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ファクタリングコラム
2022年5月12日
ファクタリングのメリットとデメリットを解説する前に、ファクタリングの基本を説明します。
そもそもファクタリングとは何でしょうか。
ファクタリング(Factoring)とは、企業が保有する売掛債権を第三者へ売却し、現金化する資金調達手段のことです。
ファクタリングの歴史は古く、古代ローマ時代の商取引に端を発します。
国際交易が盛んなローマ帝国では、輸出などにより発生する売掛債権を第三者へ売却することで現金化するスキームが早くから一般化されていました。
そのスキームはラテン語で「ファッチェレ」(Facere)と呼ばれ、今日使われているファクタリングという言葉の語源となりました。
ファクタリングはその後、14世紀までにイギリスやフランスなどのヨーロッパ諸国でも行われるようになり、企業の資金調達手段として一般的になりました。
14世紀のロンドンには、300社以上の債権買取り業者(ファクター(Factor))またはファクタリング会社と呼びます)が営業していたとされています。
17世紀には新大陸アメリカにも伝わり、その後日本を含むほとんどの民主主義・資本主義国家における一般的な資金調達手段として定着しました。
では、実際のファクタリングの流れを見てみましょう。
なお、ファクタリングには「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の二つがありますが、ここではより一般的な「3社間ファクタリング」の流れを説明します。
1.債権譲渡契約の締結
まず、ファクタリング利用企業(以下「企業A」と称します)とファクタリング会社が、企業Bに対する債権譲渡契約を締結します。
これにより、企業Aが有する売掛債権がファクタリング会社へ譲渡されます。
2.債権譲渡通知
次に、企業Bに対し、企業Aとファクタリング会社の連名で債権譲渡通知が行われ、売掛金の支払い先がファクタリング会社へ変更されます。
3.売掛債権の買取り
次に、企業Aの企業Bに対する売掛債権をファクタリング会社が買取ります。
買取り金額は通常、ファクタリング会社から企業Aの銀行口座へ手数料などを控除して振り込まれます。
4.売掛金の支払い
企業Bは、企業Aに対してではなくファクタリング会社に対して売掛金を支払います。
これで一般的な3社間ファクタリングは終了となります。
ところで、ファクタリングは手形割引とどう違うのでしょうか。
債権の早期現金化手段として両者は似ていますが、実は基本的な大きな違いがあります。
手形割引とは、企業が受け取った約束手形を金融機関などへ売却して現金化する資金調達手段です。
通常は金融機関に割引料や手数料を支払い、約束手形の期限到来前に現金化します。
売掛債権ではなく約束手形を売却するので、ファクタリングのように債権譲渡契約を締結する必要がありません。
しかし、手形割引の場合、手形が決済されなかった場合に手形を買い取った金融機関に償還求償権が認められており、企業側の負担になる可能性があります。
また、一般的には手形の割引に限度枠が設定され、限度枠以上の割引が出来ないといったデメリットもあります。
では、ファクタリングのメリットを解説します。
ファクタリングの最大のメリットのひとつが現金化のスピードの速さです。
例えば金融機関からの借入の場合、通常は審査に相応の時間が必要になり、融資の実行までに早くても1カ月程度かかります。
信用保証協会を使う場合や、担保や保証人などを設定するといった場合は、さらに時間がかかってしまうデメリットがあります。
急に資金が必要になったという場合は、金融機関からの借入では間に合わないといったケースが多いでしょう。
一方、ファクタリングであればスピーディーな資金調達が可能なことがメリットです。
例えば買速の場合、オンライン契約によるスピード審査・スピード振込により、申込から最短即日で資金が振り込まれます。
ファクタリングは売掛債権の買取りであり、融資ではありません。
それゆえ、金融機関からの借入とは違い、信用情報機関への照会などはなされません。
よって自己破産や返済遅延などの事故を起こした人でも利用が可能なこともメリットのひとつではありますが実はもう2つメリットがあります。
それは、ファクタリングを利用しているという事実は、公言しない限り金融機関に知られる可能性はほとんどないことです。
さらに、ファクタリングを利用しているという事実はバランスシートにも載りませんので、バランスシートの見た目をよく出来るというメリットもあります。
ファクタリングの多くには償還求償権がないのも大きなメリットです。
償還求償権とは、売掛債権がデフォルト(債務不履行)した場合、ファクタリング会社が売掛債権の販売元へ売掛債権の買戻しを求める権利です。
一方、手形割引の場合、手形が決済されなかった場合に手形を買い取った金融機関に償還求償権が認められており、デフォルトした場合企業に弁済が求められます。
売掛債権がデフォルトしても、企業に弁済が求められないのは大きなメリットです。
一方、ファクタリング会社の中には契約に償還求償権を設定するところもあるので注意が必要です。
担保や保証人が必要ないのもファクタリングのメリットです。
ファクタリングはそもそも融資ではないので、担保や保証人が必要ないのです。
金融機関からの借入の場合、最近は大分減ってきたとはいえ、多くのケースで代表者などによる保証が必要です。
複数の保証人を求められた場合など、対応や手続きに相応の時間と手間がかかります。
一方、ファクタリング会社の中には担保や保証人を求めるところもありデメリットに成り得るので注意が必要です。
赤字企業や税金滞納企業でも利用できるのもファクタリングのメリットです。
金融機関からの借入の場合、例えば三期連続で営業利益が赤字の企業や債務超過に陥った企業の場合、一般的には借入するのは非常に困難になります。
また、セーフティネット保証などの制度融資を使う場合、税金を滞納している企業は借入できません。
一方、ファクタリングであれば企業の業績やバランスシート、あるいは税金の滞納などに関係なく資金調達が可能です。
個人事業主でも利用が可能なのはファクタリングのメリットです。
最近では日本政策金融公庫などの個人事業主に対する借入のハードルが下がってきていることは事実です。
しかし、例えば都銀などにいきなり融資を申し込んで実行してもらうのは、カードローンなどを除いてはほぼ不可能でしょう。
特に売掛債権などの事業資金を融資してもらうのは極めて困難です。
一方、ファクタリングであれば個人事業主でも利用可能です。
実際のところ、フリーランスなど事業形態にこだわらず働く人が増えてきている昨今、個人事業主によるファクタリングの利用が増えてきているようです。
ここまでファクタリングのメリットを述べましたが、もちろんデメリットも存在します。
これから以下にファクタリングのデメリットを4つ挙げます。
ファクタリングのデメリットとして、手数料の高さがまず挙げられます。
上述したように、メリットの1つであるファクタリングの多くでは償還請求権がないので、デフォルトリスクを含め、手形割引などに比べて手数料が高くなる傾向があります。
約束手形の場合、振出人の信用などによっては、割引料を相応に抑えることが可能になります。
また金融機関からの借入の場合、一般的な融資であれば昨今の低金利時代を反映して、金利は相当低く設定されるのが一般的でファクタリングにデメリットになります。
2社間ファクタリングであればその可能性は低いのですが、3社間ファクタリングを利用する場合、ファクタリングを利用している事実を取引先に知られてしまうというデメリットがあります。
3社間ファクタリング契約を締結すると、取引先に対してファクタリング利用企業とファクタリング会社の連名で債権譲渡通知が行われ、売掛債権の入金先がファクタリング会社の銀行口座へ変更されるからです。
一般的に、ファクタリングを利用している事実が知られてしまうと、取引先に「あの会社は資金繰りが厳しいのか」と勘繰られてしまうケースが多く、多くの場合心証が悪化してしまうようです。
どうしても取引先に知られたくないといった場合は、2社間ファクタリングの利用を検討すべきでしょう。
2社間ファクタリングであればこのデメリットを補うことができます。
また、売掛債権金額以上の資金調達が出来ないのもファクタリングのデメリットです。
金融機関からの借入の場合、通常は企業の与信や資金使途などを考慮して融資額が決定され、一般的には売掛債権金額以上の借入も可能です。
しかし、ファクタリングは融資ではなく、あくまでも売掛債権の買取りであり、売掛債権の金額以上の資金が提供されることはありません。
売掛債権の金額以上の資金が必要な場合は、金融機関からの借入など他の資金調達手段を検討すべきでしょう。
さらに、ファクタリング会社が玉石混交であることもファクタリングのデメリットです。
ファクタリングは融資ではないため、銀行などの金融業に比べて比較的参入が容易であるとされています。
実際にファクタリングの世界へは様々な出自を持つ会社が多数参入しています。
顧客本位で誠実で堅実な経営を行っている会社もあれば、筋が悪そうな怪しい会社もあります。
ファクタリング会社の中には、少数ではあるもののファクタリング利用者の無知に付け込み、非常に高額な手数料や事務手数料などをとっている会社もあります。
また、ファクタリング業者と何らかのトラブルを抱えるケースも増えてきています。
ファクタリング業者を選ぶ際は、くれぐれも注意をする必要があります。
ところで、玉石混交のファクタリング会社の中でも、筆者は特に買速をおすすめしています。
以下に理由を挙げます。
買速をおすすめする最大の理由は、手数料以外に費用がかからないというメリットがあります。
多くのファクタリング会社は、手数料に加えて手数料以外の名目で費用を請求してくるデメリットがあります。
買速であれば「その他の費用」がまったくかからないので、安心して利用できます。
審査のスピードが速いのも買速をおすすめする理由です。
ファクタリング会社によっては申込から審査結果まで数日から数週間程度かかるケースがありますが、買速であればオンラインで申し込みができ、即審査可能です。
また、振込も業界最速水準の速さで、審査からすぐに、最短即日でお金を振り込んでもらえます。
さらに、審査が柔軟なのも買速をおすすめする理由です。
ファクタリングのメリットで既述しましたが、実際に買速であれば赤字企業や税金滞納企業でも申込可能です。
また、自営業者の申込にも対応しています。
なお、買速の2021年4月集計時の審査通過率は75%に達しています。
以上、ファクタリングの基本とともにファクタリングのメリットとデメリットについて解説しました。
ファクタリングには様々なメリットがある一方で、デメリットもあります。
ファクタリングのメリットだけではなくデメリットと両方を正しく理解し、必要に応じて適切にファクタリングを利用するように心掛けて下さい。
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