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ファクタリングコラム

ファクタリング利用後に売掛先が倒産!影響はある?リスク回避の方法は?

ファクタリング

2023年7月5日

売掛先が倒産してしまい売掛債権が回収できないとなれば、資金ショートに陥る危険も高まります。
しかし売掛先の倒産が、ファクタリングを利用して売掛債権を売却した後だった場合はどうなるでしょうか?
本稿では売掛先の倒産とファクタリングの関係、そしてリスクを回避する方法を解説します。

売掛先の倒産は掛取引の重大リスク

現在の企業間における取引では、商品の納品時やサービスの提供時に現金を受け取らず後日代金を受け取る「掛取引」が中心です。
掛取引は「信用取引」とも呼ばれ相手先企業の信用が重要となりますが、売掛先が支払いを実行しなかった場合には資金繰りに大きな悪影響をもたらすことが考えられます。
売掛先が倒産するリスクは常に付きまとっており、掛取引における重大リスクだということは間違いありません。

債権回収不能→連鎖倒産の危険

掛取引で発生した売掛債権が回収不能となってしまっても、他社との売掛金や自己資金、その他の資金調達方法によって運転資金が確保できればピンチを乗り越えることも可能です。
しかし自己資金が潤沢とは言えず融資などによる資金調達も容易ではない中小企業や個人事業主の場合は、売掛先の倒産によって債権の回収が不可能になったことで、売上は十分にあっても資金ショートを起こし連鎖倒産に巻き込まれてしまうという危険も低くはないのです。

ファクタリングによる債権売却後の場合は?

売掛先の倒産によって売掛債権の回収が不可能となる危険は、経営者様にとって常に意識しておくべき要素の1つともなります。
しかし売掛先の倒産がファクタリングによって債権売却を行った後であれば、売掛先の倒産による影響を回避できる可能性があります。
どのような状況であればリスク回避が実現できるのか、そのポイントを解説します。

「償還請求権」が契約でどう扱われているかがポイント

ファクタリングは金融庁の公式サイト上で「法的には債権の売買(譲渡契約)」と記載されています。
債権の売買や譲渡が正しく行われた後は、その債権は買取を行った側に権利だけでなく責任も移り、売掛先が倒産したとしても元の債権者が責任を問われることにはなりません。
しかしこれはファクタリングの原則であって絶対ではなく、「償還請求権」の有無が元の債権者が責任を問われるかのポイントとなります。

償還請求権とは?

「償還」とは返却するという意味があり、金銭債権の弁済を行う際にも償還という言葉が使われます。
ファクタリングにおいては、倒産など何かしらの理由で回収が不可能となった売掛金についてファクタリングを利用した企業に請求できる権利と考えることができます。

ウィズリコースによる契約の場合

ウィズリコースファクタリングとは、「償還請求権あり」で契約を行うファクタリングを指します。
償還請求権ありとなっている場合では、売掛先が倒産して売掛金の支払いが不可能となった際には、元々の債権者であるファクタリングを利用した企業が支払いを求められたり、買取代金の返還を指示されたりする可能性があります。

ノンリコースによる契約の場合

ノンリコースファクタリングとは、「償還請求権なし」となっている契約でのファクタリングサービスです。
償還請求権なしであることから、売掛先の倒産など支払い能力がなくなり債権の回収が不可能となってしまっても、元々の債権者は売掛金に関する責任を問われることはありません。

売掛先の倒産に備えるなら「償還請求権なし」のファクタリングが最適

ファクタリングは「売掛債権が回収不能になるリスクが回避できる資金調達方法」と紹介されている記事を見かけることがあるかも知れません。
しかしそれはノンリコースファクタリングに対しての説明であり、償還請求権なしで契約できなくては、売掛先の倒産というリスクに対処することができないということにもなります。
売掛先の倒産に備えるのであれば「償還請求権なし(ノンリコース)」のファクタリングを選択しましょう

原則的に国内ファクタリングは「ノンリコース」

償還請求権の有無が売掛先の倒産対策に重要なのは確かですが、国内でのファクタリングサービスは原則的にノンリコースファクタリングとなっていますのでご安心ください。
ただし一部のファクタリング会社では、ウィズリコースファクタリングが採用されている可能性もあり、原則的に償還請求権がないからと確認を怠るのは危険です。
契約手続きを完了させるまでには、償還請求権について確実に確認しておきましょう。

金融機関でのファクタリングは「ウィズリコース」もあり得る

ファクタリング会社は「銀行系・ノンバンク系・独立系」と呼ばれる3系統に分かれています。
売掛債権の売買契約であるファクタリングは融資ではないことから貸金業への登録は不要ですが、銀行系・ノンバンク系であれば融資と判断される内容での契約を行うことも可能となります。
ウィズリコースファクタリングは売掛債権を担保として扱っていると判断される可能性があるものの、申込先が銀行系やノンバンク系の金融機関であれば償還請求権ありで契約を求められても違法とは言えないのです。
売掛先の倒産を不安に思うなら貸金業登録のない独立系ファクタリング会社に絞った方が無難でしょう。

金融機関以外でウィズリコースなら悪質業者確定

ウィズリコース(償還請求権あり)で契約を行うには、ファクタリング会社が金融機関である必要があります。
もし金融機関に該当しないファクタリング会社が償還請求権のある契約を求めてきた場合には、その場所は「ヤミ金融」であり、金融庁も注意喚起を行っている「悪質ファクタリング会社」であると判断されます。
悪質業者は法外な手数料を請求してきたり、暴力などによる強引な取立てをしてきたりする危険性が高く、そのような場所は決して利用すべきではありません。

ノンリコースファクタリングの注意点

・不良債権は売却できない
・虚偽の情報や詐欺目的は契約破棄や罪に問われる可能性も

ノンリコースファクタリングは債権売却後に売掛金に関する責任を問われることがないため、経営が傾いている売掛先の債権を積極的に売却したいとお考えになるかも知れません。
しかしすでに支払日が過ぎて不良債権となっている売掛金は、原則的に買取対象となりません
またファクタリングの審査では売掛先に関する信用力の高さが重要であり、経営が明らかに傾いている企業が相手先となる売掛債権は審査通過が難しくなります。

もし審査通過が難しいと考え、審査通過の確率を高めるために虚偽の情報提供を行ったり、売掛先と共謀して詐欺目的で債権売却を行ったりした場合には、契約破棄や罪に問われる危険もあります。
売掛先の倒産リスクの回避にファクタリングが役立つのは確かですが、あくまで保険的な意味合いで利用することをおすすめします。

売掛先の倒産対策には「保証ファクタリング」という選択肢もあり

資金調達目的だけでなく、債権が回収不能になる危険に対してもノンリコースファクタリングは役立ちます。
ノンリコースファクタリングを含めた売掛債権の売買による資金調達は「買取ファクタリング」と呼ばれますが、資金調達を目的とせずに保険としての働きだけを求めるのであれば「保証ファクタリング」という選択肢もあります。
保証ファクタリグは保証料を支払うことで、倒産など債権回収不能に陥った際に契約で定められた割合での支払いを受けることができるサービスです。
素早い資金調達や売掛債権の早期現金化などのメリットは得られませんが、保証のみを求めるのであれば選択肢になるかも知れません。

まとめ:売掛先の倒産対策と資金調達が「ノンリコースファクタリング」で実現できる

ファクタリングは支払日前に最短即日で売掛債権が現金化できる資金調達方法です。
そしてさらに「ノンリコース(償還請求権なし)」で契約を行うことによって、売掛先の倒産というリスクにも備えることができるサービスでもあります。
資金調達と売掛先の倒産対策が両立できる資金調達方法であるファクタリングは、中小企業や個人事業主の経営に、資金調達のスムーズさと安心感という大きなメリットを与えてくれます。

 

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