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ファクタリングコラム
2024年2月20日
目次
2024年現在「ファクタリング」は、売掛債権の早期現金化サービスとして認知されつつあります。しかし実際にはサービス内容的に大きく分けて3つの種類があり、それぞれ使い方が異なります。本稿ではファクタリングの種類と、一般的なファクタリングである「買取ファクタリング」のメリットを活かした使い方を中心に解説させていただきます。
これからファクタリングの利用を考えていらっしゃる方はぜひ参考にしてみてください。
多くの方は「ファクタリング」とは資金調達方法の1つだと考えておられるはずですが、「ファクタリング=資金調達方法」と言い切ることはできません。実は資金調達以外に利用されるファクタリングも存在しており、大きく3種類に分けることができ、使い方にも大きな違いがあるのです。まずはファクタリングの3つの種類とそれぞれの使い方をご紹介します。
決済日前の売掛債権をファクタリング会社に手数料を支払い売却し現金化するサービスを、「買取ファクタリング」と呼びます。素早い債権の現金化が可能であり、融資と大きく違う審査基準によって、多くの中小企業や個人事業主が利用することができるのが特徴です。主な使い方は債権売却による資金調達ですが、原則的に償還請求権がない契約であることから売掛先の倒産リスクの回避にも活用できるなど、様々な使い方で活用することができます。
「保証ファクタリング」とは、売掛債権に保険的な要素を付与するサービスであり、売掛先が倒産するなどして決済が不可能となった際に、契約条件に従って支払いを受けることができるサービスです。掛取引には貸倒れのリスクが付きまといますが、保証ファクタリングは貸倒れのリスクを軽減するという使い方がメインとなります。しかし個別の債権に対しての保証が掛けられないことが多く、全額保証となるとは限らないなどの注意点もありますので、契約条件をしっかり確認し正しい使い方を理解することが大切です。
輸出業など海外企業との取引がある企業に対して、債権回収などのサポートを行うのが「国際ファクタリング」です。手続きを進める中で取引先に対する与信調査なども行うことになり、債権回収に関するリスクを大幅に軽減することができます。国際ファクタリングは、海外企業との取引をスムーズに行うために利用するのが基本的な使い方となります。
ファクタリングには幾つかの種類があり使い方も異なりますが、一般的にはファクタリングとは「買取ファクタリング」のことを指します。金融庁のサイト内で閲覧できる「ファクタリングについて」という記事の中には『「一般に」ファクタリングとは、事業者が保有している売掛債権などを期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス』という1文があります。これが国も買取ファクタリングを一般的なファクタリングと認識している証拠となるはずです。
決済日が訪れる前の売掛債権をファクタリング会社に売却して現金化する「買取ファクタリング」は、金融庁のサイトでは「事業者の資金調達の一手段」とも書かれています。他にも「法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。」とも記載されており、法的にも認められた事業者向けの資金調達方法であることがおわかりいただけるはずです。また金融庁は個人が勤務先に対して有する賃金債権を対象とした「給与ファクタリング」や、ファクタリングを装って闇金融が貸付を行う行為などに関しての注意喚起も行っていますので、機会があればご一読ください。
買取ファクタリングをスムーズに正しい使い方で利用するためには、資金調達の流れをある程度知っておくことも大切です。
1.売掛債権の発生
2.ファクタリング会社への申込み
3.申込み内容に関してのヒアリングや提出書類などの説明
4.書類提出
5.審査
6.(審査通過していれば)契約手続き
7.債権の買取実行
8.売掛先からの決済後、ファクタリング会社への支払い
買取ファクタリングによる資金調達の簡単な流れは上記したようになります。申込み先によっては手続きの流れが多少異なることもあり得ますが、売掛先に通知を行わない「2社間ファクタリング」か、通知を行う「3社間ファクタリング」のどちらを選ぶかによっても、ファクタリング会社への支払い方法など使い方にも幾つかの違いが発生します。
売掛債権を売却して行う資金調達には融資にはないメリットが存在しており、それらのメリットを活かした使い方を意識することで、より一層資金調達に役立てられます。ここからは、ファクタリングを活用するための参考にしていただきたい「5つの使い方」をご紹介させていただきます。
ファクタリングを利用すれば、決済日よりも早いタイミングで債権を現金に変えることができます。掛取引では支払いが実行されるまでの資金繰りが企業にとって大きな負担になることが少なくありませんが、早期現金化という特徴を活かした使い方をすることで、資金ショートの危険を大きく減少させることができるようになります。
銀行などからの借入では申込から実際に融資を受けるまでに月単位の日数が必要になることも特別珍しいことではありません。対してファクタリングは、最短即日で売掛金を売却し現金にすることも難しくなく、資金調達スピードが発揮できるようなスムーズな手続きを心がけた使い方をすれば、急に現金が必要になった際にも慌てる必要はなくなります。
金融機関へ融資を申込んだ際には様々な書類の提出が求められることが多く、書類の準備も手間などの面で大きな負担になりかねません。しかしファクタリングは「免許証・請求書・通帳のコピー」という3つの書類だけで利用できる場所もあり、負担の少ない手続きで資金調達を行うという希望を叶えることができるのです。「手軽な資金調達」という使い方ができるのもファクタリングならではと言えます。
ファクタリングは「審査が甘い」と言われることもあるほど、多くの企業が審査通過しやすいのも特徴です。実際には審査が甘いというわけではなく、資金調達を希望する企業の経営状況が審査であまり問われず、売掛先の信用力を重視する独自の審査が行われています。融資とは大きく違う審査基準によって高い確率で審査通過できることが、ファクタリングが「資金繰りを安定させる」という使い方にも適している理由の1つです。
融資は使い方を間違えると、負債の増加による債務超過というリスクがあります。また返済計画としては問題なくとも、負債額の増加は貸借対照表の肥大化などを引き起こし企業価値の低下を招きかねません。しかしファクタリングの場合は利用しても負債を増やすことはなく、貸借対照表のスリム化を目指した使い方をすれば企業価値を高めることも可能となります。
ファクタリングはその特徴を活かした使い方をするのも大切ですが、「危険な使い方」をしてしまわないように気をつけることも必要です。特に難しいポイントはありませんが、メリットを活かした使い方と併せて「危険な使い方」にも目を通していただくことで、ファクタリングによる資金調達の安全性をより高められるはずです。
売掛債権を売却する申込先を選ぶ際には、「手数料」に注目してしまうのは致し方ありません。手数料は資金調達額に直結する要素であり重要なポイントであるのは確かですが、その他の諸費用の請求は行われていないか、必要なタイミングまでに買取契約が行えそうかなども確認しておく必要があります。他にもファクタリング会社ごとに買取可能な債権の額も違いますので、少額・高額債権の売却時には確認しておくことで使い方の失敗を防ぐことができます。
手数料は安くとも、諸費用が高ければ手元に入るお金は少なくなります。また必要なタイミングに現金を手にすることができなければ、本当の意味で資金調達に成功することはできなくなってしまうなど、手数料だけに注目した使い方をせずに、それ以外の要素にも少し気を配ることが大切です。
ファクタリングは売掛先に対して売掛金の譲渡に関しての通知を行うかどうかが選択可能であり、通知を行わない場合は「2社間ファクタリング」、通知を行う契約方法を「3社間ファクタリング」と呼びます。3社間ファクタリングは手数料が低くなり審査通過しやすいというメリットがありますが、売掛先への通知が企業間の関係に悪影響を及ぼさないかを判断した上で選択する必要があります。また売掛先からファクタリング会社への支払いをお願いするなど若干の負担をおかけすることにもなりますので、特に3社間ファクタリングを利用する際には売掛先を意識した使い方が必要かも知れません。
一見すると好条件な契約内容が提示されたとしても、融資と判断されかねない条件が含まれていた場合、その契約は「一般的なファクタリング」とは言えません。金融庁が注意喚起を行っている闇金融によるファクタリングを装った違法な貸付けに捕まってしまうと、高額な費用請求などが行われる危険があります。そうならないためにも、融資に該当する契約内容ではないかをしっかりと確認した上で契約するという、慎重な使い方を心がけることが重要です。
ファクタリングを資金調達に活かすためには、「メリットを活かした使い方」と「危険な使い方」を両方理解することが近道となります。正しい使い方ができれば、中小企業や個人事業主にとってファクタリングは、資金調達の強い味方となるに違いありません。
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