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ファクタリングコラム
2024年5月13日
目次
ファクタリング会社は大きく分けて、「銀行系・ノンバンク系・独立系」と呼ばれる3つに分類することができます。
この中でも銀行系ファクタリング会社は安心感が高い場所であり、名前からしても多くの経営者様が魅力を感じるはずです。
本稿では銀行系ファクタリング会社の特徴や注意点を中心に、ノンバンク系・独立系との比較も含めて解説させていただきます。
銀行系ファクタリングとは、銀行とそのグループ会社が行っているファクタリングサービス(売掛債権買取業務)のことを指します。
メガバンクと呼ばれる大手から地方銀行まで、様々な銀行とそのグループ会社でファクタリングを利用することが可能です。
ファクタリングには銀行系以外にも、「ノンバンク系」と「独立系」と呼ばれているファクタリング会社があります。
3種類あるファクタリング会社は運営している企業の違いだけでなくサービス内容にも大きな違いがありますので、利用を検討中のファクタリング会社が3種類のどれに該当するかを知っておくことも大切です。
ノンバンクを簡単に言えば「金融機関の中で銀行以外」であり、「預金業務を行っていない金融機関」と言うこともできます。
カードローン会社やクレジットカード会社、信販会社や消費者金融と呼ばれる企業がノンバンクに該当し、これらの企業が行っているファクタリングサービスをノンバンク系ファクタリングと呼びます。
ファクタリングは売掛債権の譲渡(売買契約)によって売掛債権を現金化する資金調達方法です。
融資ではなく貸金業には該当しませんので、ファクタリング会社は貸金業登録されている必要は基本的にはありません。
独立系ファクタリングとは、銀行やノンバンク以外の、貸金業登録されていない会社が行っているファクタリングサービスを指します。
融資を受ける場合にも信用金庫やビジネスローンなど幾つもの選択肢が存在しますが、銀行融資はその中でも高額融資・低金利などが期待できるというメリットがあります。
ファクタリングにおいても銀行系は、他のファクタリング会社よりも利用価値が高い特徴を幾つか持っています。
ここからは銀行系ファクタリング会社ならではの特徴を、ご紹介します。
ファクタリングは中小企業に向いている資金調達方法とも言われていますが、まだ利用経験がないという企業様も少なくはなく、この資金調達方法に対して何らかの不安を感じている経営者様もいらっしゃるかも知れません。
しかし申込先が銀行やそのグループ会社となれば、トラブルが発生する危険はまずありません。
銀行以上に信頼性の高い会社は中々見つからないはずであり、安心してファクタリングを利用したいという希望に銀行系ファクタリング会社は応えてくれます。
ファクタリングは売掛債権を譲渡(売却)しておこなう資金調達方法であり、買取ファクタリングと呼ばれることがあります。
あえて「買取」と付けているのには理由があり、実は名前にファクタリングと付くサービスが他にも存在しているのです。
しかし銀行系以外のファクタリング会社は買取ファクタリングに特化していることがほとんどです。
「保証ファクタリング」や「国際ファクタリング」などの買取以外のファクタリングサービスの利用をご希望であれば、銀行系を選ぶ必要があります。
銀行系が提供する保証ファクタリングとは、「売掛先の倒産などによって売掛債権が回収不能になった際の保険」となるサービスです。
買取型ではありませんので債権を譲渡する必要はありませんが、保証を受けるには保証料が必要となります。
債権の額面が高くなれば保証料も高くなる傾向があり、審査の結果次第では額面全てではなく一部が対象となることもあります。
決済日に支払いが無事に行われた場合でも保証料が返ってくることはないものの、保証ファクタリングを利用すれば高額取引の際などにも大きな安心感を手に入れることができます。
貿易関係など海外の企業との取引を行う際に売掛債権の回収をサポートするのが、銀行系の「国際ファクタリング」と言われるサービスです。
海外にある企業の与信情報をしっかりと調査し、取引先やその企業が利用しているファクタリング会社と国内の債権者にあたる企業との間に入って取引を進めていくのがメインのサービスとなります。
さらに債権回収不能となった際の保証が付いていることが多く、海外の企業との取引の負担を減らすだけでなく安心感も与えてくれるのも国際ファクタリングの特徴と言えます。
銀行系のファクタリング会社は他のファクタリング会社よりも低い手数料が設定されやすいと言われており、手数料5%未満となることが少なくはありません。
ファクタリングを利用する際の手数料は資金調達額に直結する要素ですので、低くなるほどに嬉しいのは事実です。
低い手数料の実現は資本を多く抱えている銀行だからこそできることとも言えますが、丁寧な審査を行っているということも影響しています。
各ファクタリング会社には買取可能な債権の額が定められています。
銀行系ファクタリングは、独立系ファクタリング会社では買取が難しい高額債権の買取にも対応可能です。
億単位の債権の売却を希望されているのであれば、銀行ファクタリングが最適な売却先かも知れません。
保証ファクタリングや国際ファクタリングが利用できること自体は、買取ファクタリングの利用を希望されている経営者様にとってはメリットとなり得ないかも知れません。
しかし安心感の高さと低い手数料は大きなメリットになるはずです。
ただし銀行系ファクタリングには知っておいていただきたい注意点が存在しており、理解せずに利用してしまった場合は期待していたような結果が得られない可能性があるのです。
素早い債権の現金化を希望されているのであれば、銀行ファクタリングは向いているとは言えません。
融資の場合でも銀行はノンバンクのビジネスローンのような短期間での融資は期待できませんが、ファクタリングにおいても審査や手続きに時間がかかる傾向があるのです。
融資と比較すれば資金調達完了までに必要な期間は短期間で済む期待は高いものの、銀行ファクタリングを利用する際には1週間から3週間程度の期間がかかることを想定して申込みを行う必要があります。
銀行ファクタリングの審査が長引く理由の1つとして、審査が非常に丁寧であるという点があります。
審査に時間をかけるため審査基準は厳しめとなり、大手銀行になるほどに審査通過は難しくなるとも言われています。
債権の回収リスクの判断基準など審査が厳しいことが、手数料が低く設定されやすい理由の1つであることは間違いありません。
ファクタリングには債権譲渡通知を売掛先へ行い契約を行う「3社間ファクタリング」と、通知を行わずファクタリング会社と債権者の間で契約を行う「2社間ファクタリング」という選択肢があります。
しかし銀行ファクタリングの場合は2社間ファクタリングを利用できず、売掛先へ債権譲渡通知を行い承諾されるのが必須となっていることがほとんどです。
売掛先へ知られずに債権を売却したいという希望を叶えるのは、銀行ファクタリングでは難しいと言わざるを得ません。
銀行またはそのグループ会社によるファクタリングサービスであることから、ファクタリングを利用したという事実はグループ内で情報が共有されることになります。
利用の頻度にもよりますが、状況によっては資金繰りに苦労していると判断される可能性があり、ファクタリングを行った銀行グループからは融資が受けにくくなるという危険も考えられます。
影響の大きさは申込先によって変わりますが、可能性は考慮しておくことをおすすめします。
債権売却後に売掛先が倒産するなどして支払いが実行できなくなっても、売掛債権の買い戻しなどが求められない契約を「償還請求権なし」や「ノンリコース」と呼びます。
ファクタリング会社の大半では償還請求権なしで契約が行われるのですが、銀行系ファクタリングでは「償還請求権あり(ウィズリコース)」で契約が行われる可能性があります。
償還請求権がある場合は、債権の売却ではなく債権を担保とした融資と判断される可能性がありますが、貸金業を行える銀行であれば違法とはなりません。
・決済日前の売掛債権を現金化できる
・最短即日で資金調達可能
・赤字経営など経営状況の芳しくない企業も利用できる
・売掛先の倒産リスクを回避ができる
・売掛先に知られず債権の売却が可能
・少額債権も資金調達に利用できる
上記したのは「ファクタリングを利用するメリット」として語られることの多いポイントであり、多くの方がイメージする「一般的なファクタリング」の要素とも言えるかも知れません。
しかし銀行系ファクタリングは決済日前に売掛債権を現金化できること以外は上記したポイントを満たしているとは言えず、一般的なファクタリングをイメージして利用した場合、期待した効果が得られないかも知れません。
「一般的なファクタリング」のイメージを満たすファクタリング会社とは、銀行系・ノンバンク系・独立系のどれなのか?
その答えを見つけるべく、ここからは幾つかのポイントで比較しながら条件を満たす場所をご紹介させていただきます。
銀行系ファクタリング会社は1〜3週間程度の期間が申込みから債権売却までに必要だと言われますが、独立系のファクタリング会社であれば最短即日での債権現金化に対応可能な場所も少なくはありません。
オンラインファクタリングやクラウドファクタリングと呼ばれるWeb上での手続きに特化したサービスを提供している場所であれば、申込みから1時間を切る早さでの債権売却も不可能ではありません。
ノンバンク系は銀行系以上の早さは期待できますが独立系ほどではなく、早さを求めるならば独立系が最適です。
ノンバンク系は銀行系ほど審査基準が厳しくないものの、審査通過しやすいとは言えません。
貸金業を営む企業は審査通過のハードルは低いとは言えず、経営状況に不安を抱える企業や売掛先の信用力が低い場合にはファクタリングによる資金調達は難しいかも知れません。
これに対して独立系のファクタリング会社では債権者の経営状態は審査に大きくは影響せず、売掛先の信用力についても厳しめに審査は行われませんので利用のハードルは高くはありません。
一般的にファクタリングは「償還請求権なし」となっているものの、銀行や貸金業登録されているノンバンクなどであれば「償還請求権あり」という契約条件が提示される可能性があります。
償還請求権がありとなっている場所はファクタリング会社側のリスクが小さくなるため低い手数料が期待しやすくなるものの、もしもの場合には債権の買い戻しなどが求められることを考慮しなくてはなりません。
貸金業登録されていない独立系の場合は債権を担保として扱うことはできず、償還請求権ありでの契約が求められる可能性は原則ありません。
売掛債権の売却(譲渡)は、金融庁も事業者の資金調達の一手段として認めており、利用に関して何ら不安を感じる必要はありません。
しかし売掛先から、ファクタリングを行ったことで資金繰りに苦しんでいるという勘繰りをされる可能性が無いとは言い切れません。
そのようなリスクを避けるためには2社間ファクタリングが有効ですが、銀行系は3社間契約のみとなっていることがほとんどであり、ノンバンク系も3社間に限定している場所が少なくはありません。
しかし独立系は2社間ファクタリング対応となっている場所がほとんどですので、売掛先への通知などを避けたい場合には独立系のファクタリング会社を選びましょう。
高額債権の買取に対応できるのは銀行系のメリットであり、ノンバンク系でも高額債権の買取が可能な場所は多く存在しています。
しかし実際には億単位の債権を売却する可能性よりも10万円単位の少額債権の売却を希望される企業様の方が多いのではないでしょうか?
独立系であれば最小10万円などの少額債権を歓迎している場所を数多く見つけることが可能であり、少額債権を資金調達に活用することができます。
大企業や上場企業、大口債権を保有している企業は銀行系ファクタリングが推奨されます。また、いち早く現金化が目的でない場合、安心した取引をしたい方に関しても同様です。他にも、売掛先に売掛債権の売却を通知・承諾を得ることに不都合がないケースや、圧倒的に手数料を抑えたい場合も利用するといいでしょう。
売掛債権の額が100万円程度の小口債権である場合、そもそも対応しておらず審査前に取り合ってくれない可能性があります。そして、契約方法が原則、3社間ファクタリングになるので売掛先に債権売却を知られてしまいます。売掛先に不信感を与えたくない場合は利用を控えましょう。審査に関しても、基準が厳しく利用者の信用状況もチェックされるので、赤字経営・税金滞納をしている状態の場合は、落とされてしまいます。さらに、審査期間もある程度かかるため早期現金化が必要な場合は不向きです。他にも、定期的な利用をすることで銀行の信用に影響を与えてしまうなども考えなければなりません。
高額債権の売却や低い手数料を希望し、3社間での契約で厳しい審査が行われても問題がないのであれば、銀行系ファクタリングも頼りになります。
しかし最短即日での資金調達や中小企業でも利用しやすい審査基準などの「一般的なファクタリング」を希望する場合には向いているとは言えません。
ノンバンク系は銀行系と独立系の中間的な存在ではありますが、一般的なファクタリングを求めている経営者様には独立系のファクタリング会社をおすすめします。
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