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ファクタリングコラム
2024年10月27日
目次
ファクタリングは近年盛んになってきている資金調達方法です。
売掛債権(売掛金を受け取る権利)をファクタリング業者に売却することで、資金を得られます。
ファクタリングの情報を検索すると「債権を支払期日前に資金化できる」という情報が多く出てきますが、ファクタリングには与信管理の意味合いもあります。
またファクタリングの利用には審査があり、審査を通過しなければ利用できません。
さらに偽装ファクタリングの問題やさまざまな注意事項があり、正しい情報を身に着けている必要があります。
ここでは、ファクタリングの正しい情報を紹介していきます。
ファクタリングは資金調達方法のひとつです。
債権を売却することで資金を得られ、融資などと違い負債にはなりません。返済の必要がなく、短期的な資金不足への対応に適しています。
ファクタリングは以下のような流れで取引します。
1.商品を売り上げ、売掛金が発生
2.ファクタリングの利用を申し込む
3.審査・契約
4.売掛債権をファクタリング業者へ譲渡
5.業者はその対価として利用者に現金を渡す
6.売掛金の支払期日になる
7.売掛先が売掛金を支払う
8.業者が売掛金を受け取る
ファクタリングには業者と利用者の2社で取引をおこなうものと、業者・利用者・売掛先の3社でおこなうものがあります。
3社で取引をおこなう場合、売掛金の支払期日になると、売掛先は売掛金を業者へ直接支払います。
一方2社で取引をおこなう場合、売掛先は自社の売掛金がファクタリングに利用されていることを知りません。
そのため、売掛金は通常通り利用者へと支払われます。
売掛金を受け取った利用者は、その売掛金をそのままファクタリング業者へ送金する必要があります。
融資と同様に、ファクタリングの契約時にも審査をおこなうことが一般的です。
審査では以下のような書類が必要になります。
・会社の登記簿謄本
・決算書
・売掛先との取引履歴(銀行口座の取引履歴など)
・売掛金を証明する書類(請求書など)
ファクタリングでは、利用者と売掛先、さらに売掛金そのものについて審査をおこないます。
利用者の審査は、会社の基本情報などからファクタリングに関する信用情報を参照することがあります。なかには悪質な行為をおこなう利用者がおり、そのような利用者を判別するためです。
悪質な利用者とは次のような行為をおこなう者のことを言います。
・回収金の使い込み
・通帳の偽造
・売掛債権の二重譲渡
・その他の規約違反
2社間で取引をおこなう場合、売掛金の支払期日が来ると、売掛金は一旦利用者の元へと支払われます。
利用者は受け取った売掛金をそのまま業者へ送金しなければいけませんが、なかにはその売掛金を使い込んでしまう者も存在します。
業者はそうした利用者を判別しなければいけません。
また、このような悪質行為をおこなうと、ファクタリングにおける信用情報機関に登録される可能性があります。
信用情報機関に登録されることで、次回以降サービスを利用しようとしても、悪質行為をおこなった情報が業者内で共有され、契約をおこなえなくなります。
信用情報は顧客の信用を判断するため重要な情報となります。
ファクタリングにおける信用情報機関に登録され、情報が共有される可能性のある行為は次の通りです。
・資金を使い込み、連絡がつかなくなった
・通帳や書類の偽造
・架空債権の使用
・債権の二重譲渡
・計画倒産詐欺
なお、情報が登録されている期間は最低5年間です。
自身の情報が登録されているか確認する方法はありません。登録された情報は加盟業者のみが確認できます。
売掛先の審査は、公開されているホームページの情報や、上場企業の場合は株価の情報などにより、総合的に判断されます。
ファクタリングにおいて、売掛先の審査は利用者の審査よりも重要です。
売掛先の信用力が高い場合、たとえ利用者が赤字決算や税金を滞納している状況であったとしても、審査に通過する可能性があります。
ただし、過去の取引実績などから架空業者や架空取引でないかを判断することもあるため、過去に取引したことのない売掛先の売掛金では審査に通らない場合もあります。
さらに売掛債権が二重譲渡されていないか確認する方法として、債権譲渡登記を確認する方法もあります。
債権は目に見えるものではないため、法務局にて登記をおこなうことにより、第三者に対して債権の所有を証明できます。登記の情報を確認することにより、その債権がすでに他社へ譲渡されたものではないか調べることが可能です。
審査に通りやすくするには、信用力の高い売掛先の売掛債権を使用すると良いでしょう。
具体的には、上場企業や国・地方自治体など、売掛金の支払われる可能性が高い企業の売掛債権です。
取引先にそのような企業がない場合には、日ごろから付き合いがあり、継続的に取引をおこなっている企業の債権を使用することが有効です。
ファクタリングは売掛債権を譲渡することで、その対価として現金を得る資金調達方法です。
売掛債権とは、売掛金を受け取る権利のことです。
売掛債権の所有者は同時に、売掛先の倒産などにより、「売掛金を受け取れないリスク」も所有することになります。
たとえば経営状況の良くない売掛先から、一か月後に売上金を受け取る予定があったとします。
しかしその一か月の間に売掛先が倒産してしまった場合、受け取る予定だった売上金は受け取れません。
ですが、事前にファクタリングを利用しておくことで、そのリスクに対応できます。
利用者はファクタリングを利用することで、売掛先の倒産前に業者から現金を得ることができます。
売掛金が支払われないことによる損害は、売掛債権を所有しているファクタリング業者が被ることになり、利用者は損をせずに済むという仕組みです。
不良債権を所有するリスクを減らし、安定した経営を続けられます。
ただしこのとき、注意すべき点が存在します。それは悪質な業者の存在です。
なかには売掛金が支払われなかった際、損害を利用者に背負わせようとする業者が存在します。
支払われなかった売掛金を利用者が立て替えて業者に支払ったり、債権を買い戻したりする契約をおこなうことは、偽装ファクタリングに該当します。
偽装ファクタリングには注意が必要です。
偽装ファクタリングは、金融庁も注意喚起の情報を発表しているような問題です。
ファクタリングの契約を装い、実際には融資に該当する契約をおこなうものです。
前項で解説したとおり、売掛先が万が一売掛金を支払わなかった場合には、その損害は売掛債権を所有している業者が被らなければなりません。
もしも利用者がその損害を被る場合には、債権が譲渡されているとは言えず、ファクタリングとしての契約がなされていないとみなします。
この場合、一時的に債権(受け取る権利)を譲渡して金銭を借り、売掛金が支払われなかった時には、金銭を返して債権を取り戻す状況になります。
これは、売掛債権を担保にした融資と同じ状況であり、融資と認定される可能性があります。
契約時には、売掛金が支払われなかった時の対応について確認してください。
万が一利用者が損をするような契約であれば、ファクタリング契約とはいえないことを正しく理解しておきましょう。
売掛債権を担保にした融資は、銀行や貸金業者のみがおこなえます。
もしもファクタリング契約を装い、売掛債権を担保にした融資をおこなっている場合には、その業者は銀行もしくは貸金業の登録をしていなければいけません。
貸金業の登録をしている業者は、金融庁が発表している情報から確認できます。登録されていない業者が金銭の貸し付けをおこなうことは違法です。利用しないようにしてください。
また金融庁が発表している情報として、「給与ファクタリング」の情報もあります。
これは給与を受け取る権利を利用し、個人に対して違法に金銭を貸し付けるものです。
金融庁の情報によると、ヤミ金融による高金利の貸し付けであり、利用しないようにとの注意がなされています。
銀行や貸金業者には銀行法・貸金業法などの独自の法律が存在します。
しかしファクタリングには独自の法律が存在しません。そのため、高額な手数料などに注意が必要です。
貸金業法では金利の上限が決まっています。その上限金利は次の通りです。
・元本が10万円未満:年20%
・元本が10万円以上100万円未満:年18%
・元本が100万円以上:年15%
ファクタリングを利用する際、その手数料が貸金業法の上限金利を上回っている場合もあります。
法律上は問題ありませんが、知らずに利用を続けていくと負担が蓄積していきます。
手数料の情報は業者のホームページなどにも掲載されているため、契約前に手数料情報をよく確認してください。
ファクタリングの利用を国が後押ししている情報もあります。
たとえば建設業者が活用できる「下請債権保全支援事業」という制度です。
この制度は国土交通省がおこなっています。
ファクタリングを利用して元請業者が倒産した際に債権を保証したり、買い取りによる資金調達をおこなったりできます。
この制度を活用することで、保証料や買取手数料の一部を国が負担することになります。コストをおさえて資金管理ができ、非常に有効です。
このように、融資だけでなくファクタリングも国によって活用を推進されています。
今後も新たな制度が始まるかもしれません。国や地方自治体が発表する新しい情報に目を向け、有効活用してください。
ファクタリングを適切に活用するには、国や業者が発表しているさまざまな情報を把握していなければなりません。正しい情報を仕入れることで、悪質なサービスを見抜くことが可能になります。
また、今後も国が新たな支援をおこなう可能性もあります。
そのような情報を仕入れるため、日ごろから新しい情報への感度を高めていきましょう。
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