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ファクタリングコラム
2024年12月14日
目次
長らく続いたコロナ禍はようやく終息を迎えつつある日本ですが、ウクライナの侵攻や物価の高騰など多くの中小企業の経営者様や個人事業主様はまだまだ資金繰りに苦労されているのではないでしょうか?
またいつこのような災害が起こるかもしれなくそんなときの資金調達にこそ、融資とは全く違う資金調達方法である「売掛金の現金化」が役立ちます。
売掛金を売却して現金化する仕組み・特徴・注意点を学び、現状の打破あるいは維持するために役立てましょう。
売掛金の現金化は「中小企業、個人事業主に向いている」と言われます。
「売却により売掛債権を決済日前に現金化する資金調達方法」のことを売掛金の現金化と呼びますが、銀行融資と違い負債を増やさないことや短期間での資金調達が実現しやすいことなどが、中小企業や個人事業主に向いていると言われる大きな要因です。
民法の改正などによって利用しやすさがアップした影響もあり、ここ数年で日本でも利用する企業が大きく増加中ですが、ファクタリングはヨーロッパや中国を中心に海外ではすでに売掛金の現金化は資金調達方法として一般的となっています。
債権の現金化とは、期日を迎えていない債権を現金に換えて資金調達することをいいます。債権の現金化で代表的なのがファクタリングです。
ファクタリングは、個人事業主や中小企業などが保有する事業で生じた売上債権をファクタリング会社に買い取ってもらい現金化することです。売上債権とは売上にかかわる債権のことで代表的なものに売掛金があります。
売掛債権とは売上に対する債権のことです。商品やサービスを提供した事業者は代金を受け取る権利があります。
売掛債権が生じている状態とは、商品やサービスの受け渡しが完了しているものの代金を受け取っていない状態のことです。売上債権も同じような意味で使われます。
売掛債権の代表例は売掛金や受取手形です。売掛金は公的な証明書などが発行されないものの、将来的に金銭を受け取ることができる権利をいいます。受取手形も将来的に金銭を受け取る権利である点は同様です。ただし、受取手形では証書が発行される点が異なります。
近年では、手形を含め電子的に発行される電子債権もみられるようになりました。電子債権は紛失や盗難のリスクが少ないのが特徴です。
ファクタリングの多くは、買取型といってファクタリング会社が売掛債権を買い取るタイプです。買取契約が成立すれば利用者は売掛債権を現金化できます。
買取型のファクタリングの仕組みは2通りです。ファクタリング会社と依頼者の2社間ファクタリングと、2社間に売掛債権の当事者である取引先を交えた3社間ファクタリングがあります。
売掛金を現金化する仕組みを簡単に説明すれば「取引先に対して商品の納入やサービスの提供をした際に発生した売掛金を、買取業者が買い取り利用者に買取代金を支払う」というだけであり、仕組みとして難しい点はありません。
ただしこの売掛金現金化には売掛先への通知を行うか否かが大きな違いとなる「2社間」と「3社間」という2つの契約方法があり、それぞれの特徴や違いを正しく理解した上で契約方法を選択しなければなりません。
・売掛先へ債権譲渡の通知を行わない
・即日現金化が期待できる
・債権譲渡登記に関する確認が必要
・3社間での契約より手数料が高くなることが多い
2社間契約では売掛金の債権者であり売掛金の売却を申込んだ企業と、買取業者の間で契約を行います。
売掛先へ債権譲渡の通知を行わないことから、債権を売却したことを知られる可能性は低く、手続きが簡略化できることで最短即日など素早い現金化の期待も高まります。
ただし債権譲渡登記が必要になることがあり、申込み先に確認が必要となります。
また手数料の面では3社間での契約より高くなる傾向がありますので、少しご注意ください。
・2社間での契約よりも手数料が低くなりやすい
・審査通過できる確率が高くなる
・数日から1週間程度で手続きが完了できる
・売掛先の理解と協力が重要
3社間で契約を行う際には売掛先へ債権譲渡の通知を行いますが、手数料の低さや審査通過のしやすさというメリットが得られます。
しかし通知を行う手間などが発生する分、2社間での契約ほどの資金調達スピードは期待しにくくなります。
それでも1週間以内で債権を現金化できる可能性は高く、銀行からの融資と比較して遥かに早いのは確かです。
売掛金の売却は事業者の資金調達の一手段として法的にも問題はありませんが、利用の際には売掛先からの理解が得られるかを考慮しておくことも大切です。
売掛金現金化の申込み
↓
ヒアリング・書類提出
↓
審査・契約手続き
↓
買取代金の振込(売掛金現金化)
↓
売掛先からの入金
↓
買取業者への支払い
上記したのは2社間での契約を選択した際の資金調達の流れです。
現在では多くの売掛金現金化を受け付けている買取業者がインターネットからの申込みサービスを導入しており、手軽に利用を開始できます。
申込み内容についてのヒアリングや買取に関する説明が電話などで行われた後、必要書類を提出して審査を受け、問題なければ契約手続きへと進み売掛金の買取が実行されます。
資産の売却としてはこの時点で終了と思われるかも知れませんが、売掛金を売却して資金調達を行う場合は、売掛金の決済が行われ買取業者に売掛金の代金が支払われることで取引が完了となります。
3社間での契約では売掛先が債権の譲渡先に対して決済を行いますので、支払いに関する手続きは省くことができます。
売掛債権を売却して現金化するこの資金調達方法には、融資にはないメリットが幾つもあります。
しかしデメリットも全く無いわけではなく、メリットだけを意識して利用するのは得策ではありません。
資金調達方法として活用するためにも、特徴を正しく理解することが大切です。
「決済前」の売掛債権を保有していることが現金化の利用条件となり、売掛金の現金化では決済日より早期に売掛債権を現金に変えることができます。
掛取引では支払いが行われるまでは自己資金で乗り切る必要がありますが、支払サイトが長い売掛金となるとその資金確保も容易ではなくなります。
ですが売掛金が売却できれば、資金確保の悩みを解消することができます。
「売掛金を現金化するまでに必要な期間が短い」のも、売掛金を現金化する大きなメリットです。
最短即日での資金調達が可能であることがよく語られますが、契約方法問わずほとんどの場合で、1週間以内には現金を手にすることができるということも忘れてはなりません。
会社経営では即日で現金化が可能であることより、高確率で1週間以内に売掛金の売却が完了できることの方が、資金繰りの安定化の面では効果的かも知れません。
売掛金の現金化が「中小企業や個人事業主も審査通過しやすい」と言われるのは、融資との審査基準の違いが影響しています。
融資では貸したお金が確実に返済されるかどうかが審査で見られますが、売掛金を売却する際には売掛債権の支払いが行われる確率が問われます。
この際に注目していいただきたいのは、返済は融資を受けた企業が行いますが、売掛金の支払いは債務者である売掛先が行うという点です。
ですから売掛先が審査対象として重要となり、売掛金を保有する企業が赤字経営であったり税金などを滞納していたりしていたとしても影響が小さいのです。
そして売掛先の信用力が十分にあれば、高い確率で売掛金の現金化は利用可能です。
売掛債権を担保として融資を受けるABL(売掛債権担保融資)では、返済が滞った場合には担保とした債権を失うことになりかねません。
対して売掛金の現金化は原則的に、売却後の債権に対する責任は問われず、売掛先が経営破綻するなどして決済が実行不可能となったとしても売掛金の買戻しなどの被害を受けることはありません。
これを「ノンリコース(償還請求権なし)」と呼びますが、ノンリコースで契約を行えば掛取引のリスクの1つである「貸倒れ」が回避できるのです。
資金調達に融資を活用するのは珍しいことではなく、融資が利用できることで企業評価がある程度以上に高いという証明にもなります。
しかし融資に頼った経営は利息が資金繰りを圧迫する危険があるだけでなく、負債が大きくなったことで債務超過やバランスシートの肥大化などを引き起こす可能性もあります。
しかし売掛金を売却し現金化するという選択肢ならば、負債を増やさずに資金調達が行なえバランスシートのスリム化という効果も期待できます。
日本国内で売掛金売却による資金調達方法は日々進化しており、店舗に出向く必要なくオンラインで売却に関する手続きが完結できるWeb完結型の売掛金現金化に対応可能な買取業者も増えています。
WEB上での手続きに特化したこのサービスでは書類提出などもオンラインで行えることから、郵送や店舗へ出向いての提出と比較して債権売却スピードが早まる可能性が高く、さらに全国どこからでも利用可能になるというメリットもあります。
利便性を含めてメリットの多いWeb完結型の売掛金現金化サービスは、資金調達の負担を大きく減らしてくれます。
売掛金を売却して現金化する際には、審査を通して決定される手数料の支払いを避けることはできません。
また出張対応を希望した場合などでは、交通費などの諸費用が請求されることもあります。
手数料・諸費用分だけ、本来の債権の額面よりも資金調達できる額は少なくなりますので、勢いで債権を売却せず必要な額を落ち着いて考え手数料についても納得した上で売掛金を売却することが重要です。
3社間での契約を選択した場合には、売掛金の買取業者に対して売掛金を譲渡するという通知が売掛先に送られることになります。
3社間契約では支払いを売掛先から買取業者に直接行っていただく必要もありますので、売掛先との関係も重要になります。
譲渡の通知を希望しない場合には2社間での契約を選ぶという選択肢がありますが、その際には2社間で契約を行うメリット・デメリットを再確認しましょう。
債権譲渡登記とは債権の権利がどこにあるかを証明するものであり、売掛先に通知を行わない2社間契約を選択した際には登記を求められる可能性があります。
登記を行なうことで手数料の引き下げや審査通過の確率が高まるという期待があるものの、費用が必要であり手続きに関する時間も発生してしまいます。
また債権譲渡登記を個人事業主は行うことができません。
しかしこの登記は2社間での契約利用時でも必須ではなく、登記が不要または留保できる売却先を探すという選択肢もあります。
デメリットではありませんが、売掛金を売却する際に少し気をつけていただきたい注意点が幾つかあります。
この注意点を意識することで、安全に資金調達ができる確率が高まります。
売掛金を現金化する際に支払う手数料は、上限を規制する法律は現在存在しません。
つまり買取側次第ということであり、申込先選びが重要になります。
手数料が高額になったとしても違法だと言うことは難しいものの、金融庁は高額な手数料を求めてくる悪質買取業者の危険性を訴えており、利用する際に高額と感じた場合は契約を行わず他社に申込むなどの判断が必要です。
2社間と3社間での契約のどちらを選ぶかは、売掛金の現金化という資金調達方法の使い勝手を左右する大きなポイントとなります。
少しでも早い現金化を望むのであれば2社間を選択すべきですが、その際には手数料的に問題がないかなどを考慮しなくてはなりません。
また3社間を選ぶ際にもメリット・デメリットの影響を冷静に考えましょう。
売掛先の信用力が高くとも、各買取業者が設定する「取引可能額」の範囲内でなければ売掛金は現金化できないかも知れません。
少額債権は買取側にとって、手間の割に儲けが少ないと判断されやすく、高額債権は貸倒れの際の被害が非常に大きくなります。
買取先は債権の額に対しての利益・リスクを考慮し取引可能額を設定していますので、申込先を選ぶ際には少しご注目ください。
・手数料の分割支払いができる
・担保や保証人が用意できれば手数料が安くなる
・売掛先の倒産時には売掛金の買戻しを行う
もし売掛金の売却先が上記したような内容を契約条件に含めてきたとすれば、それは売掛金の売却ではなく融資と判断されることになります。
融資に該当する内容で貸金業登録を行っていない業者が契約を求めてきた場合、それは売掛金の買取を行っている業者ではなく「闇金融」となり利用するリスクが非常に高くなります。
手数料の分割払いなどはメリットも感じるかも知れませんが、甘い誘いに乗ったことで大きなトラブルに巻き込まれるかも知れないことを理解しておきましょう。
売掛先のトラブルにより支払期日が過ぎてしまった債権は、売却による現金化はほぼ不可能となります。
決済日が過ぎた時点で不良債権となり、無事に支払いが行われる確率が低いと判断されてしまうのがその理由ですが、売掛金を現金化する際には「決済日前の債権」を用意するようにしましょう。
売掛金の売却による現金化は早さと利用しやすさだけでなく、バランスシートのスリム化などの効果もあり、中小企業や個人事業主の資金繰り改善に大きく役立ちます。
現在、資金繰りに苦労されている経営者様は打開策の1つとして、売掛金の現金化の利用を検討してみてはいかがでしょうか?
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