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ファクタリングコラム
2024年10月23日
目次
医療系の債権に特化したファクタリングが、医療ファクタリングです。医療ファクタリングとは、診療報酬などの債権をファクタリング業者に売却する資金調達方法です。融資と違い負債を増やすことなくキャッシュフローの改善をはかれます。
医療ファクタリングで取り扱う債権には次のようなものがあります。
・診療報酬債権
・介護報酬債権
・調剤報酬債権
それぞれ医療施設、介護施設、調剤薬局などで使用できる債権です。
医療ファクタリングとは、翌月以降に受け取る医療系の報酬を、その支払日前に受け取ることができるサービスです。
「医療の報酬を受け取る権利」をファクタリング業者へ譲渡し、その対価として現金を受け取ります。
医療費は個人負担の割合が低く、医療を提供した時点で医療者が受け取れる金額は、診療報酬の3割以下です。残りの金額は保険機関へ請求し、支払いを待たなければなりません。
医療の報酬は、請求した翌月の25日から末頃に支払われることが一般的です。
実際に医療や介護のサービスを提供した翌月に報酬の請求をおこない、支払われるのはその翌月となるため、実際の医療提供から支払いまでにおよそ2か月かかります。
しかし医療ファクタリングを利用することで、支払日まで待つことなく現金を入手できます。早い場合には、1か月以上繰り上げて現金を受け取ることが可能です。
医療ファクタリングは、3社間ファクタリングと呼ばれる方法で取引をおこなうことが一般的です。
3社間ファクタリングとは、医療の報酬を支払う人、報酬を受け取る人、債権を譲渡する人の3社でおこなう取引方法です。
医療の報酬を支払う人とは、社保や国保のことです。医療の報酬を受け取る人はファクタリング業者、医療の報酬を譲渡する人はファクタリング依頼者です。
医療ファクタリングを利用する流れは次の通りです。
1.ファクタリング業者にファクタリングの利用(医療の債権譲渡)を申し込む
2.社会保険診療報酬支払基金(社保)・国民健康保険団体連合会(国保)に債権の譲渡を通知する
3.譲渡された診療報酬債権の8割程度から手数料を引いた金額が、ファクタリング業者から依頼者へ支払われる
4.診療報酬の支払日になり、社保・国保からファクタリング業者へ診療報酬が支払われる
5.ファクタリング業者は受け取った診療報酬から前払いした金額(手順3の金額)を引いた残りの金額を依頼者へ支払う
6.取引終了
医療ファクタリングを利用することでさまざまなメリットを受けられます。
医療ファクタリングを利用することで、本来2か月近くかかっていた資金化までの期間を大幅に短縮可能です。
医療ファクタリングは、社会保険診療報酬支払基金・国民健康保険団体連合会へのレセプト提出期限に合わせて利用できます。
医療機関では、医療機器の購入や施設の改修など、一時的に多額の費用がかかることがあります。
融資によって費用をまかなうことも可能ですが、融資は返済の必要があり、利子も支払わなければなりません。
しかし医療ファクタリングを活用することで、多額の資金を負債に頼ることなく得ることができます。
融資の返済は経費には該当しません。
減価償却費と返済額のバランスを考えた時、融資に頼るよりもファクタリングで得た資金を活用した方が良い場合もあります。詳しくは税理士などに相談してください。
融資による資金調達では、利用者の信用力が審査されます。返済能力が信用力に左右されるためです。
開業したばかりのクリニックや、赤字経営が続いているような状況などでは、審査通過は困難です。
しかし医療ファクタリングであれば、利用者の信用力は重要視されないため、経営状況が良くない場合でも審査に通る可能性があります。
ファクタリング業者は利用者へ債権譲渡の対価を支払います。
支払った対価の回収は、社保・国保から診療報酬が支払われることによっておこなわれます。
融資と違い利用者による返済がおこなわれないため、利用者の経営状況が支払った資金の回収に影響を与えません。
そのため、利用者がどのような経済状況であったとしても、審査に通る可能性があるのです。
また、社保や国保は倒産や不渡りを起こす可能性が低く、信用力があります。
そのため、ファクタリング利用の手数料も、一般的なファクタリングに比べて安価に設定されています。
一般的なファクタリングでは、手数料が2%~20%ほどかかります。しかし医療ファクタリングでは1%前後が相場となっており、非常に安価です。
手数料の安さも、ファクタリングが融資よりも活用しやすい理由のひとつです。
医療ファクタリングの申し込みに、担保や保証人は必要ありません。
ファクタリングは金銭の貸し付けではないため、返済の必要がなく、返済を保証する必要がないためです。
融資による資金調達では、借入金額や経営状況などによって、保証を求められることがあります。保証人が居ない場合には、信用保証協会に保証を依頼することもあります。
信用保証協会による保証をつけるには、毎月一定の保証料を支払っていかなければなりません。支出が増え、負担になります。
借入金を返済できなくなった場合には、保証協会が借入金を立て替え、弁済してくれます。しかしその後、利用者は弁済された金額を保証協会へ返済していかなければいけません。
一方ファクタリングであれば、そのような保証をつける必要がなく、安心して活用できます。
ファクタリングには3社間ファクタリングだけでなく、2社間ファクタリングという方法もあります。
2社間ファクタリングとは、ファクタリング業者と利用者の2社でおこなう取引です。
通常、医療ファクタリングは3社間でおこなわれることが一般的です。
しかし医療ファクタリングを提供する業者の中には、2社間での取引に対応している業者もあります。
2社間ファクタリングのメリットは、申し込みから入金までの期間が非常に短いことです。
3社間ファクタリングでは社保や国保と手続きを交わす必要があり、利用開始までに数日かかってしまいます。
しかし2社間ファクタリングであれば、ファクタリング業者と利用者のみの合意・契約で利用できるため、申し込みから入金までの時間が短縮されます。
とくに医療ファクタリングの場合、通常のファクタリングよりも売掛先の信用力が高く、審査が比較的簡単に終わります。そのため、当日中の入金も可能な場合があります。
ただし、2社間ファクタリングの利用には注意点も存在します。
2社間ファクタリングの場合、社保や国保といった診療報酬などの支払元は、ファクタリングの利用を知りません。
そのため支払日になると、請求した診療報酬などは通常通りファクタリング利用者の元へ支払われます。
しかし、その「診療報酬などを受け取る権利」はファクタリング業者が所有しています。
したがって利用者は、社保などから受け取った診療報酬などを、ファクタリング業者へ送金しなければいけません。
ファクタリング業者への送金をおこたった場合、詐欺などの罪に問われることがあります。忘れずに送金するようにしてください。
また、2社間ファクタリングはそのようなリスクに対応するため、手数料が比較的高額に設定されていることもあります。
急ぎの資金調達には2社間ファクタリング、手数料などを抑えたい場合には3社間ファクタリングを利用するなど、使い分けると良いでしょう。
医療ファクタリングは早期に資金調達でき大変便利ですが、注意すべき点も存在します。
ファクタリングを利用しなければ、診療報酬などを医療者が100%受け取れます。
しかしファクタリングを利用することで手数料がかかり、1%前後ではありますが、受け取れる金額が目減りします。
1回の利用ではあまり大きな負担とは言えません。しかしファクタリングの利用が2回、3回と増えていくごとに、その負担は蓄積していきます。
融資を受けた時の利子に比べると安価な場合もありますが、あまりファクタリングに頼り過ぎないよう、利用の際には資金繰りや経営の改善も同時におこなってください。
ファクタリングは本来支払いを受ける日付よりも前に診療報酬などを受け取るサービスです。
ファクタリングを利用すると、資金を受け取った時には金銭的な余裕が生まれます。しかし本来の支払予定日に支払われる診療報酬がなくなり、その時点で再度、資金不足におちいる可能性があります。
資金不足におちいった場合、それを解消するため、ふたたび医療ファクタリングを活用する必要が出てきます。再度利用すると、次の支払予定日にはまた資金不足におちいってしまう恐れがあり、結果としてファクタリングをやめることが出来なくなってしまう可能性があります。
この場合、根本的な経営の改革が必要です。税理士や経営コンサルタントなどに相談し、経営状況の改善やファクタリングの適切な利用を心がけてください。
医療機関や介護施設などで利用できるファクタリングが、医療ファクタリングです。
医療ファクタリングで使用する債権は社保や国保を相手とした債権であり、信用力が高く審査に通りやすくなっています。また、その信用力の高さから、手数料も1%前後と安価にサービスを活用できる可能性があります。
3社間ファクタリングが主流ですが、なかには2社間ファクタリングをおこなっている業者も存在します。
医療系の債権を活用したサービスの利用は、ファクタリング業者までご相談ください。
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