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ファクタリングコラム
2024年9月26日
目次
p型ファクタリングとは、売掛金が回収できない場合に備える保険の役割を持つサービスです。
p型ファクタリングを別名ポートフォリオ型、保証型ファクタリングともいいます。
p型ファクタリングは資金調達を目的とする買取型ファクタリングとは異なり、売掛先の万が一の倒産リスクに備える保険で、支払い不能になった場合に保証金が支払われます。
この記事では、p型ファクタリングのメリットとデメリット、中小企業の方におすすめのサービスについて解説します。
p型ファクタリングとは売掛金が回収できない場合に保険の役割を果たすサービスです。
資金調達ではなく、売掛先の倒産や経営破綻による売掛金の未回収リスクに備えることがp型ファクタリングは目的です。
保証料は原則掛け捨てで、売掛金の1~8%を保証料(手数料)として支払う必要があります。
売掛先が1社に偏っており、売掛金が回収できないなど自社への影響が大きい場合に有効な方法です。
保証額が支払われるのは売掛先が破産手続きを始める、任意整理を行うなど支払い不能状態であることが条件となっています。
売掛金の額面が大きく、回収まで長期化しやすい建設業や資材業で多く利用されています。
SMBCファイナンスサービス株式会社では販売先信用保証、りそな決済サービス株式会社では売掛債権の支払保証、三菱UFJファクター株式会社では根保証という名前でp型ファクタリングが提供されています。
少額から利用できる会社や1社ごとに保証限度額を設定できるところなど、それぞれに特徴があります。
銀行系、信販系のファクタリング会社だけが保証ファクタリングを提供しており、中小のファクタリング会社は扱っていません。
買取型ファクタリングは、売掛金を売却することで資金調達を目的とするサービスです。
ファクタリングというと一般的にこちらを指します。
売掛金をファクタリング会社に売却することで、売掛債権の支払期日を待たずに最短即日で現金化できるため、資金繰りに困っている企業には便利な資金調達法です。
手数料は2社間ファクタリングでは10~20%、3社間ファクタリングでは1~9%が目安です。
ほとんどのファクタリング会社が提供しており、審査の基準や条件が異なるので、1社では断られてもほかの会社では契約できることもあるでしょう。
ポートフォリオ型ファクタリングは売掛債権の未回収リスクに対する保険を目的とする一方、買取型ファクタリングは資金調達を目的とする点で大きく異なります。
資金に余裕があって万が一の倒産に備えたい場合はポートフォリオ型ファクタリング、資金繰りが悪化してすぐに現金が欲しい場合は買取型ファクタリングを利用するなど、目的に応じて使い分けましょう。
p型ファクタリングのメリットは以下の5つです。
1. 貸倒れリスクを回避できる
2. 売掛先に知られず保証が受けられる
3. 与信管理を省略できる
4. 信頼のおける会社と契約できる
5. 助成金を受け取れる場合がある
資金調達以外のメリットも把握して、p型ファクタリングが自社での利用に適しているのか判断しましょう。
売掛先の倒産などで売掛債権の回収が不能になったときに保証額の範囲で代金を受け取れるため、貸倒れリスクを回避できます。
1つの売掛先に売上が偏っている場合の連鎖倒産リスクも抑えることができます。
また支払いが遅延したときも保証されるケースもあるため、契約の際は保証範囲をよくチェックしておきましょう。
p型ファクタリングの利用を知られると、売掛先に「信用されていない」と判断され、関係性に影響することがあります。
買取型ファクタリングと同様、審査から入金されるまで売掛先に知られることはないので、安心して利用できます。
良好な関係を保ったまま保証を受けられるのがメリットです。
p型ファクタリングも利用時に売掛先の審査が必要です。
ファクタリング会社が売掛先の与信審査を行ってくれるため、自社で審査・管理する手間が省けます。
契約時だけでなく契約後も定期的に審査してくれるので、自社のリソースがない場合には有効な手段となるでしょう。
与信審査により、返済能力のある売掛先を探すことも可能です。
ファクタリングの利用が前提となりますが、契約前でも無料で貸倒れリスクの診断ができる会社もあるので、売掛先の信用力を判断したい場合には利用してもいいかもしれません。
p型ファクタリングを提供しているのは、銀行系や信販系のファクタリング会社のみです。
与信管理など専門的な知識やスキルが必要な業務もあるため、中小のファクタリング会社では提供できません。
中小のファクタリング会社では高額な手数料を請求する悪徳業者が紛れている可能性もありますが、大手なら安心して取引できるでしょう。
建設業や資材業は売掛金の入金スパンが長く、貸倒れリスクが高いので、p型ファクタリングの保証料に助成金を充てることができます。
助成金をうまく活用すれば、コストを抑えながら貸倒れリスクを回避できます。
下請建設業・資材業者にとっては未回収リスクを抑えられるため、大きなメリットです。
p型ファクタリングのデメリットは以下の5つです。
1. 保証料が無駄になる恐れがある
2. 全額保証されるわけではない
3. 貸倒れリスクが高いと利用できない
4. 対応しているファクタリング会社が少ない
5. 売掛債権を限定できず個別保証に対応していない
同じファクタリングでも買取型とは大きく性質が異なるので、デメリットもしっかり確認しておきましょう。
p型ファクタリングでは手数料として「保証料」がかかり、相場は保証金の1~8%です。
保証料は掛け捨てで、売掛金が回収できた場合には支払った金額は無駄になってしまいます。
ただし、p型ファクタリングの目的は資金調達ではなく万が一に備える「保険」なので、生命保険と同じように考えるといいかもしれません。
売掛金が大きくなるほど保証料も高くなるので、リスクと金額を見て利用するかどうか判断しましょう。
売掛先が支払い不能になった場合も、売掛金の全額が支払われるわけではありません。
全額保証を掲げる会社もありますが、保証料が取られているため回収できるのは90%程度にとどまるでしょう。
契約の際は保証範囲や金額をしっかり確認することが大切です。
p型ファクタリングは、売掛先の貸倒れリスクが高いと判断されると利用できないこともあります。
ファクタリング会社が売掛先の支払い能力や信用力を調査し、十分な信用力がないと判断されれば保証を受けられません。
貸倒れリスクの高い会社と契約してしまうと保証金を支払う可能性が高まるため、ファクタリング会社も取引したくないのが実情です。
また契約後に売掛先の信用力が低下した場合は保証が撤回されることもあるので、定期的に与信審査の結果を聞くなどして注意しましょう。
中小のファクタリング会社ではp型ファクタリングを提供していないため、対応しているファクタリング会社が少ないです。
与信管理など専門的な知識やスキルを必要とするため、銀行系や信販系のファクタリング会社でのみ提供されています。
対応しているファクタリング会社でも、売掛金の額面が小さく、信用力の低い売掛債権を持つ中小企業は利用できない恐れがあります。
p型ファクタリングでは売掛債権を限定できず、一定期間の売掛債権を保証対象とすることが一般的です。
限定できる場合も10社の売掛先の提示や一定以上の取引額を求められるなど、買取型ファクタリングと比べて利用のハードルは高いです。
p型ファクタリングは売掛債権の貸倒れリスクに備える保険であり、資金調達には向きません。
つなぎ資金の調達が目的の中小企業や個人事業主の方には、買取型ファクタリングの利用がおすすめです。
買取型ファクタリングのメリットは以下の3つです。
1. 最短即日で資金調達できる
2. 比較的審査が緩く利用のハードルが低い
3. 貸倒れリスクも回避できる
買取型ファクタリングの最大のメリットは、最短即日で現金化できることです。
2社間ファクタリングでは10~20%の手数料がかかりますが、売掛先に知られずに資金調達できます。
事業拡大や支払いサイトの長期化により、まとまった現金がすぐに欲しい会社には大きなメリットとなるでしょう。
p型ファクタリングと比べると審査は緩めで、売掛先との取引実績を証明でき、業績に不信な点がなければ利用できることが多いです。
買取型ファクタリングは売掛金の回収が目的のため、自社の業績が悪くても利用できます。赤字経営の状態やスタートアップでも利用しやすいのがメリットです。
p型ファクタリングだけでなく、買取型ファクタリングも貸倒れリスクを回避できます。
日本のファクタリングでは「ノンリコース」が主流となっているためです。
ノンリコースは、売掛先が倒産して売掛債権を回収できなくなったとしても利用者が支払いする必要はなく、責任に問われない仕組みです。
p型ファクタリングの保険の意味とは異なりますが、買取型ファクタリングでは売掛先が支払い不能になった場合の「支払いリスク」を抑えて利用できます。
p型ファクタリングは資金調達を目的とせず、売掛先が支払い不能になった際に保証金が支払われる保険の役割を果たします。
売掛先に知られず利用できる点や与信管理を外注できるメリットはありますが、対応しているファクタリング会社が少ないなどのデメリットもあります。
すぐに資金調達したい中小企業の方は、最短即日で現金化できる買取型ファクタリングの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
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