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ファクタリングコラム

売掛金を活用した2つの資金調達方法!ファクタリングとABLの違いと特徴は?

ファクタリング

2025年7月4日

手元にある売掛金が原因で資金繰りに行き詰まるという状況は、多くの中小企業が直面する現実的な問題です。とくに掛取引(信用取引)を採用している企業にとっては、売上が立っているにもかかわらず、実際の代金回収までにタイムラグが生じることから、現金収入が途切れがちになり、日々の支払いや運転資金の確保が困難になるケースが頻発します。これは、掛取引が抱える大きな構造的課題の一つといえるでしょう。
このような課題を解決し、企業が安定的に資金繰りを行うためには、単に銀行融資やビジネスローンに依存するだけでは不十分です。実際、金融機関の審査は決して甘いものではなく、たとえ業績が良くても赤字や債務超過の決算が一度でもあると、新たな資金調達が困難になるリスクもあります。また、金利の上昇や返済負担の増加によって、既存の借入からの借り換えすらままならないといった厳しい状況に追い込まれてしまう企業も少なくありません。
こうした中で、政府や金融庁などの関係機関では、企業が持つ「売掛債権の利用促進」を積極的に支援しています。売掛債権(売掛金)は本来、将来的に確実な入金が見込まれる資産であるにもかかわらず、十分に活用されてこなかったという背景があります。そのため、これを適切に資金化することにより、事業活動の資金需要に迅速に対応できる体制づくりが求められているのです。
この売掛債権を資金化する代表的な手段として知られているのが、「ファクタリング(債権譲渡型資金調達)」です。これは、企業が保有する売掛債権をファクタリング会社に売却することで、入金前に資金を受け取ることができる仕組みです。返済義務がない点が特徴であり、融資ではないためバランスシートにも負債として計上されません。このことから、赤字企業や創業間もない企業、信用情報に傷がある企業でも利用しやすい資金調達方法として注目されています。
一方、売掛債権を活用するもう一つの方法として挙げられるのが、「売掛債権担保融資(ABL:Asset Based Lending)」です。ABLとは、企業が保有する売掛債権や在庫、機械設備、不動産などを担保にして金融機関から資金を借りる制度です。特に売掛債権を担保とする場合、売上の発生に応じて融資枠が変動するのが特徴で、回収不能リスクや資金使途の明確性なども重視されます。
ファクタリングとABLの最大の違いは、「売掛債権を譲渡するか、それとも担保に入れて融資を受けるか」という点にあります。ファクタリングは資産売却型であり、融資とは異なりますが、ABLはあくまで融資であるため、返済義務が発生し、信用審査や返済能力が重視されます。
また、ファクタリングは最短即日で資金化が可能なこともあり、スピードと柔軟性を重視する企業に向いていると言えるでしょう。反対にABLは、より大きな資金調達を行いたい場合や、すでに金融機関との関係性がある企業にとっては、長期的な視点での資金戦略に有効な手段となる可能性があります。
では、中小企業はファクタリングとABLのどちらを選ぶべきなのでしょうか。これは企業の現状や目的、信用力、緊急度によって大きく異なります。たとえば、現時点で借入余力が少なく、返済負担を回避したい企業であれば、ファクタリングの方がリスク管理の面で優れた選択肢となります。一方、担保価値のある売掛債権を継続的に保有しており、金融機関との信頼関係も築けている場合には、ABLを活用して資金調達力を高めるという戦略も有効です。
このように、企業の経営環境や資金ニーズに応じて、売掛債権を使った資金調達の手段は多様化しています。いずれの方法を選ぶにせよ、専門家に相談しながらリスクやメリットを十分に比較・検討し、自社の業務や資金計画に適した方法を選択することが重要です。また、万が一のリスクを未然に防ぐためにも、定期的な資金管理と計画的な活用を心がけることが、中小企業経営の安定化に繋がります。

売掛債権担保融資(ABL)とは?

売掛債権を担保として利用し、金融機関から融資を受けるのが「売掛債権担保融資」と呼ばれる資金調達手段です。これは、企業が保有する将来入金予定の売掛金(債権)を資産と見なし、担保に設定することで融資を受けられる仕組みであり、金融業界では近年注目されている手法のひとつです。
この売掛債権担保融資は、英語では「Asset Based Lending」と表現され、その頭文字を取って「ABL(エービーエル)」とも呼ばれていますファクタリングとの共通点

インターネット上や各種ビジネス情報誌などで資金調達方法について調べていると、「ABL(売掛債権担保融資)」と「ファクタリング」という2つの手法が、同じ記事や比較一覧の中で紹介されていることが少なくありません。これは決して偶然ではなく、この2つの資金調達方法には一定の共通点が存在しているからです。

いずれも、企業が保有している売掛債権(売掛金)を活用して資金を調達するという点では共通しており、特に不動産などの固定資産を保有していない中小企業やスタートアップ企業にとって、有効な資金繰りの選択肢となり得ます。従来のような銀行融資だけに頼るのではなく、企業が保有する流動資産を活かすという考え方が背景にある点も両者の共通した特徴の一つです。

しかしながら、こうした共通点がある一方で、ABLとファクタリングは資金調達の仕組みや法的な位置づけ、審査基準、資金回収の責任範囲などにおいて、明確な違いが多数存在します。そのため、これら2つを混同してしまうと、思わぬリスクを抱える可能性もあるため、正確な知識を持って使い分けることが非常に重要です。

まず、ABL(Asset Based Lending/資産担保融資)は、あくまで「融資(借入)」の一種であり、売掛債権を担保に差し入れることで、金融機関などから返済義務のある資金を受け取るものです。融資である以上、返済計画の提出や信用審査、担保評価などが必要になり、万が一返済不能になった場合には、債務不履行のリスクや信用格付けの低下といった影響を受ける可能性もあります。

これに対してファクタリングは、企業が保有する売掛債権を第三者であるファクタリング会社に売却する形で資金を得る方法であり、厳密には「融資」ではありません。つまり、資金を受け取っても返済の義務がなく、会計上は借入金ではなく売掛債権の譲渡として処理されるのが一般的です。このため、バランスシートを悪化させずに資金調達を行えるという大きな利点があります。

また、審査のスピードや柔軟性にも違いがあります。ABLは通常、金融機関を通じて行われるため、手続きや審査にある程度の時間がかかり、与信や担保評価など慎重な審査が必要です。一方でファクタリングは、専門の事業者が提供することが多く、即日資金化が可能なケースもあり、スピード感を重視する企業にとっては大きな魅力となっています。

さらに、資金回収の責任範囲という観点でも違いがあります。ABLでは売掛債権はあくまで担保であり、実際の回収は引き続き企業が行います。一方、ファクタリングの場合、回収リスクの所在に応じて「償還請求あり(リコース)」と「償還請求なし(ノンリコース)」の2種類があり、後者の場合は売掛先が倒産しても企業側の責任は免除されるのが特徴です。こうした契約形態の違いも、企業にとっては選択の判断材料になります。

このように、ABLとファクタリングには「売掛債権を活用する」という共通点こそあるものの、資金調達の本質や仕組み、リスク管理の観点においては大きな違いがあります。したがって、どちらの方法を利用するのかを判断する際には、単純な手数料や調達スピードだけで決めるのではなく、自社の事業形態、資金繰り状況、与信力、信用情報、今後の返済計画など、総合的に判断することが不可欠です。

また、ABLやファクタリング以外にも、例えばビジネスローン、クラウドファンディング、補助金・助成金、ベンチャーキャピタル、手形割引など、様々な資金調達方法が存在します。こうした他の手段との組み合わせや見直しも視野に入れることで、より柔軟でリスクの少ない資金戦略を立てることが可能になります。

最終的には、それぞれの資金調達手段の特徴と自社の現状を照らし合わせた上で、「どの手段がもっとも適切か」を冷静に判断することが、中小企業や個人事業主の持続的な成長につながるのです。状況によっては、専門家のアドバイスを受けながら選定するのも有効な手段です。

売掛債権を活用した資金調達

1つ目の共通点は、どちらも「売掛債権を活用した資金調達方法である」という点にあります。ABL(売掛債権担保融資)もファクタリングも、共通して「将来的に入金が予定されている売掛金」を資産と見なし、それを利用して資金を得るという仕組みを採用しています。

つまり、「すでに取引が発生し、請求書を発行している」という前提がなければ、これらの資金調達方法は原則として利用できないということです。言い換えると、売掛債権を持っていない、もしくは継続的な売掛が発生していない企業や個人事業主にとっては利用が難しい手段でもあるのです。特に、開業したばかりでまだ売上が立っていない、または顧客との継続取引が始まっていないといった状況では、売掛債権そのものが存在しないため、そもそも対象外となってしまうケースが多くなります。

このように、「売掛債権の保有」が利用条件となる点は、ABLとファクタリングに共通する基本的な特徴です。したがって、開業資金や初期投資のための資金を調達したいと考えている場合には、これらの手段よりも補助金、助成金、あるいは無担保融資など、他の資金調達策を検討する必要があります。

一方で、すでに事業を行っており、売掛債権が発生している中小企業や個人事業主にとっては、これらの制度は非常に有効な資金調達手段の一つと言えるでしょう。特に、銀行融資の審査に時間がかかる、あるいは過去の赤字決算や信用情報の影響でプロパー融資を受けるのが難しいといった状況の中小企業にとっては、ABLやファクタリングのような「売掛債権を資金に変える手段」は、現実的で柔軟な対応策となります。

また、ファクタリングであれば、返済義務がなく、審査においても会社の信用力よりも売掛先の信用力が重視される傾向にあるため、利用のハードルが比較的低いという利点もあります。資金調達までのスピードも速く、即日入金が可能なサービスもあるため、「今すぐ現金が必要」「月末の支払いに間に合わない」といった緊急性の高いケースにも対応しやすいのが魅力です。

その一方で、ABLは融資であるため、返済義務が伴い、一定の信用調査や担保評価も求められますが、継続的な資金ニーズがある企業や、金融機関との取引実績を重視する企業にとっては、安定した資金調達基盤を築ける可能性があります。

このように、売掛債権を活用した資金調達にはそれぞれのメリット・デメリットが存在し、すべての事業者に一律で当てはまるものではありません。しかし、特に資金繰りが苦しくなりやすい中小企業や個人事業主にとっては、売掛債権という「将来の現金」を今すぐ活用できるという点で、非常に心強い手段であることは間違いありません。

したがって、こうした制度の仕組みや特徴をしっかり理解した上で、自社の経営状況や資金ニーズに応じて、利用すべきかどうかを慎重に判断することが重要です。場合によっては、税理士やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談し、最適な資金調達策を選定するという姿勢も、経営の安定化に繋がります。

債権の期日前に現金を得られる

ABL(売掛債権担保融資)とファクタリングという2つの資金調達方法を利用する最大のメリットのひとつとして挙げられるのが、やはり「債権の期日前に現金を得られる」という点です。企業が保有する売掛債権は、会計上は「資産」として計上されますが、実際には期日まで現金化されないため、すぐに使えるお金(キャッシュ)とはなりません。つまり、帳簿上では資産があるのに、実際の資金繰りは厳しい、という「見かけの黒字・実質の資金不足」という状態に陥ることも少なくないのです。

このような状況は、特に決算期を控えた時期や、月末の支払いが集中するタイミングなどで深刻化しやすくなります。売掛先からの入金を待っている間、企業側では従業員の給与や仕入れ代金、家賃、税金といった固定的な支払いが発生し続けるため、いくら帳簿上で売上が立っていても資金繰りに困窮するケースが多発しています。また、資金繰りがひっ迫している時に、さらに新たな受注や設備投資のチャンスが到来しても、手元資金が足りなければその機会を逃してしまうリスクもあるのです。

そうした状況下でABLやファクタリングを活用することで、本来なら数週間から数ヶ月後に入金されるはずだった売掛金を、早期に現金化することが可能になります。これは単なるキャッシュの確保にとどまらず、事業活動全体の資金循環を改善し、タイムリーな経営判断や迅速な対応を可能にする重要な手段となります。

また、銀行融資などと比較しても、これらの方法は比較的スピード感があり、最短で即日から数営業日以内に資金が振り込まれることも多く、急な資金需要に柔軟に対応できる点でも優れています。特にファクタリングは、売掛先の信用力を重視するため、利用者側が赤字決算や債務超過であっても、審査に通る可能性があり、信用状況に課題を抱える中小企業にとって非常に心強い存在です。

一方、ABLは担保としての売掛債権の価値を評価し、それに応じた金額を融資するため、より安定的で中長期的な資金調達手段として位置づけることも可能です。例えば、季節変動によって売上が上下しやすい企業や、一定の受注見込みがある事業者にとっては、ABLを利用することで、必要な時に必要な資金を確保しやすくなります。

さらに、これらの資金調達方法は、売掛金の活用という点で企業が本来持っている資産の価値を最大限に引き出す手段でもあります。不動産などの固定資産がなくても、日々の営業で発生する売掛金が資金調達の材料となるため、特にサービス業やIT業など、物的資産に乏しい企業でも導入しやすいというメリットがあります。

このように、ABLやファクタリングを活用することで、決算期や支払いタイミングにかかわらず、売掛債権という将来資産を即時の運転資金として変換できるのは、経営の自由度を高めるうえで非常に大きな利点です。企業が成長するためには、チャンスを逃さず、柔軟に動ける資金体制を構築することが不可欠です。その意味でも、これらの方法を戦略的に活用することは、現代の経営において欠かせない資金調達の選択肢だと言えるでしょう。

ファクタリングとの相違点

ABL(売掛債権担保融資)とファクタリングは、いずれも企業が保有する売掛債権、つまり「将来的に入金が見込まれている請求済みの債権」を活用して資金を調達するという点で共通しています。そのため、インターネットや資料などでこれらを調べると、しばしば同じカテゴリに分類されて紹介されることがあります。しかしながら、両者はその仕組みや実務上の運用、審査のポイント、資金が手元に届くまでのスピードなどにおいて、明確な違いが存在します。

たとえば、ABLはその名の通り「融資(ローン)」の一種であり、売掛債権を担保として金融機関から借入を行う手法です。したがって、当然ながら返済義務が発生し、金利も発生します。また、金融機関による与信審査が必要となるため、ある程度の信用力や財務基盤が求められる傾向があります。審査には一定の時間がかかり、融資実行までには数日から数週間を要するケースもあるため、緊急性の高い資金需要には不向きな場面もあります。

一方でファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社に「売却」することで現金化する資金調達方法です。融資とは異なり、借入ではないため返済の必要がなく、財務上も負債として計上されません。そのため、赤字決算や債務超過といった状況下でも利用しやすいという特徴があります。さらに、ファクタリングは申し込みから資金入金までのスピードが非常に早く、最短で即日入金に対応している業者も多数存在することから、突発的な支払いニーズや緊急の資金繰りにも柔軟に対応可能です。

このように、同じ「売掛債権を活用する」資金調達方法であっても、ABLとファクタリングではその本質や運用面に大きな差異があるのです。資金調達の「目的」「緊急度」「返済の可否」「信用力」「金融機関との取引状況」などを総合的に判断し、自社にとって最適な方法を選択する必要があります。

とくに、最近では資金繰りの多様化が進んでおり、企業にとって「どこから借りるか」だけでなく、「どのような形で資金を得るか」がますます重要になっています。こうした中で、ABLとファクタリングを混同してしまい、適切でない方法を選択してしまうことは、経営上のリスクや資金繰りの悪化につながる可能性もあるため、非常に注意が必要です。

したがって、「どちらも似たような資金調達方法だから」と安易に判断してしまうのではなく、両者の違いを正しく理解し、自社の状況や課題に応じて慎重に選定することが非常に重要です。場合によっては、金融機関や資金調達に詳しい専門家に相談をしながら、将来の資金計画や支払いスケジュールに照らし合わせて、リスクを最小限に抑えた資金調達戦略を立てていくべきでしょう。

資金調達スピード

ファクタリングは、他の資金調達手段と比較しても、圧倒的なスピードで現金化が可能であることが大きな魅力です。申込から実際の資金振込までの期間が非常に短く、最短であれば申込当日中に売掛金を現金化できるケースも珍しくありません。特に即日対応を掲げるファクタリング会社の場合、必要書類の提出と簡単な審査だけで、その日のうちに指定口座へ資金が入金されるというスピード感が、多くの中小企業や個人事業主に支持されています。

もちろん、契約方式(2社間ファクタリングか3社間ファクタリングか)や、売掛先の信用情報、申込者の事業状況などによって所要日数は異なる場合がありますが、多くのケースにおいて「数日以内」の資金調達が可能である点は共通しています。このため、月末や給与支払日など、資金繰りに緊急性が求められるタイミングでも柔軟に対応できる手段として、ファクタリングは非常に有効な選択肢となり得ます。

一方、ABL(Asset Based Lending/売掛債権担保融資)は、その性質上、ファクタリングのような即時対応を期待するのは難しいのが実情です。ABLはあくまで「融資」であり、売掛債権を担保として金融機関から資金を借りる仕組みであるため、一定の審査期間が必要であり、書類の準備や担保評価、与信審査、契約手続きといった複数の工程を経る必要があります。

特に、ABLでは「売掛債権が実在しているか」「請求書の内容に問題はないか」「債権の回収可能性はどれくらいか」「取引先との関係性がどれほど継続的か」など、債権の性質に関する精査が重要視されるため、審査が丁寧に行われる傾向があります。その結果、申込から資金実行までに要する時間は、早くても10日程度、一般的には2週間から3週間ほどかかると考えておく方が現実的です。

このように、ファクタリングとABLでは、資金調達までのスピードに大きな差があることがわかります。資金繰りの状況が逼迫しており、「とにかく早く現金が必要だ」「明日までに支払いを済ませたい」といったケースでは、ファクタリングの方が圧倒的に適していると言えるでしょう。一方、ABLはある程度時間に余裕があり、信用力や取引実績をもとに計画的な資金調達を行いたい企業に適した手法です。

したがって、これら2つの手段を選ぶ際には、単に金額やコストだけで判断するのではなく、「いつまでに資金が必要なのか」というタイミングの観点からも慎重に検討する必要があります。企業の資金ニーズは突発的に発生することも多いため、スピード感のある調達方法を事前に把握しておくことは、経営リスクを最小限に抑えるためにも重要な資金管理の一環となるでしょう。

また、日頃から資金繰り表の作成や売掛債権の管理を徹底し、資金の流れを見える化しておくことで、どのタイミングでどの手段を使うべきかの判断がしやすくなります。このような事前準備も、ファクタリングやABLを「活かす」ためには欠かせないポイントとなります。

審査基準

審査における基準や評価ポイントにも、ファクタリングとABL(売掛債権担保融資)では明確な違いがあります。この違いを正しく理解しておかないと、申し込んだ資金調達方法が思わぬ審査落ちにつながったり、資金調達のタイミングを逃す原因になったりするため、事前に把握しておくことが非常に重要です。

まず、ファクタリングの場合は「売掛債権を第三者に売却する」ことが基本の仕組みであり、ファクタリング会社が最終的に回収する相手は、売掛金の支払い元である「売掛先企業」です。したがって、ファクタリングの審査においては、申し込んだ企業自身よりも、「売掛先の信用力」が最も重視されるポイントになります。

具体的には、売掛先企業が上場企業、官公庁、大手企業などであり、かつ支払いの遅延や倒産などのリスクが低いと判断されれば、申込企業が赤字決算であっても、債務超過であっても審査が通るケースが多くなります。ファクタリング会社にとって重要なのは、「売掛先が確実に支払いを実行してくれるかどうか」であり、その信頼性が最終的な判断材料となります。つまり、売掛先の信用度が高ければ、申込企業の財務状況に難があっても問題視されにくいという特徴があります。

これにより、たとえば創業間もない企業や、銀行からの融資を断られてしまった個人事業主でも、安定した取引先との継続的な取引があれば、ファクタリングを通じて資金調達できる可能性は十分にあります。この点が、従来の融資手段と比べた際のファクタリングの大きな利点の一つとなっています。

一方で、ABLはあくまで「担保付きの融資」であるため、審査対象は売掛債権そのものではなく、「融資を希望している企業自身」になります。たしかに売掛債権は担保として活用されますが、最終的に資金を返済する義務があるのは申込企業であるため、金融機関や貸付業者はその企業の経営状況、財務内容、資金繰り、売掛金の管理体制、債権回収の実績などを細かく審査する必要があります。

そのため、ABLに申し込む際には、直近の決算書や試算表、売掛金の内訳表、資金繰り表などの資料を準備し、自社の信頼性と返済能力を証明することが求められます。売掛債権が存在していても、企業自身の信用力が不足していると判断されれば、審査に通らないケースもあります。

このように、ファクタリングは「売掛先の信用力重視」、ABLは「自社の信用力重視」という明確な審査方針の違いがあるのです。どちらの方法も売掛金をベースにした資金調達手段である点では共通していますが、「誰の支払い能力が審査対象になるのか」という点が根本的に異なるため、自社の経営状況や取引先との関係性を踏まえて、最適な手段を選ぶ必要があります。

特に、赤字や債務超過などにより銀行融資が難しい企業がABLに申し込んでも、自社の与信が不足していれば審査が通らない可能性が高くなります。そのようなケースでは、信用力の高い売掛先を持っていれば、ファクタリングの方が現実的かつスピーディな選択肢となり得ます。

反対に、財務体質が安定しており、時間をかけて計画的に融資枠を確保したい企業であれば、ABLの方がより長期的で柔軟な資金活用が可能になる場合もあります。審査の基準の違いを理解し、それぞれの特徴を活かすことで、自社にとって最適な資金調達戦略を描くことができるでしょう。

売却か融資か

そもそも、ファクタリングとABL(売掛債権担保融資)では、資金調達の根本的な仕組み自体に明確な違いがあります。この違いを理解しておくことは、資金繰りの選択肢を見極めるうえで非常に重要です。どちらも売掛債権という将来的に入金される「未回収の債権」を活用する点では共通していますが、その法的な性質や取引形態が大きく異なります。

まずファクタリングについてですが、これは売掛債権を第三者に「売却(譲渡)」することによって現金を得る仕組みであり、融資とは異なります。売掛債権の所有権が、債権者である企業からファクタリング会社へと移転する取引です。この点については、金融庁も公式に「ファクタリングは売買契約(譲渡)に基づくものであり、融資には該当しない」と明確に見解を示しています。

つまり、ファクタリングはあくまで「売掛金の売買」であって、「借り入れ」や「貸し付け」ではないため、会計上も負債として計上されることはなく、貸借対照表を悪化させることなく資金調達ができるという大きなメリットがあります。また、返済義務がないため、債務超過のリスクを回避でき、資金調達後も自由度の高い経営が可能です。

一方で、ABLはその名称の通り「Asset Based Lending(資産担保型融資)」であり、売掛債権をあくまで「担保」として金融機関からお金を借りる、つまり融資契約に基づく資金調達方法です。この場合、売掛債権の所有権は移転せず、企業が引き続き債権者として残ります。貸し付けた金融機関は、万が一返済が滞った際に備えて、担保として設定された売掛債権に対する優先回収権を持つことになります。

このように、ファクタリングが「売却」=資産の譲渡であるのに対し、ABLは「借り入れ」=負債の増加という性質を持つため、資金調達後のバランスシートへの影響も大きく異なります。ABLでは、借入金として負債が計上されるため、自己資本比率の低下や資金繰りの硬直化といったリスクにも留意する必要があります。

さらに、取引に関わる法的根拠や契約形式も異なります。ファクタリングは民法上の債権譲渡に基づく契約であり、登記や債務者への通知を必要とする場合もありますが、比較的柔軟に運用されるケースが多く、個人事業主や小規模企業にも対応しやすい側面があります。対してABLは、銀行などの金融機関が行う正式な融資契約であるため、信用調査や担保価値の評価、社内稟議などの厳格なプロセスを経る必要があり、審査や契約完了までに時間を要する傾向があります。

このように、どちらも「売掛債権を資金に変える」という目的を果たす手段ではありますが、契約形態・会計処理・信用審査・法的立場などがまったく異なるため、表面的に似ているからといって同一視してしまうのは非常に危険です。

特に、資金調達の目的が「スピード重視」なのか「長期的な借入枠確保」なのか、あるいは「バランスシートに負債を載せたくない」といったニーズなのかによって、適切な手段は大きく変わってきます。自社の財務状況や資金ニーズ、取引先との関係性などを総合的に判断した上で、ファクタリングとABLのどちらが適しているかを冷静に見極めることが求められます。

資金調達可能な額

融資であるABL(売掛債権担保融資)では、担保として提供される売掛債権の額だけでなく、企業の経営状況や信用力、将来の収益見通しなど、審査の総合的な結果に応じて、高額な資金調達が可能になる場合があります。つまり、単に売掛債権の額面だけに限定されず、金融機関が申込企業の返済能力や事業計画を評価し、より大きな融資枠を認めるケースもあるのです。これにより、急激な設備投資や事業拡大に必要な多額の資金を調達したい場合に、ABLは柔軟かつ大規模な資金調達の手段として活用されることがあります。

一方で、ABLとは異なり、ファクタリングは基本的に売掛債権の「売買契約」であるため、債権の額面を超えた資金調達を行うことはできません。ファクタリング会社は、売掛債権の額面をもとに買い取り価格を設定し、そこから手数料を差し引いた金額を資金として支払います。したがって、ファクタリングで多額の現金を調達しようとする場合は、それに見合う額の売掛債権を保有している必要があります。

このため、ファクタリングは資金調達の規模が売掛債権の範囲内に限定される一方で、迅速な現金化や返済義務がない点などで優れた特徴を持つものの、企業が一度に大きな資金を必要とする際には、その限界が課題となることもあります。逆に、ABLは融資という性質上、売掛債権を担保にしながらも、企業の信用や成長可能性を総合的に判断し、売掛債権の額以上の資金調達を可能にするため、事業の拡大期などに適した資金調達方法と言えます。

このように、資金調達の規模や目的に応じて、ABLとファクタリングは使い分けるべき性質の異なる手段であることを理解しておくことが重要です。資金調達の計画を立てる際には、こうした特性の違いを踏まえ、必要な資金額や返済の可否、資金使途の優先順位などを整理し、最適な方法を選択していくことが経営の安定化と成長につながります。

中小企業に向いているのはファクタリング

ファクタリングとABLにはそれぞれにメリットもあればデメリットもあり、その良し悪しもファクタリングとABLでは違いがあります。
そのどちらを選ぶかは経営者様の判断に委ねられますが、「中小企業・個人事業主向け」と考えた場合では、おおすめは「ファクタリング」となります。
中小企業や個人事業主様の資金調達にファクタリングが向いている根拠となる、「4つのポイント」をご紹介します。

債権者の経営状況が審査で重要ではない

ABLの審査においては、融資を受ける企業自身の経営状況や財務の健全性が非常に重要な審査ポイントとなります。金融機関は、貸した資金が確実に返済されるかどうかを慎重に見極める必要があるため、決算書や資金繰り表、過去の信用情報など、多角的に企業の経営実態を調査します。そのため、赤字経営や債務超過が続く企業の場合、ABLの審査を通過することが難しいケースが多くなります。

一方で、ファクタリングの場合、審査の焦点は融資を申込んだ企業の経営状況ではなく、「売掛先の信用力」に置かれます。これは、ファクタリング会社が売掛債権の代金回収を売掛先から行うためであり、売掛先が倒産するなどして支払いが滞ることを最も恐れているからです。極端な例を挙げると、仮にファクタリングを利用した企業が経営破綻したとしても、売掛先がきちんと支払いを行っている限り、ファクタリング会社には大きな損失が発生しません。つまり、ファクタリング会社にとってのリスクは、申込企業ではなく「売掛先の支払い能力」に依存しているのです。

この仕組みのため、ファクタリングを利用する企業の経営状態は審査にほとんど影響しないことが多く、赤字経営や税金滞納、過去の信用問題を抱えている場合でも資金調達が可能となるケースが多いのです。こうした点が、ファクタリングが特に中小企業や個人事業主向けの資金調達方法として注目されている大きな理由のひとつです。

また、ファクタリングは審査が比較的簡易であり、必要書類も最低限に抑えられていることが多いため、経営者様にとって手続きの負担も軽減されます。さらに、返済義務がないため、借入による財務リスクを増やすことなく迅速に資金を確保できる点も魅力です。

こうした特徴から、資金繰りに悩む中小企業やスタートアップ、個人事業主にとって、ファクタリングは有効かつ現実的な資金調達手段となっています。もちろん、利用にあたっては売掛先の信用力をしっかりと把握し、債権の回収リスクを最小限に抑えることが求められますが、全体としては経営状態に左右されにくい資金調達の方法として、多くの経営者から支持を得ています。

即日など素早い資金調達の期待が高い

自己資金が十分に潤沢でない中小企業や個人事業主にとって、突発的な資金ニーズが発生した場合、そのまま放置すると会社の経営状況を大きく揺るがしかねないリスクがあります。特に、仕入れ代金の支払いや従業員の給与支払い、税金の納付といった義務的な支出が重なると、資金繰りが急速に悪化してしまうことも珍しくありません。そんな緊急時にこそ、売掛債権を素早く現金化できるファクタリングは非常に頼りになる存在と言えます。

一般的にファクタリングは「最短即日で資金化できる」と言われていますが、最近ではインターネット環境やIT技術の発達に伴い、オンラインファクタリングが可能なサービスを利用すれば、申込から審査、契約、そして資金振込まで、1時間にも満たない超スピード対応が実現可能となっています。これにより、急な資金需要に対しても、迅速に対応しやすくなっているのです。

このように、必要なタイミングに確実に間に合う資金調達のスピード感は、多くの経営者様が資金調達手段に求める非常に重要な要素であり、ファクタリングはその点で非常に高い評価を受けています。通常の銀行融資や融資保証制度では数週間から数ヶ月かかる審査・手続き期間がネックとなることが多いため、急を要する資金繰りの改善には不向きです。

また、ファクタリングは返済義務がなく、売掛債権の早期現金化という形で資金を得るため、経営状態が一時的に悪化している場合でも利用しやすいというメリットもあります。こうした理由から、資金繰りに不安を抱える中小企業や個人事業主の皆様にとって、スピーディかつ柔軟な資金調達手段としてファクタリングは非常に有効な選択肢となっているのです。

売掛金の回収リスクが回避できる

ABL(売掛債権担保融資)による資金調達では、担保として提供されている売掛債権に対して厳しい管理が求められます。もし売掛先が倒産したり、支払い不能となって債権が不渡りになると、担保価値が失われることになり、金融機関や貸付元は担保の不足分について追加の保証や返済を求める可能性が非常に高くなります。これは、債権が担保の役割を果たしているため、その債権自体の信用が失われれば、融資元にとってのリスクが一気に顕在化するからです。結果として、企業側は返済義務の増加やさらなる保証負担に直面し、経営に大きな打撃を受ける恐れがあります。

これに対して、ファクタリングはABLとは根本的に異なる仕組みを持っています。ファクタリング契約の多くは、原則として「償還請求権なし(ノンリコース)」で締結されます。つまり、一度売掛債権をファクタリング会社に売却すれば、その後に売掛先が倒産したり、債権が不渡りになったとしても、売却した企業に対して売掛債権の買戻しや返済の義務は発生しません。ファクタリング会社が売掛金の回収リスクを全て負う形となるため、利用者はリスクから解放されるのです。

この特徴は、ABLでの債権不渡りが企業にとって致命的なダメージとなりかねないのとは対照的であり、ファクタリングは売掛金回収のリスクを回避しつつ、資金繰りを安定化させるための有効な資金調達手段として多くの中小企業や個人事業主に支持されています。リスク管理の観点からも、返済義務や保証リスクを負いたくない経営者にとって、ファクタリングのノンリコース契約は大きな安心材料となっています。

もちろん、契約内容やファクタリング会社によって細かい条件は異なりますので、利用の際には契約書の内容を十分に確認し、専門家への相談を行うことが重要です。しかし、一般的にはこの「ノンリコース」の仕組みが、ファクタリングの大きなメリットの一つであり、資金調達時のリスクを大幅に軽減することができる理由となっています。

負債が増えない

ファクタリングは、売掛債権を第三者に売却する「債権の売買契約」であるため、調達した資金は企業の負債として計上されることはありません。つまり、ファクタリングによって得た資金は「純資産の増加」として扱われ、貸借対照表(バランスシート)上の負債には一切計上されないのが特徴です。このため、財務状況を健全に保ちながら迅速な資金調達が可能であり、企業の信用力や経営の安定性を損なうリスクが低いと言えます。

一方、ABL(売掛債権担保融資)は融資契約に基づく資金調達手段ですので、調達した資金は負債として貸借対照表に計上されます。これにより、資金調達が成功したとしても負債が増加し、債務超過のリスクが高まったり、貸借対照表が肥大化してしまう恐れがあります。特に中小企業や資金繰りが厳しい企業にとっては、負債の増加は金融機関からの信用評価に悪影響を及ぼす可能性があるため、慎重な資金計画が求められます。

さらに、ファクタリングを上手に活用し、売掛債権の早期現金化を進めることで、「オフバランス化」が促進され、企業の財務指標の改善や信用評価の向上に繋がる場合があります。オフバランス化とは、資産や負債をバランスシート外に置くことを指し、経営の健全性や財務体質を外部から見た際に良好に見せる効果があります。これにより、投資家や金融機関からの評価が高まり、将来的な資金調達や事業拡大の際に有利に働くことも期待できるのです。

このように、ファクタリングとABLでは資金調達後の会計処理や企業評価への影響が大きく異なるため、自社の財務状況や今後の経営計画を踏まえて、どちらの方法が適しているかを慎重に検討することが重要です。

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ファクタリングとABLの違いのまとめ

売掛債権担保融資(ABL)も利用価値のある資金調達方法ですが、中小企業や個人事業主様にとっては、より頼りになる資金調達方法として「ファクタリング」が注目されています。ファクタリングの仕組みは、売掛金を早期に現金化することであり、これにより企業は融資に頼らず資金繰りを改善できます。特に、給与の支払いや仕入代金の支払など、急を要する資金需要に対応しやすいのが大きなメリットです。

ただし、資金調達の条件については甘い面だけでなく、悪質な業者によるトラブルも存在するため、信頼できる業者の選定が重要です。安易に利用して後悔しないよう、しっかりと内容を確認し、専門家への相談も活用しましょう。

また、ABLやJBL(※ここはABLの誤記かと思いますが、ご指示のまま記載しました)と比べ、ファクタリングは返済義務がないため、債務超過のリスクを避けつつ資金を調達できる点が中小企業にとって大きな強みです。売掛金が手元にあることが資金繰りの悩みの種であれば、積極的に売掛金を活用し、効率よく資金繰りを回すことが経営安定への近道となります。融資に頼らない多様な資金調達の仕組みを理解し、賢く活用することが企業成長の鍵と言えるでしょう。

 

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