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ファクタリングコラム
2023年8月7日
目次
ファクタリングは資金調達の1手法で、銀行融資と同様の仕組みだと思われがちです。
銀行融資では保証人が必要ですので、ファクタリングでも必要だと勘違いしている方もいるでしょう。
実は、ファクタリングは借入とは異なる仕組みのため、保証人は必要ありません。
この記事では、ファクタリングに保証人が不要な理由を深堀りし、ファクタリングと銀行融資の違いもわかりやすく説明します。
加えて、ファクタリングのご利用がおすすめなケースもご紹介しますので、ご自身が利用に適しているかどうか確認してみてください。
ファクタリングとは、企業間の取引で生じる売掛債権(取引先や顧客から代金の支払いを受ける権利)を売却して、現金を受け取るサービスです。
即座に資金を手に入れたい場合に、売掛金の回収日より前に資金を調達できる方法として重宝されています。
銀行融資とファクタリングは混同しがちですが、まったく異なる資金調達方法です。
ファクタリングは銀行融資と性質が異なり、保証人や担保を必要としません。
それでは、保証人や担保の意味を解説します。
保証人とは、債務者(貸金業者や金融会社などからお金を借りた人)が返済できなくなった際に、代わりにお金を返す責務を負う人のことを言います。
保証人には、通常の「保証人」と「連帯保証人」があります。
なかでも「連帯保証人」は債務者本人と同等の責任があり、抗弁権(支払い請求などが来ても拒絶できる権利)がありません。
オーナー企業が融資を受ける際は、経営者が連帯保証人となる場合が一般的です。
企業で返済できなければ経営者自らが返済することとなり、その経営者も返済することができなければ自己破産する道をたどる可能性があります。
担保とは、債務者が返済できなくなったときの保証として、債権者(貸金業者や金融会社)の損害を補填する目的で差し出すものです。
市場価値があり、お金に換えられるものが担保として選ばれます。
一般的には不動産が対象となりますが、定期預金や株式、債券なども担保にすることも可能です。
価格変動リスクがあるものについては、リスクの度合いを考慮して実際の評価額を算出します。
担保や保証人がいれば借入審査に有利になり、両方ともなしで借入しようとすると相当な信用力が必要になります。
業歴が浅かったり業績が安定しない企業は、必須となることがほとんどです。
創業間もない企業など差し出せる資産がない場合、スムーズな資金調達ができない可能性があります。
銀行融資とファクタリングは、資金調達の手段という点では同じですが、その性質はまったく異なります。
それでは、ファクタリングと銀行融資の特徴をみていきましょう。
銀行融資の取引対象は「お金」であり、「借入金」が増えます。
審査対象は貸付先(債務者)であり、借入する会社の信用情報が重要です。
借入金額の上限は会社の規模にもよりますが、数百万円〜数億円の資金調達ができます。
銀行が損するリスクを回避するため、保証人や担保を要求されることもポイントです。
ファクタリングの取引対象は「債権(売掛債権)」であり、「借入金」は増えません。
審査の対象となるのは主に売掛先で、ファクタリング利用者よりもその売掛先の信用情報が重要です。
ファクタリングは売掛債権を譲渡する仕組みですので、現金化の上限は売掛金の額になります。
融資には当たらないため、保証人や担保は不要です。
ただし、ファクタリング業者の回収不能リスクを低減するため、高い手数料が設定されています。
ファクタリングと同じく、売掛債権を活用した資金調達にABL(売掛債権担保融資)があります。
ファクタリングと異なり、ABLは売掛金の売買ではなく、売掛債権や動産を担保に融資を受ける方法です。
ABLの場合は、経営者が連帯保証人になる必要があり、売掛金や動産を売却しても融資を返せない場合には、残った分は個人で支払わなければなりません。
つまり、ファクタリングとABLは売掛債権を活用する部分は同じでも、仕組みがまったく異なります。
では、保証人がいらないファクタリングは、どのような方におすすめのサービスなのでしょうか。
ファクタリングをご利用するのに向いているケースは、以下のとおりです。
• 銀行の融資が通らない
• 手元資金が不足している
• 早く資金調達したい
• 売掛先の貸倒リスクを回避したい
以下にファクタリングのご利用がおすすめなケースを詳しくご説明します。
銀行融資の審査が厳しく、資金調達がままならない場合は、ファクタリングを検討しましょう。
ファクタリングで重視する信用情報は、売掛金の回収先です。
ファクタリング利用者の信用情報が参照されることはほぼなく、銀行融資と比べて審査に通りやすいサービスといえます。
代わりに手数料が高額であったり、売掛金以上の現金は入手できなかったりする点には注意が必要です。
集金と支払いのタイミングが噛み合わないと、資金繰りに困って切羽詰まってしまいます。
直近でどうしても資金が必要な場合は、ファクタリングが役に立ちます。
ファクタリング業者のなかには、現金化に即日対応してくれるところも少なくありません。
売掛金の支払いが待てない場合は、すぐに現金が手に入るのでファクタリングはおすすめです。
ただし、ファクタリングを利用し続けると資金繰り悪化に繋がりますので、適度におこなうようにしましょう。
新規事業の準備や事業資金を急遽調達する必要がある場合も、ファクタリングは有用です。
即日対応のファクタリング業者であれば、まとまった資金をすぐさま手に入れられます。
スピード重視で事業を進める局面では、売掛債権を早期現金化できるファクタリングは非常に頼りになるでしょう。
ファクタリングを利用すれば、売掛先の貸倒リスクを回避できます。
ファクタリングの契約時には、償還請求権の有無を確認すべきです。
償還請求権が付いていなければ、売掛先が倒産してもファクタリング業者へ代わりに未回収分の売掛金を支払う必要がありません。
ファクタリングでは担保や保証人がいらないことはもちろん、ファクタリング業者が売掛先の貸倒リスクを負う場合がほとんどですので、安心できるでしょう。
とはいえ、売掛先が倒産すると、ファクタリングの利用者側は売買できる売掛債権を失い、取引もなくなるため売上が下がり、資金繰りが悪化する可能性があります。
売掛債権を譲渡して資金を入手でき、保証人も担保もいらないファクタリング。
早期現金化できて便利である反面、注意すべき点もあります。
・手数料が高額
・売掛先にバレるリスクがある
・悪徳業者が多い
上記3つの注意点について、それぞれ詳しく説明します。
ファクタリング業者は売掛先の貸倒リスクを低減するため、手数料率を高く設定しています。
その手数料率は高いと30%程度になります。
さらに、信用度や調達額によっても変動するので、審査を受けてみないと正確な手数料率はわかりません。
手数料を安くするためには、複数社へ見積もりを出して比較検討するとよいでしょう。
ファクタリング利用が売掛先に知られると、資金繰りが悪いと判断されて信用を失う可能性があるでしょう。
ファクタリングの取引方法は、2社間と3社間の2種類あります。
3社間ですと、ファクタリング業者から売掛先へ支払い請求をするため、ファクタリングの利用を知られてしまいます。
一方で、2社間だと売掛先への支払い請求がないため、知られるリスクは低いといえます。
しかし、2社間の場合は債権譲渡登記をすることが多く、売掛先がその登記を発見してしまうケースも稀にはあります。
ファクタリングを利用することで取引に悪影響が出る可能性があることを、あらかじめ認識しておきましょう。
ファクタリング業者によっては、債権譲渡登記をしないと公言しているため、どうしても売掛先に知られたくない場合には、債権譲渡登記の有無を確認しておくと安心です。
ファクタリング業者のなかには、悪徳業者が数多く存在します。
法外な手数料や保証人・担保を要求して、実質的に融資をおこなっている会社が紛れているので注意が必要です。
ファクタリングには、貸金業法のような業者を規制する法律がありません。
ファクタリングを利用する際には、信頼できる業者選びが大切です。
ファクタリングの仕組みを理解して、違法な業者に掴まらないようにしましょう。
なお、ファクタリングの違法業者に対応している弁護士事務所も存在するため、もし被害にあった場合には、早めに相談してみてください。
この記事では、ファクタリングに保証人の不要や銀行融資との違い、ファクタリングのご利用がおすすめなケースについてご紹介しました。
銀行融資とファクタリングは混同されがちですが、それぞれ「借入」と「債権の譲渡」であり性質が異なります。
そして、ファクタリングは融資に当たらないので、保証人も担保も不要です。
融資が通らず資金調達がままならない、資金繰りに困っている、急遽現金を調達したい会社には、ファクタリングは有効な金策になり得ます。
ファクタリングを上手に活用して、資金繰りの悩みを解決しましょう。
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