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ファクタリングコラム
2024年11月14日
目次
ファクタリングを行う際に必要となる「売掛金」。売掛金がなければファクタリングを利用しての資金調達は行えません。しかし売掛金を正しく理解できているかと問われれば、多くの方は少し不安を感じてしまうのではないでしょうか。この記事では「売掛金」や「掛取引」についての基本的な情報を解説します。
「企業の主となる営業活動を行うことによって発生した代金を受け取る権利」を「売掛金」と呼びます。商品の納品や販売など「主となる営業活動」は企業毎に違います。企業間で随時現金をやり取りすることは多くはなく、現在では売掛金を用いた信用取引が頻繁に行われています。
売掛債権とは「企業の営業取引によって発生する代金を受け取る権利」を指します。つまり売掛金と同様となるのですが、正しくは売掛金は売掛債権という大きな括りに含まれているのです。売掛金は企業間の信用が重要であり口約束に近い存在ですが、支払いに関する法的な強制力がある債権は受取手形と呼ばれます。
売掛金と似ている存在として「未収入金」があります。未収入金も代金を受け取る権利という点では同じですが、「主となる営業活動以外」で発生した代金が対象となります。例えば資産の売却や家賃(主となる営業でない場合に限る)などによって発生した代金が未収入金に当たります。
売掛金は代金を受け取る権利となりますが、「買掛金」は「代金を支払わなければならない責任」というような扱いとなります。対となる存在と言えますので、多くの企業は売掛金と買掛金の両方を使って取引を行っているはずです。
未収収益は、営業活動外の継続的な取引によって生じた金銭債権です。売掛金と同じく、未収収益も貸借対照表の流動資産として計上されます。売掛金と異なる点は、売掛金が商品やサービスの販売など「本業の単発的な取引」によって生じた代金の未回収分であるのに対し、未収収益は「本業以外の継続的な取引」によって生じた代金の未回収分であるという点です。具体的には、不動産の貸し付けで発生した賃料などが該当します。
売掛金を用いた後払いによる取引は「掛取引」と呼ばれます。掛取引が日本で行われだしたの江戸時代からと言われていますが、現金をその場で使わず「信用」で取引することで様々なメリットが得られるのです。ただし掛取引にはデメリットも存在しており、デメリットも理解しておく必要があります。
掛取引では支払日や入金日を設定することができます。これにより現金が手元に入ってくる日と支払いに必要な現金を用意すべきリミットが明確となるため、お金の管理が行いやすくなるのです。随時現金でやり取りしていては把握するだけでも大変そうですが、売掛金を使い取引を行うことで、その負担を大幅に減らすことができます。
信用によって取引を行う掛取引では、手元に1円の現金もなくとも材料の仕入などを行うことが可能となります。もちろん売掛金の決済期日までに現金を用意せねばならず、期限を守ることができなければ何より重要な信用を失うことになりますので油断はできません。しかし急ぎで仕入を行いたい時に現金を用意しなくても済むなど、柔軟な対応ができるようになるのは確かです。
逐一代金の支払いをする場合、銀行振込だとすればその都度、振込手数料が発生することになります。また手間も発生することになってしまいますが、掛取引であれば一括での振込も可能となり手数料や手間を減らすことができます。取引先に対してお互いに売掛金・買掛金が存在していれば相殺して差額のみを一方が支払うことも可能であり、取引がスムーズに行えるようにもなります。
売掛金の決済期日によっては、手元の現金が不足してしまう可能性は否定できません。なるべく売掛金の支払サイトを短くし、買掛金は支払いまでの期日を長くすることが資金繰りのコツではありますが、企業間の関係もあり、そう上手くいくとは限りません。幾らかの資金を手元に残しておくことができないと、資金繰りが苦しくなる場面が考えられます。
売掛先が経営難に陥ってしまった場合、支払いの遅延が起きるかも知れません。さらに状況が悪化してしまった場合には、倒産によって支払いそのものが不可能になってしまう危険も全くないわけではありません。このように本来受け取れるはずの現金が、回収不可になってしまうリスクが掛取引には存在しているのです。そうならないためにも、売掛先の経営状況などから支払い能力を見抜き取引を行う必要があります。
掛取引は信用によって成り立ちますので、自社の経営状況が芳しくないことが知られてしまったり、支払いの遅延を繰り返すようなことがあれば、信用を失い掛取引に応じてもらえなくなる可能性があります。もしもの場合には誠心誠意の対応が必要ですが、信用を何より大切にする心がけなくてはなりません。
掛取引にはメリットだけでなくデメリットも存在しますが、そのリスクを回避するのには「ファクタリング」が役立ちます。支払サイトが訪れるまでの資金繰りや売掛先の倒産など、掛取引に関しての不安をファクタリングは解消可能なのです。
売掛金の支払サイトが長く手持ちの現金が不足しそうだとしても、ファクタリングを活用すれば売掛金を決済日が訪れるより早く現金化し資金にすることが可能です。しかも最短即日での現金化も期待できますので、急に現金が必要になってしまった時や売掛先からの入金が遅れている時の、つなぎ資金の確保にも役立ちます。
ファクタリングでは債権の売却後に売掛先が倒産したとしても、債権の買戻しを行う必要は原則ありません。これはファクタリングが「ノンリコース」と呼ばれる償還請求権のない契約となるのが基本だからであり、売掛先の倒産によって回収が不可能となるリスクを回避できるようになります。ただし全てのファクタリングがノンリコースとは限りませんので、確認した上で契約を行わなくてはなりません。
ファクタリングは債権の譲渡契約による資金調達方法であり、融資ではありませんので、負債を背負うことにはなりません。資金を調達する際には融資に頼ることを考える経営者様が多いはずですが、負債の額を増やすことで債務超過の危険やバランスシートへの悪影響などが起きることも考えなくてはなりません。しかし債権の売却を行うファクタリングならば、その危険はなくなります。
仮に売掛先が倒産したり、支払い不能の状態に陥ったりした場合は、迅速に対処する必要があります。特に売掛金が多額のケースにおいては、連鎖倒産する恐れもあるため、速やかに弁護士などの専門家に相談をしてみてください。
新規の取引先や経営状態が不安定な取引先なら、事前に信用調査を行うことも経営リスクを減らすうえで有効です。信用調査で少しでも懸念が生じた場合は、取引時にあらかじめ販売代金の一部、もしくは全額を支払うように依頼してみましょう。
売掛金には時効があるため注意が必要です。なお、時効までの年数は売掛金の種類によって違いましたが、2020年の法改正によって種類ごとの違いはなくなりました。
ただし、時効が適用されるためには債務者側が時効であることを主張する必要があります。したがって、時効となる年数が経過しても、支払ってもらうこと自体に問題はありません。
掛取引は取引先との間でのお互いの信用が重要ですが、さらに「もしもの備え」をしておくことも大切です。信用だけに頼っていてはトラブルが発生した時に対処することが難しくなりますが、ファクタリングという選択肢を持っておけば落ち着いて対処することができるはずです。
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