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ファクタリングコラム
2024年10月11日
目次
売掛債権を業者へ譲渡することで、現金を得られるサービスがファクタリングです。
近年では、国内でも注目を集める資金調達手段であり、取り入れている企業・事業者も少なくありません。
しかし、ファクタリングの利用にあたって、どのような勘定科目で仕訳すべきなのかわからない方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、ファクタリングの仕訳について、勘定科目や会計処理に関する内容を解説します。
どのようなファクタリングをするかによって、仕訳が異なってきます。
・買取型ファクタリング
・保証型ファクタリング
・2社間ファクタリング
・3社間ファクタリング
そこでまずは、仕訳の際に覚えておくべき上記項目について解説します。
買取型ファクタリングは、企業および事業者が保有している売掛債権を買い取ってもらい、早期資金化する方式です。
一般的なファクタリングでイメージするのは買取型であり、勘定科目や会計処理方法のベースとなるでしょう。
売掛債権が支払われる前に資金調達が可能となるため、資金繰りに困窮している企業・事業者にとっては、重宝される資金調達手段です。
売上が出ているにも関わらず、売掛債権の支払いサイトが長いために手元資金が不足していると、事業の成長は望めません。
そこで買取型ファクタリングを利用して、早期的な資金調達を実現し、円滑な事業運用を行います。
保証型ファクタリングは、売掛先の代わりにファクタリング会社が売掛金を支払ってくれる方式です。
売掛先が倒産すると不良債権となってしまい、ファクタリング会社へ譲渡が不可になります。
そのため、倒産や経営状態が不振な売掛先の債権を保証型ファクタリングによって買い取ってもらい、貸し倒れリスクを最小限に抑えるのです。
全ての売掛債権が保証型ファクタリングの利用ができるわけではなく、売掛先の返済能力・信用力が求められます。
保証型とはいえ、場合によっては審査に通らない可能性もある点を覚えておきましょう。
2社間ファクタリングは、依頼側とファクタリング会社の間で取引が行われる契約方式です。
売掛先に通知されることはなく、入金までのスピードが早い点がメリットで、多くの企業・事業者が取り入れています。
ファクタリング会社にとっては、売掛先の経営状態や信用力が詳細にわからないので、手数料が高くなる傾向です。
最近では、オンライン上で取引を完結できるサービスが増えており、人件費の削減を手数料に還元している会社も増えてきました。
3社間ファクタリングは、依頼側・ファクタリング会社・売掛先でやりとりを行う契約方式です。
契約が成立すると、売掛先から直接ファクタリング会社へ売掛金が入金されるため、手間が少なく済みます。
また、売掛先の情報がわかる分、手数料が低い傾向にある点も3社間ファクタリングのメリットです。
入金までの期間が長くなる点や売掛先からの承諾が必要な点はデメリットであるものの、利点も多いため、活用している企業・事業者も少なくありません。
ファクタリング利用時の勘定科目や仕訳について解説します。
それぞれにおいて、売掛金発生時・ファクタリング契約時・ファクタリング会社から入金時で処理が必要になるので、正しく理解しておきましょう。
まずは2社間ファクタリングの勘定科目・仕訳についてです。
売掛金は300万円、手数料は10%発生したとして30万円発生したと仮定して進めていきましょう。
取引先へサービスを提供すると、売掛債権が発行されます。
そして売掛金が発生した場合には、以下のような勘定科目・会計処理が行われます。
・借方:売掛金300万円
・貸方:売上300万円
続いて、ファクタリングを契約した際の勘定科目・仕訳についてです。
ファクタリング契約時に現金は入金されておらず、勘定科目は未収入金として扱われます。
・借方:未収入金300万円
・貸方:売掛金30万円
契約後、売掛金から手数料が引かれた分がファクタリング会社から入金されます。
このとき、ファクタリング会社からの入金は普通預金とし、手数料の勘定科目は売上債権売却損としてください。
・借方:普通預金270万円・売上債権売却損30万円
・貸方:未収入金300万円
2社間ファクタリングで即日入金に対応している業者も多いため、どのような勘定科目があるのかを見ていきましょう。
売掛金発生時は、共通して通常の会計処理を行ってください。
・借方:売掛金300万円
・貸方:売上300万円
即日入金された場合のファクタリングは、将来的に入金される勘定科目である未収入金の記載が不要です。
そのため、会計処理を省いて以下のような形で記載ができます。
・借方:普通預金270万円・売上債権売却損30万円
・貸方:売掛金300万円
3社間ファクタリングの勘定科目・仕訳については、即日入金されない場合の2社間ファクタリングと流れは同じです。
売掛金発生時は、
・借方:売掛金300万円
・貸方:売上300万円
となり、契約時は、
・借方:未収入金300万円
・貸方:売掛債権300万円
そして、ファクタリング会社からの入金で
・借方:普通預金270万円・売上債権売却損30万円
・貸方:未収入金300万円
上記のような流れになります。
買取型と比べ、保証型ファクタリングの記載すべき項目は若干異なります。
では、買取型と同様に売掛債権が300万円・手数料が3万円だった場合に、どのような勘定科目・仕訳をすればいいのか見ていきましょう。
保証型では、ファクタリング会社に保証料(実質的な手数料)を支払う形になります。
売掛金の回収が可能であった場合、記載すべき項目は、上記の保証料のみです。
・借方:3万円
・貸方:3万円
もし売掛金の回収が不可能だった場合には、ファクタリング会社から支払いが行われるため、以下のような流れになります。
・借方:貸倒損失300万円・普通預金300万円
・貸方:売掛債権300万円・雑収入300万円
流れの順番としては、売掛債権が回収不能になった処理を行い、その後にファクタリング会社から支払われた分を雑収入として仕訳を行います。
ファクタリングを仕訳する際、以下の点に注意すべきです。
・手数料の勘定科目は売掛債権売却損
・ファクタリングに消費税は発生しない
・決算期末をまたぐ入金は売上に税金が課税される
それでは、それぞれの注意点について詳しく解説しましょう。
ファクタリングにおける手数料の勘定科目は、基本的に売掛債権売却損とすれば問題ありません。
中には、雑損失や支払い手数料、割引料とする企業・事業者もいますが、どちらも同じ意味合いとして捉えることができます。
会計ソフトに上記項目があるかどうかで、適切なものを選択してください。
ファクタリングの取引で気になるのは、消費税は発生するのかどうかという点でしょう。
結論からいうと、ファクタリングに消費税は発生しません。
ファクタリングは売掛債権を譲渡する取引であり、非課税に該当します。
仮に消費税が発生するという旨で案内された場合は、悪質・違法業者である可能性が高いので注意しましょう。
また、債権譲渡登記が必要な場合は、登録免許税が発生します。
ファクタリング会社によって債権譲渡登記が必要かどうかが変わるので、登録費用には税金が発生するものとだけ覚えておいてください。
もしファクタリング契約から入金までに決算期末をまたぐ場合には、売上に税金が課税されます。
そのため、現金化されるよりも先に消費税・法人税の支払いをしなくてはならないため、手元資金については十分に注意しておきましょう。
ここでは、ファクタリングの勘定科目についてよくある質問をまとめました。
売掛債権の売却がファクタリングである以上、負債には分類されません。
借入や融資だった場合には、負債として記述が必要なので、両者の違いを理解しておきましょう。
そもそもファクタリングの返済は分割できないので、勘定科目以前に契約の見直しが必要です。
本当にファクタリングとして契約しているのか、実質的な貸金に該当しないかなどを調べてください。
分割返済可能と説明された場合には、悪質・違法業者と契約している可能性があるので、契約はしないほうがいいでしょう。
今回はファクタリングの勘定科目について、仕訳や会計処理の方法や注意点を解説しました。
ファクタリングの手数料は売上債権売却損として処理し、契約時・入金時での流れを理解してもらえたはずです。
勘定科目や仕訳は覚えるのが難しいものの、ファクタリングしたことを明確にする上で必要になります。
ぜひ本記事を参考にして、ファクタリングの正しい仕訳を身につけていきましょう。
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