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ファクタリングコラム
2023年7月28日
目次
ファクタリングは売掛債権の売買によって支払いサイクルを短縮し、資金確保を円滑にするサービスです。
利用側にとってはつなぎ資金や緊急的な資金調達を可能にする心強いサービスではあるものの、提供側にとっての利益は不明瞭で疑問に思う方もいるかもしれません。
そこで今回は、ファクタリング会社はどのように利益を出しているのか、その仕組みについて解説します。
ファクタリング会社の主な利益は売掛債権を譲渡してもらう際に発生する手数料です。
そのため、ファクタリングを利用する際は必ず売掛債権から手数料が引かれた金額を依頼主へ渡すことになります。
では、手数料の内訳がどのようになっているのかを見ていきましょう。
まず、手数料は実費と回収リスクの2つに分かれます。
実費についてはさまざまで、
・債権譲渡登記
・審査
・契約手続き
以上のような業務に対して発生する費用です。
一方、回収リスクについては、売掛先から債権の回収が不能だった場合の負担を請け負うリスクを指します。
例えば、ファクタリングの取引成立後、売掛先が倒産してしまった場合は売掛債権の損失をファクタリング会社が負います。
買い取った売掛債権がそのままマイナスになるのを避けるため、回収リスクとして手数料を取るのがファクタリングの仕組みです。
保証型ファクタリングを行っている場合、保証料を利益としている業者も存在します。
保証型ファクタリングは、一般的な買取型ファクタリングでいうところの手数料に相当するので、仕組みとしては変わりません。
売掛先の倒産リスクがある、あるいは回収できない可能性をふまえて、保険として取引するのが保証型ファクタリングです。
さまざまな取引方法はあるものの、実費・回収リスクを含めた手数料でファクタリング会社は利益を得ていると覚えておきましょう。
2社間契約・3社間契約のどちらで取引を行うかによって、ファクタリング会社の利益率は異なります。
では、それぞれでどのような利益率になるのかを見ていきましょう。
2社間契約は、依頼主とファクタリング会社でのみ取引を行う契約方式です。
売掛先が介入しない分、資金調達速度は早いものの、回収リスクが高くなるので手数料が高くなります。
利益率でいうと、売掛債権のおおよそ10%〜30%となっており、1,000万円の債権なら100万円〜200万円が利益率といえるでしょう。
ただし、最近では審査をスコアリング化して人件費を削減することで、手数料を低く設定しているファクタリング会社も多いです。
手数料は1〜10%で提供しているところもあり、利益率を低くして取引数を多くする試みが見られます。
3社間契約は、依頼主・ファクタリング会社・売掛先で取引を行う契約方式です。
売掛先とファクタリング会社がやりとりをするので、回収リスクがある程度判断できる点から手数料が低く設定される傾向にあります。
手数料は1%〜10%とファクタリング会社にとっては低い利益率にはなるものの、リスクが低い点では損失は少なく済むでしょう。
例えば、1,000万円の売掛債権を3社間契約で取引するとして、審査の結果2%の手数料とします。
そうすると、ファクタリング会社は20万円の利益です。
一見、利益が少ないように見えるものの、回収不能になるリスクが低いため、確実性の高い利益として考えることができます。
ここまで、ファクタリング会社側の利益をお話ししました。
利用者側の視点からすると、手数料が引かれる分、本来受け取れる売掛債権よりも低くなるので、計画的な利用が好ましいです。
現金があると安心できるからという理由で安易にファクタリングを利用し続けると、本来受け取れるはずだった利益が少なくなります。
そうなると、長期的に見て継続した資金枯渇に追われてしまう可能性が高くなるので、おすすめはできません。
ファクタリングは、つなぎ資金や緊急的な資金の調達として利用するのが好ましいです。
適切な用途を用いるためにファクタリングの利益や仕組みを理解しておきましょう。
正しく利用するなら、ファクタリングはメリットが多く、さまざまな企業・事業主の資金繰り問題を解決します。
では、ファクタリングにはどのようなメリットがあるのかを具体的に見ていきましょう。
ファクタリングは売掛債権の入金期日よりも前にキャッシュを得られるので、早期利益の確保が可能です。
資金繰りが困窮するのは、中小企業・個人事業主の多くが直面する問題です。
特に売上が入金されるまでの間の資金が必要となる場合、ファクタリングは最適な資金調達法になるでしょう。
審査を受ける時間帯にもよりますが、最短即日でキャッシュを得られるのもファクタリングのメリットです。
明日の支払いに必要な資金が不足していることに気づいた、となった場合でも、ファクタリングなら解決できる可能性があります。
融資の場合は数週間かかる可能性を考えると、最短即日でキャッシュを得られるファクタリングは、緊急的な資金不足に対して最も適切な手段といえるでしょう。
ファクタリングは融資ではなく資産の売却に該当するため、銀行や消費者金融に断られてしまった場合でも審査に影響はありません。
どちらかというと、売掛債権の信用度が取引成立に関与しています。
・売掛先の経営状態
・支払いサイト
・売掛先・依頼主の取引履歴
上記のような項目をもとにファクタリング可能かを判断してくれます。
赤字決算や税金滞納をしていても、ファクタリングなら資金調達できる可能性があるので、諦める必要はないでしょう。
ファクタリングは負債として扱われず、貸借対照表上のスリム化が図れます。
貸借対照表がスリム化されると、運営が安定していると評価され、融資を受けやすくなる点がメリットの1つです。
今後、事業拡大や販路開拓によって売掛債権以上の資金調達が必要になった場合を見越して、ファクタリングを利用するのもいいでしょう。
ここでは、ファクタリングの利益に関してよくある質問についてまとめました。
基本的には実費(人件費や事務手数料など)と売掛債権の回収リスクが手数料内に含まれています。
しかし、ファクタリングの手数料は法律によって制限されているわけではないため、回収リスクが高いと判断すれば、相応の手数料が設定される可能性もあるでしょう。
ただし、ファクタリング業界の中で一定の手数料は設定されており、必要以上に高額の場合は違法・悪質業者の疑いがあります。
ファクタリング会社の相場を理解し、適切な範囲内で利用できるファクタリングを検討しましょう。
ファクタリングの活用の仕方次第では自社利益の拡大は大いに狙えます。
ただし、不必要なファクタリングはかえって損失が生まれるので計画的な利用が最適です。
今回はファクタリング会社が利益を出している仕組みについて解説しました。
ファクタリングにおいては手数料・保証料によって利益を出しており、契約方式によって利益率が変わります。
売掛債権の売買をする際は、必ず手数料が発生する点を考えると、闇雲にファクタリングを利用するのは自社の損失につながることがわかるはずです。
必要なときに必要な分だけファクタリングを行うという考えのもと、正しく利用しましょう。
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