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ファクタリングコラム
2022年10月4日
目次
買掛金は企業の営業活動で、仕入における掛取引の処理で使用する勘定科目です。
似た勘定科目には、未払金や未払費用、売掛金があり、間違って認識しやすい勘定科目といえます。
言葉や使用する場面は似ているものの、意味は異なるため注意が必要です。
この記事では、買掛金と未払金、未払費用の違いや仕訳方法を解説します。
買掛金は買入代金のうち未払いであるものを意味しますが、ほかにも未払いであるお金を表す勘定科目には未払金と未払費用があります。
どれも未払いであるお金を表す言葉のため混同しがちですが、意味が異なるためしっかりと区別が必要です。
それでは、買掛金、未払金、未払費用の違いを解説します。
買掛金とは、商品や原材料の仕入れや外注加工の依頼など、一般的な取引で発生した買入代金のうち未払いであるものを指します。
後日、代金の受け渡しをおこなう掛取引で発生する勘定科目が買掛金です。
代金を後払いで支払う義務が購入者側に発生しているため、企業の決算書である貸借対照表上で買掛金は負債となります。
同じ仕入債務である支払手形と異なり、買掛金は特定の書類によるやり取りはせず、現金取引より便利なためよく使用される取引方法です。
後払いする点では買掛金と似ていますが、未払金は商品などの仕入れに関連して発生するものではありません。
未払金は、後払いする約束や固定資産の購入代金の未払い、消耗品・工具備品の購入代金の未払いなどの会計処理に使用する勘定科目です。
よって、仕入は関係なく、一時的な取引の債務を処理する際に未払金を使用します。
未払費用も後日支払う義務があるため、買掛金や未払金と混同しがちな勘定科目です。
未払費用は、買掛金や未払金に当てはまらない継続的な契約で発生する費用に関する勘定科目となります。
貸借対照表上で明確に未払い分を表すために、決算などで使用する勘定科目が未払費用です。
たとえば、電気料金や水道料金は決まった期日に支払う契約がほとんどですが、いずれも一定期間の利用分を後日支払います。
決算をまたぐ場合は、決算日以前に生じた費用と来期以降の費用を区別し、当期分のみ計上が必要です。
買掛金、未払金、未払費用はいずれも将来的に代金を受け取る権利を表す資産の部に計上します。
そして、貸借対照表に記載する勘定科目です。
税務署など会社の外部へ情報を提供する決算書における帳票のひとつが、貸借対照表となります。
貸借対照表は1期毎に作成するわけではなく、当期末時点の財産状態を表しており、翌期以降に数字が繰り越され、会社が存続する限り引き継がれていくものです。
決算では、税務署に決算書だけでなく、勘定科目内訳書という帳票も提出します。
勘定科目内訳書に記載しているのは、貸借対照表に計上してある勘定科目についての内容がほとんどです。
会社で引き継ぎ、税務署から詳細な内容が求められる貸借対照表は重要な帳簿であるといえます。
よって、貸借対照表に記載する買掛金、未払金、未払費用は明確に区別した計上が必要です。
買掛金と同じく、商品の掛取引で用いる勘定科目が売掛金です。
買掛金は商品の購入時に使用する勘定科目ですが、売掛金は商品の販売時に使用する勘定科目となります。
よって、貸借対照表上で売掛金は資産にあたるものです。
商品を掛で販売する際は、売上高の相手勘定として売掛金を使用し、代金の回収時には売掛金が回収された処理をおこないます。
ただし、掛取引は原則として5年で時効となるため、回収忘れに注意が必要です。
次は、買掛金と未払金の仕訳例を解説します。
買掛金と未払金の仕訳を見比べて、会計処理の違いをしっかりと理解しましょう。
取引先から商品100万円を掛けで仕入れた場合、以下の仕訳となります。
• 借方:仕入1,000,000 貸方:買掛金1,000,000
商品を全額掛けで仕入れた場合、上記の仕訳となります。
仕入れた商品が届いたなど、会社の基準で商品を受け取ったときに仕訳を実施。
代金の未払い分は買掛金となり、負債が発生します。
次は、仕入れた商品に汚れや破損があったため、1万円分を返品した仕訳です。
• 借方:買掛金10,000 貸方:仕入10,000
掛取引で仕入れた商品に汚れや破損があると、多くの場合は買掛金から返品や値引き分を減額します。
仕入戻しや仕入値引などの勘定科目を使用しない仕訳では、仕入と買掛金の相殺が必要です。
ここでは、5万円のデスクを購入した場合の「未払金を計上したとき」と「未払金を支払ったとき」の仕訳例を紹介します。
未払金を計上した場合、5万円のデスクを購入し、代金を後払いした仕訳が以下です。
• 借方:消耗品費50,000 貸方:未払金50,000
デスクの購入は、営業取引以外の単発的な購入として扱うため、未払金という負債が増えたとして貸方科目に未払金を記入。
デスクは備品として、資産処理または10万円未満のため費用処理します。
未払金を支払った場合、5万円のデスクを購入し後払いにした代金を普通預金で支払った仕訳が以下です。
• 借方:未払金50,000 貸方:普通預金50,000
普通預金で代金を支払うと債務が消えるため、借方科目に未払金を記入し、預金という資産が減るため、貸方科目に普通預金を記入します。
建設業を営む会社では、経営事項審査を受審している場合があります。
経営事項審査とは、公共工事を元請けで受注するために必要な入札参加資格を得るための審査です。
経営事項審査の評価が高いほど、入札参加資格の格付けも高くなります。
よって、公共工事をおもに受注している建設会社によっては、経営事項審査が非常に重要です。
審査のなかに経営状況(Y評価)という項目があり、その細目に営業キャッシュフローを評価する箇所があります。
買掛金(建設業の場合は工事未払金)が多いほど点数が高くなる傾向にあり、この計算からは未払金と未払費用は除外される仕組みです。
したがって、未払費用ひとつで処理するよりも、三つで区分した表記の方が点数が高くなります。
決算書を建設業用の財務諸表で作成し直して提出する際、決算書で未払費用として処理している場合は工事未払金として振り分ける必要があるため注意しましょう。
この記事では、買掛金と未払金、未払費用の違いや仕訳方法を解説しました。
買掛金、未払金、未払費用はそれぞれ、未払いであるお金を表す勘定科目のため混同しがちです。
しかし、それぞれ意味が異なるため、会計処理の際には注意してください。
買掛金と真逆の特徴を持つ売掛金は、商品の販売時に使用する勘定科目です。
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