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ファクタリングコラム
2024年7月13日
目次
ファクタリング業界には、貸金業と同じ法規制は適用されません。しかし法規制が無い分、手数料を高く設定したり、取り立てを厳しく行う業者もいます。貸金業法・利息制限法・出資法も適用されません。ファクタリングをうまく活用して資金調達していきましょう。
まず押さえておきたい基本知識として、ファクタリングは貸金業とは異なるということです。
ファクタリングとは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービスであり、法的には債権の売買契約です。
近年、ファクタリングを装った高金利の貸付けを行う闇金融業者が出てきています。また、ファクタリングとして行われる取引であっても、貸付けと同様の機能を有していると思われるものは、貸金業に該当する可能性があります。したがって、貸金業登録を受けていない者がファクタリングを装って貸付けを行うことは違法です。ファクタリングを利用する事業者も、ファクタリングを提供する事業者の方も、少しでも心配な点があれば、法律の専門家である弁護士に相談して違法な取引が行われないよう、注意が必要です。
ファクタリングと貸金業は、いくつかの点で異なります。以下にそれぞれの特徴を説明します。
1. ファクタリング
ファクタリングは、事業者が保有している売掛債権(未収金)を、一定の手数料を徴収して買い取るサービスです。事業者が資金調達やキャッシュフローの改善を目的として利用します。
2. 貸金業
貸金業は、金銭を貸し付ける業務を指し、債務者と債権者の間で行われる貸付契約です。目的としては個人や法人が資金を借り入れることで、資金調達を行います。
つまり、ファクタリングは債権の売買契約であり、貸金業は金銭の貸付け契約という違いがあります。
貸金業で行う取り立ては貸金業の法規制対象です。一方、ファクタリングにおける取り立てには法規制対象に入るのでしょうか?
結論から言うと、ファクタリングは貸金業法の取り立て規制を受けない場合があります。その理由は以下の通りです。
1. 債権譲渡契約
ファクタリングは、債権の売買(債権譲渡)契約として行われます。債権譲渡は、貸金業法の対象外です。債権譲渡契約では、債権者(売主)が保有する売掛債権をファクタリング会社(買主)に譲渡することで、資金を調達します。
2. 取り立て規制の適用
貸金業法は、借金をする個人や法人を保護するために、取り立て規制などをつくっています。一方でファクタリングは債権譲渡契約であり、借金をするわけではないため、貸金業法は適用されません。
ファクタリング業者によっては、取り立てが厳しいケースもあることは事実です。特に、高金利でファクタリングを装ったヤミ金融業者が存在することが報告されています。これらの業者は、債権譲渡契約を利用して、事業者や個人から高額の手数料を徴収することがあります。
したがって、ファクタリングを利用する際には、信頼性のあるファクタリング会社を選ぶことが重要です。違法な取引を避けるために、法的アドバイスを受けることをお勧めします。
ファクタリング会社が債権の取り立てを行う一般的な流れは以下の通りです。この流れを押さえておけば違法な取引を避けることができます。
1. 債権譲渡契約
事業者はファクタリング会社に売掛債権を譲渡します。この契約に基づいて、ファクタリング会社は債権を買い取ります。
2. 通知
ファクタリング会社は債権譲渡の事実を債務者(売掛先)に通知します。通常は書面で行われます。
3. 回収計画の策定
ファクタリング会社は回収計画を立てます。これには取り立てのタイミングや方法が含まれます。
4. 取り立て
債権譲渡契約に基づいて、ファクタリング会社は債務者に対して債権の回収を行います。通常は電話や書面で連絡を取ります。
5. 支払いの確認
債務者が支払いを行った場合、ファクタリング会社はその情報を確認します。
6. 未回収債権の管理
支払いがない場合、ファクタリング会社は未回収債権を管理します。これには再度の取り立てや法的手続きが含まれることもあります。
ファクタリング会社は、債権の取り立てを適切に行い、事業者と債務者の利益をバランス良く考慮することが求められます。
偽装ファクタリングに注意することは非常に重要です。以下に、偽装ファクタリングを見抜くためのポイントを解説します。
1. 償還請求権が付いている
売掛債権譲渡契約に償還請求権が付いている場合は注意が必要です。償還請求権とは、売掛金を回収できない場合に、その返済を求められる権利です。確認しておきましょう。
2. 金銭消費契約を結び、連帯保証人になることを求める
ファクタリングは借金ではないため、連帯保証人は必要ありません。金銭消費契約を結び、代表者などに連帯保証人になることを求める場合は注意が必要です。
3. 契約書の控え、領収書などを受け取れない
正規のファクタリングでは、契約書や領収書が発行されます。これらの書類を受け取れない場合は注意しましょう。
4. 銀行通帳・銀行鑑などを預けなければならない
銀行通帳や銀行印などを預けることは基本的にありません。預ける前に契約内容を確認しましょう。
5. 急いでいても偽装ファクタリングに注意
ファクタリングを利用する際は、偽装ファクタリングに注意が必要です。償還請求権の有無や契約書の内容を確認し、安心して利用しましょう。
偽装ファクタリングは、正規のファクタリングと同じ流れで進むものの、ファクタリング業者が回収リスクを負っていないため、注意が必要です。詳細なポイントを確認して、安全に利用しましょう。
基本的にファクタリングは貸金業法、利息制限法、出資法の対象とならないです。本当に対象にならないのかを確認するにもそれぞれの法律の基礎を押さえておきましょう。
貸金業法は、消費者金融などの貸金業者や、貸金業者からの借入れについて定めている法律です。この法律は、多重債務問題を解決し、利用者が安心して借りることができる貸金市場を作るために改正されました。主なポイントは以下の通りです。
1. 総量規制
年収の3分の1を超える借入残高がある場合、新規の借入れができなくなります。ただし、既存の借入残高についてはすぐに返済を求められるわけではありません。銀行からの借入れや法人名義での借入れは対象外です。
2. 上限金利の引下げ
出資法の上限金利が20%に引き下げられ、グレーゾーン金利が撤廃されました。これにより、上限金利は利息制限法の水準(貸付額に応じ15%~20%)となります。
利息制限法は、金銭貸借契約における利息の上限を規制する法律です。この法律は、消費者金融や銀行などの融資商品に関連し、借りる側を保護するために制定されています¹. 主なポイントを以下にまとめます。
1. 契約金利の上限
利息制限法は、金銭貸借契約において、利息の上限を定めています。契約金利(利率)や遅延損害金(延滞利息)などが規制対象です。
2. 遅延損害金の制限
遅延損害金は、期日を過ぎて返済がない場合に加算される利息のことです。利息制限法によって遅延損害金の上限も定められています。
3. 出資法との関係
出資法と利息制限法は互いに補完し合う関係にあります。金銭貸借取引をする際は、両方の法律を遵守する必要があります。
利息制限法は、借り手の利益を守るために存在しており、金利の適正な取引を促進しています。
出資法は、一般大衆の財産を保護するために制定された法律で、出資金の受入れや預り金の禁止などの規制を定めています。以下に出資法に関する要点を説明します。
1. 出資金の受入れの制限
出資法は、不特定多数の人に対して後日出資の払いもどしとして出資金を受け入れる行為を制限しています。誇大表現や嘘を使って多額の配当を保証して出資を募る行為は禁止されています。
2. 預り金の禁止
出資法では、特定金融機関以外の業者が預り金業務を営むことを禁止しています。預かったお金を用いて取引することはできません。
3. 浮貸し等の禁止
出資法は、金融機関以外の業者が浮貸し(高金利で貸し付ける行為)をすることを禁止しています。
出資法違反になると罰金や刑罰が課せられる可能性があり、逮捕された場合は刑事裁判に発展する可能性があります。
ファクタリングは貸金業法・利息制限法・出資法の対象とはならないのが基本です。しかし、最近はファクタリングを装って高金利の取り立てを行う違法業者もいるため注意が必要です。
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