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ファクタリングコラム
2023年7月6日
農業は日本の食生活を支える重要な仕事ですが、資金繰りの難しさを抱える業界でもあります。
そんな農業の資金繰りに役立つのが「ファクタリング」です。
本稿では農業の資金繰りの問題点から、ファクタリングが農業の資金繰りに与えるメリット、さらには注意点も含めて解説させていただきます。
どの業種であっても資金繰りが容易とは言えませんが、中でも農業は資金繰りの難易度が高い業種だと言われています。
様々な理由から年中通して安定した収入を得ることが難しいのが資金繰りの難易度を高める原因となり、日本にとって重要な業種でありながら担い手不足に陥っている原因の1つでもあります。
農業には、収穫時期などの「農繁期」と、比較的作業が落ち着いている「農閑期」が存在し、農繁期と農閑期では収入面に大きな差が発生しかねません。
農業はこれを避けるために、収穫時期が重ならないよう組み合わせ、幾つかの品目を育てるなどの対応をされている農家が少なくありませんが、やはり安定した収入を得るのは容易ではありません。
収入が落ちた期間の後に多額の費用が発生した場合には、資金繰りが苦しくなる可能性は高くなってしまいます。
天候不良が続き作物の成長が阻害された影響や、大雨による洪水や台風などの自然災害による被害を受けてしまうと、収入が著しく低下してしまう恐れがあるのも農業の資金繰りにおける問題点と言えるかも知れません。
できる限りの備えをしたとしても大きな自然災害に抗うことは難しく、災害の種類と規模によっては立て直しに大きな時間と労力を必要とします。
そして何より多額の費用が必要となることで、農業を諦めるきっかけとなってしまう可能性も否定することはできません。
融資の審査では、金融機関は申込を行った企業の将来性や経営状況、返済能力などを総合的に判断して融資を行うかを判断します。
農業は収入が安定しにくく、将来性を示すことも容易ではないため、金融機関からの評価が高くなりにくいのが現実です。
認定農業者としての認定を受けていれば融資が受けやすくはなりますが、簡単になれるわけではありません。
農協からの融資は他の金融機関と比較すれば審査通過できる可能性は高まるものの、ハードルは低いわけではなく、融資が農業にとって利用しやすい資金調達方法とは言い難いのが実状です。
農業ではトラクターを含めた様々な農機が使用されます。
しかし残念ながら多くの農家が正しいメンテナンスが行えているわけではなく、故障などによって突発的な費用が発生することも少なくはありません。
また家族経営の農家では、細かな資金繰り計画が立てられておらず「どんぶり勘定」になってしまうことも少なくはないようです。
その結果、急に運転資金がショートしてしまう危険が高まってしまうのが農業の難しさです。
作物の納入先が農協の場合は、トラブルが発生する危険も低く安心して取引を行うことができます。
しかし飲食店との直接契約などを行っている場合は、売掛先の倒産によって売掛金が回収できなくなるというリスクを背負うことになります。
規模の大きな企業が売掛先となればリスクは低くて済みますが、個人店舗などが取引先となった場合には、農業者が背負うリスクは低いとは言えなくなります。
売掛債権の売買(債権譲渡)契約による資金調達方法であるファクタリングは、農業にとっては銀行融資を含めた他の資金調達よりも高い資金繰り改善効果が期待できます。
ここからはファクタリングを利用することで、農業の資金繰りがどのように変化するか解説させていただきます。
作物の納品と同時に支払いが実行されていれば売掛債権は発生しませんが、後払いとなっており支払いが行われるまでの自己資金が十分でなければ、何らかの方法で資金調達を行い乗り切らなくてはなりません。
しかしファクタリングは「支払期日前の売掛債権をファクタリング会社が買取り現金化する資金調達方法」であり、売掛債権の早期現金化を実現できます。
つまりファクタリングを利用すれば、売掛金支払日までの資金繰りに関する農業特有の悩みを解消することが可能となるのです。
金融機関からの融資は最も一般的な資金調達方法と言えます。
しかし融資の審査では現在の経営状況だけでなく将来性も見られることが多く、返済能力を含めた様々なハードルをクリアしなくてはなりません。
現実問題として融資の審査通過は、収入が安定しにくい農業にとって容易なことではないでしょう。
しかしファクタリングの審査では売掛先の信用力が何より重要となり、経営が安定していなかったり赤字経営であったりしたとしても、売掛先次第で審査通過が可能となります。
もし融資が利用できるとしても、審査を通過して実際に現金を手にするまでには数週間から長ければ2ヶ月程度が必要となります。
またビジネスローンのような短期間で融資が受けられる商品も存在はしていますが、金利の高さなどから使いやすいとは言えません。
対してファクタリングは、最短であれば即日での売掛債権現金化も可能です。
大きなトラブルが起きない限りは1週間以内に資金調達を完了できる可能性が高く、緊急で現金が必要なシチュエーションでも頼りになります。
ファクタリングで売却した債権は、原則的に売却後に売掛先が倒産したとしても責任を問われたり支払いを求められたりすることがありません。
このような契約を「ノンリコース(償還請求権なし)」と呼び、売掛先の倒産というリスクを回避するのに役立ちます。
ただし必ずしもノンリコースであるとは言い切れず、一部の銀行系ファクタリング会社などではウィズリコース(償還請求権あり)での契約もあり得ますので、契約内容をよくご確認ください。
ファクタリングは農業の資金繰りに大きなメリット与えてくれる資金調達方法です。
しかし直接的に資金繰りへの恩恵があるだけでなく、決算書の改善や企業間の関係悪化を防ぐ効果も得られます。
また農業の方に少し気をつけていただきたいポイントも存在しますので、併せてご紹介させていただきます。
ファクタリングは融資とは大きく違う資金調達方法です。
最大の違いとも言えるのは資金調達に利用しても負債を増やすことがないという点です。
売掛債権の売却による資金調達方法であることから当然ではありますが、負債を増やさないことで貸借対照表への悪影響がなく、上手く活用することができれば貸借対照表から資産と負債を減らす「オフバランス化」の効果も期待できます。
オフバランス化を進めることによって、自己資本率などが向上し決算書の内容も良くなります。
融資がおりにくい農業ですが、決算書の内容が改善されれば金融機関からの評価も高まり、融資が受けやすくなるなど恩恵は決して小さくはありません。
そもそもファクタリングは金融庁のサイトにも「事業者の資金調達の一手段」と記載されており、利用することに引け目を感じる必要はありません。
それでもファクタリングを利用することが売掛先や同業者に知られた場合、資金繰りが上手くいっていないのかと勘ぐられないかと不安を感じていらっしゃるのであれば、「2社間ファクタリング」の利用をおすすめします。
2社間ファクタリングでは、売掛先に対してファクタリング会社へ債権が譲渡されたことを通知しません。
ですから債権売却の事実を売掛先が知る可能性はほとんどないのです。
融資による資金調達には利息の支払いが必要になるように、ファクタリングによる売掛債権現金化には手数料が必要です。
これは仕方のないことですが、ファクタリングには手数料を制限する法律がないという点には注意が必要です。
融資の場合の利息制限法のような法律がないことから、高額な手数料を提示されても違法とは簡単には言い切れません。
手数料が納得できる額でなければ契約するべきではありませんし、判断に迷う場合には複数のファクタリング会社に買取を申込み、手数料を比較してみるのも良い方法です。
法人化されているのであれば問題はありませんが、個人事業主として農業を営んでおられるのであれば、利用を検討しているファクタリング会社が個人事業主を利用対象に含めているかの確認が必要です。
一部ではありますが、利用対象を法人に限定している場所があり、そのような場所に個人事業主の方が申込んでも時間と労力を浪費するだけになりかねません。サイトをチェックし「個人事業主利用可」などと書いてある場所を選ぶことをおすすめします。
農業は自然の影響を受けやすく収入が不安定になりやすいことから、融資なども利用しにくく資金調達の選択肢は多くないと言われます。
しかしファクタリングであれば審査通過も難しくはなく、さらに売掛債権の支払サイトに関する問題解消や素早い資金調達の実現などのメリットを得ることができます。
ファクタリングは農業に向いている資金調達方法であり、資金繰りに苦労されている農業経営者様の大きな助けとなるはずです。
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