ファクタリングコラム

ファクタリングと自己破産の関係は?利用中の影響・免責リスク・回避策を解説

コラム

公開日:2026年6月15日更新日:2026年6月12日

ファクタリングを利用して資金繰りをしのいできたものの、経営状況が悪化し自己破産を検討せざるを得ないという経営者の方も少なくありません。そのような状況において、「ファクタリングの債権はどうなるのか」「免責は受けられるのか」と不安を感じる経営者の方も多いのではないでしょうか。

結論として、正規のファクタリング利用であれば、自己破産手続きに大きな支障が生じないケースが一般的です。しかし、取引内容や利用方法によっては免責不許可となるリスクも存在します。

本記事では、ファクタリング事業者として多くの経営者の資金繰りを見てきた買速が、自己破産との法的な関係から具体的な回避策までを解説します。

目次

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対象事業者 法人、個人事業主
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ファクタリングと自己破産の関係とは?基本の仕組みを解説

ファクタリングは売掛債権の「売買」であり、借入(融資)とは法的な性質が異なります。そのため、自己破産の手続きにおいてもファクタリング債権は借金とは異なる扱いを受けます。まずはファクタリングと自己破産それぞれの基本を理解したうえで、両者の関係を整理しましょう。

ここでは以下を解説します。

  • ファクタリングの自己破産における法的な位置づけ
  • 自己破産においてファクタリングが「借金」とは扱いが異なる理由

ファクタリングの自己破産における法的な位置づけ

ファクタリングは、売掛債権を第三者(ファクタリング会社)に譲渡して資金を得る取引です。法的には「債権譲渡契約」に基づく売買取引であり、貸金業法上の「貸付」には該当しません。

一方、自己破産は支払不能となった債務者が裁判所に申立てをし、免責許可を受けることで債務の支払い義務を免除してもらう法的手続きです。破産法第15条に基づき、債務者が支払不能の状態にあることが要件となります。

ファクタリング取引において自己破産との接点が生じるのは、主に「売掛金の回収代行義務」や「買取代金の返還義務」が発生している場合です。2社間ファクタリングでは利用者が売掛金を回収してファクタリング会社に送金する仕組みのため、破産手続き開始後はこの義務の取り扱いが問題になります。

ファクタリングの基盤となる債権譲渡の仕組みは、以下の記事で詳しく解説しています。
債権譲渡とは?民法改正後のルールや対抗要件と登記の手続きをわかりやすく解説

自己破産においてファクタリングが「借金」とは扱いが異なる理由

融資(借入)は貸金業法の規制対象であり、利息制限法や出資法による上限金利が適用されます。これに対し、ファクタリングは債権の売買契約であるため、手数料は「売買差益」として処理されます。

この法的性質の違いは、自己破産手続きにおいて重要な意味を持ちます。融資の場合、貸付先は「債権者」として破産手続きに参加しますが、ファクタリング会社は「債権の譲受人」としての立場です。そのため、破産債権の届出や配当の扱いが融資とは異なります。

以下の表で、ファクタリングと融資の法的な違いを整理します。

比較項目 ファクタリング 融資(借入)
法的性質 債権譲渡(売買契約) 金銭消費貸借契約
規制法 民法(債権譲渡の規定) 貸金業法・利息制限法・出資法
手数料の扱い 売買差益(買取価格と額面の差) 利息(金利として上限規制あり)
信用情報への影響 信用情報機関に登録されない 借入として信用情報に登録される
自己破産時の扱い 債権譲受人としての立場 債権者として破産手続きに参加

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ファクタリング利用中に自己破産するとどうなる?具体的な影響

ファクタリング利用中に自己破産を申し立てた場合、売掛債権の扱い・ファクタリング会社からの請求・売掛先への影響の3点が問題になります。 正規の取引であれば自己破産手続き自体に大きな支障はありませんが、状況によっては破産管財人の調査対象になることもあります。

自己破産手続きがファクタリングの売掛債権に与える影響

ファクタリング契約が2社間か3社間かで、自己破産時の売掛債権の扱いは大きく変わります。

2社間ファクタリングの場合、利用者には売掛金の回収代行義務が残ります。自己破産の申立て後は、破産管財人がこの処理を引き継ぐ流れです。回収済みの売掛金をファクタリング会社に送金していなければ、破産管財人が精査したうえで適切に処理をします。

3社間ファクタリングの場合は、売掛先がファクタリング会社に直接支払う仕組みです。破産手続きへの影響は比較的小さく、売掛債権はすでにファクタリング会社に移転しているため破産財団に含まれません。

なお、破産管財人はファクタリング取引が適正な条件で行われていたかを確認します。著しく低い価格での譲渡は、否認権行使(破産法第160条〜第176条)の対象となる可能性があるため注意が必要です。

自己破産手続きがファクタリング業者の取り立てに与える影響

自己破産の申立て後、破産手続開始決定が出ると個別の取り立ては法的に禁止されます。これは破産法第42条(強制執行等の失効及び中止)に基づく規定などによるものであり、ファクタリング会社からの請求も原則として停止します。

実務上は、弁護士に自己破産を依頼した時点で受任通知が各債権者に送付されるため、事実上の取り立て停止はさらに早い段階で実現するケースがほとんどです。受任通知を受け取った時点で、正規のファクタリング会社は直接の連絡を控えます。

ファクタリングの取り立てに関する内容は、以下の記事で詳しく解説しています。
ファクタリングの取り立ては違法?悪質なファクタリング会社の取り立ての対処法や見極めるポイントも紹介

ファクタリング利用中の自己破産が売掛先に与える影響

2社間ファクタリングの場合、通常は売掛先に債権譲渡の通知がなされていません。そのため、破産手続き開始まで売掛先はファクタリングの利用を知らない可能性があります。しかし、破産管財人が売掛先に連絡する過程で利用が判明する場合があります。

3社間ファクタリングの場合は、すでに売掛先に債権譲渡の通知がなされているため、追加の影響は限定的です。売掛先は引き続きファクタリング会社に支払いをするだけで、破産手続きによる新たな負担は生じません。

いずれの場合も、破産手続きが開始されると官報に掲載されます。完全に秘密にすることは困難なため、取引先との関係を維持するためには早い段階で誠実に状況を説明し、適切な対応を取ることが大切です。

ファクタリング利用中の自己破産で免責不許可になるリスクとは?

自己破産で最も重要なのは「免責許可」を受けられるかどうかです。正規のファクタリング利用であれば免責不許可になる可能性は低いですが、詐害行為とみなされるケースや、請求書偽造・二重譲渡などの違法行為があった場合は免責が認められないリスクがあります。

ファクタリングの利用が自己破産において詐害行為とみなされるリスク

破産法上の「詐害行為」とは、債権者を害する目的で財産を不当に処分する行為を指します。ファクタリングにおいては、以下のようなケースが詐害行為と判断されるリスクがあります。

  • 破産直前に相場より著しく低い金額で売掛債権を譲渡した場合
  • 手数料率が異常に高い取引をした場合
  • 支払い不能を認識した後に駆け込みで利用した場合

これらの行為は破産管財人から否認権を行使される可能性があり、取引自体が取り消されることもあります。さらに、破産法第252条第1項に規定される免責不許可事由に該当すれば、免責そのものが認められないリスクが生じます。

以下の表にまとめます。

行為の種類 内容 免責不許可のリスク
詐害行為(不当廉売) 相場より著しく低い価格で債権を譲渡 高い
請求書偽造 架空・水増しの請求書でファクタリングを利用 極めて高い
二重譲渡 同一債権を複数のファクタリング会社に譲渡 極めて高い
異常に高い手数料率での取引 相場を大幅に超える手数料率の契約 中程度
虚偽申告 売掛先の情報や取引内容を偽って契約 高い
計画的な駆け込み利用 破産を前提として直前にファクタリングを利用 高い

ファクタリングの違法性に関する全体的な解説は、以下の記事で詳しく解説しています。
ファクタリングは違法?違法なファクタリング会社と安全なファクタリング会社を見極めるポイントなどを解説

請求書偽造・二重譲渡が免責不許可になるリスク

架空の売掛債権や水増しした請求書でファクタリングを利用した場合、詐欺罪(刑法第246条)に問われる可能性があります。これは民事上の問題だけでなく、刑事責任を追及されるリスクもある重大な違法行為です。

同一の売掛債権を複数のファクタリング会社に譲渡する「二重譲渡」も、同様に詐欺に該当します。発覚した場合、ファクタリング会社から法的措置を取られる可能性があり、自己破産の免責も認められない可能性が高くなります。

破産法第252条第1項では、財産の不当な処分や虚偽の行為など、債権者を害する行為を免責不許可事由として定めています。請求書偽造や二重譲渡はこれらの条項に該当するため、免責が認められない可能性は極めて高くなります。

仮にこうした違法行為に関与してしまった場合でも、弁護士に早期に相談することで最善の対応策を見つけられます。隠そうとせず、正直に状況を伝えることが解決への第一歩です。

二重譲渡のリスクと対策の詳細は、以下の記事で詳しく解説しています。
ファクタリングの二重譲渡を詳しく解説!犯罪リスク・発覚する理由・防止策なども紹介

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ファクタリングを活用して自己破産を回避する4つの対策とは?

自己破産は最終手段です。ファクタリングの適正な活用や早期の専門家相談、資金繰りの見直しによって破産を回避できるケースは少なくありません。 ファクタリング事業者として多くの経営者を見てきた経験から、自己破産を防ぐための4つの対策を紹介します。

ファクタリングを適正利用して自己破産リスクを下げる

ファクタリングは一時的な資金繰り改善に有効な手段ですが、恒常的に利用すると手数料負担が経営を圧迫します。適正利用のポイントは以下の4点です。

  1. 手数料率の低い業者を選ぶ: 2社間で10~20%程度、3社間で1~9%程度が一般的な相場の目安
  2. 必要最小限の金額に留める: 全売掛金をファクタリングに回すのではなく、不足分のみを利用する
  3. 複数社の併用を避ける: 手数料負担が雪だるま式に増え、二重譲渡の疑いをかけられたり、今後の審査で不利になったりするリスクが高まる
  4. 売掛金の回収サイクルを改善する: 支払いサイトの短縮交渉や請求の早期化に取り組む

ファクタリングに頼りきりの状態が続いている場合は、根本的な資金繰りの見直しが必要です。

具体的な改善方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
資金繰りを改善する方法を徹底解説!即効改善策・根本改善策や資金繰り改善が必要になる理由を紹介

正規のファクタリング取引で免責不許可を回避する

万が一、自己破産が避けられない状況になった場合でも、正規のファクタリング取引であれば免責不許可になるリスクは低くなります。以下の4つの条件を満たしているか確認してみてください。

  • 実在する売掛債権のみを譲渡している
  • 適正な手数料率で契約している
  • 二重譲渡をしていない
  • 破産直前の駆け込み利用ではない

これらを満たしていれば、ファクタリングの利用が免責の妨げになる可能性は低いといえます。仮に免責不許可事由に該当するケースであっても、裁判所の判断で免責が認められる「裁量免責」(破産法第252条第2項)という制度があります。

裁量免責が認められるかは個別の事情によるため、早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。

ファクタリングの自己破産リスクを感じたら早期に弁護士へ相談する

経営が悪化し自己破産を検討するほどの状況にある場合、できるだけ早い段階で弁護士に相談することが重要です。弁護士は自己破産だけでなく、任意整理や民事再生(個人再生)といった別の選択肢も含めて最適な解決策を提案してくれます。

以下のいずれかに当てはまる場合は、相談のタイミングと考えてください。

  • ファクタリングの手数料を支払うために新たなファクタリングを利用し始めた
  • 売掛先からの入金がファクタリング会社への送金でほぼ消えてしまう
  • 税金や社会保険料の滞納が発生している

弁護士費用が心配な方は、法テラス(日本司法支援センター)の無料法律相談を利用する方法もあります。各地域の弁護士会でも初回無料相談を実施している場合があるため、まずは問い合わせてみましょう。

以下の表にまとめます。

債務整理の方法 概要 メリット デメリット
任意整理 債権者と交渉して返済条件を変更 裁判所を通さず柔軟に対応可能 大幅な債務減額は困難
個人再生 裁判所を通じて借金を大幅に減額 住宅を残せる場合がある 手続きが複雑で時間がかかる
特定調停 簡易裁判所の調停で解決 費用が安く手続きが比較的簡単 合意が成立しない場合もある
経営改善計画(405事業) 専門家支援による経営再建 費用の一部を国が補助 計画策定に時間が必要
セーフティネット貸付 日本政策金融公庫による融資 比較的低金利で利用を検討できる 審査があり利用できない場合も

資金ショートが迫っている場合の緊急対応は、以下の記事で詳しく解説しています。
資金ショートとは?赤字との違いや原因・会社が倒産する前の回避策と復活のコツを解説

ファクタリング以外の資金調達で自己破産を回避する

ファクタリング以外にも、中小企業や個人事業主が活用できる資金調達方法は複数あります。

日本政策金融公庫のセーフティネット貸付は、経営環境の悪化により資金繰りに困っている事業者向けの融資制度です。比較的低金利での利用が見込める場合があり、返済期間も長めに設定されることがあります。

信用保証協会の保証付き融資も有力な選択肢の1つです。信用保証協会が保証人となるため、銀行からの融資を受けやすくなります。

さらに、経営改善サポート(405事業)を利用すれば、税理士や中小企業診断士の支援を受けながら経営改善計画を策定できます。費用の一部は国が補助するため、資金的な負担も軽減されます。

事業の継続が可能な状態であれば、自己破産以外の債務整理方法も検討する価値があります。任意整理であれば事業を続けながら債務を整理でき、個人再生であれば住宅や事業用資産を残せる可能性もあります。

ファクタリングと自己破産に関するよくある質問

本テーマに関して、多くの方が疑問に感じるポイントをQ&A形式でまとめました。

Q. 自己破産歴があってもファクタリングは利用できますか?

ファクタリングは融資ではなく売掛債権の売買のため、信用情報機関の事故情報(いわゆるブラックリスト)は審査に直接影響しません。

審査で重視されるのは売掛先の信用力であり、利用者自身の破産歴が審査に及ぼす影響は、ファクタリング会社や案件の状況によって異なるため、事前に複数社へ問い合わせてみることをおすすめします。

審査の詳しい仕組みは、以下の記事で詳しく解説しています。
審査が甘い・緩いおすすめのファクタリング会社比較19選!審査に通らない理由や通すコツも解説

Q. ファクタリングの返済ができない場合、すぐに自己破産になりますか?

ファクタリングの支払いが困難になったからといって、すぐに自己破産に至るわけではありません。

まずは、ファクタリング会社に連絡して支払い条件の見直しを相談してみてください。任意整理により支払い計画を再構築する方法もあります。自己破産は他の手段で解決が見込めない場合の最終手段です。

対処法の詳細は、以下の記事で詳しく解説しています。
ファクタリングで払えない場合の対処法を紹介!売掛金を使い込んでしまった場合や売掛先が支払いを滞納している場合も紹介

Q. ファクタリング利用中に自己破産すると売掛先にバレますか?

2社間ファクタリングの場合、通常は売掛先に債権譲渡が通知されていないため、自己破産手続きの中で破産管財人が連絡するまでは知られない可能性があります。ただし、破産手続きが開始されると官報に掲載されるため、完全に秘密にすることは困難です。

3社間ファクタリングの場合はすでに売掛先に通知済みのため、自己破産による新たな通知は発生しません。いずれの場合も、誠実に対応することが信頼関係の維持につながります。

Q. 破産管財人はファクタリング取引をどこまで調べますか?

破産管財人はすべての財産・取引を調査する権限を持っています。ファクタリング取引についても、契約書・入出金履歴・売掛債権の内容が精査の対象です。

特に破産直前の取引や手数料率が高額な取引は重点的に調査され、否認権行使(取引の取り消し)の対象になり得ます。適正な取引をしていれば過度に心配する必要はありませんが、すべての契約書や取引記録は保管しておきましょう。

Q. ファクタリングと自己破産以外の債務整理方法はありますか?

自己破産以外にも、任意整理(債権者と交渉して返済条件を変更)、個人再生(裁判所を通じて借金を大幅に減額)、特定調停(簡易裁判所の調停による解決)などの方法があります。

事業を継続しながら債務を整理できる場合もあるため、弁護士に相談して最適な方法を選ぶことが大切です。また、経営改善計画の策定支援(405事業)や公的融資制度の活用など、債務整理以外の再建方法も検討してみてください。

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まとめ|ファクタリングと自己破産の関係を正しく理解して適切な判断を

正規のファクタリング利用であれば、自己破産手続きに大きな影響を及ぼすことはありません。ファクタリングは「借入」ではなく「債権売買」であるため、融資とは異なる扱いを受けます。

一方で、請求書偽造や二重譲渡などの違法行為があった場合は、免責不許可のリスクが高まります。自己破産を検討する前に、まずはファクタリングの適正利用を見直し、弁護士への早期相談をしましょう。公的融資制度や経営改善サポートなど、自己破産以外の選択肢も含めて最善の道を探ることが重要です。

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※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、特定の企業・個人に対する法的・財務的なアドバイスとして提供するものではありません。

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