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ファクタリングコラム
2024年5月17日
目次
インターネット上の情報などでは、「個人事業主は借入による資金調達は難しい」と書かれていることが珍しくはありません。
確かにその情報は間違いとは言い切れない面はありますが、決して融資による資金調達が期待できないわけではなく個人事業主が利用しやすい借入先も存在しています。
本稿では個人事業主が利用しやすい借入先と、併せて利用していただきたい融資以外の資金調達方法をご紹介します。
多くの方が資金調達方法としてまず思いつく借入先は「銀行融資」かも知れません。
銀行融資の中でもプロパー融資と言われる銀行からの直接融資は、高額借入が期待できるだけでなく低金利が設定される可能性も高いというメリットの大きい選択肢です。
銀行からのプロパー融資が利用できれば、個人事業主の資金調達の自由度が大きく高まるのは間違いありません。
プロパー融資で貸付を行った際に返済が滞った場合には、借入先の銀行側は大きな被害を受けることになりかねません。
このため、審査では借入を希望する企業の返済能力や信用情報が厳しく見られることになります。
しかし個人事業主は業績などを正しく判断することが難しく、返済能力が高いとは判断されにくいため、残念ながら銀行のプロパー融資は個人事業主向きとは言えません。
ただし借入希望額が小さめであり、地方銀行など地域との関係性が深い場所であれば個人事業主もプロパー融資を受けられる可能性は高まりますが、それでも利用しやすいとは言えないでしょう。
個人事業主が借入を行う候補は、プロパー融資を除けば法人の場合と大きな違いはありません。
しかし借入を利用する際に得られるメリット・デメリット、そして個人事業主との相性には違いが発生することが考えられます。
まずは個人事業主の借入先候補となる6つの選択肢の概要とその特長を理解し、どの借入場所を選ぶかを検討してみてはいかがでしょうか?
政策金融機関である「日本政策金融公庫」は、100%政府が出資しており「民間金融機関が行う金融の補完」を業務の目的の1つとしています。
日本政策金融公庫は銀行など民間の金融機関からの借入が難しい中小企業や個人事業主への融資実績も豊富であり、創業資金の調達先としても頼りになります。
・中小企業や個人事業主への融資を積極的に行っている
・低金利、長期返済期間が期待できる
・無担保無保証人での借入も可能
・手続きに手間がかかり、借入までに時間が必要
・自己資金が必要になることがある
日本政策金融公庫は民間の金融機関での借入が難しい、個人事業主への融資にも積極的であることが最大の特長と言えます。
さらに低金利・長期返済期間など負担の少ない返済計画が立てやすいのも大きなメリットであり、個人事業主の資金調達においての強い味方となってくれる場所です。
ただし公的な機関であることが影響し、提出書類も多く融資までに手間と時間が多く必要になることは理解しておきましょう。
その地域へ密着した金融サービスを行い地域発展に貢献することを理念としている「信用金庫」は、中小企業や個人事業主に対しても親身に対応を行い大手銀行などと比較して融資に積極的です。
しかし大手銀行ほどの資金量がなく高額の資金調達を期待するのは難しくなりますが、多額の借入を求めていない個人事業主には大きな影響はないとも言えます。
・個人事業主も審査通過できる確率が低くない
・地域に密着しており丁寧なサービスが期待できる
・数百万円程度までの借入に向いている
・他の地域の信用金庫は利用できない
・日本政策金融公庫や大手銀行と比較すると若干金利が高め
信用金庫の借入は銀行融資の審査に通過しにくい、個人事業主の方も利用できる可能性がある金融機関です。
個人事業主の方の状況にもよりますが日本政策金融公庫の審査には通過できなかったという企業が、信用金庫では借入ができたということも珍しいことではありません。
大手銀行並みの高額資金調達や低金利は期待しにくいものの、融資実績を積むのにも個人事業主の方へ向いています。
ただし地域密着型サービスであることで、他のエリアへ転居した場合には取引が行えなくなる可能性があるという点には注意が必要です。
国や各地方自治体などの公的な機関が主体となって行う公的融資や制度融資を利用すれば、非常に低金利での借入が期待できます。
審査通過できる可能性の高さなども魅力であり、個人事業主にとっても利用価値が高いものの、利用対象者となれる制度と出会えるかどうかが借入を行う上での最初のポイントとなります。
・低金利、長期返済期間での借入が期待できる
・利子や信用保証料の補助が受けられる可能性がある
・コロナ禍などによる損失を補うための制度も存在している
・対象となる制度を探す必要がある
・手続きに手間がかかり借入に時間がかかる傾向がある
公的機関が行っている制度融資は、低金利での借入や利息の補助が期待できる個人事業主の方へ非常に頼りになる存在です。
ただし対象となる制度を見つける必要があり、必ずしも利用できる制度が見つかるとは限りません。
対象となれる制度があれば個人事業主にとって利用価値が非常に高いのは確かですので、お住まいの地方自治体への問い合わせやインターネットで情報収集を行ってみる価値はあります。
事業性資金専用のローン商品を「ビジネスローン」と呼びます。
銀行・信販会社・消費者金融など様々な会社がビジネスローンを提供しており、銀行融資と比較して借入までの手続きの手軽さや審査スピードに優れている商品が大多数を占めているものの、すべてのビジネスローンで個人事業主が利用できるとは言えません。
また、一括で借入を行い完済するまで支払いを続ける「証書貸付」と限度枠内で自由に借入が行える「当座貸越」の2つのタイプがあり、希望に応じた商品を選ぶ必要があります。
・審査が早く申込当日での借入も可能
・必要書類、手続きの手間がその他の融資と比較して小さい
・審査基準はそれほど厳しくはない
・無担保無保証人で利用できる商品が多い
・金利が10%を超えることも多く限度額は低め
ビジネスローンは即日融資に対応可能な場所も多く、スムーズに手続きを進められれば短期間で借入ができる可能性は低くはありません。
借入手続き自体も簡略化されており、必要書類が多くないのも特長です。
借入申込内容や信用情報、決算書などをデータ化して審査を行うスコアリングシステムが採用されている場所が大半であり、審査基準は銀行融資などと比較して緩めで個人事業主の審査通過も難しくはありません。
ただし金利の高さと限度額の低さという問題を抱えており、利用する場面を考慮することが大切です。
金融機関に頼らず、親族や知人からの借入によって資金調達を行う方法もあります。
お互いの信頼関係が十分に築けていれば、金融機関からの借入のように複雑な審査も手続きも必要なく資金調達が行える可能性はあります。
ただし人と人との信用に大きく依存した方法であり、細心の注意を払いながら話を進めなくては、大きなトラブルに発展する危険があることを忘れてはなりません。
・複雑な手続きも審査も省くことが可能
・担保も保証人も不要で借入ができる
・利息が発生しない期待も小さくはない
・信頼関係にヒビが入る危険がある
・贈与税が発生する可能性がある
親族や知人からの借入は審査や利息、担保や保証人などが不要となる期待も高く、多くの方がメリットを感じるかも知れません。
しかしお金の貸し借りは人間関係を壊す要因となる可能性が大きく、信頼できる人物を失う危険を考慮しなくてはならないのです。
また利息が発生しない場合は、贈与税の支払いを求められる可能性があります。
トラブルを避けるためには資金調達する額に注意したり、後々トラブルにならないように書面を用意したりするなど様々な配慮が求められます。
人間関係を大切にするならば、親族や知人からの借入は手軽に利用すべき方法ではありません。
多くのカードローンは事業性資金への利用が認められていません。
しかし生活費などへの利用は認められており、借入したお金で生活費を賄い、浮いたお金を事業資金へ回すことは可能です。
また一部のカードローンでは事業性資金への使途が認められていることがありますので、個人事業主様は申込前に契約内容を確認しておくことをおすすめします。
・大手カードローン会社であれば近場で素早く手続き可能
・借入返済の利便性が高い
・一部の商品は事業性資金として利用できる
・高い限度額は期待しにくく金利は高め
・総量規制の対象となることがある
カードローンは個人事業主も申し込み可能であり、近場に店舗があれば僅かな時間で契約手続きを行い借入ができます。
コンビニATMなどでも借入返済ができるなど利便性も非常に高いものの、限度額や金利の面での注意が必要です。
銀行カードローンなどを除いて、収入の3分の1までしか借入が行えない「総量規制」の対象となることが多く、他社での借入がある場合は審査通過が難しくなります。
個人事業主が利用しやすい借入先の候補の中でも、どれかを選ぶとすれば第一候補は「日本政策金融公庫」です。
なぜならば日本政策金融公庫は、借入の審査に通過しにくい個人事業主や中小企業も審査通過できる可能性が低くはなく、さらに好条件での借入も期待できる場所だからです。
「民間金融機関の補完」は日本政策金融公庫の理念の1つです。
日本政策金融公庫の主な業務は3つに別れており、その中の1つである中小企業事業では「日本経済の活力の源泉であり、地域経済を支える中小企業・小規模事業者の皆様の成長・発展を金融面から支援」することを目的としています。
この目的に沿って一般の金融機関では融資を受けにくいと言われる個人事業主への融資も積極的に行っており、審査通過の確率も高まっているのです。
日本政策金融公庫の中小企業事業の主な貸付利率(令和5年9月1日時点)は基準利率でも1.40%(貸付期間9年以内)と非常に低く、さらに条件を満たし特別利率が設定されれば0.50%の利率で借入ができます。
また返済期間は最長で20年まで設定可能であり、高い利息に悩まされることなく、コツコツ返済を進めていくことが可能です。
全ての融資制度が対象ではありませんが、日本政策金融公庫には新創業融資制度や小規模事業者経営改善資金など無担保・無保証人で借入可能な制度が用意されています。
個人事業主の方の中には担保に設定できる不動産や、保証人になってくれる相手が見つかりにくいという方も少なくはないはずです。
しかし無担保・無保証人で利用できれば、その悩みは解消されます。
融資限度額は申し込んだ融資制度によって異なりますが、例えば新創業融資制度であれば最大3,000万円まで借入ができる可能性があります。
他にも普通貸付であれば4,800万円、企業活力強化資金は最大7,200万円とさらに融資限度額の高い制度もあり、個人事業主が大きな額の資金調達を行うことも不可能ではありません。
融資を受けるには「融資実績」が多くある方が審査で有利になる傾向があります。
これは個人事業主も利用しやすい日本政策金融公庫で実績を積むことが、後々に銀行など民間の金融機関での融資を受けられる可能性を高める効果があるということになります。
初めての借入先としても、実績を積む場所としても日本政策金融公庫は最適です。
・必要書類が多く手続きが面倒
・審査に時間がかかることが多く素早い資金調達には向かない
・自己資金が必要になることがある
個人事業主が借入を行う場所としてメリットの多い日本政策金融公庫ですが、利用する際には上記したような注意すべき点も存在しています。
手続きの手間を減らし審査に通過できる確率を高めるためには、認定支援機関を活用しサポートを受けることをおすすめします。
資金調達方法として借入はメインとなり得る選択肢ですが、借入以外にも個人事業主の資金繰りに役立つ選択肢は幾つもあります。
借入とは違い負債を増やすことがないなど、利用するメリットはそれぞれにありますので、メリット・デメリットを理解した上で選択することが大切です。
補助金も助成金も原則返済不要で資金が調達できることが最大のメリットです。
助成金は要件を満たせば受給可能ですが、補助金はさらに審査を通過する必要があるという点が最大の相違点となります。
しかし申し込める補助金や助成金を個人事業主自らが探す必要があり、基本的に一度自己資金で支払いを行った後に時間を置いて支給されるという点にも注意が必要です。
インターネット上でプロジェクトを公開し、賛同した不特定多数の人物から資金提供を受けるのがクラウドファンディングと呼ばれる資金調達方法です。
アイデアと魅せ方次第では個人事業主も高額な出資を受けられるチャンスがありますが、短期間で目標額を達成できる可能性は高くはなく、アイデアを他社に知られてしまうことにもなりかねません。
マーケティング効果や知名度向上の効果も期待できることから、資金調達以外のメリットもクラウドファンディングでは得ることが可能です。
売掛債権を買取業者(ファクタリング会社)に売却して現金化するファクタリングは、売掛債権の早期資金化を可能とする資金調達方法です。
審査基準や現金化までのスピードなど個人事業主向けの特長を幾つも兼ね揃えており、売掛金の決済日までの資金繰りの難しさを解消する効果が得られます。
借入による資金調達に頼り過ぎると、状況によっては経営を苦しくすることになりかねません。
経営状況を借入によって悪化させるのを防ぐには、ファクタリングの活用による資金調達が役立ちます。
融資、借入を受けるということは、利息が発生するだけでなく負債額を大きくすることにも繋がります。
無理のない返済計画を立て、返済を続けることができれば問題は発生しない可能性が高いものの、負債額が大きくなると貸借対照表の肥大化を招き、企業評価を下げることになりかねません。
そして状況がより悪化した場合、債務超過となり売上が順調でも経営が破綻する黒字倒産に陥りかねないのです。
・売掛債権の決済日前に債権を現金化できる
・最短即日での資金調達が可能
・売掛先の信用力が審査で重視され債権者の経営状況は重要ではない
・貸借対照表のスリム化が期待できる
・売掛先の倒産リスクが回避できる
ファクタリングは個人事業主の多くが行っているであろう、掛取引の問題点を解消することができる資金調達方法です。
売掛金の決済日までの資金繰りが難しい時も、債権を早期現金化できれば資金ショートの危機を乗り越えられる可能性が高まります。
また現金化後は売掛先が倒産しても保証を求められないのが原則であるため、売掛先の倒産リスク回避という効果も得られます。
利用の際の審査基準が個人事業主向けであり、素早い資金調達が期待できるのもメリットになります。
借入のデメリットである「負債の増加」は、借入ではない資金調達方法であるファクタリングを利用することで防ぐことができます。
また売掛債権を早期現金化することで返済に必要な資金や運転資金を確保できれば、黒字倒産の危機を乗り切ることも難しくなくなります。
借入先選びは個人事業主がスムーズに資金調達を行うための重要なポイントです。
しかし借入に頼り切る危険も考慮し、適切なタイミングでファクタリングの利用も検討することで個人事業主の資金繰りをより安定させることができます。
個人事業主には借入だけでなく、ファクタリングの活用も強くおすすめします。
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