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ファクタリングコラム
2024年9月1日
目次
売掛債権を買い取って、代わりに代金を利用者に支払うのがファクタリング会社です。
ほとんどの分野で大企業と呼ばれる企業が存在していますが、ファクタリング業界にも大企業が存在するのか気になる方もいるのではないでしょうか。
大企業の方が安心感があり、ファクタリング利用を検討しているなら業者の規模は気になるポイントといえます。
結論をいえば、比較的規模が大きなファクタリング会社は存在するものの、単独で運営している大企業はいません。
この記事では、ファクタリングに大企業が存在するのかといった話題を中心に、後悔しない業者選びを紹介します。
冒頭でお話しした通り、ファクタリングを手掛ける企業に大企業があるものの、単独で運営している大企業は存在しません。
ファクタリング会社にはファクタリングを専門とする独立系と銀行の資本が入った銀行系、金融機関が運営するノンバンク系の3種類があります。
実は、大企業にあたるのは主に銀行系ファクタリング会社です。
それでは、ファクタリングにおける大企業の定義やファクタリング会社の種類を解説します。
ファクタリング会社における大企業の明確な基準はありませんが、一般的には資金力があり、実績が豊富な企業を指します。
大企業となると、利用者も多く、より高額な取引をしなければなりません。
数千~数億円単位の取引には、資金力が非常に重要です。
資本金を開示していない会社は、どれほどの資金力を保有しているのかわからないため、大企業とはいえないでしょう。
また、創立日や取引数、取引額といった情報も大企業かどうかを比較する指標といえます。
大企業に限らず長く運営している分だけ、利用者が多く、安定して運営している証拠です。
とはいえ、すべてのファクタリング会社がこれらの情報を開示しているわけではないため、いずれかを確認し大企業と言えるような会社を見つけましょう。
独立系ファクタリング会社は、運営元が大企業である銀行や証券会社のグループではなく、民間企業のファクタリング会社です。
数万~数十万円の小口取引に対応しており、素早い資金調達が可能な2社間ファクタリングにも対応しています。
ノンバンク系ファクタリング会社は、銀行に該当しない金融機関が運営するファクタリング会社で、消費者金融や信販会社、リース会社が運営するファクタリング会社です。
独立系より手数料が低く、取り扱っているサービスが多少多いため、大企業ではなく少し規模が大きいファクタリング会社といえます。
銀行系より規模は劣るものの、大企業と呼ばれることもある会社が存在するのがノンバンク系ファクタリング会社です。
銀行系ファクタリング会社は、ファクタリング事業単体というよりも銀行の業務の一環としてファクタリングサービスを提供しています。
銀行系ファクタリング会社とは、都市銀行や地方銀行などが運営しているファクタリング会社で、取引方法は3社間ファクタリングのみです。
銀行をファクタリング会社として見れば大企業ですが、銀行はあくまで業務の一環としてファクタリング事業をおこなっています。
したがって、ファクタリング事業のみで運営している企業に大企業は存在しないといえるでしょう。
なぜファクタリングを専門としている独立系のファクタリング企業に大企業が存在しないのでしょうか。
大企業が存在しない理由として次の3つの点が挙げられます。
• 利用する企業がまだ多くない
• 法的にグレーな業務がある
• 世間のイメージがよくない
上記の点から大きな業績を上げて大企業化する企業が少ないといえるのです。
この3点について解説していきましょう。
海外では、かなり前から活用されているファクタリングですが、日本では銀行融資に比べて利用する企業がそこまで多くないのが現状です。
日本では、平成17年10月3日に「債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律の一部を改正する法律」が施行されてから、ようやく本格的な業務が始まりました。
すでに20年近くたちますが、日本の商習慣になじみのない方法だったので古くから存在するファクタリング会社はいません。
そのため、ファクタリング会社の信用をまだ十分に勝ち得ていない可能性があり、大企業と呼べるファクタリング会社がほとんどない理由にもなるでしょう。
また、ファクタリング利用で売掛先に資金繰りの厳しさを露呈することもあるため、敬遠する企業が多いのも事実です。
ファクタリングは、法的に認められた資金調達方法であり、まっとうな業務といえるのですが、グレーな部分があるのも事実です。
グレーな部分は「2社間ファクタリング」の存在で、2社間のファクタリングが法律的に定義されていない状態になっています。
2社間ファクタリングとは、ファクタリング会社と利用者の間で結ぶ契約のことです。
一般的にファクタリングは3社間ファクタリングといって、利用者とファクタリング会社、取引先の会社との3社が契約しておこないます。
しかし、2社でおこなうファクタリングは、売掛先の企業に知られることなく利用できる方法です。
2社間ファクタリングを債権担保融資であると主張する声もあり、その場合には貸金業に該当するため、貸金業登録が必要となります。
ただし、債権の回収不能リスクをファクタリング会社が負っている場合には、債権担保融資ではなく、債権の売買であると東京地方裁判所が判決しているのです。
つまり、2社間ファクタリングは平成10年の「債権譲渡登記制度」が成立して誕生した取引方法であり、違法ではありません。
ファクタリング会社は、ほとんどがまっとうな企業として運営されています。
しかし、ファクタリングサービスと見せかけて、売掛債権譲渡ではなく、売掛債権を担保にした闇金業者が逮捕された事件が過去にありました。
その結果、ファクタリング=闇金のイメージを持っている人も少なくないでしょう。
このような事件が多く起こったことで、ファクタリング業界が被害を受けているのは事実です。
また、借金ではないものの手数料が10%以上かかり、しかも手数料の上限が法律で制限されていないため、商工ローンの方が割安というイメージがついている可能性もあります。
大企業のファクタリング会社は、資金力があるため、大口取引に対応しており、高額な資金調達を目指す場合に向いています。
手数料も規模が小さいファクタリング会社に比べて低い傾向にあり、より多くの現金を受け取れる点は大きなメリットです。
大企業ですので、信頼度が高く、ファクタリング利用に抵抗がある方でも安心できるでしょう。
一方で、大企業のファクタリングは手数料が低い点がデメリットになり得る可能性もあります。
ファクタリング会社の抱えるリスクを極力抑えるために、手数料を低く設定する代わりに審査が厳しくなるでしょう。
また、企業規模が大きい分、人件費や地代家賃、広告費といったコストがかかるため、小口取引に対応していない場合が多く、手続きも複雑になりがちです。
安心して利用できる反面、手続きに手間がかかったり、少額の資金調達ができなかったりするのが大企業のファクタリング会社といえます。
素早い現金化や借金を作らず資金調達できるファクタリングですが、業者選びが非常に重要です。
ファクタリング会社を選ぶ際には、以下のポイントをおさえておきましょう。
1. 対応している取引方法を確認する
2. 利用限度額を確認する
それでは、業者選びを失敗しない2つのコツを紹介します。
ファクタリングの取引方法には、2社間と3社間の2種類あり、それぞれ特徴が異なります。
売掛先に知られず、できるだけ素早い資金調達がしたい場合には2社間取引、売掛先に同意が得られる状態にあり、手数料を抑えたい場合には3社間取引がおすすめです。
ファクタリングの手数料は、各業者や取引方法によって大きく異なるため、一概にいくらとは決まっていません。
2社間では10〜20%、3社間では2〜9%ほどで、ファクタリング会社の抱えるリスクが高い2社間の方が手数料が割高です。
入金スピードにも違いがあり、2社間なら即日~2日ほど、3社間なら1週間~12日ほどかかります。
大企業のファクタリング会社は2社間取引に対応していない場合がほとんどですので、入金スピードを重要視するなら中規模なファクタリング会社がおすすめです。
利用限度額もファクタリング会社によって異なるため、自社に合った業者選びが重要です。
下限額が1万円の業者もいれば、100万円以上でないと取引できない業者もあります。
また、上限額にも違いがあるため、規模が大きい取引がしたいなら大企業のファクタリング会社が向いているでしょう。
ただし、個人事業主や少額の資金調達がしたい中小企業の場合だと、下限額が低いファクタリング会社を選ぶ必要があります。
最後にファクタリングと大企業にまつわる疑問を解説します。
ここでは、売掛先や利用者側が大企業である場合の疑問点と、ファクタリング会社の今後について見てみましょう。
売掛先が大企業の場合、ファクタリングに有利な面と不利な面があります。
有利な面としては、安定して回収できるのでファクタリング会社が少ない手数料でスピーディーに買い取ってくれる点です。
そのため、資金調達をするには、とても有利な売掛金になるといえるでしょう。
不利な面としては、信用低下、満額で回収できない点です。
大企業の売掛先から、ファクタリングが必要なほど経営が不安定な企業と認識されかねません。
その結果、ファクタリング利用をきっかけに契約打ち切りをされる可能性があります。
また、安定して回収できる大企業の売掛金をファクタリングしてしまうと、手数料が差し引かれて満額が得られません。
ファクタリングサービスは、資金繰りが苦しい中小企業や個人事業主だけでなく、資金力がある大企業も活用できます。
大企業がファクタリングを活用する目的は、主に貸しはがし対策です。
リーマンショックといった不景気になると、銀行は優良企業であっても融資を渋ったり、融資額を減額したりします。
そのため、銀行融資に依存せず、資金調達するためにファクタリングを利用する場合があるのです。
とはいえ、大企業がファクタリングを利用するケースはあまりないでしょう。
その理由としてファクタリング会社が買い取れない位の大きな売掛金になっていることや株主に指摘されるリスクがあるからです。
大企業の取引ともなると平気で億単位のお金が動きます。
これを買い取れるだけの資金力を持ったファクタリング会社はほとんどないといっても良いでしょう。
次に大企業は株式を上場しており、会計を開示しています。
さらに株主総会も開催しなければなりません。
ここで、ファクタリングが利用されたことを知った株主が大企業の株を売ってしまったり、株主総会で激しく指摘されたりするリスクもあります。
将来、ファクタリング業界で大企業が生まれる可能性は十分あります。
メガバンク出資の企業の登場やファクタリングの理解向上といった動きがあることに加えて、本格的に法整備がなされれば、急成長する企業も出てくるでしょう。
また、このままの勢いでファクタリングがより活発になれば大手の参入やファクタリング会社同士の合併によって大企業が誕生する可能性は十分あります。
この記事では、大企業のファクタリング会社の特徴や後悔しない業者選びを紹介しました。
現状、ファクタリング業界には、圧倒的な大企業が存在しません。
ただし、地方銀行やメガバンクが業務の一環としてファクタリング事業をおこなっていたり、ファクタリング会社に出資したりといったケースはあります。
ファクタリング自体にネガティブなイメージがまだ根強く、利用を控えている企業も多い傾向です。
しかし、今後法整備や業界再編によってファクタリングの大企業が生まれる可能性は十分にあるといえるでしょう。
また、優良なファクタリング会社が大企業だけとは限りません。
大企業が持つメリット・デメリットを考慮したうえで、自社に合った業者選びが大切です。
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