても、融資やローンなどと違い債務が増えるわけではありません。本来受け取るはずの売上高を支払期日前に受け取るだけですから、何回利用したとしても問題はないのです。
信用力の高い取引先がある場合、その会社の売掛債権を何回も利用することが可能です。
たとえば同じ会社の売掛債権であっても、別の売掛債権(4月の売掛金、5月の売掛金など)であればそれぞれ好きなタイミングでファクタリングに利用できます。
場合によってはキャッシュフローが安定するまで数か月間、毎月ファクタリングを利用しなければいけない状況になる事もあるでしょう。そのような時に信用力の高い売掛先の債権を何回も利用することで、安定的に資金調達が可能です。
信用力の低い売掛先や、今まで一度も取引をしたことがない売掛先の売掛債権では、審査に落ちてしまう恐れがあります。回収不能になる恐れがあるからです。
しかし信用力が高く何回もファクタリングに利用している売掛先であれば、次回以降も審査を通過する可能性が高くなり、急な資金不足に対応できる可能性が高まります。
審査に通過しやすい売掛先を見極められることは、ファクタリングを何回も利用するメリットです。いざという時に利用できる売掛先を把握しておくことで、急なキャッシュフローの悪化時にも対応できるという安心感が生まれます。
ここまでファクタリングを何回も利用できる状況について説明しました。しかし、何回も利用してはいけないパターンも存在します。それは「ひとつの売掛債権を何回も利用する」というパターンです。
売掛債権とは、後日売上金を受け取るための権利のことを言います。
また、ファクタリングとは次のような流れで権利を譲渡する行為です。
1.利用者は、所有している「現金を後日受け取る権利」をファクタリング会社に譲渡する
2.ファクタリング会社は後日現金が入手できることを前提に、売掛金の額面から手数料を引いた金額を利用者へ支払う
3.売掛債権の支払期日にファクタリング会社へ(2社間ファクタリングであれば一旦利用者を経由して)売掛金が支払われる
譲渡される売掛債権には現金のような実体がありません。そのため、ひとつの売掛債権を使って、同時に複数のファクタリング会社へ利用の申し込みをすることもできてしまいます。
しかし債権の二重譲渡は犯罪行為です。決して実行してはいけません。
実際に債権が譲渡されると、ファクタリング会社は基本的に債権譲渡登記をおこないます。
ファクタリング会社に「売掛金を受け取る権利」があることを証明し、第三者が「自分に売掛金を受け取る権利がある」と主張してもそれを否定できるようにするためです。この登記は誰でも確認できます。
ファクタリングの利用申し込みがあった際、ファクタリング会社は債権の登記を確認することで、その売掛債権がすでに他社へ譲渡されている物かどうか知ることができます。
そのため、ひとつの売掛債権を何回もファクタリングに利用しようとしても、基本的には受け付けてもらえません。
しかし債権譲渡登記をおこなわない会社を利用したり、債権譲渡登記がおこなわれる前に複数の会社へ申し込んだりと、条件やタイミングによっては二重譲渡契約ができてしまうこともあります。ひとつの債権で何回も利用の申し込みをし、現金をだまし取ることが出来てしまうのです。
ですが、売掛債権の支払期日が到来しても、売掛金は一社にしか振り込まれません。その時点で犯罪行為は確実に表沙汰になります。
二重譲渡をおこなうと、詐欺や横領などの刑事罰や民事訴訟を受けることになりかねません。そこまでして資金繰りを安定させても、刑事罰を受ければ社会的な信用を失い、かえって会社の存続が危うくなってしまいます。
ひとつの売掛債権を何回もファクタリングに利用しないようにしましょう。
ファクタリングは何回も利用できるものです。
複数の売掛債権を所有している時には、使いやすい売掛債権を必要なタイミングで利用するなど、柔軟な対応が可能です。また信用力の高い売掛先の債権であれば審査に通りやすく、売掛債権が発行されるたびに何回でも安定的に利用できます。
ただしひとつの売掛債権を何回も利用してはいけません。債権の二重譲渡は犯罪です。適切な利用を心がけてください。
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