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ファクタリングコラム
目次
本来のファクタリングは、売掛債権を業者に譲渡・売却をすることで、早期で現金を得る資金調達手段です。
しかし、使い方によっては節税効果があり、黒字圧縮のために利用する方法も不可能ではありません。
では、どのようにしてファクタリングで節税対策を行うのか、本記事で詳しく解説していきます。
ファクタリングで節税できるのか気になっている方や、節税になる仕組みについて詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。
ファクタリングは、支払い期日前の売掛債権を売却して、現金を得るものですが、どのように節税として用いるのでしょうか。
その答えは、売却時に発生した手数料です。
ファクタリングでは、売却時に必ず手数料が発生し、売上債権売却損として仕訳ができます。
この売上債権売却損は、そのまま経費として計上できるため、あえてファクタリングを利用して利益の圧縮を図ることが可能です。
例えば、500万円の売掛債権を10%の手数料で売却したと仮定しましょう。
まず売掛金発生時の仕訳は以下のとおりです。
・借方:売掛金500万円
・貸方:売上500万円
その後、ファクタリング会社と契約した際、現金は入金されていないので、勘定科目は未収入金として扱います。
・借方:未収入金500万円
・貸方:売掛金50万円
その後、ファクタリング会社から現金が入金された際に、未収入金は貸方へ移動し、借方には普通預金と売上債権売却損として記入しましょう。
・借方:普通預金450万円・売上債権売却損50万円
・貸方:未収入金500万円
上記の流れで、売上債権売却損が経費となり、今回は50万円の節税効果が生まれます。
ファクタリングの利用は節税対策にはなるものの、優先的におこなうものではありません。
理由としては、資産の保有やサービスの利用といったプラスな経費ではないからです。
たとえば、社用車を購入する場合は、経費だけでなく車が手元に残ります。
勤怠管理システムの導入も、導入費用を経費として業務効率化が図れるサービスを利用する権利が得られるはずです。
一方ファクタリングは早期現金化されるだけで、得られる資産はありません。
つまり、主として優先的に行うものではなく、他に節税対策として講じるものがない場合、手取り早く利益の圧縮化がしたい場合に用いるのがいいでしょう。
ファクタリングの節税を検討する上で、貸倒引当金について理解をしておかなくてはいけません。
貸倒引当金とは、商品・サービス提供時の売上代金が回収不能になるリスクに備え、損失額を予測して貸借対照表に組み込んでおく金額です。
貸倒引当金に該当するのは、売掛金だけでなく、貸付金や未収集金も含み、現金回収ができていない場合を条件として勘定科目に記載します。
ファクタリングによって売掛債権を会計処理する場合、貸倒引当金の面倒な会計処理をしなくて済む点もメリットです。
例えば、売掛債権を損金として処理するには、下記の条件が必要になります。
・法律的な債権の喪失
・回収不能が確定した際
・売掛債権の取引停止後1年以上経過
しかし、ファクタリングなら上記の条件を考えずとも計上可能です。
ファクタリングは節税として優先的に利用すべきではないと説明しましたが、決してメリットがないわけではありません。
主に、以下のような点がメリットとしてあげられます。
・早期資金化ができる
・バランスシートのスリム化ができる
・債権回収リスクがなくなる
・2社間契約なら取引先に通知がいかない
では、それぞれのメリットについて見ていきましょう。
ファクタリングを利用すれば、支払い期日前に現金が得られるメリットがあります。
そのため、ファクタリングの手数料を計上しつつ、得られた現金でさらに経費となるものに使う、といった使い方が可能です。
また、手元資金が確保できれば、突然の設備故障のように費用が必要になった際も迅速に投資ができます。
今後融資を検討しているのであれば、ファクタリングの利用はバランスシートがスリム化できるのでおすすめです。
本来、資金を調達する場合には融資や借入をしますが、いずれも負債としてバランスシートに記載されます。
しかし、ファクタリングは売掛債権の譲渡であり、内容としては資産の売却となり、バランスシートには記載されません。
つまり、ファクタリングを節税目的で利用しても、バランスシートに影響を与えることはなく、資金の調達もできる効率的な方法といえるでしょう。
企業にとって痛手となるのが、債権回収が不能になった場合です。
売掛債権は、期日までに現金を支払ってもらう取引ではあるものの、効力としてはさほど強くはなく、倒産によって不良債権になる可能性もあります。
そのため、万が一のリスクに備えてファクタリングによって売掛債権を現金化しておけば、最低限の損失で防ぐことが可能です。
またファクタリングでは、支払い責任も譲渡されるので、万が一売掛先が債務不履行を起こした場合でも、自社が代わりに支払う必要はありません。
節税目的とはいえ、ファクタリングをよく思わない企業・事業者も中にはいます。
もし取引先にファクタリングの利用を知られたくない場合には、2社間契約がおすすめです。
2社間契約は依頼主・ファクタリング会社でのみ取引が行われるので、取引先には通知されません。
節税目的だからといっても、ファクタリングをするのは手元資金がない=経営状態が芳しくないといった印象を与えてしまいます。
また、2社間契約のほうが手数料が高い傾向にあり、節税効果としては大きいです。
穏便かつ効果的な節税対策として考えるなら、2社間契約でファクタリングを検討しましょう。
ここでは、ファクタリングの節税に関してよくある質問についてまとめました。
ファクタリングで発生する手数料および売却益は課税対象にはなりません。
内容的には有価証券の譲渡にあたるので、消費税なども発生しない点を覚えておきましょう。
ただし、ファクタリングおよび債権譲渡登記を司法書士へ依頼した場合の報酬および交通費は消費税の課税対象になるため注意してください。
ファクタリングと相性がいい節税対策は基本的にありませんが、どの対策とも相性がいいとも捉えられます。
ファクタリングを利用して得られた資金を他の経費に回すと、効率よく利益の圧縮化ができるでしょう。
今回はファクタリングで節税できる仕組みについて解説しました。
ファクタリングの手数料は売上債権売却損として仕分けることができるので、節税目的として利用できるのがわかってもらえたはずです。
節税目的以外でも得られるメリットはあるものの、その他の節税対策と比べると優先的ではありません。
もし節税としてファクタリングを利用する場合には、他の対策と見比べながら実行すべきかを判断しましょう。
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