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ファクタリングコラム
2023年7月25日
目次
「運転資金」の確保は会社経営を続けていく上での最重要ポイントです。
運転資金がスムーズに確保できていない状況では企業としての成長も見込めず、状況が悪化した場合には倒産のリスクを感じながらの経営となりかねません。
本稿では改めて理解しておくべき運転資金の基礎情報から、中小企業におすすめの資金調達方法である「ファクタリング」を活用して運転資金を確保するメリット・注意点までをご紹介させていただきます。
企業が通常の経営を続けていくのに必要な資金のことを「運転資金」と呼びます。
我々の普段の生活で考えれば、生きていくために必要となる「生活費」のようなイメージとなるかも知れません。
生活費が不足していたり不安定であったりしては健全な日々を過ごすことは難しくなります。
同様に企業が倒産せず安定した事業を行うためには、安定した運転資金の確保が非常に重要となるのです。
我々の普段の生活に必要な生活費には、毎月の変動が大きくはなくとも必要となる食費や家賃、光熱費などが含まれています。
そして会社経営における運転資金で考えた場合には、「材料費・在庫品の購入費・家賃・光熱費・通信費・人権費」などが含まれていることになります。
これらの費用は事業を継続させるための費用と考えることができ、運転資金が不足しているのは企業にとって最悪倒産など危険な状況ということになるのです。
固定費—事務所などの家賃・人件費・光熱費など
変動費—材料費・燃料費・消耗品費など
運転資金には上記したような固定費と変動費が含まれます。
固定費とは、売上に左右されることがなく毎月ほぼ一定額となる費用のことを指します。
変動費は逆に売上状況の影響を受ける費用を指し、売上が伸びるほどに必要となる費用が増えていく可能性が高まります。
運転資金は通常の経営を続けていくために必要な費用ですが、新しく事業を拡大するための土地代や設備の導入費用、車の購入費などの多くはあるタイミングでのみ必要な費用であり「設備費用」と呼ばれます。
購入後は資産として扱われるものが該当しますが、運転資金には含まれないということを理解しておきましょう。
・経常運転資金—企業が現状の状況を維持しながら経営を行うために必要な費用
・増加運転資金—売上が増加した際に発生する費用(人件費や仕入れ費など)
・減少運転資金—売上が減少している状況で不足してしまう費用
・季節性運転資金—特定の季節やイベント(正月・クリスマスなど)の時期に増加する費用
一般的に運転資金と呼ばれるのは、通常の経営を維持するために必要な「経常運転資金」を指します。
上記以外にも赤字補填資金などもありますが、運転資金と一口に言っても状況によって様々な運転資金が必要となるのです。
「売掛債権+在庫(棚卸資産)-買掛債務=経常運転資金」
経常運転資金の計算は上記した式によって行われます。
売掛債権と在庫は将来的には資金となる予定ではあるものの、現金化前は資金としては扱われません。
また買掛債務は後々支払いを行う必要がありますが、この時点では支払わなくて済むお金ということになります。
これらの差額を計算することで、現状確保しておくべき運転資金額が見えてくるのです。
確保しておくべき運転資金の目安は、経常運転資金の「3ヶ月から6ヶ月分」と言われています。
しかし、企業ごとの売掛債権の回収期間などによっても違い、業種や会社規模の影響も小さくはありません。
会社規模が小さくなるほど、確保しておくべき運転資金の月数は大きくなりますので、中小の企業は3ヶ月分以上の運転資金確保をまずは目指しましょう。
企業にとって運転資金の不足が経営への直接的なダメージとなるのは間違いありません。
また、運転資金が不足するのは事業が上手く進んでいないのが原因と思われがちですが、そうとは限りません。
売上が順調に伸びているのにも関わらず経営が苦しくなる、「黒字倒産」に陥る危険も存在しているのです。
そうならないためにも運転資金を多めに確保しておくことや、タイムリーに資金を用意できる資金調達方法を準備しておくことが大切となります。
黒字倒産が起こる理由の1つとして、売掛債権の支払サイトが長く、回収に時間がかかることが考えられます。
売掛債権の決済が行われるまでは、売上が伸びていても資金にはならずその時点で保有している自己資金で乗り切らなくてはなりません。
しかし支払サイトが長くなるほどに負担が大きくなる可能性があり、耐えきれず黒字倒産となる危険が高まってしまうのです。
売掛債権の黒字倒産になる大きな理由の1つである「売掛債権の支払いサイトの長さ」という問題は、「ファクタリング」を資金調達に利用することでリスク回避が可能となります。
ファクタリングは売掛債権を決済日より早く現金化できる資金調達方法です。
現金化の際には手数料が必要にはなるものの、決済日を待たずに資金に変えられることで運転資金がショートする危険を回避し、黒字倒産のピンチを乗り越えるのに役立ちます。
決済日よりも早く売掛債権が現金化できることが、ファクタリングを利用する大きなメリットです。
しかしこの資金調達方法を利用して運転資金を確保するメリットは他に幾つもあり、特に中小企業の資金繰りに様々な好影響を与えてくれるのです。
ファクタリングを利用すれば、申込から債権を売却し現金化するまでをスピーディーに行うことが可能です。
手続きをスムーズに進めることができれば、最短即日での資金調達も不可能ではなく、多くの場合で1週間以内には債権現金化を終えることができます。
この早さを活かせばタイムリーな資金調達が可能となり、急いで運転資金を用意すべき状況であっても慌てる必要もなくなります。
運転資金の確保に複雑な書類の準備など多くの手間が必要となっては、いくら素早い現金調達が期待できる資金調達方法であっても利用価値が高いとは言えないはずです。
その点、ファクタリングは最小であれば必要な書類は「本人確認書類(免許証など)」「売掛債権の存在を証明する書類(請求書など)」「売掛先との取引実績を示せる書類(取引に利用している口座の通帳コピー)」の3点だけで済みます。
さらにオンライン上で手続きが完結できる「クラウドファクタリング」が利用できれば、申込から振り込みまで1時間を切る早さで実現が可能となります。
融資も運転資金確保に役立つ選択肢の1つではありますが、資金調達に時間がかかるだけでなく中小企業は審査通過が容易ではないという問題点を抱えています。
審査において返済能力や返済計画、そして将来性などが問われるのが審査通過を難しくする要因となりますが、ファクタリングではそれらは重要視されません。
審査で重要視されるのは「売掛先の信用力」であり、決済期日に支払いが実行されると判断されれば債権譲渡前の債権者の経営状況が芳しくなくとも大きな問題にはなりません。
掛け取引で問題となり得るのは売掛債権の支払サイトの長さだけではなく、「売掛先の倒産リスク」も常に頭に置いた経営を行わなくてはなりません。
しかし、ファクタリングを利用した資金調達には「倒産リスクの回避効果」があり、債権を売却した後には売掛先の支払い能力がなくなったとしても売掛債権の買い戻しなどを求められることが原則無いのです。
このような契約方法を「ノンリコース(償還請求権なし)」と言いますが、契約時にはノンリコースとなっているかを確実に確認しておきましょう。
資金調達方法として融資を選択した場合、負債額が増えるのを避けることはできません。
負債額が増加しても順調な返済を行えれば特に問題はありませんが、運転資金が不足しそうな状況では毎月の返済の負担を大きく感じてしまう可能性も高まります。
また状況が悪化してしまえば債務超過に陥る危険もあり最悪倒産も考えられますが、ファクタリングは売掛債権の売却(譲渡)契約ですので、負債額が増えることはなく返済の負担などを考慮する必要はありません。
ファクタリングによる資金調達には「資産のオフバランス化」による企業価値の向上という効果が期待できます。
負債を増やさずに運転資金を確保できることで貸借対照表のスリム化を進めることができ、融資に頼った資金繰りによって肥大化した貸借対照表を健全な状況に変えていくことも可能です。
運転資金の調達に役立ち、利用するメリットも多いファクタリングですが、知っておくべき注意点も存在しています。
理解しておけば大きな問題にならない内容ばかりですが、3つのファクタリングの注意点をご紹介させていただきます。
ファクタリングによる債権の売却には「手数料」が必要になります。
ファクタリング会社の事務手数料や出張費などが含まれますので、手数料が無料になることはまず考えられません。
手数料を制限する法律などはなく買取側が自由に設定することが可能であることから、提示された手数料が問題のない額なのかを見抜く目が必要になります。
判断が難しい場合には、幾つかのファクタリング会社に申込み提示された額を比較してみるという方法があります。
審査で重要視されるのは「売掛先の信用力」です。
売掛先の経営が傾いていたり、信用情報に傷があったりする場合は審査通過が難しくなるとお考えください。
また信用力に問題がないとしても、債権売却前の債権者との間の取引実績が乏しい場合は審査に影響が出ることが考えられます。
可能であればですが、定期的な取引のある売掛先の債権を選択することをおすすめします。
ファクタリングで売却できるのは「決済日前の売掛債権」であることが原則です。
決済日を過ぎても支払いが行われていない不良債権は、買取対象にならないとお考えください。
ファクタリングは売掛先の倒産リスクの回避には役立ちますが、不良債権の回収に向いている資金調達方法ではありません。
中小企業にとって運転資金の確保は簡単な問題ではありません。
また、経営を続けていくにあたって倒産リスクは可能な限り避けたいはずです。
しかしファクタリングを上手く活用することができれば、運転資金確保の難易度を大きく下げることが可能であり、倒産リスクの回避に役立ちます。
資金繰りの改善を目指すのであれば、ファクタリングの利用をご検討ください。
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