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ファクタリングコラム

ファクタリングは支払側にもメリットがある?手形発行が不要になる手法を解説

ファクタリング

2024年7月29日

ファクタリングとは、企業が納品する際に発生する売掛金を、いちはやく回収するための方法です。通常のファクタリングでは、納入企業側にメリットの大きいものですが、一括ファクタリングでは支払側にもメリットがあります。本記事では、そもそもファクタリングがどういった仕組みなのかを含め、支払側のメリットとデメリットを解説します。

ファクタリングとは?

ファクタリングとは、販売した商品の代金をすばやく現金化するための方法です。企業の資金調達に、効果的な方法の一つとなります。

納入企業の資金繰り改善に効果的な手法

通常の取引における販売代金は、顧客(支払側)から手形発行などがされるため、支払いは遅くなります。支払側も手元資金を潤沢にしたいため、なるべくゆっくり支払いたいと考えるのは当然です。そのため、納入企業側は売掛金が増加し、資金繰りが悪化しやすくなります。「黒字倒産」もその例です。そこで、ファクタリング会社に売掛金や手形などの「売掛債権」を早期に買い取ってもらい、代金の回収を早めることができます。

販売代金の未回収リスクを軽減できる

ファクタリングでは、売掛債権に保証をつけて代金未回収のリスクを軽減することも可能です。取引先の倒産や支払が滞った際には、資金面で安心ですが、保証付き契約の場合は保証料が高くなります。

手数料は必要

ただし、ファクタリングには手数料がかかります。販売する企業側の資金調達という意味合いで考えると、銀行から資金を借りる場合と比べて、手数料は割高な傾向でありコストは増加するでしょう。

利用されやすい業種

ファクタリングは、以下のような特徴を持つ企業に利用されやすいです。
1. 納期が長い
2. 規模の大きい受注
3. クレジットでの決済が多い
たとえば、建設業で年単位かつ大規模な工事を受注する場合には、売掛金の支払いまでに多くの運転資金を要します。そのため、前払金を含めた契約をするといった対応を取ることが多いですが、ファクタリングを利用するのも効果的な手法です。

一括ファクタリングは支払側も関与する

通常、ファクタリングは納入企業とファクタリング会社のみで契約が結ばれますが、一括ファクタリングなら支払側企業も関わります。ファクタリング会社が買い取った売掛債権に対して、支払側がファクタリング会社に直接代金を支払うことになります。

一括ファクタリングにおける支払側のメリット

ファクタリングの中でも、一括ファクタリングは支払側にも以下のメリットがあります。
1. 手形の発行がなくなる
2. 印紙代が減らせる
3. 企業の信用度・信頼度に良い影響となる
それぞれ詳しく解説します。

手形の発行がなくなる

まず、一括ファクタリングを行う支払側の大きなメリットは、手形を発行しなくてよくなる点です。通常、手形取引には、金融機関の審査を受けて、当座勘定口座をつくる必要があります。さらに、手形発行する際は、記載事項を間違わないように記入するなど、事務的な負担もかかります。ファクタリングにより、こうした手形発行への労力を減らせるのは大きなメリットとなるでしょう。

印紙代が減らせる

一括ファクタリングでは、印紙代の費用を減らすこともできます。前述した手形発行には、手間とともに印紙税もかかるため、ファクタリングで手形がいらなくなれば印紙代がかかりません。取引ごとで見ると、それほど大きなコストではないように感じますが、積み重なるとそれなりの金額になるでしょう。ファクタリングによって印紙にかかるコストが減らせるのは、メリットとなります。

企業の信用・信頼度に良い影響となる

一括ファクタリングでは、支払側企業の信用や信頼度にも良い影響を与えます。ファクタリング会社としては、資金が未回収となることは避けたいため、契約時に支払側の状態を詳しくチェックします。この審査に通過するということは、「企業的に信用度がある」との裏付けとなり、その後の融資等の判断を受ける際にも好材料となるでしょう。

一括ファクタリングにおける支払側のデメリット

一方、一括ファクタリングは、支払側に以下のデメリットがあります。
1. 支払いがはやくなる
2. 審査が必要
詳しく解説します。

支払いがはやくなる

一括ファクタリングは、一般的に手形取引よりも支払いが早くなります。「なるべく現金を持っておきたい」「少しでも遅く支払いたい」という企業にとっては、デメリットとなるでしょう。

審査が必要

繰り返しになりますが、一括ファクタリングでは、支払企業側も経営状況等がチェックされます。納入企業だけでなく、支払企業の審査も必要な点は注意したいところです。

一括ファクタリングのほかにでんさいという手法もある

一括ファクタリングは、支払側のメリットが大きい手法ですが、手形取引の負担を減らす目的では「でんさい(電子記録債権)」という方法もあります。
似ているように感じるサービスですが、両者は異なった性質を持つもののため、目的に応じて使い分けましょう。

でんさいは電子的な記録による決済手段

でんさいとは、でんさいネット(株式会社金銀電子債権ネットワーク)が取り扱う「電子記録債権」のことです。電子記録債権は、手形や売掛債権等にあった事務的な手間や印紙税コストを減らすことができる金融債権となります。

一括ファクタリングとでんさいの違い

一括ファクタリングとでんさいは、次のような違いがあります。
1. 売掛債権の現金化へのスピード
一括ファクタリングは、支払側が利用すれば売掛債権を素早く現金化できますが、でんさいは支払期日が定められます。
2. 弁済義務
一括ファクタリングの場合、支払側からの代金回収はファクタリング会社が義務を負います。もし、支払側の支払いがなくても納入企業が負担する必要はありません。一方、でんさいは、企業が弁済義務を負うので注意しましょう。

他にも手数料の違いなどもあるので、自社にとってメリット・デメリットなる点を比較し、どちらを利用するか検討するとよいでしょう。

一括ファクタリングを利用する際の支払側の注意点

支払側が一括ファクタリングを利用する際に、気を付けるポイントは以下の点が挙げられます。
1. 資金繰りが圧迫しないように注意する
2. 支払いに遅れないようにする
3. 会社の信用がないと継続できない
一括ファクタリングを利用することによって、支払側の手形発行がなくなるのはメリットですが、支払のタイミングが早くなるのは注意したいところです。返済は遅れないようにし、会社の信用を保つことがファクタリング利用を継続するコツです。経営的な戦略をしっかり立てて、一括ファクタリングを有効に活用してきましょう。

ファクタリングにおける支払側のメリットまとめ

ファクタリングは、納入企業側が売掛債権の早期現金化するための手法ですが、一括ファクタリングは支払側にもメリットがあります。一括ファクタリングにより、支払側が手間となっていた「手形の発行」や、「印紙税の負担」を抑えることが可能です。支払期日が早くなったり、審査に合格する必要がありますが、メリット・デメリットを把握し、トータル的に利用の判断を検討するとよいでしょう。

 

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