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ファクタリングコラム
2024年6月12日
目次
ファクタリングも手形割引も売掛債権の早期回収によって資金調達を行う仕組みです。
しかし、2つのファクタリングと手形割引の資金調達方法は大きな違いがあるため、理解した上で資金調達をするようにしましょう。
ここでは、ファクタリングと手形割引の違いについて分かりやすく解説します。
売掛債権の早期回収を目的とする「ファクタリング」と「手形割引」は仕組みが異なります。
まずは、ファクタリングと手形割引の違いをご紹介します。
ファクタリングは、売掛金をファクタリング会社に譲渡することで資金調達をする方法です。
ファクタリング会社が、売掛債権を譲受する代わりに資金を調達してくれます。借入ではないため、返済義務は生じません。
その一方で、手形割引とは、手形を担保にした金融機関による融資のことをいいます。
担保を設定して融資を受ける仕組みであるため、万が一取引先が倒産して不渡手形となった場合は返済義務が生じます。
ファクタリングの審査基準は、取引先の支払能力です。
融資審査のような申請者の返済能力は、審査項目に含まれません。
一般的に面談が必要にはなりますが、電話・郵送の連絡だけで資金調達が行えるファクタリング会社もあります。
このような会社は、審査期間も短く、当日の資金調達もできるため、緊急で資金を用意しなければいけないときに役立ちます。
その一方で、手形割引は、金融機関による審査を受けなければいけません。
手形割引では主に申請者の返済能力(決算状況・税金納付状況・債務超過の有無など)が審査されるため、3日程度の審査期間を要します。
そのため、緊急時の資金調達には不向きです。
ファクタリングは、借入ではありません。
貸借対照表上の売掛金が減少して、未収入金を計上することになります。
そのため、貸借対照表上の借入金は増加しません。
その一方で、手形割引は融資のため、貸借対照表上の借入金が増加します。
借入金が超過すると、他の金融機関からの借入が難しくなるので注意してください。
そのため、健全な決算書を好む方は手形割引ではなくファクタリングを活用することをおすすめします。
ファクタリングは、売掛債権の譲渡で借入ではないため、返済義務が生じません。
そのため、貸借対照表上の借入金も増加しないと説明しました。また、当日の資金調達も可能です。
とても便利な仕組みですが、手数料が割高に設定されており売掛債権の相場10%~30%を支払わなければいけません。
その一方で、手形割引は融資です。
金融機関は厳しい審査をして融資するため、手形割引の手数料は平均3%~5%と低く設定されています。
ファクタリングと手形割引の4つの違いを説明してきましたが、それぞれの特徴をおさらいしておきましょう。
売掛債権をファクタリング会社に譲渡することをいいます。
借入ではなくて、売掛債権を譲渡するだけなので、支払期日を待たずに資金調達することができます。
手形を担保にして、金融機関から融資を受けることをいいます。
手形を担保にした融資のため、手形額面の融資が受けられるわけではありません。
また、取引先が倒産した場合は、返済義務が生じます。
ここではファクタリングのメリットとして3点挙げます。1つ目はスムーズに現金化できることです。金融機関から融資を受けようとすると、非常に多くの書類を提出したうえでかなりの時間待たなければなりません。ファクタリングであれば最短で即日に現金を手に入れることができます。
2つ目は返金リスクがないことです。ファクタリングは融資を受けるのではなく売掛債権をファクタリング会社へ売却するものであるため、未回収リスクはファクタリング会社が負います。万が一取引先が倒産するなどして未回収に陥っても、依頼者がその分を弁済する必要はありません。
3つ目は会社の信用情報に影響を与えないことです。金融機関から融資を受けると負債が増えることになり財政状況に影響がありますが、ファクタリングは融資ではないことから貸借対照表上では借入金にはなりません。
ここではファクタリングのデメリットとして2点挙げます。1つ目は手数料が必要なことです。ファクタリングを契約する際には基本手数料、振込手数料、事務手数料。債権譲渡登記費用などがかかります。手数料率は先にも触れたようにファクタリングの契約形態に応じて1%から30%ほどまでの手数料がかかり、手数料が割高な2社間ファクタリングでは資金調達方法の中でもかなり高いほうです。
2つ目は利用範囲が売掛債権の範囲内に限られることです。ファクタリングは売掛債権を現金化するものであるため、調達できる額は売掛金額を超えることはできません。また所定の手数料が差し引かれるため売掛金額と同額の資金を満額で入手することはできません。
ここでは手形割引のメリットとして3点挙げます。1つ目は手形の期日を待たずに早期に現金を調達できることです。商取引の代金決済方法としてよく使われている約束手形では、支払いサイトが長いものでは3ヶ月から4ヶ月かかることもありますが、手形割引では長くても1週間ほどで現金化できます。
2つ目はファクタリングと比べると手数料が安いことです。ファクタリングでは高いものでは手数料が30%かかることもありますが、手形割引では貸金法で金利の上限が20%までに制限されておりそれを超えることはありません。
3つ目は審査に通りやすいことです。手形割引の審査では依頼人の信用性よりも振出人の信用性を重視するため、依頼人の会社の財政状況が悪くても審査に通る可能性は高いと言えます。
ここでは手形割引のデメリットとして3点挙げます。1つ目はファクタリングにも共通するデメリットですが、手形割引を利用する場合では取引の際に割引手数料が発生することです。支払期日まで待てば手形の満額を受け取れるところ、手形割引を利用すると割引手数料を差し引かれた金額しか受け取れません。しかしながら割引手数料は他の資金調達方法に比べると安価に設定されています。
2つ目は不渡りのリスクがあることです。手形割引には償還請求権があり、手形が不渡りになったら依頼者が買い戻さねばなりません。3つ目は手形の額面を分割しにくいことです。例えば100万円の手形を持っていて50万円の資金調達が必要になった場合でも分割はできず、100万円全額を現金化しなければなりません。ただし振出人の同意が得られれば分割できる場合もあります。
今回は、ファクタリングと手形割引の違いについて説明をしました。
ファクタリングの方が手数料は高くなりますが、売掛債権を譲渡して資金調達ができるので、取引先に万が一のことがあっても、返済義務が生じません。
ファクタリング会社によって異なりますが、電話や郵送で申し込みが行えます。
また、決算書上では売掛金は減少しますが、借入金が増加するわけではないため、その他の融資審査に響くこともありません。
そのため、ファクタリングと手形割引の違いを良く把握した上で、適切な資金調達方法を考えてみてください。
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