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ファクタリングコラム
2024年10月28日
目次
ファクタリングで踏み倒しをおこなうと、罪に問われる可能性があります。
ファクタリングは売掛債権の売却によって現金を得る資金調達方法です。金銭の貸し付けではないため、返済の必要がありません。
しかしファクタリングの種類によっては、利用者が業者へ現金を送金する過程が発生します。
このとき、何らかの理由によって現金を送金しないでいると、最悪の場合罪に問われる可能性があります。
この記事では踏み倒しの危険性について詳しく解説していきます。
ファクタリングは売掛債権の売買であり、融資とは違います。ファクタリングで得た金銭は、返済の必要がありません。しかし、踏み倒しの問題が発生しています。それは2社間ファクタリングという方法において、利用者がファクタリング業者に代わり、売掛先に対して売掛金の取り立てをおこなうからです。
2社間ファクタリングとは、業者と利用者の2社でおこなう取引です。
売掛先は自社の売掛金がファクタリングに活用されていることを知りません。そのため売掛金の支払期日になると、売掛先は通常通り利用者へ売掛金を支払います。
しかし売掛金を受け取る権利は、すでにファクタリング業者へ譲渡されています。
利用者が受け取った売掛金は、そっくりそのままファクタリング業者へ送金しなければいけません。
送金せずにいると、二重に金銭を受け取ることになります。
2社間ファクタリングにおいて、一部の利用者による踏み倒しが問題となっています。
利用者が踏み倒しをおこなってしまう理由は、主に以下のような理由です。
・支払期日に売掛先から売掛金が入金されない
・入金された売掛金を自社で使用してしまう
売掛先が原因で踏み倒し状態になりそうな場合には、売掛先やファクタリング業者へ連絡し、適切に対処する必要があります。
自社で売掛金を使用してしまうことは、絶対におこなってはいけません。
売掛先が支払期日に正しく売掛金を支払わないことにより、利用者が業者に対して踏み倒し状態になってしまうことがあります。
売掛先から売掛金が入金されない原因として、次のような可能性が考えられます。
・支払いを忘れている
・自社が請求書を売掛先へ送付していない
・売掛先の経営状況が悪化し、支払い能力がない
単純なヒューマンエラーにより、売掛先が支払いをおこなっていない可能性があります。
送金の登録をし忘れたり、他社へ間違えて送金してしまっていたりすると、支払期日に正しく入金されません。
このような場合には、売掛先へ支払いの確認をとる必要があります。
ヒューマンエラーの場合、間違いに気付くことで正しく支払われる可能性があります。
売掛先の支払いが遅れ、ファクタリング業者への送金も遅れて踏み倒し状態になりそうな場合には、業者へ一報を入れておくと良いでしょう。
自社が売掛先へ請求書の送付を忘れている可能性もあります。
インターネット上の請求システムなどを利用している時には、送付を忘れることはないかもしれません。しかしメールや郵送で請求書を送付している場合、複数の企業に対して送付作業をおこなっていると、うっかり送付漏れをおこしてしまう可能性があります。
このような場合にも、売掛先へ確認を取らなければなりません。
万が一相手方に請求書が届いていない場合には、急いで送付する必要があります。
また、締め日までに請求書が届かなかった場合には、その請求書の支払いが翌月以降になる可能性があります。
入金が一か月遅れてしまう可能性があるため、ファクタリング業者に対しても踏み倒し状態になることもあります。
そのような場合には、現状を業者へ連絡し、対応方法を問い合わせましょう。
売掛先の支払い能力が低下し、売掛金を支払期日に支払えないこともあります。
まずは売掛先へ連絡し、支払い状況を問い合わせてください。
支払いが難しいようであれば、業者への連絡が必要です。その後の対応は業者の指示に従います。
売掛債権(売掛金を受け取る権利)を所有しているのはファクタリング業者です。そのため、その後は業者が売掛先と直接交渉などをおこなうことが一般的です。
売掛金を受け取る権利を持った業者と、支払い義務のある売掛先の当事者間での対応となった場合、利用者の対応は終了します。
自社が原因で踏み倒し状態になることもあります。考えられる原因は次の通りです。
・ヒューマンエラーによる送金ミス
・売掛金の使い込み
単純なミスにより業者への送金を忘れてしまい、踏み倒してしまうこともあります。
業者からの督促により送金を忘れていたことに気付いた場合には、すぐに送金するようにしましょう。
送金金額のミスや送金先のミスにより踏み倒し状態になりそうな時には、事情を業者へ説明し、適切に対応してください。
悪質な行為として、売掛金の使い込みにより踏み倒してしまう事例もあります。とくに悪質な場合には罪に問われる可能性もあります。使い込みによる踏み倒しをおこさないよう注意してください。
口座の中の資金が非常に少なかった場合、引き落としなどによって、入金された売掛金を知らない間に使用してしまうこともあります。
悪意がなく使用してしまい、すぐに返済の意思がある場合には、その状況を業者へ正しく連絡してください。
使い込みに気付いていながらそれを隠し、踏み倒し行為を続けてはいけません。
ファクタリングで得た資金を使い込み、踏み倒してしまった場合には、業務上横領罪に問われる可能性があります。
業務上横領罪に問われると、10年以下の懲役刑が科せられます。
とくに踏み倒しにより長期間支払いがない場合や、連絡がつかない場合などは、刑事告訴される可能性が高くなります。
過去の事例などでは、高額な踏み倒しだけでなく、30万円ほどの踏み倒しでも逮捕者が出ています。
たとえ少額であったとしても、踏み倒しをおこなわないようにしてください。
ファクタリングの利用において、踏み倒しなどの悪質行為をおこなった利用者は、ファクタリング業者内で情報を共有される可能性があります。
ファクタリングに関わる企業の中に、ファクタリングにおける信用情報を登録し、業者へ情報提供する企業も存在します。
踏み倒しなどの悪質行為をおこなった情報が共有されてしまうと、それ以降ファクタリングの利用が難しくなります。
適切な資金調達ができず、経営を続けていくことが困難になりかねないため、悪質な踏み倒しはおこなわないよう注意してください。
どのような原因であったとしても、踏み倒し状態におちいりそうな場合には、ファクタリング業者へ連絡し対応方法を相談する必要があります。
ただし、基本的には分割払いなどはできません。
本来ファクタリングは売掛債権を売却し資金を得る資金調達方法であり、融資ではありません。
しかし売掛先から預かった売掛金をファクタリング業者へ送金する際、時間をかけて分割で支払っていくことは、融資の返済であると認定される恐れがあります。
本来ファクタリング業者が所有するはずの売掛金を利用者へ貸し付け、それを返済してもらうという構図になってしまうからです。
融資に認定されると、業者は貸金業法を守らなければならなくなります。
貸金業法では次のような決まりがあります。
・業者は貸金業としての登録を受けなければならない
・貸し付けの元金によって金利に上限がある
ファクタリング業者は貸金業者ではないため、貸金業の登録をおこなっていないことがほとんどです。そのため、分割による返済を受けることができません。したがって、一括での返済を求めてくるのです。
支払いの猶予を受け付けているかどうかはファクタリング業者の判断によります。
短期間の猶予は可能であっても、長期の猶予は難しい可能性があります。
いかなる場合でも早急にファクタリング業者へ相談し、指示に従ってください。
とくに自社が原因の踏み倒しをおこなわないようにするには、適切なファクタリングの利用が大切です。
そのためには、ファクタリングの正しい知識を身に着けておかなければなりません。
ファクタリングは売掛金を本来の支払期日よりも早く受け取れるサービスです。
ファクタリング利用時には資金が潤沢になりますが、本来の支払期日には受け取れる金額がなくなり、資金が枯渇する恐れがあります。
資金が枯渇している状態で、業者に送金するべき売掛金が入金されると、うっかり手をつけてしまう可能性があります。
そのような事態におちいらないためには、ファクタリングの利用前からキャッシュフローを確認し、本来の支払期日にどのような対応ができるか考えておくことが大切です。
ファクタリングによる自転車操業にならないよう、根本的な解決策を考えなければいけません。
自社だけで資金繰りの安定化をはかることが難しい時には、経営コンサルタントなどに相談するなど、資金繰りに対する適切な計画が必要です。
ファクタリングは適切に活用するうえでは非常に効果的な資金調達方法です。
しかし場合によっては、入金された売掛金を踏み倒してしまう可能性もあります。
売掛先が原因で踏み倒してしまいそうな場合には、売掛先とファクタリング業者双方へ連絡をとり対応してください。
また自社が原因で踏み倒しをおこなわないよう、ファクタリングを契約する前には資金繰り計画を立てるなど、適切な対応が必要です。
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