ファクタリングコラム

支払手形とは?買掛金との違いや仕訳・2026年廃止に向けた対応をわかりやすく解説

コラム

公開日:2026年6月8日更新日:2026年6月4日

企業間取引では支払手形が広く使われています。そんな支払手形ですが、「買掛金と何が違うの」「2026年廃止って本当」と思う方は多いのではないでしょうか。

特に、初めて経理を担当する方は戸惑う場面が多いでしょう。そこでこの記事では、支払手形の基本情報を解説します。

また、具体的なメリットや仕訳例も併せて紹介します。この記事を読めば、支払手形の全体像を理解できるので、今後の決済方法を見直したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

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運営会社 株式会社アドプランニング
設立日 2019年11月
資本金 非公開
取引形態 2社間・3社間
手数料 2%〜10%
入金速度 最短即日30分
利用可能額 10万円〜1億円
対象事業者 法人、個人事業主
電話番号 0120-160-128
HP 買速公式HP

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支払手形とは

支払手形とは、企業が商品の代金を将来の決められた期日に支払うと約束した証書のことです。簿記では会社の負債として扱われ、決済日が来るまで現金は減りません。

手形には大きく分けて、二者間で発行する約束手形と、三者間でお金のやり取りを指示する為替手形の2種類が存在します。日本のビジネスでは約束手形が一般的に使われてきました。買い手は手元の現金がなくても仕入れができるため、古くから重宝されている決済手段です。

支払手形と買掛金・受取手形の違い

企業が使う決済手段には、支払手形と似た以下のような言葉がいくつか存在します。

  • 買掛金
  • 受取手形
  • 小切手

ここでは、違いを順番に解説します。

買掛金との違い

買掛金は、企業が商品をツケで買った際の代金を支払う約束をした際に使用される勘定科目です。支払手形との最大の違いは、紙の証書を発行するかどうかにあります。

買掛金は企業同士の口約束や契約書ベースの信用取引にすぎません。一方、支払手形は法律で強い効力が定められた有価証券を発行します。支払いの強制力が大きく異なります。

受取手形との違い

1つの手形をどちらの立場で扱うかによって、呼び名が完全に逆転します。商品を仕入れて代金を支払う義務を負う側から見ると、支払手形です。

逆に、商品を販売して将来代金を受け取る権利を持つ側から見ると、受取手形と呼ばれます。買い手は負債として記録し、売り手は資産として帳簿に記録するのがルールの違いです。

受取手形の勘定科目や売掛金との違いなどを詳しく知りたい方は、以下の記事もおすすめです。
受取手形とは?勘定科目の仕訳例から売掛金との違い・廃止の背景などをわかりやすく徹底解説

小切手との違い

小切手は受け取った人が銀行に持ち込めばその場ですぐに現金化できる証書です。一方で、支払手形は券面に書かれた支払期日が来なければ現金に換えられません。

小切手は現金の代わりとして即座に機能しますが、手形はあくまで支払いを先延ばしにするための道具といえます。現金化できるタイミングが両者の決定的な違いです。

支払手形の取引の流れ

企業間で手形決済を進める際、買い手と売り手は決まった手順を踏みます。取引開始から完了までのステップは以下の通りです。

  1. 買い手が商品を受け取り、代金として手形を発行して売り手へ渡す
  2. 売り手は受け取った手形を取引銀行へ持ち込み、取立の手続きを済ませる
  3. 期日が到来すると、買い手の当座預金口座から代金が引き落とされる
  4. 売り手の口座へお金が振り込まれ、決済のすべての処理が完了する

これらの手順が滞りなく進むことで、企業間の信用取引が安全に成立します。

支払手形を利用するメリット

手形を振り出す買い手側の企業にとって、この決済方法は以下のようなメリットをもたらします。

  • 支払期日の先送りによる資金繰り改善
  • 借入枠を使わずに仕入れが可能
  • 手形割引料(手数料)の負担なし
  • 決済実績による銀行からの信用力向上

ここでは、企業が得られる4つのメリットを順番に詳しく紹介します。

支払期日の先送りによる資金繰り改善

代金の支払いを数ヶ月先まで延ばせるのが最大のメリットです。企業は商品を先に手に入れ、それを販売して利益を出してから仕入代金を払えます。

手元の現金が少ない状態でもビジネスを回せるため、資金繰りが一気に楽になるのが魅力です。特に、事業を拡大したい企業にとって、非常に強力な武器となります。

借入枠を使わずに仕入れが可能

銀行からお金を借りなくても、実質的に資金を調達したのと同じ効果を得られます。企業が銀行から借り入れできる上限枠には必ず限界があるものです。

手形を使えば、その貴重な借入枠を温存したまま必要な商品を仕入れられます。企業は銀行の融資を設備投資などの別の重要な目的に回せるため、経営の自由度が高まります。

手形割引料(手数料)の負担なし

手形を期日前に現金化する際の手数料は、受け取った売り手側が負担する決まりです。手形を発行した買い手側は、券面に書かれた金額を期日に用意するだけで済みます。

買い手は支払いを先延ばしにする恩恵を受けながら、利息や割引料を負担する必要がありません。企業は余計なコストをかけずに資金繰りを安定させられます。

決済実績による銀行からの信用力向上

発行した手形を期日通りに決済し続けると、企業の社会的信用が大きく向上します。不渡りを出さずに取引を重ねる姿勢は、金融機関から高く評価されるためです。

銀行からの信用度が上がれば、将来的に事業資金を借り入れる際の審査も有利に進みます。企業は手形決済を安全に続けることで、強い経営基盤を構築できます。

支払手形を利用するデメリット

買い手にとって便利な支払手形ですが、使い方を間違えると以下のようなデメリットが生まれます。

  • 決済できない場合の不渡り・倒産リスク
  • 収入印紙代のコスト負担
  • 支払手形記入帳などの管理の手間

経営者はリスクを正しく理解しておかなければなりません。ここでは、企業が警戒すべきデメリットを解説します。

決済できない場合の不渡り・倒産リスク

期日までに当座預金口座へ資金を用意できなければ、手形は不渡りとなります。半年間に2回の不渡りを出した場合、銀行取引停止処分を受ける厳格なペナルティが存在します。

なお、2022年の電子交換所設立以降もこの取引停止処分制度は引き継がれており、不渡りは事実上の倒産に直結する致命的な事態です。たった一度のミスが企業の命取りになるため、経営者は常に強烈なプレッシャーを抱えます。現金管理の徹底が企業に強く求められるのが実情です。

収入印紙代のコスト負担

手形に記載された金額が10万円以上の場合は、券面に収入印紙を貼って印紙税を納める義務が発生します。記載された金額が大きくなるほど、企業が負担する印紙代も高額になるルールです。

取引の回数が多い企業にとって、この印紙代は決して無視できない痛手となります。振込手数料などに比べて割高になるケースも多いため、経費の圧迫に注意してみてください。

支払手形記入帳などの管理の手間

経理担当者は、発行した手形の金額や期日を支払手形記入帳などの帳簿で厳格に管理しなければなりません。いつ・どこへ・いくら支払うのかを正確に把握しておかないと、資金ショートを引き起こす危険性があるためです。

紙の証書を扱うため、紛失や盗難に備えた金庫の管理も必要になり、経理部門の業務負担は確実に増加します。

支払手形のサイト(支払期日)に関する60日ルール

手形を発行してから実際に代金を支払うまでの時間をサイトと呼びます。この期間があまりに長すぎると、受け取る下請け企業が資金繰りに苦しむのが問題です。ここでは、サイトの長さを制限する国のルールを解説します。

支払いサイトはどういったものか、詳しく知りたい方は以下の記事もおすすめです。
支払サイトとは?意味や計算方法を簡単に解説!60日・120日の違いや交渉術も紹介

下請法に基づく60日以内の適用

政府は弱い立場にある下請け企業を守るため、下請法で手形のサイトを厳しく制限しています。親事業者が下請け企業に手形を振り出す場合、支払期日は商品を受け取った日から60日以内でなければなりません。

以前は業種によって90日や120日まで許容されていましたが、2024年11月からは基準が大幅に短縮され、60日以内の運用が開始されました。親事業者は下請け企業の資金繰りを不当に圧迫しないよう、このルールを厳格に守って決済を進める絶対的な義務があります。

違反した場合の罰則リスク

親事業者が60日を超える長期の手形を振り出した場合、下請法違反として厳しい指導を受けます。公正取引委員会から勧告を受け、その事実が公表されれば企業の社会的信用は完全に失墜します。

また、遅延利息の支払いを命じられるなど、財務的なダメージも避けられません。担当者は昔からの慣習だからと安易に長期の手形を発行するのは危険です。企業は法律の変化に敏感に対応し、社内ルールを直ちに見直してみてください。

支払手形(紙)の2026年廃止に向けた対応策

日本のビジネスを支えてきた紙の手形ですが、ついに姿を消す日が近づいています。企業はこの大きな環境の変化に乗り遅れないよう、今すぐ対策を練るべきです。ここでは、手形廃止の背景と代替手段を解説します。

紙の手形が廃止される背景

政府と全国銀行協会は2026年度末までに、紙の約束手形および小切手の利用を全面的に廃止する目標を掲げました。紙の手形は印紙税の負担や紛失リスクが大きく、企業の生産性を著しく下げる原因とみなされたためです。

また、手作業による管理の手間が、デジタル化を進める現代社会の流れに逆行している点も問題視されました。これを受けて、多くの金融機関がすでに紙の手形の発行や取り扱いを段階的に終了させる準備を進めています。

電子記録債権(でんさい)への移行

紙の手形に代わる最も有力な決済手段が、電子記録債権の活用です。これは手形の機能をすべてインターネット上で完結させる便利なシステムとして誕生しました。

企業は印紙税を削減できるだけでなく、紛失リスクや窓口へ行く手間を排除できます。すでに多くの企業がでんさいネットなどの機関を利用し、移行を完了させています。導入していない経営者は、メインバンクに相談して早急に手続きを進めましょう。

ファクタリングや銀行振込への切り替え

手形の発行をやめて、すべての決済をシンプルな銀行振込へ切り替える企業も急増しています。振込なら経理担当者の手間も最小限で済み、管理も非常に簡単です。

ただし、買い手は手形のように支払いを先延ばしにできず、手元の資金が減りやすくなります。これを補うため、企業は売掛金を早期現金化できるファクタリングの併用を検討するのも1つの選択肢です。決済方法を見直す際は、資金調達の手段もセットで新しく構築してみてください。

ファクタリングの仕組みを知りたい方は、以下の記事もおすすめです。
ファクタリングの仕組みとは?審査に通りやすい会社の特徴や2社間・3社間の違いを解説

支払手形の勘定科目と仕訳例(簿記)

手形を振り出した際や決済された際、企業の負債状況を正確に把握するために、経理担当者は正しい勘定科目で帳簿に記録を残さなければなりません。ここでは、具体的な3つの仕訳例を解説します。

商品仕入で振り出した時の仕訳

企業が商品を仕入れ、その場で支払手形を振り出して相手に渡した際の仕訳について、1万円の商品を仕入れたと仮定して考えてみます。

このとき担当者は、借方に仕入1万円と記入して費用の発生を記録します。そして貸方には、支払手形1万円と記入して会社の負債が増えた事実を反映させるのがルールです。まだ現金は減っていませんが、将来必ず支払わなければならない義務が生じたことを帳簿上に明確に示します。

買掛金を支払手形で決済した時の仕訳

過去の取引で生じた買掛金を後日支払手形を発行して清算した際の仕訳をみていきましょう。すでに帳簿に計上されている1万円の買掛金を手形で支払ったと想定します。

担当者は借方に買掛金1万円と記入し、口約束の負債をまずは減らすのが手順です。同時に貸方へ支払手形1万円と記入し、手形による強い義務の負債へと振り替えます。単に負債の種類が変わっただけですが、法的な性質が変化した事実を正確に記録する必要があります。

当座預金から引き落とされた時の仕訳

約束の期日が到来し、企業の当座預金口座から無事に手形の代金が引き落とされた時の仕訳を解説します。今回は、1万円の手形が決済された場合を想定してみましょう。

担当者は借方に支払手形1万円と記入し、ついに負債が消滅したことを記録します。そして貸方には当座預金1万円と記入し、会社の資産が実際に減った事実を帳簿へ反映させるのが基本です。この仕訳をもって、手形に関するすべての取引が完全に終了したとみなされます。

支払手形に関するよくある質問

ここからは、手形決済に関連して読者からよく寄せられる疑問にお答えします。経理担当者が実務のルールや特殊な勘定科目を正しく理解しておけば、イレギュラーな事態にも慌てずに済みます。

支払手形の相手勘定(科目)は何になりますか?

手形を振り出した取引の性質によって、反対側に記入する科目は変わります。本業の仕入れで発行した場合は、借方に仕入や買掛金が来るのが基本です。

一方、備品の購入など本業以外の支払いで手形を発行した場合は、未払金などの科目が使われます。担当者は何のために発行したのかを常に確認して仕訳を作成してみてください。

支払手形と営業外支払手形の違いは何ですか?

本業の営業活動である商品の仕入れで発行した手形を、通常の支払手形と呼びます。対して、土地や機械設備など本業以外のものを買う目的で発行した手形が、営業外支払手形です。

決算書を作る際、本業の負債とそれ以外の負債を明確に区別しなければなりません。経理担当者は用途に応じてこれらを厳密に使い分けましょう。

手形借入金と支払手形の違いは何ですか?

支払手形は、商品の代金を支払う目的で発行する商業手形を処理する科目です。一方、手形借入金は銀行などの金融機関から事業資金を借り入れる際に、担保として差し出す手形を処理する科目になります。

同じ手形を扱っていても、前者は商取引の決済であり、後者は金融取引の借金です。取引の本質が根本から異なっている点を忘れないようにしましょう。

支払手形記入帳の「てん末」とは何ですか?

支払手形記入帳に設けられた、その手形が最終的にどうなったかを記録する項目のことです。期日通りに当座預金から引き落とされた場合は、担当者がてん末欄に「決済」と記入します。

万が一、残高不足で支払えなかった場合は「不渡り」と書かなければなりません。手形の最後の結末を管理するための非常に重要な記入欄です。

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まとめ

この記事では、支払手形の基本情報やメリット・デメリットを解説しました。

企業にとって資金繰りを楽にする便利な決済手段ですが、不渡りのリスクや印紙税の負担も存在します。2026年には紙の手形が廃止されるため、電子記録債権やファクタリングへの移行が急務です。

担当者は早急に代替手段の準備を進める必要があります。この記事を参考に、自社の新しい決済ルールを構築しましょう。

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