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ファクタリングコラム

2社間ファクタリングのメリットとは?仕組みやデメリットも解説

ファクタリング

2025年8月18日

ファクタリングには、主に「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」のどちらで契約するかが選べます。
しかし、初めて利用する方にとっては、どちらが自社に最適なのかわからない場合も多いでしょう。

そこで本記事では、2社間ファクタリングのメリットや仕組み、デメリットについて解説します。
本記事を読めば、自社に2社間ファクタリングが適しているかどうかがわかるので、ぜひ参考にしてください。

2社間ファクタリングとは

2社間ファクタリングとは、依頼主とファクタリング会社の間で売掛債権の売買を行う契約方式です。
依頼主・ファクタリング会社の間に売掛先が介入する場合は、3社間ファクタリングと呼ばれ、契約方式や手続きの流れが変わります。

2社間ファクタリングでは、手続きの簡易さやさまざまなメリットから、利用者は3社間ファクタリングよりも多いのが特徴です。

2社間ファクタリングの仕組み

ここでは、2社間ファクタリングの仕組みについて詳しく見ていきましょう。2社間ファクタリングは、依頼主とファクタリング会社の2者間だけで資金調達が完結する仕組みであり、売掛先に通知する必要がないため、取引先に知られずに資金を早期に確保できる点が大きな特徴です。

まず、依頼主がファクタリング会社へ売掛債権売却の依頼を行うところから始まります。この時点で依頼主は、売掛金を現金化するために必要な情報や書類を準備します。提出する書類には、売掛債権の内容や取引先との契約書、請求書などが含まれ、これらをもとにファクタリング会社は売掛先の信用調査を行います。信用調査では、売掛先が期日通りに支払う能力があるか、過去の取引履歴に問題はないかといった点が確認されます。問題がなければ、正式に契約が締結されます。

契約が締結されると、ファクタリング会社から依頼主へ、売掛債権額から手数料を差し引いた分の現金が振り込まれます。2社間ファクタリングの大きな特徴は、売掛先を介さないことです。そのため、売掛先から依頼主への入金は通常通り支払い期日まで行われ、依頼主の指定銀行口座に一度振り込まれる仕組みになっています。

依頼主は売却した売掛債権が口座に入金されたら、その金額をそのままファクタリング会社へ送金します。この手順を守ることで、契約通りの資金移動が安全に行われ、双方のトラブルを避けることができます。

まとめると、2社間ファクタリングの基本的な流れは以下の通りです。

・ファクタリング会社から依頼主へ「売掛債権額−手数料」が送金される
・売掛先から依頼主へ「売掛債権額」が支払われる
・依頼主がファクタリング会社へ「売掛債権額」を送金する

このように、2社間ファクタリングは売掛先に通知せずに資金調達が可能であり、手続きが比較的簡単でスピーディーに資金を確保できる点がメリットです。初めて利用する場合でも、流れを把握しておくことで、契約や送金の手順で迷うことなく安心して利用できます。

2社間ファクタリングを利用するメリット

では、2社間ファクタリングにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

・比較的手続きが簡単
・入金までが早い
・取引先に通知されない
・費用の返還を求められない
・自社の経営状態が不振でも利用できる
・キャッシュフローの改善
・個人事業主・フリーランスも利用できる

それぞれのメリットについて、詳しく解説します。

比較的手続きが簡単

融資と比べると、2社間ファクタリングは手続きが比較的簡単である点が大きな特徴です。銀行融資やビジネスローンなどの従来型の資金調達手段では、審査に時間がかかり、提出書類も多岐にわたることが一般的です。たとえば、過去数年分の決算書や税務申告書、会社の財務状況を詳細に示す資料などを準備する必要があり、審査の結果が出るまで数週間から数ヶ月を要するケースも少なくありません。

しかし、2社間ファクタリングの場合は、売掛債権を担保に資金を調達する仕組みであり、依頼主の信用よりも売掛先の信用力を重視して審査が行われます。そのため、従来の融資に比べて審査プロセスがシンプルで、手続きの負担も大幅に軽減されます。さらに、最近のファクタリングサービスでは、提出が必要な書類の数も以前より減少しており、請求書や契約書のコピー、口座情報といった基本的な資料だけで申し込みが完了するケースが増えています。これにより、資料の準備に時間をかける必要もほとんどなく、短時間で資金調達の申し込みを完了できるのです。

このような手軽さにより、資金が必要なタイミングで迅速に申し込めるという点は、2社間ファクタリングの大きなメリットとなります。特に、資金繰りがタイトな中小企業や急な支出が発生した場合でも、手続きが簡単であるため、必要な資金を素早く確保できます。さらに、初めてファクタリングを利用する企業にとっても、申請手続きのハードルが低いため、安心して導入できる点も魅力です。

このように、従来の融資と比べて手続きが簡略化されていること、提出書類が少なくて済むこと、そして申し込みから入金までのスピードが早いことが、2社間ファクタリングの大きな利点といえるでしょう。

入金までが早い

2社間ファクタリングは、売掛先と直接やり取りを行わないという特徴があるため、資金が手元に入るまでのスピードが非常に早い点も大きなメリットです。通常の売掛金回収では、売掛先からの入金を待つ必要があり、取引先の支払いサイクルや検収期間によっては数週間から数か月かかることもあります。しかし、2社間ファクタリングでは売掛先に通知せずに資金を現金化できるため、入金までの期間を大幅に短縮することが可能です。

最短で即日中に審査から入金まで完了できるファクタリング会社も存在しており、スピーディーに資金を確保したい場合に非常に有効です。多くのケースでは、遅くとも3営業日以内には手元に現金が届くため、急な資金ニーズにも柔軟に対応できます。このスピード感は、銀行融資やビジネスローンでは実現しにくく、特に中小企業や個人事業主にとって大きなメリットといえます。

例えば、設備や機器の故障、製造ラインのトラブル、突発的な大口発注への対応など、突然の支出が発生した場合には、ファクタリングによる即時の資金確保が非常に役立ちます。支払いを遅らせることで損失や機会損失が発生するリスクを回避し、事業活動を継続できる点も大きな利点です。また、資金繰りが厳しい状況でも、売掛先に迷惑をかけずにキャッシュフローを改善できるため、信用関係を維持しながら安全に資金調達できる点も特徴です。

このように、2社間ファクタリングは、入金のスピードの速さと即時性が最大のメリットであり、突発的な資金ニーズや緊急支出への対応策として非常に有効な資金調達手段であるといえます。

取引先に通知されない

2社間ファクタリングは、依頼主とファクタリング会社の間でのみ資金取引が行われるという特徴があります。そのため、売掛先や取引先にファクタリングの利用が通知されることは基本的にありません。通常の資金調達方法である銀行融資や3社間ファクタリングでは、売掛先に資金調達の事実が伝わるケースもあるため、取引先に「資金繰りが厳しいのではないか」という印象を与えてしまう可能性があります。

企業によっては、ファクタリングの利用が外部に知られると、「業績不振や資金ショートのリスクがある」と誤解され、取引先との信頼関係に影響が出てしまうことも考えられます。特に新規取引先や長期契約を結ぶ際には、こうした誤解が契約交渉にマイナス影響を与えることもあり、経営上のリスクとして意識しておく必要があります。

この点を避けたい場合には、2社間ファクタリングの利用がおすすめです。2社間ファクタリングは、売掛先に通知せずに資金を現金化できるため、取引先に資金繰りの状況を知られることなく、手元資金を確保できます。結果として、企業は信用を維持しながら、急な支払い対応や設備投資、運転資金の補填などに柔軟に資金を活用できるというメリットがあります。

また、2社間ファクタリングは手続きが比較的簡単で、審査スピードも早いため、資金が必要なタイミングで迅速に申し込むことが可能です。売掛先に通知されない安心感と、迅速な資金調達が両立できる点は、特に中小企業やスタートアップ企業にとって大きな利点といえるでしょう。

費用の返還を求められない

2社間ファクタリングでは、**償還請求権なし(ノンリコース)**の契約が基本となっています。この「償還請求権」とは、万が一売掛先から債権回収ができなくなった場合に、依頼主がファクタリング会社に対して売掛債権の金額返還を求めることができる権利のことを指します。通常の金融取引では、この権利が付与されることもありますが、2社間ファクタリングではこの償還請求権を設定せず、リスクをファクタリング会社に移転する形で契約が進められるのが一般的です。

そのため、契約締結後に売掛先が何らかの理由で債務不履行を起こしたとしても、依頼主はファクタリング会社に対して返金や追加費用の支払いを求められることはありません。たとえば、売掛先が倒産して入金不能となった場合でも、依頼主に返金義務が生じないため、資金繰りの安定化に非常に役立ちます。この仕組みにより、ファクタリングは売掛債権の支払い回収リスクに備えた資金調達手段としても活用されているのです。

実際に、建設業や製造業、ITサービス業など、売掛金の入金まで時間がかかる業種では、売掛先の支払遅延や倒産リスクが資金繰りを圧迫することがあります。こうした状況で、償還請求権なしの契約を選ぶことで、依頼主は安心して資金を確保でき、手元資金の不足や突発的な支出への対応にも柔軟に動けます。

また、償還請求権なしの2社間ファクタリングを利用することで、依頼主は売掛債権の回収リスクをファクタリング会社に移すことができるため、万が一のトラブル発生時でも経営上のダメージを最小限に抑えられます。この点は、資金繰りに余裕を持たせたい中小企業や、複数の大口案件を抱える企業にとって大きなメリットです。

つまり、2社間ファクタリングにおける償還請求権なしの契約は、依頼主にとって資金調達とリスクヘッジを同時に行える安全な手段であり、売掛債権の回収リスクに備えるうえで非常に有効な方法であるといえます。

自社の経営状態が不振でも利用できる

2社間ファクタリングの審査では、依頼主である自社の経営状態よりも、売掛先の信用力を重視する傾向があります。これは、2社間ファクタリングが売掛債権を現金化する仕組みであり、最終的な回収リスクを売掛先に求めるためです。そのため、たとえ自社が赤字決算であったとしても、売掛先の信用力が十分であれば資金を調達できるという大きなメリットがあります。赤字や経営が不安定な企業にとって、通常の銀行融資では審査が通らず資金調達が難しいケースも多いですが、2社間ファクタリングであれば比較的柔軟に対応可能です。

もちろん、自社の経営状態が全く審査に影響しないわけではありません。依頼主の財務状況や過去の取引履歴、債務の有無などは一定程度チェックされます。そのため、日頃から帳簿や決算書の整備、未払い債務の整理など、自社の経営状態をできるだけ良好に保つ努力は重要です。これにより、スムーズに審査を通過できる可能性が高まります。

ただし、注意すべき点として、資金繰りに困窮している状況が続くと、銀行や金融機関からの追加融資が受けられなくなる可能性があります。通常の融資が断られると、新規案件の受注や人件費・資材費の支払いなど、事業運営に支障をきたすリスクがあります。こうした状況でも、売掛先の信用力が高ければ、2社間ファクタリングを活用することで迅速に資金を確保でき、資金繰りを安定させることが可能です。

さらに、2社間ファクタリングは手続きが比較的簡単で、審査も売掛先重視で行われるため、赤字や経営悪化の影響を最小限に抑えつつ、必要なタイミングで資金を調達できる点も大きなメリットです。依頼主は売掛先の信用状況を見極めたうえで活用すれば、急な支払いにも対応でき、事業運営のリスク管理にもつながります。

キャッシュフローの改善

2社間ファクタリングは、企業のキャッシュフロー改善に大きく役立つ資金調達手段のひとつです。特に、売上自体は順調に上がっているにも関わらず、手元資金が不足しているために新規販路の開拓や仕入れの拡大ができない、といったケースでの活用が有効です。資金繰りが滞ることで成長の機会を逃してしまう前に、売掛債権を現金化することで、必要なタイミングで迅速に資金を確保できる点は大きなメリットです。

さらに、ファクタリングは売掛債権という有価証券の売却を通じて資金を得る仕組みであるため、銀行融資や借入のように負債として計上されません。この特徴により、財務諸表上は借入金が増えず、バランスシートをスリム化した状態を維持できます。融資を受けると総資産や負債が増えるため、見た目上の財務健全性に影響する場合がありますが、ファクタリングは資金調達を行いつつ、経営の健全性を保つことが可能です。

具体的には、売掛金が回収される前に必要な資金を確保できるため、仕入れの先行投資や人件費の支払い、広告宣伝費の投入など、成長戦略に必要な資金活用を柔軟に行えます。また、手元資金を安定させることで、取引先との信用を維持しつつ、突発的な支出や急な案件にも対応しやすくなる点も大きな利点です。

このように、2社間ファクタリングはキャッシュフローを改善しつつ、見た目上の健全経営を維持できる非常に有効な手段であり、特に成長途上の企業や中小企業にとっては資金繰りと経営安定の両方に貢献する資金調達方法といえます。

個人事業主・フリーランスも利用できる

最近では、個人事業主やフリーランスの方でもファクタリングを利用できる環境が整ってきました。従来、ファクタリングは主に中小企業や法人向けの資金調達手段として活用されることが多く、個人事業主やフリーランスが利用するのは難しいとされてきました。しかし、最近のサービスでは、小額の売掛債権でも買い取ってもらえるようになり、より幅広い事業者の資金ニーズに応えられるようになったことが特徴です。

例えば、月末の支払いに備えて10万円程度の手元資金を確保したい場合を考えてみましょう。このような少額の資金ニーズでも、個人事業主やフリーランスを対象に対応しているファクタリング会社を利用すれば、売掛債権を現金化してもらうことが可能です。これにより、急な支出や仕入れ、広告宣伝費などの資金補填にも柔軟に対応でき、事業運営の安定化に役立ちます。

また、個人事業主やフリーランス向けのファクタリングは、基本的に2社間ファクタリングの形で提供されているケースがほとんどです。2社間ファクタリングでは売掛先に通知する必要がないため、依頼主の信用情報や資金状況を知られずに資金調達できるという安心感があります。これは、取引先との関係を維持しながら資金を確保したい個人事業主やフリーランスにとって非常に大きなメリットです。

つまり、最近のファクタリングサービスの進化によって、個人事業主やフリーランスでも少額の売掛債権を現金化できるようになり、企業の資金ニーズにも柔軟に対応できるようになったと考えられます。小規模な事業者でも、手元資金を効率的に確保し、事業の成長や安定運営に活用できる手段として、ファクタリングの需要は今後ますます高まっていくでしょう。

2社間ファクタリングを利用するデメリット

一方、2社間ファクタリングには以下のようなデメリットもあります。

・継続的な利用は全体収益の損失に繋がる
・売掛先にファクタリングの通知が行われるケースがある
・信用を損ねる可能性がある
・ファクタリング会社ごとに買取可能額が決まっている

では、それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。

継続的な利用は全体収益の損失に繋がる

いくら2社間ファクタリングが資金調達のスピードや柔軟性に優れているとはいえ、継続的に利用し続けることには注意が必要です。ファクタリングは便利な資金調達手段ですが、利用のたびに手数料が必ず発生します。この手数料は売掛債権の額に応じて一定割合が引かれるため、本来であれば得られるはずの売掛金全額を手元に入れることはできません。そのため、ファクタリングを頻繁に利用すると、全体的な収益が徐々に圧迫される可能性があります。

たとえば、売掛債権100万円をファクタリングに出す場合、手数料が10%であれば、実際に受け取れる資金は90万円に減少します。この差額が積み重なると、年間で見ればかなりの金額が手元から失われ、事業全体の利益やキャッシュフローに影響を与えることになります。特に利益率が低い業種や資金繰りが厳しい中小企業では、手数料負担が経営を圧迫するリスクが高くなります。

そのため、2社間ファクタリングはあくまで一時的な資金調達手段として捉えることが重要です。急な支出や一時的な資金不足を補うために活用し、長期的に依存することは避けるべきです。また、利用する際は手数料の割合や入金までのスピードを事前に確認し、本当に必要な分だけを利用することで、無駄なコストを抑えながら資金調達を行うことができます。

不要な利用を控え、計画的に活用することで、2社間ファクタリングは短期的な資金繰りの改善に非常に役立つ便利な手段となります。事業の健全な経営を維持するためにも、利用の頻度やタイミングには十分に注意しましょう。

売掛先にファクタリングの通知が行われるケースがある

正当に取引できている場合には問題ありませんが、場合によってファクタリングをしている事実を取引先に通知されてしまう可能性があります。
ケースとしては、主に以下の2通りです。

・売掛先が債務不履行を行った
・自社が債務不履行を行った

特に、取引先が債権を支払ったにも関わらず、自社がファクタリング会社へ送金しないとなると、取引先から信頼を失う可能性は非常に高いです。
2社間ファクタリングを利用する際は、債権の管理は徹底して行いましょう。

信用を損ねる可能性がある

ファクタリングを利用している事実が取引先に知られてしまうと、自社の信用を損ねる可能性があります。これは、取引先側が「この企業は資金繰りに困窮しているのではないか」と判断してしまう場合があるためです。特に長期契約や大口取引を行っている場合、資金面の不安が伝わることで、取引条件の変更や契約更新の際にマイナスの影響が出ることも考えられます。

また、ファクタリングの利用は外部から見ると「資金不足の緊急手段」と受け取られやすいため、信頼関係が十分に構築されていない取引先ほど、その印象を強く持たれるリスクがあります。取引先との関係がまだ浅い場合や、新規取引先との契約においては特に注意が必要です。

もしもの事態に備えるなら、まず日頃から取引先との信頼関係を十分に築いておくことが重要です。信用ある取引履歴や定期的なコミュニケーションを通じて、企業としての安定性を伝えておくことで、ファクタリングの利用が外部に知られた場合でもネガティブな印象を最小限に抑えられます。

さらに、ファクタリングの種類を選ぶことも有効な対策です。具体的には、売掛先に通知が行く3社間ファクタリングではなく、売掛先に通知が不要な2社間ファクタリングを利用することで、取引先に知られずに資金を確保することが可能です。これにより、急な資金ニーズに対応しつつ、取引先との信用を維持することができます。

このように、ファクタリングの利用に伴うリスクを最小限に抑えるためには、信頼関係の構築と適切なファクタリングの選択が重要です。必要に応じて、どの手段が自社に最も適しているかを検討し、計画的に活用することが、企業経営の安定にもつながります。

ファクタリング会社ごとに買取可能額が決まっている

ファクタリングを利用する際のデメリットのひとつとして、ファクタリング会社によって買取可能な売掛債権の金額に上限や下限が設定されている点が挙げられます。これは、各社の資金力やリスク許容度に応じて設定されており、自社が希望する売掛債権の全額を買い取ってもらえないケースも存在します。たとえ、自社にとって最適な条件や手数料率のサービスを提供している会社を見つけたとしても、買取不可能な債権しか保有していなければ、利用を断念せざるを得ない場合があります。

例えば、売掛債権の金額が非常に大きい場合、ファクタリング会社の買取上限を超えてしまうことがあります。また、少額の売掛債権しかない場合は、逆に買取下限を下回り、申し込み自体が受け付けられないケースも考えられます。このように、自社の保有する売掛債権の規模と、ファクタリング会社の買取条件の適合性は、資金調達の可否に直接影響します。

そのため、ファクタリング会社を選ぶ際には、単に手数料や入金スピードだけで判断するのではなく、自社の売掛債権の金額を確実に買い取ってもらえるかどうかも重要な判断基準として考慮する必要があります。事前に買取可能額の範囲を確認し、自社の資金ニーズに合致する会社を選ぶことで、資金調達の失敗リスクを減らし、計画的にキャッシュフローを改善することが可能です。

このように、ファクタリング会社の買取条件は利用にあたっての重要なポイントであり、注意深く比較検討することが、企業の安定した資金運用に直結するといえるでしょう。

2社間ファクタリングを利用する際の注意点

2社間ファクタリングを利用する際は、以下の点に注意しましょう。

・債権譲渡登記の申請が必要になる可能性がある
・売掛債権の送金は自社で行う
・悪質・違法業者に注意

それぞれの注意点を理解し、正しくファクタリングを利用してください。

債権譲渡登記の申請が必要になる可能性がある

2社間ファクタリングを提供する会社の中には、債権譲渡登記の申請が必要になる場合があります。債権譲渡登記とは、売掛債権を第三者に譲渡した事実を公的に登記する手続きのことで、これによりファクタリング会社は譲渡した債権に関して第三者に対して権利を主張できる、いわば対抗要件を確保することができます。つまり、ファクタリング会社側にとって、債権の回収権を保護するためのメリットがある手続きです。

債権譲渡登記の申請は、会社ごとの規定や契約条件によって義務付けられる場合と、任意で行われる場合があります。しかし、登記を行う場合には登録免許税や手数料などの費用が発生するため、事前に確認しておかないと、想定外のコストがかかってしまうこともあります。特に、複数の売掛債権をまとめてファクタリングする場合や、高額の債権を譲渡する場合は、登記費用が無視できない金額になることもあるため注意が必要です。

また、債権譲渡登記が必要かどうかは、契約書に明記されていることが多いので、2社間ファクタリングを利用する前に契約条件や会社規定をしっかり確認しておくことが重要です。事前に確認しておくことで、手続きや費用に関するトラブルを避けつつ、安心して資金調達を進めることができます。

このように、2社間ファクタリングを利用する際には、債権譲渡登記の必要性や費用負担の有無を事前に把握しておくことが、安心で計画的な資金運用につながります。ファクタリング会社との契約前にしっかり確認しておくことで、余計な費用や手続きの手間を避け、スムーズに資金調達を行うことが可能です。

売掛債権の送金は自社で行う

売掛先から売掛金が入金されたら、自社がファクタリング会社へ送金する必要があるのも、2社間ファクタリングの注意点です。
3社間では、売掛先が直接ファクタリング会社へ送金するので、上記のような手間はありません。

売掛債権の管理を疎かにしていると、本来ファクタリング会社へ送金するはずの売掛金を使用してしまう事態が発生します。
正当な取引を行えるように、売掛債権および売掛金の管理は徹底するようにしてください。

悪質・違法業者に注意

ファクタリングを装って悪質・違法契約を行う悪徳業者がいるので注意しなくてはいけません。

・契約書・約款を必ず見せてもらう
・貸付という言葉があれば契約しない
・契約内容を細部まで確認する
・ファクタリングで担保・保証人は不要
・手数料は30%以上は契約しない

上記の点を意識すれば、悪徳業者に騙される可能性は格段に下がるはずです。
金融庁でもファクタリングに関する悪徳業者について注意喚起しているので、気になる方はチェックしてみてください。

2社間ファクタリングのメリットに関するQ&A

ここでは、2社間ファクタリングのメリットに関してよくある質問をまとめました。

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングはどちらがおすすめですか?

企業によって適切なファクタリングが異なるため、一概にどちらがおすすめとはいえません。
審査のスピードや入金までの早さを重視するなら2社間ファクタリング、手数料の低さを考えるなら3社間ファクタリングが適しているでしょう。

2社間ファクタリングが利用できない業種はありますか?

売掛債権がない事業は2社間ファクタリングは利用できません。
逆に売掛債権があれば、どのような業種にも限らず利用可能です。
ただし、ファクタリング会社によってはナイトワーク系の業種はNGと表記している場合があるので、該当する場合は利用する前に確認しておきましょう。

2社間ファクタリングで複数の会社と取引できますか?

複数の会社と取引可能です。
ただし売掛債権1つにつき1社のみ取引ができる点は理解しておいてください。
売掛債権1つで複数社と取引した場合は、二重譲渡になり法律に違反することになるので注意しましょう。

2社間ファクタリングのメリットまとめ

今回は、2社間ファクタリングのメリットを中心に、デメリットや仕組みについても詳しく解説しました。2社間ファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社に譲渡することで、融資とは異なる形で資金を確保できる便利な手段です。その特徴として、審査から入金までのスピードが非常に早い点や、売掛先に通知されることなく資金調達が可能である点が挙げられます。これにより、資金繰りに余裕を持たせつつ、取引先との関係性を維持しながら必要な資金を迅速に確保することが可能です。

特に、急な仕入れや設備投資、人件費の支払いなど、突発的な資金ニーズに対応する場合には、2社間ファクタリングは非常に有効です。さらに、融資とは異なり負債計上が不要であるため、バランスシート上の見た目を損なわず、財務の健全性を維持しながら資金を確保できるという点も大きなメリットです。

ただし、便利な反面、手数料が発生する点や、利用可能な売掛債権の上限がある点など、デメリットも存在します。こうした特徴や仕組みを理解した上で、自社の資金ニーズや売掛債権の状況に応じて適切に活用することが重要です。2社間ファクタリングは、短期的な資金繰りの改善には非常に効果的な手段であり、事業成長や安定経営を支える一つの選択肢として考えることができます。

ぜひ本記事を参考に、2社間ファクタリングの仕組みやメリット、デメリットをしっかり理解し、自社にとって最適な資金調達手段であるかどうかを判断してみてください。資金繰りの安定化と事業成長の両立に役立つ知識として、今後の経営戦略にも活用できるはずです。

 

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