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ファクタリングコラム
2023年3月22日
目次
「売掛債権の早期現金化」を可能とするファクタリングは、融資とは大きく違う特徴を持ち中小企業や個人事業主に向いている資金調達方法です。
しかしファクタリングの利用を検討する際に「本当に違法性はないのか?」と不安になられる経営者様もいらっしゃるかも知れません。
そこで本稿ではファクタリングの法的根拠と違法性が疑われるケースについてご紹介します。
安心安全にファクタリングを利用するためにも、ぜひご一読ください。
売掛債権をファクタリング会社に対して売却し現金化するファクタリングは、事業を行う上でのルールともなる法規制が存在しているのでしょうか?
まずは金融機関が融資を行う際に関係する3つの法律についての概要と、各法律にファクタリングの法的根拠があるかを解説させていただきます。
消費者金融やクレジットカード会社など、消費者に金銭を貸し付ける業者に対してのルールを定めた法律が貸金業法です。
利息に大きな影響を与える可能性のある上限金利について、取立てに関する規制、年収の3分の1を超える融資は行えないと定めた総量規制などが貸金業法の中に記されています。
貸金業は融資を業務とする企業に対する規制ですが、銀行は銀行法の対象であり貸金業法は対象外となっています。
そしてファクタリングは金銭を貸し付ける行為ではなく売買契約であるため、こちらも貸金業法の対象外です。
利息制限法は、その名の通り金融機関による融資の利息を制限するための法律です。
この法律での上限金利は20%となっていますが、それだけでなく元金に応じて段階的に金利が下がるように制定されています。
具体的には元金が20%未満であれば金利は20%、10万円以上100万円未満は18%、元金100万円以上では15%が条件となります。
制定された金利を超えて貸付を行った場合は違法となり、処罰の対象となるだけでなく超過分の利息は無効となります。
融資を受ける側を守るための法律ではありますが、ファクタリングの利用の際に必要な手数料は利息ではないため、利息制限法の対象とはなりません。
「出資の受け入れ、預り金及び金利などの取締りに関する法律」が正式名称である出資法は、文字が示している通り出資に関してのルールを定めた法律です。
出資法でも上限金利を定めていますが、2010年に出資法が改正されるまでは利息制限法で定められた金利との間に隔たりがあり、グレーゾーン金利を生み出す原因ともなっていました。
現在では解消されていますが、CMなどで見かける過払い金はこれに関係しています。
出資法は金利などに関係する法律であることから、ファクタリング業務に対しての影響はありません。
「貸金業法・利息制限法・出資法」などの法律に関して、ファクタリングは対象外であるのは間違いのない事実です。
しかしファクタリングに関する法規制がないからと言って、この資金調達方法が違法であるということにはなりません。
3社間ファクタリングと2社間ファクタリングのそれぞれに法的根拠があり、違法性のない資金調達方法であることが証明できるのです。
売掛先に対して債権売却の通知を行った上でファクタリング会社と契約を進め、債権を現金化するのが「3社間ファクタリング」です。
手数料が低くなりやすく審査通過の確率も高まるのが3社間ファクタリングの大きな特徴であり、「民法第466条」と「民法第467条」が法的根拠となります。
民法第466条「債権の譲渡性」
1.債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りではない。
2.当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。
民法第466条の第1項にある法的根拠により、法律上でも債権の譲渡は問題がないことがわかります。
また民法が改正される前は債権譲渡禁止特約が付与されている債権はファクタリングによる売却が難しかったのですが、民法改正後は2項によって債権譲渡禁止特約が付与されていてもファクタリングの利用が可能となりました。
民法第467条「債権の譲渡の対抗要件」
1.債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
民法第467条では売掛金などの支払いを受ける権利を主張するための条件が定められており、債務者への通知を行うことで権利が主張できるようになります。
3社間ファクタリングでは売掛先への債権譲渡に関する通知を行いますので、債権を正しく譲渡できているという法的根拠になります。
「2社間ファクタリング」は売掛先に対して通知を行わず、ファクタリング会社との間だけで契約を結び債権の現金化を行います。
債権売却について売掛先に知られる可能性はほとんどなく、最短即日など素早い資金調達が実現できるのが2社間ファクタリングを選択する大きなメリットとなります。
2社間ファクタリングは「民法第466条」と「民法第555条」を法的根拠としており、違法性がないことを証明することができます。
民法第555条「売買」
売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対しての代金を支払うことを約することによって、その効力を生じる。
2社間ファクタリングも債権の譲渡を行っており、民法第466条による法的根拠によって違法性がないことが証明されています。
ただし売掛先への通知を行わないことから、民法第467条で定められている第三者への対抗要件を満たすことはできません。
しかし民法第555条には、当事者が認めていれば財産は金銭と引き換えることが可能と記されています。
売掛債権も財産に含まれますので、正しく売買契約を締結すれば法的に問題がないということになります。
ファクタリングに法的根拠があり違法性がないと言われても、それだけでは不安が払拭しきれないとお考えになる経営者様もいらっしゃるかも知れません。
では「金融庁も資金調達方法としてファクタリングを認めている」となれば、どうでしょうか?
金融庁のサイトにはファクタリングについての記載がされています。
その概要と、知っておいていただきたい金融庁が行っているファクタリングに関する注意喚起についてご紹介します。
・一般に「ファクタリング」とは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス
・事業者の資金調達の一手段
・法的には債権の売買(債権譲渡)契約
金融庁の公式サイトに掲載されている「ファクタリングについて」の中には、上記した文章が含まれています。
資金調達の一手段として金融庁も認めており、融資には該当しない債権の売買による資金調達方法であることがはっきりと記載されているのです。
ただし「一般に」と書いてあるように、これは債権を売却して現金化する「買取ファクタリング」に対してであり、債権に対する保険的な役割を果たす保証ファクタリングなどは、また別の扱いとなります。
ファクタリングについて金融庁は「注意喚起」を行っています。
注意喚起と聞くとファクタリングが危険な資金調達方法のように感じてしまうかも知れませんが、内容は「ファクタリングの名を騙る違法サービス」や「悪質な契約内容を押し付けてくるヤミ金融によるファクタリング」についてです。
ここからは金融庁が注意喚起を行っている危険なファクタリングと、金融庁は注意喚起を行っていないものの問題になりつつあり利用すべきではないサービスについて解説します。
勤務先に対して各個人が持つ、給与を受け取る権利(賃金債権)を買取対象とした「給与ファクタリング」は、貸金業に該当すると判断されています。
貸金業登録をした上で給与ファクタリングを行っている業者はまず存在せず、「金融ブラックでも利用できる」や「融資ではない」と甘い言葉で誘い込み、高額な利息の請求や恫喝などによる取立てが行われる危険があります。
個人向けのサービスとして行われていますが、給与ファクタリングを行っているような場所は、買取ファクタリングでも利用すべきではありません。
金融庁はヤミ金融が関係する悪質なファクタリングについても注意喚起を行っています。
ファクタリングの手数料は2社間ファクタリングで「10%から30%」、3社間ファクタリングで「1%から10%」と言われていますが、相場を遥かに超える高額な手数料を請求してきたり、契約書に「債権譲渡契約」であることが明記されていなかったりする場合は、相手がヤミ金融であることを疑いましょう。
急いで資金調達を行いたい状況であっても、安易に契約してしまうと大きな被害を受けることになりかねません。
金融庁のサイト上に名前は上がっていませんが、「領収書ファクタリング」による被害も問題になりつつあります。
通常ファクタリングは代金を受け取る権利である売掛債権を買取対象としますが、領収書ファクタリングでは「領収書」を債権として扱います。
しかし領収書は支払いを行った証拠であり、代金を受け取る権利とは別ですので債権として扱うことはできません。
サービス内容も融資と判断されるケースが多く、貸金業登録を行っていない場合には違法性が問われることになります。
経費精算ファクタリングという名でサービスを行っている場所も同様であり、利用をおすすめすることはできません。
法的根拠に従って業務を行うファクタリング会社を利用するのは何ら問題がありません。
しかしファクタリングが一般的な資金調達方法と認知されるにつれて、違法性の高いファクタリング会社が現れてきたのも残念ながら事実です。
危険なファクタリング会社に出会う可能性は稀ですが、違法性が高いと判断される主なケースを知っておくことで、そのリスクを大きく下げられるようになります。
法的根拠のない違法性の高い悪質なファクタリングに多く共通するのは、「貸金業登録を行わずにファクタリングという名前で融資に該当するサービスを行っている」という点です。
いわゆるヤミ金融が違法ファクタリングを行っており、提示された契約内容が融資に該当するかどうかが判断できれば悪質業者を見抜くことが可能となります。
ファクタリングは原則、「償還請求権なし(ノンリコース)」での契約が行なえます。
償還請求権がないことで、売掛先の倒産などによって債権の回収が不可能になった際にも、売掛先に代わって支払いを求められることがありません。
しかしもし契約上で「償還請求権あり(ウィズリコース)」となっている場合には、支払いを求められる可能性があります。
償還請求権がある契約は売掛債権が担保として扱われていると考えられますので、貸金業登録を行っていない場合は違法という扱いになります。
売掛債権の売買(債権譲渡)契約であるファクタリングでは、融資のように担保や保証人は必要ではありません。
申込先が担保や保証人を準備するよう求めてきたのであれば、債権の売買ではなく融資と判断することができます。
担保や保証人を必要とする場合は一般的なファクタリングとは言えず、ヤミ金融による危険なファクタリングと考えるべきです。
ファクタリングの利用には手数料が必要です。
手数料はファクタリング会社の売上そのものと言えますので、手数料無料での買取は基本的には考えられません。
通常、手数料分を債権の額面から引いた形で支払いが行われ、場合によっては期待した額の資金調達が行えない可能性があります。
そのような状況を避けるために手数料が分割払いできれば助かるのですが手数料の分割払いは認められておらず、もし行った場合は融資に該当するサービスとなります。
また支払われた売掛金をファクタリング会社に渡す際にも分割はできません。
親切を装い手数料や売掛金の分割払いを勧められたとしても、それは悪質業者による危険な誘いと疑ってかかるべきです。
ファクタリングは規制する法律がなく、手数料に関しても上限は定められていないのが現実です。
ですから相場を大きく超える手数料が提示されたとしても、違法だと言い切ることはできません。
しかし相場を遥かに超える法外な手数料を提示してくるファクタリング会社が優良ファクタリング会社である可能性は低く、注意して手続きを進め、もし納得できない条件を提示された時には他社への乗り換えを検討する必要があるかも知れません。
法的根拠を理解し金融庁のサイト情報を参照していただければ、ファクタリングが違法性のない資金調達方法であると理解していただけるはずです。
ヤミ金融が関係する違法性の高いファクタリング会社は、貸金業登録を必要としない契約内容であるかをしっかりと見定めれば見抜くことができます。
安心安全なファクタリング会社を見つけ、資金繰りの改善を目指しましょう。
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