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ファクタリングコラム
2023年12月27日
目次
売掛債権を売却して現金を調達する手法として、近年注目を集めているのがファクタリングです。
最近では、法人だけでなく個人事業主やフリーランスも利用できる買取会社も増えており、自社でも利用を考えている方も多いのではないでしょうか。
そこで気になるのは、ファクタリングは非課税売上なのかどうかです。
本記事では、ファクタリングが非課税売上に該当するのか、消費税がかからない理由について解説します。
まず、課税売上と非課税売上の違いについて理解しておきましょう。
両者の違いを簡単にまとめるなら、消費税を支払う必要があるかどうかです。
そのためには、課税取引なのか非課税取引なのかを区分します。
課税売上とは、商品やサービスの提供によって得られる収入を指し、消費税を支払う義務が発生する売上です。
一方、非課税売上は課税対象にならない取引で得た収入で、消費税を支払う必要がありません。
結論からいうと、ファクタリングは非課税売上として区分されます。
では、なぜ消費税がかからない取引に該当するのでしょうか。
ファクタリングによる取引は有価証券の譲渡にあたり、非課税取引に該当します。
実際に、国税庁の公式サイトの非課税となる取引に「有価証券等の譲渡」と記載されている点からも判断可能です。
ちなみに、ファクタリングを含む有価証券の取引以外にも非課税取引に指定されているのは17種類あります。
例えば、土地の譲渡および貸付け・支払い手段の譲渡・介護保険サービスの提供などです。
上記に該当する取引は全て非課税にあたるため、収入を得た場合には非課税売上として区分して会計処理できます。
ファクタリングは、売掛債権を売却した際に手数料が引かれた分の現金を得られます。
この手数料も課税・非課税どちらになるのか考えていきましょう。
国税庁では、預貯金や貸付金の利子は非課税と定めているため、ファクタリングの利用で発生する手数料は非課税売上として捉えることが可能です。
ファクタリングを利用する場合、融資でいう金利にあたる手数料が発生しますが、非課税売上になる点は理解しておきましょう。
大まかに捉えるならファクタリングでかかる費用は非課税と捉えることができますが、消費税がかかるケースも存在します。
・債権譲渡登記の登録
・事務手数料を別途請求される場合
・出張費用は非課税売上・課税売上が混在
上記で発生する費用は、消費税がかかるので注意しましょう。
それでは、それぞれのケースについて詳しく解説します。
主に2社間ファクタリングを行う場合、譲渡された売掛債権の対抗要件として、債権譲渡登記を求められる場合があります。
この債権譲渡登記の登録を行うにあたって、以下のような費用が発生します。
・登録免許税(1件につき7,500円または1万5,000円)
・司法書士に対する報酬(5万円〜8万円)
上記の費用は非課税売上にはならず、消費税がかかるので注意が必要です。
債権譲渡登記は必須項目ではないので、気になる場合はファクタリング会社に問い合わせてみるといいでしょう。
ケースとしてはあまり多くありませんが、ファクタリングの費用と事務手数料を別途請求される場合があります。
そうなると、事務手数料は課税対象となる可能性があるので、注意が必要です。
国税庁では、事務手数料は役務の提供の対価であり、金銭の貸付けの対価としての利子に該当せず、課税対象と見解を述べています。
そのため、ファクタリングの事務手数料を別途請求される場合は、非課税売上として扱わなくてはいけません。
出張費用については、非課税売上・課税売上が混在するので、気をつけるべき部分です。
そもそも出張費用の内訳は、出張対応の手数料と交通費で分けられ、両者で非課税売上・課税売上なのかが異なります。
出張対応の手数料は、事務手数料と同じ考えで役務の提供の対価と考えたほうがいいでしょう。
一方、交通費については、すでに消費税が含まれています。
仮に交通費を課税取引として請求される場合は、消費税が重複した状態になるので、無課税売上として捉える必要があるのです。
ファクタリング取引は非課税売上ですが、中には課税売上だと言い張る業者もいます。
しかし、ファクタリングを非課税売上ではないとして、消費税を上乗せする業者は、悪徳である可能性が高いので注意が必要です。
非課税売上や消費税がかかる旨を悪用して、ファクタリングを知らない方を騙し取る業者もいるので、利用側も正しい知識を身につけておかなくてはいけません。
本メディアでは、ファクタリングについて知識を学べるため、ぜひ他の記事も参考にして見てください。
面倒な仕訳をしたくないなら、以下のようなファクタリング会社を選ぶべきでしょう。
・一括請求のファクタリング会社を選ぶ
・債権譲渡登記が不要なファクタリング会社を選ぶ
では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
事務手数料を別途請求されると課税売上として扱われてしまうため、一括請求のファクタリング会社を選ぶのがおすすめです。
一括請求だと、取引で発生する費用を全て請求してくれるので、非課税売上として扱えます。
ただし、一括請求だからといって、全てのファクタリング会社がいいのかといわれると、決してそうではありません。
中には、手数料を高く設定しており、内訳を隠している業者もいるので、信頼できるファクタリング会社の中で一括請求をしている、と認識しておいてください。
債権譲渡登記が不要あるいは留保してくれるファクタリング会社を選ぶと、非課税売上として扱える可能性が高くなります。
債権譲渡登記は、売掛債権の権利を主張するためのもので、売掛先が関与しない2社間契約では、ファクタリング会社が第三者対抗要件に必要です。
3社間契約の場合には、売掛先が関与するので債権譲登記は不要です。
もし、ファクタリングを非課税売上で進めたいなら、債権譲渡登記が不要な契約、あるいは留保してくれるファクタリング会社を選びましょう。
ここでは、ファクタリングと非課税売上に関してよくある質問についてまとめました。
ファクタリングの勘定科目は売上債権売却損です。
もし会計ソフトに売上債権売却損がない場合は、雑損失や支払い手数料、割引料でも代用可能です。
ファクタリングには、買取型・保証型・医療報酬などありますが、全て非課税売上に該当します。
とはいえ、本記事で解説したように、ファクタリング以外で発生する事務手数料は課税される可能性があるので注意しましょう。
今回はファクタリングが課税・非課税のどちらに該当するのか、消費税がかからない理由とあわせて解説しました。
国税庁が有価証券の譲渡は非課税取引と公言している以上、ファクタリングも非課税売上だとわかってもらえたはずです。
ファクタリングの取引によっては課税売上になる内容も中にはあるので、契約をする際は確認して正しい仕訳を行うようにしてください。
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